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Trademark Appeal Case

欧文字と漢字の称呼類似性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2018−11617(T2018−11617/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第7類「塗装機械器具,高圧洗浄機(家庭用高圧洗浄機を除く),風水力機械器具,エアーコンプレッサー,化学機械器具,業務用攪はん混合機,かくはん機(化学機械器具),金属加工機械器具,研磨機」を指定商品として、平成29年5月1日に登録出願されたものである。

2 引用商標

原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第2615410号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、昭和59年11月7日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿に記載されたとおりの商品を指定商品として、平成6年1月31日に設定登録され、その後、指定商品については、同17年8月17日に第6類、第7類、第8類、第9類、第11類、第12類、第15類、第16類、第17類、第19類、第20類、第21類、第26類及び第28類に属する商標登録原簿に記載されたとおりの商品を指定商品とする書換登録がなされ、また、同26年5月13日に第6類、第7類、第8類、第9類、第11類、第16類、第19類、第20類、第21類及び第26類に属する別掲3に記載のとおりの指定商品について、商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断

(1)本願商標と引用商標との類否について

本願商標は、別掲1のとおり、「i」の点を赤色、その他を青色で彩色し、構成各文字の一部分に丸みを持たせる等のデザインを施した「SEiWA」の欧文字を、横書きしてなるものであるところ、その欧文字は、各種のレタリング文字が広く使用されている現状にあっては、「SEiWA」の欧文字を表したものと無理なく理解されるものである。

また、「SEiWA」の欧文字は、辞書類に載録された成語とは認められないから、特定の語義を有しない一種の造語として理解されるものである。

そして、欧文字からなる造語の場合は、我が国で一般に普及したローマ字又は英語の読みに倣って称呼されるものであるから、本願商標は、ローマ字の読みに倣って「セイワ」の称呼を生じるものである。

したがって、本願商標は、「セイワ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。

他方、引用商標は、別掲2のとおり、「誠和」の文字を、文字間に約1文字分のスペースを設けて書してなるところ、該文字は、辞書類に載録された成語とは認められないから、特定の語義を有しない一種の造語として理解されるものである。

したがって、引用商標は、その構成文字に相応して、「セイワ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。

そこで、本願商標と引用商標とを比較するに、本願商標と引用商標とは、外観においては、文字の種類が欧文字と漢字とで異なり、また、文字のデザイン化の有無の差異を有するものであるが、わが国において、商号又はその一部を表記する場合も含め、日常の様々な場面で文字種を変更し、また、文字をデザイン化して使用することは、ごく一般的であって、同一語の欧文字及び漢字表記は、それらにデザインを施したものも含めて、併用されることが普通に見られる事情を考慮すると、一種の造語として理解される両商標は、その文字種が異なる関係であるにすぎないものであって、外観上、いずれかの外観が他方のそれに比して両者が別異の商品であることを認識せしめるほどの特段の強い印象を与えるものであるとはいえない。

次に、称呼においては、共に「セイワ」の称呼を生じるから、称呼上、同一である。

さらに、観念においては、いずれも特定の観念を生じないから、観念上、比較することができないものであるが、特定の観念を有しない文字商標においては、観念において商標を記憶できず、称呼において記憶し、これを頼りに取引にあたることも決して少なくないというのが相当である。

以上によれば、本願商標と引用商標とは、観念において比較できないとしても、両者の外観の違いから生じる識別力は微弱であって、取引上必要な役割を果たす称呼を共通にするものであるから、その外観及び称呼によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合し、かつ、上記の取引の実情を考慮すると、両商標は、商品の出所について誤認混同を生じさせるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。

(2)本願の指定商品と引用商標の指定商品の類否

本願の指定商品中の「塗装機械器具,高圧洗浄機(家庭用高圧洗浄機を除く),化学機械器具,業務用攪はん混合機,かくはん機(化学機械器具)」と、引用商標の指定商品中の「金属製の吹付け塗装用ブース,塗装機械器具,吹付け塗装用ブース(金属製のものを除く。),鉱山機械器具,金属製人工魚礁,漁業用機械器具,人工魚礁(金属製のものを除く。),化学機械器具,オゾン発生,電解槽,乾燥装置,換熱器,蒸煮装置,蒸発装置,蒸留装置,熱交換器,繊維機械器具,組みひも機(手持ち工具に当たるものに限る。),漁網製作用杼,メリヤス機械用編針,食料加工用又は飲料加工用の機械器,牛乳殺菌機,乗物用洗浄機,業務用攪はん混合機,業務用皮むき機,業務用食器洗浄機,業務用切さい機,業務用加熱調理機械器具,業務用食器乾燥機,業務用電気式ワックス磨き機,業務用電気掃除機」とは、同一又は類似する商品である。

(3)小活

以上によれば、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、本願の指定商品と引用商標の指定商品が同一又は類似の商品であるといえるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。

(4)請求人の主張について

ア 請求人は、請求人と引用商標の権利者とは、その事業内容が異なり、また、請求人は、「塗装機」の分野においては国内有数の企業であって、本願商標は、この分野における取引者、需要者に請求人の商標であると認識されていることから、本願商標と引用商標とは非類似と判断されるべき旨を主張する。

しかしながら、商標の類否判断に当たり考慮することのできる取引の実情とは、その指定商品全般についての一般的、恒常的な取引の実情を指すものであって、単にその商標が現在使用されている商品についてのみの特殊的、限定的な取引の実情を指すものではないと解するのが相当である。

そして、本願の指定商品には、「塗装機」に該当する商品以外の商品も含まれるところ、請求人主張の権利者との事業内容の違いや、「塗装機」の分野における取引者、需要者の認識は、本願の指定商品全般についての一般的、恒常的な取引の実情に当たるものではないから、これを考慮することは許されないし、仮に考慮したとしても、本願商標の外観、称呼及び観念については上記したとおりであり、それらが、本願の指定商品全般について本願商標に接する一般の取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して考察すれば、両商標は、商品の出所について誤認混同を生じさせるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。

イ 請求人は、「セイワ」の称呼に相当する漢字が多数あり、また、「セイワ」の称呼を生じる商号がありふれている状況であることから、本願商標の外観は、商標の類否判断において他の要素よりも重視されるべき旨を主張する。

しかしながら、仮に、「セイワ」の称呼に相当する漢字が多数あり、「セイワ」の称呼を生じる商号がありふれている状況であるとしても、本願商標と引用商標の類否については、上記(3)のとおりであり、商号又はその一部を表記する場合において、欧文字及び漢字表記が、デザイン化されたものも含めて併用されることが普通に見られる事情を考慮すると、本願商標と引用商標は、同一語をその文字種を変えて表記したにすぎないと理解されるものであって、両者の外観の違いから生じる識別力は微弱であるというのが相当である。

さらに、特定の観念を有しない文字商標においては、観念において商標を記憶できず、称呼において記憶し、これを頼りに取引にあたることも決して少なくないことをも考慮すれば、取引上必要な役割を果たす称呼を共通にする両商標は、類似の商標と判断するのが相当である。

よって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。

(5)まとめ

以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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