Trademark Appeal Case
称呼・外観の類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2017−900246(T2017−900246/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本件商標
本件登録第5946392号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1に示すとおりの構成よりなり、平成28年9月8日に登録出願、第14類、第18類、第25類及び第35類に属する別掲2に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同29年4月24日に登録査定、同年5月12日に設定登録されたものである。
第2 引用商標
登録異議申立人ら(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由において引用する標章は、以下の4件であり、いずれも現に有効に存続しているものである(以下、これら4件の商標をまとめて「引用商標」という場合がある。)。
1 登録第3250166号商標(以下「引用商標1」という。)は、「BLAHNIK」の欧文字を書してなり、平成5年7月27日に登録出願、第25類に属する別掲3に記載のとおりの商品を指定商品として、同9年1月31日に設定登録されたものである。
2 登録第5066264号商標(以下「引用商標2」という。)は、「BLAHNIK」の欧文字を標準文字で表してなり、平成19年1月10日に登録出願、第16類に属する別掲4に記載のとおりの商品を指定商品として、同年7月27日に設定登録されたものである。
3 登録第4730250号商標(以下「引用商標3」という。)は、「BLAHNIK」の欧文字を標準文字で表してなり、平成14年10月29日に登録出願、第18類、第25類及び第35類に属する別掲5に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同15年11月28日に設定登録されたものである。
4 登録第1542181号商標(以下「引用商標4」という。)は、「MANOLO BLAHNIK」の欧文字を書してなり、昭和54年7月2日に登録出願、第22類に属する商標登録原簿記載の商品を指定商品として、同57年9月30日に設定登録され、その後、平成14年11月27日に第6類、第14類、第18類、第21類、第22類、第25類及び第26類に属する別掲6に記載のとおりの商品を指定商品とする書換登録がされたものである。
第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同項第11号及び同項第15号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第85号証を提出した。
1 商標法第4条第1項第11号について
(1)本件商標について
本件商標は、黒色の長方形の内部に、B・L・M・Kの欧文字をモノグラム化した図形と欧文字「BLAMINK」とを白抜きで表してなり、その構成中の欧文字部分より「ブラミンク」の称呼を生じる。
(2)引用商標について
引用商標1ないし3は、「BLAHNIK」の欧文字を横書きしてなり、当該欧文字より「ブラーニク」の称呼を生じる。また、引用商標4は、「MANOLO BLAHNIK」の欧文字を横書きしてなり、当該欧文字より「マノロブラーニク」の称呼を生じ、かつ、それは「BLAHNIK」の略称で親しまれていることから、「BLAHNIK」のみを要部観察され「ブラーニク」の称呼も生じる。
(3)本件商標と引用商標との対比
本件商標から生じる称呼「ブラミンク」と引用商標から生じる称呼「ブラーニク」とは、称呼上、最も重要な地位を占める語頭音及び第2音「ブラ」と語尾音「ク」とが共通する。そして、第3音及び第4音「ミン」と「ーニ」との差異を有するものの、これらの音は前後の音に吸収され、称呼上影響の少ない中間音であり、これらの差異が称呼全体に及ぼす影響は少なく、聞き誤るおそれがある。したがって、本件商標と引用商標とは、称呼上、類似する商標である。
また、これらの外観を比較するに、本件商標の構成中「BLAMINK」の欧文字と引用商標の構成中「BLAHNIK」の欧文字とは、欧文字7文字から構成されている点で共通し、かつ、その構成中の語頭から第3文字目の「BLA」と語尾の「K」の位置が一致している。そして、両者は、第4文字目から第6文字目までの欧文字「MIN」と「HNI」とにおいて差異があるものの、これらの部分を比較すると、「M」と「H」の差異を除いて、「I」「N」の構成文字が共通する。したがって、本件商標と引用商標とは、構成文字数が同一である上に、さらに構成文字のうち「B」「L」「A」「I」「N」「K」が共通するので、外観上、類似の商標である。
以上を考察すると、本件商標と引用商標とは、称呼、外観において明らかに類似するため、互いに類似する商標である。
(4)本件商標に係る指定商品及び指定役務と引用商標に係る指定商品は、同一、類似である(甲1〜甲5)。
(5)小括
本件商標は、引用商標と類似する商標であり、その指定商品及び指定役務も類似するから、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
2 商標法第4条第1項第10号及び同項第15号について
(1)引用商標の周知、著名性
ア 引用商標の概要
引用商標は、申立人に係る商品「靴」について長年使用した結果、周知、著名性を獲得するに至っている。「MANOLO BLAHNIK」は、イギリス発の靴のグローバルブランドであり、同名のデザイナーによって1972年に設立された高価格帯のブランドで、「靴のロールス・ロイス」や「靴の王様」などの呼び名でも知られている。
従来、「MANOLO BLAHNIK」は、富裕層の顧客を中心として世界各国に展開しており、ダイアナ妃やカイリー・ミノーグ、マドンナなどが履いたことでも有名である。
近年では、1998年から2004年にかけて放送され、日本でも大ヒットしたアメリカの大人気連続テレビドラマシリーズ「Sex and The City」の影響で富裕層のみならず、一般層においても広く知られている。このドラマのエピソードにおいて、「MANOLO BLAHNIK」が題材となったことにより、「MANOLO BLAHNIK」が世界的に有名になっている(甲12〜甲17)。
また、GoogleやYAHOOなどの検索サイト及び楽天市場やAmazonなどのショッピングサイトにおいて、「BLAHNIK」の語を検索すると、「MANOLO BLAHNIK」以外の検索結果は抽出されないから、「BLAHNIK」の語が「MANOLO BLAHNIK」の略称として浸透していることが分かる(甲18〜甲21)。
イ 日本における店舗展開
申立人は、日本においては、その所有する商標「MANOLO BLAHNIK」を代理店であるブルーベル・ジャパン株式会社を通じて販売し、使用しており、現在、GINZA SIX店、伊勢丹新宿店、松屋銀座店、阪急梅田店の4店舗に展開している(甲22、甲23)。この点については、インターネットニュース等で話題になったこともあり、ファッションに係る分野においては、広く浸透していることがわかる(甲24〜甲30)。
ウ 日本における販売展開
申立人に係る商品は、代理店を通じた販売のみならず、セレクトショップや各種インターネット店舗においても販売されている。これにより、日本において、「MANOLO BLAHNIK」に係る商品は、広く流通されていることがわかる(甲31〜甲43)。
エ 日本におけるWEB広告展開
申立人に係る商品は、YouTubeのような動画投稿サイトやTwitter、Facebook、Instagram等のSNSサイトにおいて公式ページを設立して、積極的にWEB広告を行っている。これにより、日本において、「MANOLO BLAHNIK」に係る商品は、広く流通されており、また、イギリス発祥の靴のブランドとして広く浸透していることがわかる(甲44〜甲48)。
オ 日本における取引について
申立人に係る商品の日本における売上インボイスの写し(甲49〜甲53)から察するに、申立人に係る商品は、少なくとも1998年7月には、日本において、流通していることがわかる。これにより、日本において、「MANOLO BLAHNIK」に係る商品が、広く取引され、流通していることがわかる。
カ 日本のファッション雑誌における紹介記事
申立人に係る商品は、申立人による広告のみならず、日本で発行されるファッション雑誌の記事の紹介によっても取引者、需要者に認知されるに至っている。「Vogue」、「STORY」等の26を越えるファッション雑誌に、申立人に係る商品が掲載されている。これにより、「MANOLO BLAHNIK」が取引者、需要者の間で広く認識されていることがわかる(甲54)。
キ 海外における認知度について
引用商標は、長年、申立人の業務に係る商品「靴」について使用した結果、日本のみならず海外においても、周知、著名性を獲得するに至っている。
英語版のフリー百科辞典における「MANOLO BLAHNIK」の紹介ページの説明によれば、高級靴とハンドバッグのブランドとしてよく知られており、世界中のファッション・メディアで著名であり、業界において大きな影響力を持っていることがわかる(甲55)。
現に「MANOLO BLAHNIK」ブランドは、1987年以降現在に至るまで、英国、米国、スペイン等の各国において、様々なファッション分野における賞を受賞している(甲56)。
また、「MANOLO BLAHNIK」は、その長年の実績から、様々なメディアにおいて、その成功事例を取り上げられており、書籍においては、8冊を越える出版がなされている(甲57)。2008年には、上述のテレビドラマシリーズの劇場映画において、「MANOLO BLAHNIK」の靴が題材となっている。当該映画は、全世界で262,606,383米ドルの売上実績があり、日本だけでも16,692,762米ドルの売上実績を占めるほどの人気を博している(甲58)。なお、2017年には、「MANOLO BLAHNIK」のドキュメンタリー映画が公開(日本では、2017年12月公開予定)されたことにより、再度、注目を集めている(甲59、甲60)。
その他、中国商標局やEUIPO(欧州連合知的財産庁)においては、商標異議申立事件において、その決定の中で「MANOLO BLAHNIK」を消費者の間において十分に知られている商標であることが認定されている(甲61、甲62)。
このように、申立人の商標「MANOLO BLAHNIK」は、世界各国で、周知、著名な商標として認知されている。
ク 海外のファッション雑誌における紹介記事
申立人に係る商品は、申立人による広告のみならず、海外で発行されるファッション雑誌の記事やインターネットメディアの紹介によっても取引者、需要者に認知されるに至っている。これらのファッション雑誌の記事等は、韓国、中国、台湾、香港、英国、仏国、独国、イタリア、スペイン、ギリシャ、デンマーク、オランダ、ロシア、米国、メキシコ、トルコ、オーストラリア、アラブ首長国連邦等の18力国以上に発行されており、いかに「MANOLO BLAHNIK」が広く認知されているかがわかる(甲63〜甲85)。
ケ 以上によれば、申立人の引用商標は、少なくとも1972年には靴について使用開始され、現在に至るまで継続して使用しているところ、イギリス発祥の靴のブランドとして、日本国内外の一般の取引者、需要者に認識され、また、業界紙やウェブサイトにおいて多数掲載されており、世界共通ブランドとしてファッション業界において一定の評判を獲得していることが明らかである。
(2)以上のとおり、引用商標は、申立人の商標として、本件商標の出願日には既にファッションに関する業界における取引者、需要者の間において、広く認識されていた周知、著名な商標であり、第三者が同一又は類似の商標を使用した場合は、あたかも申立人の業務と何らかの関係にある商品であるかのごとく看取され、本件商標は、出所の混同を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項10号又は同項第15号に違反して登録されたものである。
第4 当審の判断
1 引用商標の周知性について
(1)申立人の提出した証拠及び同人の主張によれば、以下の事実が認められる。
ア 「MANOLO BLAHNIK」(マノロ ブラニク)は、1972年にマノロ・ブラニク氏により設立された靴ブランドで、その翌年にはロンドンにおいて旗艦店がオープンし、現在は、ニューヨーク、香港等に直営店を展開している(甲14、甲15)。
イ 上記ブランドは、我が国において1998年以降に商品が輸入されており、2016年から国内代理店を通じて、東京及び大阪に4店舗を展開している(甲23、甲24、甲49)。同ブランドの靴は、中古品等も含めて、インターネット通販等を通じても取引されている(甲31〜甲43)。
ウ 上記ブランドのインターネット広告として、YouTube、Twitter、Facebook、Instagram等にページが開設されている(甲44〜甲48)。
エ 上記ブランドの商品は、2016年から2017年に発行された、「VERY」、「CLASSY」、「Harper’s Bazaar」、「SPUR」、「Ginza」、「FRaU」、「GISELe」、「eclat」、「STORY」、「LEE」、「25ans Wedding」、「婦人画報」、「Domani」、「家庭画報」、「THE NEW YORK TIMES STYLE MAGAZINE JAPAN」等のファッション雑誌に掲載されており、それ以前も、「VOGUE JAPAN」(2006年、2008年、2010年、2012年発行号)、「装苑」(2007年発行号)等における掲載は確認できる(甲54)。
オ マノロ・ブラニク氏を題材にした映画が、2017年に日本でも公開されている(甲60)。
(2)上記(1)の事実から、以下のとおり判断することができる。
ア 引用商標の周知性について
(ア)「MANOLO BLAHNIK」(マノロ ブラニク)は、同名のデザイナーによって1972年にイギリスで設立された靴ブランドで、我が国においては、遅くとも1998年以降に輸入販売されており、2016年以降は、東京及び大阪に4店舗を展開、ファッション雑誌等への掲載などを通じて宣伝広告していることがうかがえる。
しかしながら、同ブランドに係る我が国における売上高、販売数量、市場占有率等は明らかではなく、我が国における販売実績を客観的かつ具体的に把握することができない。
また、同ブランドに係る我が国における広告宣伝の実績にしても、2016年以降の雑誌記事等への掲載、及びSNSなどのウェブサイトの開設が把握できる程度で、その他の広告宣伝手法や広告宣伝費、さらには、それ以前における広告宣伝活動や広告規模が明らかではない。
さらに、同ブランドのデザイナーを題材にした映画も、上映数や観客数も不明で、映画が公開されたことのみをもって同ブランドの我が国における知名度の高さを推し量ることはできない。
なお、申立人の主張する外国での広告宣伝実績は、我が国の需要者及び取引者における認識に直接影響しないことは明らかである。
そうすると、「MANOLO BLAHNIK」及びそれと構成文字を共通にする引用商標4は、我が国のファッションに高い関心を有する需要者及び取引者の間においては一定程度知られていたとしても、商品「靴」に関する一般の需要者の間において周知、著名となるに至るほど、広く知られていたということはできない。
(イ)申立人は、「BLAHNIK」(ブラニク)の文字及びそれと構成文字を共通にする引用商標1ないし3は、申立人に係る商標の略称としてファッション業界における取引者、需要者の間において広く認識されていた旨を主張するが、提出された証拠からは、申立人に係る商標「MANOLO BLAHNIK」(マノロ ブラニク)が「マノロ」と略称される場合が見られるとしても(甲54)、「BLAHNIK」(ブラニク)と略称されている事実を発見できず、また、取引上そのような略称で親しまれていることを示す証拠もない。
そうすると、「BLAHNIK」(ブラニク)及び引用商標1ないし3は、我が国の需要者及び取引者の間において広く知られるに至っていたものということはできない。
イ 上記のとおり、申立人が提出した証拠によっては、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、引用商標が、申立人又は申立人の業務に係る商品(靴)を表示する商標として、我が国の需要者及び取引者の間で広く認識されていたものということはできない。
2 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標について
本件商標は、別掲1のとおり、「B」、「L」、「M」及び「K」の欧文字を重ねて組み合わせたモノグラム(以下「図形部分」という。)を中心に、その下に「BLAMINK」の欧文字(以下「文字部分」という。)を配し、それらを黒色の縦長長方形内に白抜きで表してなるもので、複数の構成部分を組みあわせた結合商標と解されるものである。そして、本件商標の図形部分及び縦長長方形からは特定の称呼及び観念は生じない一方で、その文字部分は特定の意味を有する成語を示してなるものではないから、特定の観念は生じず、構成文字に相応して「ブラミンク」の称呼が生じる。そうすると、本件商標の構成中、図形部分と文字部分及び縦長長方形とは称呼及び観念上のつながりはないため、それぞれが分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとはいえず、その構成中、顕著に表された「BLAMINK」の文字部分が、自他商品役務の識別標識として独立して、強く支配的な印象を与えるもので、当該文字部分を要部として抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することは許される。
そうすると、本件商標は、その要部である文字部分に相応して、「ブラミンク」の称呼が生じ、特定の観念は生じない。
(2)引用商標について
ア 引用商標1ないし3は、いずれも「BLAHNIK」の欧文字を表してなるところ、特定の意味を有する成語ではないから、特定の観念は生じないが、その構成文字に相応して「ブラーニク」又は「ブラニク」の称呼が生じる。
イ 引用商標4は、「MANOLO BLAHNIK」の欧文字を表してなるところ、その構成文字は特定の意味を有する成語を組みあわせたものでもないから、全体として特定の観念は生じないが、称呼については、上記1(2)ア(ア)のとおり、引用商標4は「マノロ ブラニク」の読み方をもって我が国のファッションに高い関心を有する需要者及び取引者の間においてある程度知られているとしても、一般の需要者の間で広く認識されているものではないため、その取引にあたっては、「マノロブラニク」の称呼に加えて、「マノロブラーニク」の称呼をも生じ得る。
(3)本件商標と引用商標との類否
ア 本件商標の要部である「BLAMINK」と引用商標1ないし3の「BLAHNIK」を比較すると、外観においては、いずれも7文字という比較的少ない文字構成にあって、語頭の「BLA」の文字と語尾の「K」の文字を共通にするが、その間の「MIN」と「HNI」の文字の差異があるところ、7文字中の3文字が相違すれば、語頭と語尾に共通するつづりがあるとしても、全体として異なる語を表してなるものと十分認識できるから、外観において相紛れるおそれはない。
また、称呼については、本件商標の称呼「ブラミンク」と引用商標1ないし3より生じる「ブラーニク」の称呼とを比較すると、全5音中、語頭の「ブラ」の音及び語尾の「ク」の音が共通するとしても、その間における2音が明らかに相違するため、構成音全体としては容易に聴別し得るものである。そして、本件商標の称呼と引用商標1ないし3より生じる「ブラニク」の称呼は、語頭の「ブラ」の音及び語尾の「ク」の音が共通するとしても、その間における「ミン」と「ニ」の音に明らかな相違があり、全体の音数も相違するから、構成音全体としては容易に聴別できる。
さらに、観念においては、いずれも特定の観念は生じないから、比較することができない。
以上のとおり、本件商標と引用商標1ないし3とは、その要部において、観念を比較することができないとしても、外観及び称呼において、明確に異なるものであるから、これらを総合して判断すれば、これに接する需要者及び取引者において相紛れるおそれはなく、構成全体を比較しても図形部分の有無から更に印象に差異が生じるものであるから、互いに非類似の商標というべきである。
イ 本件商標の要部である「BLAMINK」は、引用商標4の「MANOLO BLAHNIK」との比較においては、上記アのとおり、引用商標1ないし3「BLAHNIK」との比較において相紛れるおそれがないのだから、それらに「MANOLO」の文字を語頭に配した引用商標4との比較においては、当該文字部分に相応する外観及び称呼の相異点がさらに追加考慮されるにすぎず、観念を比較することができないとしても、外観及び称呼において明確に異なるものである。
したがって、本件商標と引用商標4とは、その要部における比較によっても、相紛れるおそれはなく、構成全体としては図形部分の有無から更に印象に差異が生じるのだから、互いに別異の印象を与える非類似の商標である。
(4)小括
本件商標は、上記(3)のとおり、引用商標とは同一又は類似する商標ではないから、その指定商品を比較するまでもなく、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
3 商標法第4条第1項第10号該当性について
本件商標は、上記2(3)のとおり、引用商標とは同一又は類似する商標ではないから、その他の要件の該当性について論ずるまでもなく、商標法第4条第1項第10号に該当しない。
4 商標法第4条第1項第15号該当性について
(1)引用商標1ないし3は、上記1(2)ア(イ)のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品(靴)を表示する商標として、我が国の需要者の間に広く認識されていたものとは認めることができないこと、本件商標は、引用商標1ないし3とは、上記2(3)アのとおり、相紛れるおそれはなく、類似性の程度は低いことよりすれば、本件商標の指定商品及び指定役務と申立人の業務に係る商品(靴)に同一又は類似のものが含まれるとしても、本件商標は、これをその指定商品及び指定役務について使用しても、その需要者をして、当該商品及び役務が申立人の業務に係るものであると誤信させるおそれがある商標でもなく、当該商品及び役務が申立人との間にいわゆる親子会社や系列会社等の緊密な営業上の関係又は同一の表示による商品化事業を営むグループに属する関係にある営業主の業務に係る商品であると誤信させるおそれがあるものとはいえず、申立人の業務に係る商品と混同を生じるおそれがある商標ということはできない。
(2)引用商標4は、上記1(2)ア(ア)のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品(靴)を表示する商標として、我が国のファッションに高い関心を有する需要者及び取引者の間においては一定程度知られていたとしても、我が国の一般の需要者の間に広く認識されていたものとは認めることができないこと、本件商標は、引用商標4とは、上記2(3)イのとおり、外観及び称呼が明らかに相違する別異の商標であることよりすれば、本件商標の指定商品及び指定役務と申立人の業務に係る商品(靴)に同一又は類似のものが含まれるとしても、本件商標は、これをその指定商品及び指定役務について使用しても、その需要者をして、当該商品及び役務が申立人の業務に係るものであると誤信させるおそれがある商標でもなく、当該商品及び役務が申立人との間にいわゆる親子会社や系列会社等の緊密な営業上の関係又は同一の表示による商品化事業を営むグループに属する関係にある営業主の業務に係る商品であると誤信させるおそれがあるものとはいえず、申立人の業務に係る商品と混同を生じるおそれがある商標ではない。
(3)したがって、本件商標は、申立人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがある商標ではないから、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
5 むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号、同項第11号及び同項第15号のいずれにも違反してされたものとはいえないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
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