Trademark Appeal Case
「WE」の記号・符号性と識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2017−650090(T2017−650090/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本願商標
本願商標は,「WE」の欧文字を表してなり,第9類,第12類,第37類,第38類及び第39類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として,2015年3月10日にGermanyにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し,2015年(平成27年)9月9日に国際商標登録出願され,その後,本願の指定商品及び指定役務については,原審における平成29年3月17日付け手続補正書及び当審における2018年(平成30年)6月14日付けで国際登録簿に記録された取消しの通報があった結果,最終的に,第9類,第12類,第37類,第38類及び第39類に属する別掲のとおりの商品及び役務となったものである。
第2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は,「本願商標『WE』は,その指定商品及び指定役務の型番等を表示するための記号,符号の一類型を表したものであって,これに接する取引者,需要者をして,極めて簡単で,かつ,ありふれた標章のみからなる商標と認識されるにとどまり,自他商品役務の出所識別標識としての機能を果たし得ないものである。したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第5号に該当する。」旨認定,判断し,本願を拒絶したものである。
第3 当審の判断
1 商標法第3条第1項第5号について
本願商標は,前記1のとおり,「WE」の欧文字を,普通に用いられる書体により表してなるところ,一般に,欧文字の2文字は,商品及び役務の提供に際し,商品の品番,型番,種別,形式,規格等を表した記号又は符号(以下「商品等の記号又は符合」という。)の一類型として,取引上普通に採択・使用されているのが実情である。
そして,原審で示した使用例に加え,「WE」の欧文字の2文字が,本願商標の指定商品及び指定役務を取り扱う業界並びにそれ以外の業界においても,商品等に一般的に使用されている事実が,以下のインターネット情報からもうかがえる。
(1)本願商標の指定商品及び指定役務の分野における,「WE」の文字の使用について
ア 株式会社MonotaRO(ものたろう)のウェブサイトにおいて,「MAZDA(マツダ) ラベル チルト キャブ(WE)」の見出しの下,「品番」の項に「WE」の文字が使用されている。
(https://www.monotaro.com/g/00676841/?t.q=WE )
イ 株式会社MonotaRO(ものたろう)のウェブサイトにおいて,「MAZDA(マツダ) モーターワイパー(WE)」の見出しの下,「品番」の項に「WE」の文字が使用されている。
(https://www.monotaro.com/g/00814470/?t.q=WE )
ウ 株式会社MonotaRO(ものたろう)のウェブサイトにおいて,「YAMAHA ホルダ 2WE−17524−00」の見出しの下,「品番」の項に「WE」の文字が使用されている。
(https://www.monotaro.com/g/02482454/?t.q=WE )
エ 株式会社MonotaRO(ものたろう)のウェブサイトにおいて,「FTDI USB−RS485−WE−1800BT」の見出しの下,「品番」の項に「WE」の文字が使用されている。
(https://www.monotaro.com/g/02087256/?t.q=WE )
オ 株式会社MonotaRO(ものたろう)のウェブサイトにおいて,「カシオ計算機デジタルカメラ EXILIM EX−ZR3200」の見出しの下,「品番」の項に「WE」の文字が使用されている。
(https://www.monotaro.com/g/02894270/?t.q=WE )
(2)本願の指定商品及び指定役務以外の分野における,「WE」の文字の使用について
ア amazonのウェブサイトにおいて,「AZUMAYA コーヒーテーブル キャラバン 幅130cm WE−323BR」の見出しの下,「パターン(種類):」の項において「型番」として「WE」の文字が使用されている。
(https://www.amazon.co.jp/dp/B01N4PJIC1 )
イ amazonのウェブサイトにおいて,「SOFT99(ソフト99)Myボデーペン 300ml 特注色&ボデーペンクリアー お買い得セット FORD(フォード)(純正色番号 WE:LT OPAL MET )カラーペイントオーダースプレー 送料無料」の見出しの下,「●カラーナンバー:WE」との記載がある。
(https://www.amazon.co.jp/dp/B07DKV3KZB )
ウ 株式会社ミスミグループ本社のウェブサイトにおいて,「自重形温度センサ WEシリーズ(型番リスト)」の見出しの下,「型番リスト」の項に「WE」の文字が使用されている。
(https://jp.misumi−ec.com/vona2/detail/223006842232/?Tab=codeList )
エ 日本エイ・ヴィー・シー株式会社のウェブサイトにおいて,「品番表記変更のお知らせ」の見出しの下,「ゴムワッシャ品番変更詳細」の頁に,「EPDM製(標準仕様)」の項において「WE」の文字が使用されている。
(http://www.ip68.jp/technicalguide/pdf/131101_hinbanhennko_01.pdf )
オ 株式会社MonotaRO(ものたろう)のウェブサイトにおいて,「廣杉計器 スペーサー(ジュラコンスペーサー) BS−2000WEシリーズ(M=2 ピッチ0.4)」の見出しの下,「品番」の項に「WE」の文字が使用されている。
(https://www.monotaro.com/g/01213183/?t.q=WE)
以上の「WE」の文字の使用例よりすれば,「WE」の文字は,商品等の記号又は符号として普通に使用されているものである。
そうすると,本願商標は,これをその指定商品及び指定役務に使用しても,これに接する取引者,需要者は,商品及び役務の提供において用いられる商品等の記号又は符合の一類型を表示したものと理解するにとどまり,自他商品役務の識別標識とは認識し得ないものというべきであるから,これは,極めて簡単で,かつ,ありふれた標章のみからなる商標というのが相当である。
したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第5号に該当する。
2 請求人の主張について
ア 本願商標は「W」と「E」のアルファベット2文字から構成されるところ,「WE」は,「我々は(が),私たち(が)」を意味するものとして,中学1年生で学ぶ英単語であるから,我が国における英語の普及の程度からすれば,極めてよく親しまれている英単語として看取,認識されるものであって,商品等の記号又は符合をあらわしたものとして,取引者や需要者に把握,認識されるとはいい難い旨主張し,参考資料1,参考資料2,甲第1号証ないし甲第3号証を提出している。
しかしながら,請求人が提出した資料は,いずれも「we」の英単語の意味を記載した辞書やインターネットの記事であり,当該英単語が知られているとしても,請求人は,「WE」の欧文字の2文字からなる標章を,これ単独で,自己の商標として独占的に使用とするものであるから,本願商標に接した需要者が,本願商標を,必ずしも英単語「we」とのみ認識するとはいえない。
そして,上記1のとおり,本願商標を構成する「WE」の文字が,商品等の記号又は符合として使用されている事実があることからすれば,本願商標は,一般的に商品等の記号又は符合の一類型として使用され得る,極めて簡単で,かつ,ありふれた標章のみからなる商標というのが相当であるから,請求人の主張は採用することができない。
イ 請求人は,過去の登録例をあげ,本願商標は指定商品・役務との関係において自他商品の識別標識としての機能を十分に果たし得るものである旨主張する。
しかしながら,出願された商標が,商標法第3条第1項第5号に該当するか否かは,査定時又は審決時において,当該商標の構成態様と指定商品及び指定役務との関係や商品及び役務の取引の実情をも踏まえて,個別具体的に判断されるものであるから,請求人の挙げた商標登録の例が存在することをもって,本願商標の上記判断が左右されるものではない。
よって,請求人の上記ア及びイの主張は,いずれも採用できない。
3 まとめ
以上のとおり,本願商標は,商標法第3条第1項第5号に該当し,登録することができない。
よって,結論のとおり審決する。
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