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Trademark Appeal Case

称呼共通でも非類似の判断

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2019−930(T2019−930/J1)
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は,登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は,「JIN」の欧文字を標準文字で表してなり,第6類「鉄及び鋼」を指定商品として,平成30年4月6日に登録出願されたものである。

2 引用商標

原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして,本願の拒絶の理由に引用した登録第5525404号商標(以下「引用商標」という。)は,「GIN」の欧文字を標準文字で表してなり,平成24年4月20日に登録出願,第6類「鉄及び鋼,特殊鋼」を指定商品として,同年9月28日に設定登録され,現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断

(1)本願商標

本願商標は,「JIN」の欧文字を標準文字で表してなるところ,「JIN」の欧文字は,辞書類に載録された成語とは認められないから,特定の語義を有しない一種の造語として理解されるものである。

そして,欧文字3文字を羅列してなる造語の場合は,通常は,一文字一文字を区切って明確に発音されるというべきであるから,本願商標は,「ジェイアイエヌ」の称呼を生じるものである。

また,欧文字からなる造語の場合は,我が国で一般に普及したローマ字又は英語の読みに倣って称呼される場合もあるというべきであるから,本願商標は,ローマ字の読みに倣って「ジン」の称呼を生じる余地もあるといえるものである。

そうすると,本願商標は,「ジェイアイエヌ」又は「ジン」の称呼を生じるものであり,また,特定の観念を生じないものである。

(2)引用商標

引用商標は,「GIN」の欧文字を標準文字で表してなるところ,その構成文字と同一の欧文字からなる英単語の「gin」は,「ジン,オランダ原産の無色透明の蒸留酒,ライ麦を原料に,ジュニパー・ベリーで香りをつけたもの」等(「小学館ランダムハウス英和大辞典第2版」株式会社小学館)の意味を有する語として,辞書に載録されているものである。

そして,「ジン(gin)」の語が,「ライ麦等を原料とし,杜松の実で香味をつけた蒸留酒」の意味を有するものとして,「広辞苑第六版」(株式会社岩波書店)及び「コンサイスカタカナ語辞典第4版」(株式会社三省堂)にも載録されていることからすると,上記の英単語の「gin」は,我が国においてある程度知られているものと認められる。

そうすると,引用商標は,上記の英単語の「gin」に相応した「ジン」の称呼を生じ,「ジン,オランダ原産の無色透明の蒸留酒」の観念を生じるものである。

(3)本願商標と引用商標の類否

本願商標と引用商標の類否について検討するに,本願商標と引用商標とは,構成中の欧文字3文字中,語頭において「J」と「G」の差異を有するところ,3文字という短い文字構成における,印象に残りやすい先頭文字における差異は,視覚上,大きなものというべきであるから,本願商標と引用商標は外観上,判然と区別し得るものである。

次に,称呼においては,本願商標が,「ジン」の称呼を生じる場合には,両商標は,その称呼を共通にするものである。

さらに,観念においては,本願商標は,特定の観念を生じないものであるのに対し,引用商標は,「ジン,オランダ原産の無色透明の蒸留酒」の観念を生じるものであるから,両者は,観念上,相紛れることはないものである。

してみれば,本願商標と引用商標とは,共通の称呼を生じる場合があるとしても,外観においては,判然と区別し得るものであり,観念においても,相紛れることはないものであるから,これらを総合して全体的に考察すれば,商品の出所について混同を生ずるおそれのない非類似の商標というのが相当である。

(4)まとめ

以上のとおり,両商標は非類似の商標であるから,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は,取消しを免れない。

その他,本願について拒絶の理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。

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