Trademark Appeal Case
Hybridの品質表示性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2018−900213(T2018−900213/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本件商標
本件登録第6041904号商標(以下「本件商標」という。)は、「Hybrid」の欧文字を標準文字で表してなり、平成28年2月29日に登録出願、第11類に属する別掲に記載のとおりの商品を指定商品として、同30年3月29日に登録査定され、同年5月11日に設定登録されたものである。
第2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第41号証を提出した。
(理由の要点)
本件商標は「Hybrid」の文字を標準文宇で表してなるところ、「Hybrid(ハイブリッド)」の語は、「雑種の、混血の、混成の、混種の」といった意味であり、本件商標の指定商品の分野で、同語が複数(異種)の機能・方式を併せ持った、あるいは複数の材料を混ぜ合わせたものを表す品質表示として使用されている実情がある。
そうすれば、本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者は、その商品が「複数(異種)の機能・方式を併せ持った、あるいは複数の材料を混ぜ合わせたもの」であることを認識するにとどまり、本件商標は、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示したにすぎないものと認められる。
また、「Hybrid(ハイブリッド)」ほど一般化した品質表示語は、取引に際し必要適切な表示として、何人もその使用を欲するものであり、特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当ではない。
したがって、本件商標は、「複数(異種)の機能・方式を併せ持った、あるいは複数の材料を混ぜ合わせたことを特徴とする商品」については商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあることから同法第4条第1項第16号に該当する。
第3 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本件商標は、「Hybrid」の欧文字からなるところ、該文字は、「雑種の、混血の、混成の混種、異種のものを組み合わせたもの。」等(甲2、甲3)の意味を有する語として一般によく知られている語である。
ところで、申立人が提出した証拠(甲5〜甲32)は、いずれも「ハイブリッド」の文字が表示され、例えば「光ハイブリッド浄水器(活性炭フィルターとUV(紫外線)のダブル効果による不純物の除去)」(甲5)、「小型ハイブリッドフィルター(不織布と活性炭、中空糸膜で構成されたフィルター)」(甲6)、「ハイブリッド活性炭フィルター」(甲7)、「高性能ハイブリッドフィルター」(甲10)、「ハイブリッド濾材」(甲13)、「ハイブリッド浄水装置(「光触媒」「オゾン」「紫外線」の3つの力で分解除去・・・)」(甲19)、「ハイブリッド水処理装置(「マイクロバブル」と「凝集」を組み合わせた)」(甲21)、「ハイブリッド処理」(甲28)及び「Hybrid Tap(立水栓とコンセントが一体化)」(甲30)等の表示がみられるが、どれも表示がまちまちで「Hybrid(ハイブリッド)」の文字からは、上記のとおり「異種のものを組み合わせたもの」程の意味合いは看取されるかも知れないが、どのような材料や機能を組み合わせたものか特定することができないから、これらの証拠より「Hybrid」や「ハイブリッド」の文字のみで商品の特定の品質を表示しているものと認めることができないというのが相当である。
そうすれば、本件商標は、これをその指定商品に使用した場合、取引者、需要者は、特定の品質等の意味合いを看取し得ないものと認識し、把握するとみるのが相当であって、自他商品の識別力を有しないものということはできない。
そして、本件商標は、これをその指定商品中のいずれの商品に使用したとしても、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるということもできない。
したがって、本件商標を商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当しない。
2 申立人の主張について
(1)申立人は、「『Hybrid(ハイブリッド)』は、もはや一般的な品質表示として使用される語である。このような状況において、例えば、『水道用配管部品』に『Hybrid』の語が使用されれば、これに接した需要者は、『複数(異種)の機能・方式・原料等を混成させたことを特徴とする商品』、例えば、『異種の材料を混成させて製造した水道用配管部品』や『複数の機能を併せ持つ水道用配管部品』であると一般に認識すると考えるのが自然である。このような商標が商標法第3条第1項第3号に該当することは・・・明らかである。」旨を主張している。
しかしながら、上記1のとおり、「Hybrid」や「ハイブリッド」の文字は、「雑種の、混血の、混成の混種」の意味を有する語であり、たとえ、該文字より「異種のものを組み合わせたもの」程の意味合いを理解、認識させることがあるとしても、具体的にどのような異なるものを組み合わせたものであるか特定できないし、本件商標の指定商品を取り扱う業界において、申立人が主張するような、具体的な商品の品質を表示するものとして使用されている事実もない。
したがって、本件商標は、取引者、需要者が特定の品質を認識するものではない。
(2)申立人は、「『Hybrid(ハイブリッド)』ほど一般化した品質表示語は、取引に際し必要適切な表示として、何人もその使用を欲するものであり、特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当ではない。このような商標も商標法第3条第1項第3号に該当することは・・・明らかである。」旨を主張している。
しかしながら、上記1のとおり、本件商標は、具体的な商品の品質を表示するものでないから、本件商標の指定商品の取引に際して必要な独占不適応な表示とはいえないものである。
よって、申立人の上記主張は、いずれも採用することができない。
3 まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第3号及び同第16号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきでものである。
よって、結論のとおり決定する。
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