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Trademark Appeal Case

著名商標と略称の類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2018−900001(T2018−900001/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5986012号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第5986012号商標(以下「本件商標」という。)は,「DD&OO」の欧文字を横書きしてなり,平成29年4月26日に登録出願,第25類「被服,子供服,ズボン,新生児用被服,履物及び運動用特殊靴,運動靴及び運動用特殊靴,靴及び運動用特殊靴,ブーツ及び運動用特殊ブーツ,サンダル靴及びサンダルげた,雨靴,スリッパ,フットボール靴,サッカー靴,帽子,靴下,手袋,ネクタイ,ガードル,水泳着,レインコート」を指定商品として,同年9月20日に登録査定,同年10月6日に設定登録されたものである。

第2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が,商標法第4条第1項第15号に該当するとして引用する商標は,以下のとおりである。

1 申立人が引用する登録第1334898号商標(以下「引用商標1」という。)は,「DORE DORE」(4文字目と8文字目の「E」の文字の上には,アクサンテギュ記号が付されている。)の欧文字を横書きした構成からなり,昭和48年5月11日に登録出願,第17類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として,同53年5月15日に設定登録され,その後,指定商品については,平成21年3月25日に,第5類「失禁用おしめ」,第9類「事故防護用手袋,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,防火被服」,第10類「医療用手袋」,第16類「紙製幼児用おしめ」,第17類「絶縁手袋」,第21類「家事用手袋」及び第25類「被服」とする指定商品の書換登録がされたものである。さらに,同30年6月19日に指定商品を第25類とする,区分を減縮する商標権の存続期間の更新登録がなされ,現在有効に存続しているものである。

2 同じく,国際登録第750886号商標(以下「引用商標2」という。)は,別掲のとおりの構成からなり,2000年(平成12年)8月9日にFranceにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し,平成13年1月26日に登録出願,第25類「Clothing, underwear, hosiery.」を指定商品として,平成14年4月5日に日本国において設定登録され,現に有効に存続しているものである。

3 同じく,申立人が引用する標章は,「DORE DORE」(以下「引用商標3」という。)の欧文字及び「DD」(以下「引用商標4」という。)の欧文字を横書きした構成からなるものである。

なお,引用商標1ないし引用商標4をまとめていうときは,以下「引用商標」という。

第3 登録異議の申立ての理由

1 商標法第4条第1項第15号該当性について

(1)引用商標の著名性

「DORE DORE」は,「ドレドレ」と発音し,1819年創業のフランスの老舗靴下及びタイツのブランドである(甲3)。

我が国の需要者には,アクサンテギュ記号になじみのない者が少なくないので,引用商標3のように「DORE DORE」と表記することが多い。また,引用商標2の図形部分を,引用商標4のような「DD」の文字に置き換えて使用する場合がある。

我が国では,靴下,タイツ等を伊勢丹三越,ユナイテッドアローズ等の大手小売業者に販売しており(甲4),年間売上げは,2015年(平成27年)に6万7781ユーロ,2016年(平成28年)に7万6858ユーロ,2017年(平成29年)に5万3953ユーロである。

引用商標に係るブランドは,我が国において高い評価を得ており,引用商標を使用した商品は,オンラインによって,広く販売されている(甲3,5〜9)。

引用商標には,高品質,高級感等の信用が形成されており,本件商標の登録出願の時には既に,申立人の業務に係る商品である靴下及びタイツを表示するものとして,我が国においてはもちろんのこと,世界的に極めて高い信用が形成され著名に至っており,それは登録査定時においても継続していたということができる。

(2)本件商標と引用商標との類否

本件商標と引用商標とで共通する指定商品である「被服」の取引においては,取引者,需要者は,店頭販売,通信販売及びインターネットを介した販売において,商品の外観を見て購入するのが通常であり,その際に,商品,値札,カタログ等に付された商標の外観を見て商品の出所を識別して購入することが多いと考えられる。

引用商標1及び引用商標2の欧文字部分は,「DORE DORE」の欧文字を書してなるものであり,引用商標3は,「DORE DORE」の欧文字を書してなるものである。また,引用商標2の図形部分は,2つの「D」の文字を重ね合わせたもの,引用商標4は,「DD」の欧文字を書してなるものであって,商品を手に取った取引者・需要者は,「DORE DORE」の頭文字をとったものとして認識するというのが自然である。

そして,引用商標1ないし3は,いずれも,同じ単語の繰り返しよりなるという特徴があり,また,引用商標4は,該単語の頭文字をとったものであるから,外観に注目する取引者,需要者は,連続する「DD」,及び「D」に続く「O」の文字に強い印象を受けるものである。

他方,本件商標は,上記第1のとおり,「DD&OO」の欧文字を横書きしてなるものであり,引用商標の構成中,強い印象を与える「DD」の文字と,「OO」の文字を「&」で結合したものであるから,外観において,需要者が両商標を見誤るおそれがある。

以上のとおり,本件商標と引用商標は,看者に近似した印象を与え,相紛れるおそれが十分にあるものである。

(3)本件商標の指定商品と引用商標の使用に係る商品の関連性の程度

本件商標の指定商品は,引用商標が使用されている「被服,靴下,タイツ」を含むものであるから,これと同一又は類似の商品である。

(4)混同を生ずるおそれ

以上を総合勘案すると,本件商標を指定商品に使用した場合,これに接する取引者,需要者は,引用商標を使用している者を連想,想起し,該商品が同人又はこれと経済的・組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く,その商品の出所について混同を生ずるおそれがある。

よって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものというべきである。

2 結び

以上述べたとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当するものであるから,同法第43条の2第1号により,取り消されるべきものである。

第4 当審の判断

1 引用商標の周知著名性について

(1)証拠及び申立人の主張によれば,以下の事実を認めることができる。

ア 申立人が使用する「DORE DORE(ドレドレ)」は,1819年創業のフランスの老舗靴下及びタイツのブランドである(甲3,4)。

イ インターネットのウェブサイトにおいて,「DORE DORE」の欧文字の見出しとともに,申立人ブランドの紹介が記載され,引用商標2ないし4が表示されたタグが付された商品「靴下(ソックス),タイツ」の写真の掲載が認められる(甲3,5〜9)。

ウ 「日本の顧客」と題した売上リスト(甲4)によれば,申立人は,我が国では,靴下,タイツ等を伊勢丹三越,ユナイテッドアローズ等の大手小売業者に販売しており,年間売上げは,2015年(平成27年)に6万7781ユーロ(約881万円。130円/ユーロで換算。以下同じ。),2016年(平成28年)に7万6858ユーロ(約999万円),2017年(平成29年)に5万3953ユーロ(約701万円)である(甲4)。しかしながら,当該売上リストの記載内容を裏付ける具体的な証拠の提出はない。

(2)上記(1)によれば,日本国内において引用商標2ないし4,「DORE DORE」の欧文字又は「DD」の欧文字が,申立人の業務に係る商品「靴下(ソックス),タイツ」(以下「申立人使用商品」という。)に使用されている事実は認められるものの,「日本の顧客」と題した売上リスト(甲4)は記載内容を裏付ける具体的な証拠の提出はなく,その他,日本国内における引用商標に係る申立人使用商品の売上高,販売額,宣伝広告費,宣伝地域,市場占有率等を確認することはできない。

そうすると,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,引用商標は,申立人使用商品を表示するものとして日本国内における需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。

2 本件商標と引用商標の比較

(1)本件商標

本件商標は,「DD&OO」の文字を横書きした構成からなるものであるところ,その構成各文字は同じ書体,同じ大きさで一体的に表されており,これよりは「デイデイアンドオーオー」及び「デイデイオーオー」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。

(2)引用商標

ア 引用商標1は,「DORE DORE」の欧文字(4文字目と8文字目の「E」の文字の上には,アクサンテギュ記号が付されている。)からなり,当該構成文字に相応して「ドレドレ」の称呼が生じるものである。そして,「DORE」が「金色」の意味を有するフランス語であるとしても,我が国において一般に親しまれている語であるとまでは認め難いことから,引用商標1は,特定の観念を生じさせない造語として看取されるものである。

イ 引用商標2は,別掲のとおり,黒塗りの正方形中に白抜きで「D」と「D」の文字を組み合わせたモノグラム図形と「DORE DORE」の欧文字(4文字目と8文字目の「E」の文字の上には,アクサンテギュ記号が付されている。)を二段に配した構成からなるものであるところ,当該正方形及びモノグラム図形からは,直ちに特定の称呼や観念が生じるものではなく,及び当該欧文字部分からは,引用商標1と同じく,「ドレドレ」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。

ウ 引用商標3は,「DORE DORE」の欧文字を横書きしてなり,これよりは,引用商標1と同じく,「ドレドレ」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。

エ 引用商標4は,「DD」の欧文字を横書きしてなるものであるから,「デイデイ」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。

(3)本件商標と引用商標との類否

ア 本件商標と引用商標1,3及び4とを比較すると,両商標は,文字構成が顕著に異なるから,外観上,容易に区別し得るものといえる。

イ 本件商標と引用商標2とを比較すると,両商標は,図形部分の有無といった顕著な差異を有し,また,本件商標と引用商標2の文字部分を比較しても,上記アと同様に,外観上,相紛れるおそれはないものである。

ウ 本件商標の称呼「デイデイアンドオーオー」及び「デイデイオーオー」と引用商標の称呼「ドレドレ」又は「デイデイ」を対比してみると,全体の音構成及び構成音数が明らかに相違するから,称呼上,相紛れるおそれはないものである。

また,本件商標及び引用商標は共に特定の観念を生ずるものではないから,観念において比較することはできない。

そうすると,本件商標と引用商標とは,観念においては比較することができないとしても,外観及び称呼の点において明らかに相違するから,相紛れるおそれのない別異の商標である。

3 出所の混同のおそれについて

引用商標は,上記1のとおり,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,申立人の業務に係る商品を表すものとして,我が国の需要者の間に広く認識されていたものと認めることができない。

そして,本件商標と引用商標とは,上記2のとおり,相紛れるおそれのない,別異の商標である。

そうすると,本件商標の指定商品と引用商標に係る商品とが関連性を有し,引用商標が造語であり独創性の程度が高いとしても,引用商標が周知,著名ともいえず,本件商標とも相紛れるおそれのない非類似の商標であることを踏まえると,本件商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても,これに接する取引者,需要者が,引用商標を連想,想起するようなことはないというべきであり,当該商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく,その出所について混同を生ずるおそれはない。

したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当しない。

4 まとめ

以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものではないから,商標法第43条の3第4項の規定により,その登録を維持すべきものである。

よって,結論のとおり決定する。

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