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Trademark Appeal Case

形状商標の使用による識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2018−9531(T2018−9531/J1)
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は,登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は,別掲のとおりの構成からなり,第14類「指輪」を指定商品とし,平成28年1月28日に登録出願された商願2016−95597に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願にて,同29年3月17日に立体商標として登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は,「本願商標は,『5個の球状図形を横一列に配してなる指輪』の立体的形状からなるものと容易に認識させるものであって,単に商品の形状を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから,商標法第3条第1項第3号に該当する。また,提出された証拠によっては,本願商標は同法第3条第2項の要件を具備するものとは認められない。」旨認定し,本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第3号該当性について

本願商標は,別掲のとおり,環状の上部に横長直方体を接し,その上に5個の均等な球体を横一列に配置した立体的形状からなるものである。

そして,本願指定商品である「指輪」は,指にはめて飾りとする貴金属製の輪であって,宝石などをはめ込むことが一般的に行われていることからすれば,本願商標の構成態様及び指定商品からは,看者をして直ちに「5個の均等な球状の宝石などを横一列に配した指輪」の立体的形状を表したものと認識させるものとみるのが自然である。

そうすると,本願商標をその指定商品に使用するときは,これに接する取引者,需要者が,5個の均等な球状の宝石などを横一列に配した形状は,商品の美観をより発揮させるために施されたものと認識するものであって,全体としてみれば,指輪の立体的形状を表したものと認識するというのが相当であり,自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものといわなければならない。

したがって,本願商標は,単に商品の形状を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というべきものであって,商標法第3条第1項第3号に該当すると判断するのが相当である。

(2)商標法第3条第2項該当性について

ア 請求人提出の証拠(当審において提出された第1号証ないし第90号証(枝番号を含む。)は第117号証ないし第206号証に読み替える。),同人の主張及び職権調査(インターネット情報など)によれば,次の事実を認めることができる。

(ア)請求人は,本願商標と同一と認められる形状の指輪(balance signature ring。以下「請求人商品」という。)を2010年(平成22年)4月に販売を開始し,以後現在まで継続して販売している(第117号証の1,第162号証,職権調査)。

(イ)請求人商品は,北海道,宮城,東京,愛知,大阪,広島,福岡など我が国の主要都市に所在する直営店又は百貨店,及び請求人のオンラインショップなどで販売され,平成22年の販売開始から平成28年7月頃までの間に,我が国において累計2,424個,総額6.9億円販売された(第117号証の1,第123号証,職権調査)。

(ウ)請求人商品について,平成22年4月頃から平成30年9月頃まで,多種の雑誌に130回以上その広告又は紹介記事が掲載された(第57号証ないし71号証,第73号証ないし74号証,第76号証ないし79号証,第82号証ないし91号証,第117号証の1,第162号証)。

(エ)請求人商品について,東京都中央区銀座におけるビル壁面広告,及び東京都銀座駅,神戸市元町駅,大阪府西梅田駅・本町駅における屋外広告(電照看板等)が長期間掲示された(第117号証の1)。

(オ)請求人は,上記(ウ)及び(エ)の広告のほか,同人のウェブページ,ダイレクトメール,及び各種イベントなどを通じ,請求人商品の広告を行っている(第117号証,第162号証)。

イ 上記アのとおり,本願商標と同一と認められる形状の指輪(請求人商品)は,請求人により,平成22年の販売開始当初から現在に至るまで,雑誌における多数の広告をはじめ,各種媒体を通じて宣伝広告され,かつ相当の数・額が全国的に販売されていることからすれば,請求人商品は,需要者が請求人の業務に係る商品であることを認識することができるに至っているものと判断するのが相当である。

そうすると,請求人商品と同一と認められる立体的形状からなる本願商標は,その指定商品について使用をされた結果,請求人の業務に係る商品であることを認識することができるものであって,商標法第3条第2項の要件を具備するものというべきである。

(3)まとめ

以上のとおり,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当するものの,同条第2項の規定により商標登録を受けることができるものであるから,原査定は,取消しを免れない。

その他,本願について拒絶の理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。

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