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Trademark Appeal Case

記述的語の結合識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2017−19558(T2017−19558/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「スーパースピルリナEX」の文字を標準文字で表してなり、第5類「薬剤,サプリメント,食餌療法用飲料,食餌療法用食品」を指定商品として、平成28年11月7日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、『スーパースピルリナEX』の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、『スーパー』の文字部分は、『より優れた』を意味する語であり、本願の指定商品を取り扱う業界においても、商品に含有されている成分の品質が優れていることを誇示するために、『スーパー+成分名』のように広く採択、使用されているものである。また、本願商標の構成中、『スピルリナ』の文字部分は、『藍藻類の1』を意味する語であって、スピルリナがタンパク質やミネラルを豊富に含むため、それを含有したサプリメント等が広く一般に販売されている実情があり、『EX』の文字部分は、欧文字二文字の一類型であって、商品の品番、種別、略称等を表す記号、符号として、商取引上、類型的に使用されているものといえる。そうすると、本願商標をその指定商品中、例えば、『より優れたスピルリナを含有する薬剤,より優れたスピルリナを含有するサプリメント』等、より優れたスピルリナを含有する商品について使用しても、これに接する取引者、需要者は、それが『その商品に付された品番、種別等が「EX」である、より優れたスピルリナを含有するもの』であることを理解、認識するにとどまり、自他商品の識別標識とは認識し得ないと判断するのが相当であるから、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標といわざるを得ない。したがって、本願商標は、本願の指定商品中、例えば、『より優れたスピルリナを含有する薬剤,より優れたスピルリナを含有するサプリメント』等、より優れたスピルリナを含有する商品について使用するときは、商標法第3条第1項第6号に該当し、上記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審においてした証拠調べ

審判長は、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、別掲に示すとおりの事実を発見したので、平成30年6月27日付けで、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対し、上記証拠調べの結果を通知し、相当の期間を指定して、意見を申し立てる機会を与えた。

4 証拠調べ通知に対する請求人の意見の要旨

請求人は、前記3の証拠調べ通知に対し、要旨以下のとおり、意見を申し立てた。

(1)請求人は、審判請求書において、「スピルリナ」という標章をサプリメント類の商品パッケージに使用した場合のA社商品と、当該文字を「スーパー」と「EX」で挟んだ「スーパースピルリナEX」という標章を同類の商品パッケージに使用した場合のB社商品との間で、上位下位概念が発現するか否か、という問題を提起し、A社商品が、そのまま成分名である場合には、B社(他社)商品との関連において、上位、下位の認識をしないのではないか、という可能性を示した。

他方、証拠調べ通知における発見事実は、あくまでも、同一社による既存、従来品との関連において、上位の商品であることを「スーパー」の文字が含有していることを示唆するにとどまり、A社及びB社のような他社間の商品における上位、下位には言及していない例である。

したがって、商標の識別力、すなわち、自他商品を区別するための指標の有無を論ずるには、適当な例ではない。

(2)証拠調べ通知に記載されたいずれの例も、既存、従来品があり、これに「スーパー」又は「EX」等のローマ字を付したというものである。

他方、本願商標は、「スーパー」及び「EX」の両方を付したものであるから、仮に、本願商標に係る「スーパースピルリナEX」と同市場で別会社による「スピルリナ」の商品が販売されていた場合には、むしろ、「スーパー」と「EX」を前後に付した本願商標には、識別力が備わっていると認定するべきである。

また、商標法第3条第1項第5号に係る特許庁の審査基準によれば、ローマ字の1字又は2字については、識別力がないとしているが、ローマ字の3字は、例えば、「ABC」「AAA」等のように、識別力が全くない各単語であっても識別力を認めている。それと同じように、本願を構成する「スーパー」「スピルリナ」「EX」は、それぞれ識別力が低くても、ローマ字の3字と同じように、3つが組み合わされて、識別力が認められると考える。

(3)以上によれば、本願商標は、商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当するものではない。

5 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第6号該当性について

本願商標は、前記1のとおり、「スーパースピルリナEX」の文字を標準文字で表してなるものであるところ、その構成中、「スピルリナ」の文字は、「アフリカや中南米に生息する藍藻類の一。高栄養で消化吸収率のよい栄養補助食品として利用される。」(「大辞林第三版」(株式会社三省堂発行)から引用。)を意味する語であるところ、そのような藍藻類の一つであるスピルリナは、原審の拒絶理由通知における別掲(2)ないし(4)として示した例のように、本願の指定商品中の「サプリメント」との関係においては、商品の原材料として一般に使用されているものである。

また、商品「サプリメント」を取り扱う業界においては、別掲1のとおり、主たる原材料に他の原材料を追加配合して効能を高めるなどした商品について、その主たる原材料を表す文字に「スーパー」の文字を冠して、「スーパー○○」(「○○」の部分は、主たる原材料名。)の文字からなる表示を商品名として採択、使用することが少なからずある。

さらに、上記業界においては、別掲2のとおり、自己の製造、販売に係る各種商品のうち、一連の商品群(シリーズ)を構成するものについて、その商品の管理又は取引の便宜性等の事情から、商品群(シリーズ)を表す共通の文字に欧文字の1字ないし2字からなる表示をその商品群(シリーズ)に係る符号等として付加することにより、その商品群(シリーズ)に属する個別の商品ごとに分類するといったことが広く行われている。

そうすると、「スーパースピルリナEX」の文字からなる本願商標をその指定商品中の「サプリメント」に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、当該文字の構成中、「スーパースピルリナ」の文字部分から、その使用に係る商品が、主たる原材料であるスピルリナに他の原材料を追加配合して効能を高めるなどした商品であることを看取、把握しつつ、「EX」の文字部分については、そのような商品に係る分類上の符号等として付加されたものと看取、把握する場合も少なくないとみるのが相当である。

してみれば、本願商標は、その指定商品中の「サプリメント」との関係においては、その構成全体をもって、「主たる原材料であるスピルリナに他の原材料を追加配合して効能を高めるなどした商品のうち、『EX』として分類されるもの」ほどの意味合いを想起させるにとどまり、取引者、需要者をして、商品の原材料、品質や種類等を記述的に表したものと認識されるにすぎないものというべきである。

したがって、本願商標は、その指定商品中の「スピルリナを主原料とするサプリメント」に使用するときは、商品の原材料、品質や種類等を記述的に表したものにすぎず、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものであって、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標であるから、商標法第3条第1項第6号に該当する。

(2)請求人の主張について

請求人は、本願商標について、「スーパー」の文字及び「EX」の文字で「スピルリナ」の文字を挟むことにより、当該「スピルリナ」の文字を単なる成分表示ではなく、その構成全体をもって、一連一体で不可分の造語としており、仮に、その構成中の「EX」の文字が分離されるとしても、それ以外の「スーパースピルリナ」の文字は一体的に把握されるべきであるし、また、当該「スーパー」、「スピルリナ」及び「EX」の各文字が、いずれも識別力が低いものであるとしても、商標法第3条第1項第5号に係る特許庁の審査基準によれば、それらが組み合わされることにより識別力が認められるべきである旨主張する。

しかしながら、本願商標は、上記(1)のとおり、本願の指定商品中の「サプリメント」との関係においては、その構成中の「スーパースピルリナ」の文字部分が「主たる原材料であるスピルリナに他の原材料を追加配合して効能を高めるなどした商品」であることを表したものとして看取、把握されるといえるものであるし、その構成全体によっても、商品の原材料、品質や種類等を記述的に表したものと認識されるにすぎないものであるから、そのいずれによっても、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものである。

なお、請求人が主張する特許庁の審査基準は商標法第3条第1項第5号に係るものであるから、これを同項第6号該当性の判断をする本件に当てはめることは、必ずしも適切とはいえないし、そもそも、登録出願に係る商標が同項第6号に該当するか否かは、当該商標に係る査定時又は審決時において、当該商標の構成態様及び指定商品に基づき、当該商標が使用される商品に係る取引の実情等を考慮し、個別具体的に判断されるべきものであるところ、本願商標が、その指定商品中の「サプリメント」との関係においては、その構成全体をもって、商品の原材料、品質や種類等を記述的に表したものと認識されるにすぎず、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものであること、上記のとおりである。

したがって、上記請求人による主張は、いずれも採用することができない。

(3)まとめ

以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものであるから、登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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