Trademark Appeal Case
守護鈴の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2017−15240(T2017−15240/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は,「守護鈴」の漢字を標準文字により表してなり,第21類「ガラス基礎製品(建築用のものを除く。),ガラス製又は陶磁製の包装用容器,台所用品(「ガス湯沸かし器・加熱器・調理台・流し台」を除く。),ろうそく消し,ろうそく立て,お守り,おみくじ,香炉」を指定商品として,平成28年5月17日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由(要点)
原査定は,「本願商標は,『まもること。』の意味を有する『守護』の文字と,『主として金属製で球形の鳴物。』の意味を有する『鈴』の文字とを一連に組み合わせてなる『守護鈴』の文字を,標準文字で書してなるところ,本願の指定商品中『お守り』を取り扱う分野においては,鈴の形状のものが複数の神社・仏閣で販売されており,それらの中には『守護鈴』と称しているものも見受けられる。そうとすると,本願商標は,これをその指定商品中『鈴状のお守り』に使用するときは,単にその商品の品質,形状を普通に用いられる方法で表示するものと認める。したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当し,前記商品以外の『お守り』に使用するときは,商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから,同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定,判断し,本願を拒絶したものである。
3 当審における審尋
当審において,請求人に対し,平成30年8月14日付けで,別掲1ないし3のとおりの事実を示した上で,本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当する旨の審尋を発し,相当の期間を指定して,これに対する意見を求めた。
4 審尋に対する請求人の意見の要点
「守護札」,「守護符」及び「守護矢」は,実際の取引において使用されている名称であり,商品の名称として定着したものであって,「守護鈴」とは明らかに事案・実情が異なるものである。これらの使用例をもって本願商標が商品の品質を表示するにすぎないと結論付けるのは,実際の取引実情が反映されておらず,客観性が欠けている。
お守りは,我が国の長い宗教文化に関わるものであり,何をどう称するか既に定着した商品分野であるといえ,甲5〜7,12,14〜17から,「鈴のお守り」や「鈴の付いたお守り」の名称は,「守護鈴」ではなく,「鈴守(り)」であることは明らかである。
審尋における使用例として,ヤフオク(Yahoo!JAPANが提供するインターネットオークションサービス)のウェブサイトで出品者が掲載しているページにおいて「守護鈴」の語が使用され,写真に掲載されている鈴に「守護鈴」のタグが付されている例があるが,富士山の登頂時にもらったと思しきこの鈴が「御守護鈴」と記載されたり「お守りの鈴」と記載されたり(甲28)と,同じ場所で販売又は配布されるお守りの鈴に付されるタグが異なる名前であるという点が不自然であり,かつ,ヤフオクのウェブサイトは,個人が自由に出品物の紹介をし,出品物の写真を撮って掲載する取引形態であり,このような形態における使用は,取引の実情を反映しているとは到底いい難いため,当該使用例は,「守護鈴」が「鈴のお守り」や「鈴の付いたお守り」を表示すると決定付ける客観的根拠にはなり得ない。
本願商標である「守護鈴」の文字は,漠然と「まもること」や「警護」に関わる「鈴」程度のイメージを想起させるにすぎない造語であって,何ら特定の意味合いを直接的に表示することはない。
請求人は1250年もの歴史をもつ宗教法人であり,妙見宗の総本山として,お守りや祈祷等宗教文化に深く通じているから,当該商品分野を深く理解している。請求人は,「守護鈴」は「鈴のお守り」を直接的に示す表示ではないとの認識の下,本願商標を登録出願し,自らの商品を示す標識として本願商標を使用している(甲20,21)。
(なお,平成29年12月1日付け手続補正書に添付された第1号証ないし第26号証は,甲第1号証ないし甲第26号証と,平成30年9月25日付け意見書に添付された第26号証ないし第27号証は,甲27号証ないし甲28号証と,同28年11月29日付け意見書に添付された第1号証ないし第23号証は,甲第29号証ないし甲51号証と読み替えた。)
5 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は,「守護鈴」の文字を標準文字で表してなるところ,その構成中の「守護」の語は,「まもること。警固。」(甲1)等の意味を有するものであり,「鈴」の語は,「主として金属製で球形の鳴物。」(甲2)の意味を有するものである。
そして,別掲1のとおり,本願商標の指定商品である「お守り」の分野においては,一般に「守護札」,「守護符」及び「守護矢」と称し,それぞれ,「守護」の文字と「札」,「符」及び「矢」の文字とを結合して,「お守りの効能のある札,符,矢」に使用されている。
また,「守護鈴」の文字に関しては,別掲3及び別掲4のとおり,「鈴のお守り」に使用されている例がある。
さらに,本願商標の指定商品である「お守り」の分野においては,請求人の提出する証拠(甲5,6,8,11〜17)並びに別掲2及び別掲4のとおり,「鈴のお守り」が複数の神社・仏閣で製造又は販売されている。
以上からすると,本願商標は,これに接する取引者,需要者をして,「守護」の文字と「鈴」の文字とを組み合わせたものと容易に認識され,「お守りの効能のある鈴」すなわち「鈴のお守り」程の意味合いを容易に認識させるものといえる。
そうすると,「守護鈴」を標準文字で表してなるにすぎない本願商標を,その指定商品中「お守り」に使用するときは,これに接する取引者,需要者は,その商品が「鈴のお守り」であることを認識,理解するにとどまるというべきであるから,本願商標は,商品の品質を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものと認められる。
したがって,本願商標は,その指定商品中「お守り」との関係においては,商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は,「守護鈴」の文字は,漠然と「まもること」や「警護」に関わる「鈴」程度のイメージを想起させるにすぎない造語であって,何ら特定の意味合いを直接的に表示することはない旨主張する。
しかしながら,前記(1)のとおり,本願商標は,その指定商品中「お守り」との関係においては,構成全体から「お守りの効能のある鈴」すなわち「鈴のお守り」程の意味合いを容易に認識させるものであるといえる。
イ 請求人は,お守りは,我が国の長い宗教文化に関わるものであり,何をどう称するか既に定着した商品分野であるといえ,実際の取引の場においては,例えば「交通安全御守」,「安産守」などと記されているから,一般に「○○○守(り)」,「○○○御守(り)」と称されるものであり,また,「鈴のお守り」や「鈴の付いたお守り」の名称は,「守護鈴」ではなく,「鈴守(り)」であることは明らかである旨,及び「守護札」,「守護符」及び「守護矢」は,実際の取引において使用されている名称であり,商品の名称として定着したものであって,「守護鈴」とは明らかに事案・実情が異なるものであるから,これらの使用例をもって本願商標が商品の品質を表示するにすぎないと結論付けるのは,実際の取引実情が反映されておらず,客観性が欠けている旨主張する。
しかしながら,たとえ,「鈴のお守り」や「鈴の付いたお守り」を「鈴守(り)」と称している例があるとしても,前記(1)のとおり,本願商標が,その指定商品中「お守り」との関係においては,構成全体から「お守りの効能のある鈴」すなわち「鈴のお守り」程の意味合いを容易に認識させるものである以上,上記認定を左右しない。
ウ 請求人は,自らの商品を示す標識として本願商標を使用しており,需要者は「守護鈴」の名前でもって出願人に係る商品と認識し,取引がなされているから,本願商標は,請求人の商品を識別する標識として実際に機能している旨主張する。
上記主張は,本願商標は,請求人が指定商品に使用してきた結果,使用により識別力を獲得している旨述べているものと解されるが,請求人が,「守護鈴」と称する鈴のお守りを販売している(甲20)ことは認められるが,提出された証拠によるも,本願商標の指定商品である「お守り」につき,使用により自他商品の識別力を獲得したなどの特段の事情があるものとは認められない。
したがって,本願商標は,商標法第3条第2項の要件を具備しない。
エ したがって,請求人の上記主張は,いずれも採用できない。
(3)まとめ
以上のとおり,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当し,かつ,同条第2項の要件を具備しないから,これを登録することができない。
よって,結論のとおり審決する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。