結論テキスト
本願商標は、登録すべきものとする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 不服2017−11837(T2017−11837/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本願商標は、別掲(1)のとおりの構成からなり、第5類「貼付剤」を指定商品として、平成27年4月1日に位置商標として登録出願されたものである。
原査定は、「商品の包装等においては、美観を発揮させるため、又は需要者の注意をひく目的等で、商品の出所を表示するための識別標識以外の装飾的な種々の文字、図形及び色彩が使用されている実情がある。そして、本願商標を構成する横帯状図形を組み合わせた図形が、ある程度の特徴を有していたとしても、商品のパッケージとして美感をより優れたものにしたり、機能をより効果的に発揮させたりするなどの目的で同種商品が一般的に採用し得る範囲内のものであって、商品のパッケージデザインとして予測し難いような特異な図形や特別な印象を与える装飾的図形であるということはできない。そうすると、本願商標を構成する図形を、本願商標のとおりの位置に特定して、その指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、単に美感を発揮する等のために装飾、模様等が施された商品の包装の一形態を表示するにすぎないものと認識するにとどまり、本願商標は、何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものである。また、本願商標のみが独立して自他商品の識別標識として機能しているとは判断し難いこと、本願商標についての需要者の認識を客観的に把握することができないことを併せ考えると、出願人による本願商標を使用した商品の販売実績や宣伝広告の状況を考慮したとしても、本願商標が使用をされた結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるに至っていると認めることはできない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
(1)本願商標について
本願商標は、別掲(1)のとおり、青色、黄色、白色及び緑色の波線帯状図形の左上隅に赤色の三角形を配してなる図形(以下「波線帯状図形」という。)からなる位置商標であって、別掲(2)のとおり、「商標の詳細な説明」として、「商標登録を受けようとする商標は、貼付剤の包装用箱の一面の正面視左上角に付された赤色の三角形図形と、上辺から中央部やや下方にかけて付された、青色と黄色の略横帯状図形と、白色、緑色、青色の波形図形と、グラデーションを施した緑色の図形とを組み合わせた図形からなる。」旨記載され、第5類「貼付剤」を指定商品とするものである。
ところで、本願商標は、貼付剤の包装箱の正面上部に付される波線帯状図形からなるものであるところ、商品「薬剤(「貼付剤」を含む。)」においては、その商品の美観を発揮させるためや需要者の関心をひくなどといった目的のため、その商品の包装箱に様々な図形や色彩を装飾的に付すことが一般に広く行われている実情がある。
そこで、本願商標である貼付剤の包装箱の正面上部に付された波線帯状図形が何人かの業務に係る商品であることを認識することができる商標であるか否かを、以下のとおり、検討し、判断する。
(2)本願商標の使用状況について
請求人の主張及び同人が提出した甲各号証並びに職権調査によれば、以下のとおりである。
ア 請求人及び請求人商品について
請求人は、1847年(弘化4年)に創業以来、貼付剤を始めとする医薬品、医療補助品、医療用具、化粧品等の製造販売事業を展開している製薬会社である。
請求人は、1934年(昭和9年)に、貼付剤「サロンパス」を販売し、現在では世界各国で販売され、2017年(平成29年)5月に、「Salonpas」は、鎮痛消炎貼付剤市場における販売シェア世界No.1ブランド(以下「サロンパスブランド」という。)の地位を獲得した(甲34)。
イ 本願商標の使用について
(ア)使用開始時期及び使用期間について
請求人は、2015年2月に、貼付剤「サロンパス」(以下「サロンパス」という。)の包装箱の正面上部に本願商標の使用を開始し、それ以降4年以上の期間、本願商標を使用している(甲35〜甲38)。
(イ)使用地域について
サロンパスは、日本全国のドラッグストア及びそのオンラインストアにおいて販売されている(甲40〜甲42)。
(ウ)広告宣伝について
サロンパスに係る広告宣伝は、日本全国において、テレビ、新聞、雑誌、ラッピングバス及びウェブサイトにおいてされている(甲43〜甲55)。
(エ)販売シェア及び生産数等について
請求人の主張によれば、サロンパスブランドの商品の売上高は、2016年6月から2017年5月までの1年間で、約66億円であり、同期の市場占有率は、約41%である。
(オ)その他
当審においてした職権調査によっては、商品「薬剤(「貼付剤」を含む。)」について、本願商標と類似する標章を請求人以外の者が使用している事実は発見できなかった。
(3)判断
上記(2)によれば、本願商標は、商品「貼付剤」に4年以上の期間、請求人により、継続して包装箱の正面上部に付されて使用されており、また、テレビCM、新聞等をはじめ、各種媒体を通じて宣伝広告され、かつ、全国的に販売され、一定程度の売上、市場占有率を有することがうかがえることからすれば、相当程度、需要者の間に広く知られたものとなっていることが認められるものであるから、これを位置商標として、その指定商品「貼付剤」に使用した場合、その商品の需要者をして、本願商標は、請求人の業務に係る商品の出所識別標識として認識されるに至っているということができる。
そうすると、本願商標は、これをその指定商品に使用しても、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標とはいえないものである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当しない。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当しないものであるから、これを理由として本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
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