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Trademark Appeal Case

用途表示の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2017−14774(T2017−14774/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「家庭の感染対策」の文字を標準文字で表してなり、第3類及び第5類に属する別掲1のとおりの商品を指定商品として、平成28年9月1日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由(要点)

原査定は、「本願商標の構成中、『家庭』の文字は『夫婦・親子など家族が一緒に生活する集まり。』の意味を、『感染』の文字は『病原体が体内に侵入すること。また、病気がうつること。』の意味を、『対策』の文字は『相手の態度や事件の状況に応じてとる方策。』の意味を有する語であるから、本願商標は全体として、『家庭内で病気がうつることを防ぐための方策』程の意味合いを容易に理解させる。そして、該文字は、本願指定商品を取り扱う業界においては、商品の宣伝・広告等を表現するものとして、一般的に使用されている実情があるため、本願商標をその指定商品に使用しても、顧客の吸引、販売促進等のための宣伝広告を表示したものと理解させるにすぎず、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審における審尋

当審において、平成30年8月7日付け審尋により、「本願商標は、その指定商品中、第3類及び第5類に属する別掲2のとおりの商品との関係においては、商品の用途を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものといわざるを得ないから、商標法第3条第1項第3号に該当する」旨を開示し、期間を指定して、これに対する回答を求めた。

4 審尋に対する請求人の回答(要旨)

請求人は、上記3の審尋に対し、平成30年9月10日付けで、以下を要旨とする回答書を提出した。

(1)本願商標は、抽象的な意味合いしか有さず、本願の指定商品の品質や用途を直接的に表す表現とはいえない。「家族が生活する所」の感染の対策をするといっても、具体的にどのような用途を意味しているのかは全く判然としない。本願商標は、通常は文章中の一部でしか使用されない「家庭の感染対策」との印象的なフレーズを単体で取り出して、商標として採用することで、本願の指定商品の品質を暗示させつつ、出所識別機能を発揮させることを意図した商標であり、かかる表現が、商品の品質や用途を直接的に表すものでないことは明らかである。

(2)別掲3で挙げられたウェブサイト中には「家庭の感染対策」、「家庭用」、「家庭」の文字も一切表されていない。また、当該ウェブサイトに掲載の商品は、家庭だけではなく、職場や学校等でも使用できるものである。そのため、これらのウェブサイトは、単に様々な場所で使用できる感染予防の効果を持つ商品が存在することを示すものにすぎず、本願商標が、本願の指定商品の品質、用途を表すことの論拠には全くなり得ない。

(3)よって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものではない。

5 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第3号該当性について

本願商標は、上記1のとおり、「家庭」の文字と「感染対策」の文字とを格助詞「の」で連結した「家庭の感染対策」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「家庭」の文字は、「夫婦・親子など家族が一緒に生活する集まり。また、家族が生活する所。」の意味を有する語(「広辞苑第六版」から引用。)として親しまれているものであることから、全体として「家庭における感染対策」程度の意味合いを容易に理解させるものである。

そして、本願の指定商品を取り扱う業界において、別掲3のとおり、「家庭において使用する感染対策用の商品」が販売されている事実が認められることから、これをその指定商品中、第3類及び第5類に属する別掲2のとおりの商品について使用しても、これに接する取引者、需要者は、家庭における感染対策用の商品であると理解、認識するにすぎない。

そうすると、本願商標は、その指定商品中、第3類及び第5類に属する別掲2のとおりの指定商品との関係においては、商品の用途を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものといわざるを得ない。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。

(2)請求人の主張について

請求人は、別掲3で挙げられたウェブサイト中には「家庭の感染対策」等の文字は一切表されていない旨主張するが、本願商標は、上記(1)のとおり、その構成文字から、全体として「家庭における感染対策」程度の意味合いを容易に理解させるものであり、また、別掲3のとおり、本願の指定商品を取り扱う業界において、「家庭において使用する感染対策用の商品」が販売されていることからすれば、「家庭の感染対策」の文字が、本願の指定商品を取り扱う分野において、取引上普通に使用されていないとしても、本願商標をその指定商品中、第3類及び第5類に属する別掲2のとおりの商品に使用したときには、これに接する需要者、取引者は、「家庭における感染対策用の商品」という商品の用途を理解するにとどまり、自他商品の識別標識としては認識し得ないと判断するのが相当である。

また、請求人は、別掲3で挙げられたウェブサイトは、単に様々な場所で使用できる感染予防の効果を持つ商品が存在することを示すものにすぎない旨主張するが、別掲3に示す事実は、本願の指定商品を取り扱う分野において、家庭において使用することを第一の目的として販売されている感染対策用の商品が存在することを示すものであるから、本願商標は、需要者、取引者に「家庭における感染対策用の商品」という商品の用途を理解させるにとどまるといえるものである。

したがって、請求人の上記主張はいずれも採用することはできない。

(3)まとめ

以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、登録することができない。

なお、原査定は、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するとして、本願を拒絶したものであるが、本願商標は、上記のとおり自他商品の識別標識としての機能を有しないとするものであるから、この当審の認定、判断の内容は、原査定と実質的に相違するものではない。

よって、結論のとおり審決する。

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