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Trademark Appeal Case

品質用途表示の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2018−2779(T2018−2779/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は,成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は,「ふきとりコットン」の文字を標準文字で表してなり,第21類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として,平成27年5月13日に登録出願されたものである。

そして,願書記載の指定商品については,平成28年5月23日付けの手続補正書により,「コットン製パフ,化粧用コットン製パフ,化粧用綿製パフ,顔用の化粧用綿製パフ,綿製の使い捨て化粧用パフ」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

本願商標は,「ふきとりコットン」とひらがな文字と片仮名文字で表示してなるところ,「ふきとる」の文字(語)が「ふき‐と・る【拭き取る】布・紙などで拭いてよごれをとり去る。」の意味を有するものであり,「コットン」の文字(語)が「コットン【cotton】木綿(もめん)。綿布。綿糸。」等の意味を有するものであるところ,全体として「拭いてよごれをとるコットン(木綿(もめん))」程度の意味合いを容易に認識し得るものである。また,スキンケアとしてコットンが拭き取り用として使用されていること,コットンに化粧水を含ませて拭き取り用として使用されていること,拭き取り用コットン,拭き取り用コットンクロス及び拭き取り用コットンパフが販売されていることが認められる。また,「ふきとりコットン」,「ふき取りコットン」及び「拭き取りコットン」の文字(語)が,化粧品を取り扱う業界において,「拭いてよごれをとるコットン」程度の意味合いで使用されていることが認められる。そうすると,「ふきとりコットン」の文字からなる本願商標は,これをその指定商品に使用するときは,これに接する取引者,需要者は,該文字を「拭いてよごれをとるためのコットン製商品」であることを表示したもの,すなわち商品の品質,用途を表示したものと認識するにすぎず,自他商品識別標識として機能しないものである。

したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当する。

3 当審の判断

(1)本願商標の商標法第3条第1項第3号該当性について

ア 本願商標は,上記1のとおり,「ふきとりコットン」の文字を標準文字で表してなり,その指定商品は「コットン製パフ,化粧用コットン製パフ,化粧用綿製パフ,顔用の化粧用綿製パフ,綿製の使い捨て化粧用パフ」である。

イ 本願商標の構成中,「ふきとり」の文字は,「ふき‐と・る【拭き取る】布・紙などで拭いてよごれをとり去る。」の意味を有する「ふきとる」の語の連用形,あるいは連用形が名詞化したもの(平成30年8月24日付け刊行物等提出書甲第1号証)であるところ,本願指定商品との関係においては,別掲1のとおり,「ふきとる(拭き取る)」という用途を表す語として,多数使用されている。また,「コットン」の文字は,「コットン【cotton】木綿(もめん)。綿布。綿糸。」の意味を有する語であるが,本願指定商品との関係においては,別掲2のとおり,化粧用具の一である「コットン製パフ」を表す語として使用されている実情がある。さらに,別掲3のとおり,本願指定商品との関係においては,「ふきとり」を用途とする「コットン製パフ」であることを表す語として「ふきと(取)りコットン」の語が使用されている例がある。

ウ そうすると,本願商標は,これをその指定商品に使用するときは,取引者,需要者をして,「拭き取り用コットン製パフ」であることを容易に認識,理解させるというのが相当であるから,単に商品の品質,用途を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標に該当する。

したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当する。

(2)請求人の主張に対して

ア 請求人は,「ふきとり」の文字は,「ふきとる」という動詞の連用形であって,名詞を修飾する働きを有していないため,本願指定商品との関係において,「拭いてよごれをとるコットン」の意を直接的に表示する語となるためには,「ふきとり」の語に「用」という語を加え,「ふきとり用コットン」という表示にする必要があるから,本願商標である「ふきとりコットン」の文字は,本来であれば日本語として誤った用法にて二つの語が結合しており,品質・用途等を直接的に表示していないため,本願商標は,出願人が創作した自他商品識別力を有する造語である旨主張する。

しかしながら,上記(1)イのとおり,本願指定商品との関係においては,本願商標からは,「ふきとり用コットン製パフ」を容易に認識させるというべきである。

イ 請求人は,従来から存在する日本語と,「ふきとり」又は「コットン」との結合語が登録されており,特に「ふきとり美容」について商標登録がなされていることからみても,本願商標「ふきとりコットン」は,「ふきとり美容」同様,誤った日本語の用法により構成された出願人が創作した造語であり,品質・用途等を直接的に想起することはできない旨主張する。

しかしながら,登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かの判断は,当該商標登録出願の査定時又は審決時において,当該商標の構成態様と指定商品の取引の実情等に基づいて,個別具体的に判断されるべきものであるから,他の登録例の存在によって,上記判断が左右されるものではない。

ウ したがって,請求人の主張は,いずれも採用することができない。

(3)本願商標の商標法第3条第2項該当性について

請求人は,本願商標を付した「コットン製パフ」(以下「請求人商品」という。)は,「マツモトキヨシ」のようなドラッグストアを始めとして,コンビニエンスストア,スーパー,百貨店など,販売業態は制限されず,広く全国の小売店舗で販売されており,請求人商品の取扱店舗は,2016年4月には約1万2千店舗,また,2017年12年現在は約1万4千店舗であるから,出願人が使用する本願商標は業務上の信用が化体している商標である旨主張する。

しかしながら,平成30年4月1日付け手続補足書における甲第1号証により請求人商品の販売は確認できるとしても,提出された資料からは,請求人商品の取扱店舗の形態及び取扱店舗数を確認することができず,生産数量,使用期間及び使用地域は不明である。また,請求人商品に関する広告宣伝の方法,期間,地域及び規模についても不明である。

加えて,別掲3のとおり,本願指定商品との関係においては,「ふきとり」を用途とする「コットン製パフ」であることを表す語として「ふきとりコットン」の語が他人によっても使用されている例がある。

以上より,本願商標は,請求人商品「コットン製パフ」に使用された結果,需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することが至ったものとは認められない。

したがって,本願商標は,商標法第3条第2項の要件を具備しない。

(4)まとめ

以上のとおり,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当し,かつ,同条第2項の要件を具備しないから,これを登録することはできない。

よって,結論のとおり審決する。

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