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Trademark Appeal Case

取引書類による商標使用の要件

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2017−300615(T2017−300615/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第5443131号商標の指定商品中,第14類「時計」についての商標登録を取り消す。
審判費用は,被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第5443131号商標(以下「本件商標」という。)は,「MEVIUS」の欧文字を横書きしてなり,平成23年1月28日に登録出願,第14類「貴金属製靴飾り,時計」並びに第6類,第10類,第20類,第24類ないし第26類,第32類及び第33類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,同年10月7日に設定登録され,その後,同25年5月14日受付で,その指定商品中の第25類「和服」について,放棄による一部抹消の登録がされたものである。

本件審判は,商標法50条1項の規定による商標登録取消審判事件であって,その請求に係る指定商品は,第14類「時計」であり,その請求の登録(予告登録)は,平成29年9月1日になされている(以下,当該登録前3年以内を「本件要証期間」という。)。

以下,本件の事案に鑑み,被請求人の主張から記載する。

第2 被請求人の主張

被請求人は,本件審判請求は成り立たない,審判費用は請求人の負担とする,との審決を求めると答弁し,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として乙1を提出した。

1 本件商標の使用について

本件商標権者は,セイコークロック株式会社(以下「セイコークロック社」という。)と提携して,本件商標と同一又は社会通念上同一の商標を付した置き時計(以下「本件使用商品」という。)を,第三者への譲渡を目的として製造している。かかる事実を証明するため,本件商標権者から株式会社東急百貨店(以下「東急百貨店」という。)を経由してセイコークロック社へ送付された発注書(補充書)(乙1。以下「本件発注書」という。)を提出する。

本件発注書に示すように,被請求人は,「MEVIUS」という商標を本件使用商品に付しているところ,該文字構成から,これは本件商標と同一又は社会通念上同一の商標と評価できる。

そして,本件商標が付された本件使用商品は,本件発注書をもって,平成29年3月15日に,本件商標権者より東急百貨店を経由してセイコークロック社に対して製造の依頼が行われており,同年4月28日付けで納品されている。これらの日付は,いずれも本件要証期間内に該当する。

このように,本件発注書に本件商標を付する使用態様は,商品に関する取引書類に標章を付して展示し,又は頒布する行為に該当するから,商標法2条3項8号の使用に該当するものである。

2 結語

以上のとおり,本件商標は,本件審判の請求に係る指定商品(本件使用商品)に現実に使用されているから,取り消されるべき理由が存在しないことは明らかである。

なお,現在の証拠だけでは商標の使用が立証されていないと判断される場合には,被請求人は,本件商標の使用の事実を補強するための証拠を更に提出する予定である。

第3 請求人の主張

請求人は,結論同旨の審決を求め,その理由を以下のように述べた。

1 請求の理由

本件商標は,本件審判の請求に係る指定商品について,継続して3年以上日本国内において,商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用をしていないものであるから,商標法50条1項の規定により取り消されるべきものである。

2 被請求人の主張に対し

(1)本件発注書(乙1)について

被請求人は,セイコークロック社と提携して,本件商標と同一又は社会通念上同一の商標を付した本件使用商品を,第三者への譲渡を目的として製造していると主張し,当該事実を立証するため,本件商標権者から東急百貨店へ送付された本件発注書を証拠として提出した上で,本件発注書に本件商標を付して使用する行為は,商標法2条3項8号の取引書類による使用行為に該当する旨述べている。

しかしながら,商標法2条3項8号所定の使用行為とは,標章を付した取引書類等が一般公衆による閲覧可能な状態に置かれることをいい,標章を付した取引書類等が一般公衆による閲覧可能な状態に置かれていない場合には,同号所定の使用行為に当たらないものと解されるところ(知財高裁平成22年(行ケ)第10013号同年12月15日判決),本件発注書は,本件商標権者が,東急百貨店に対し,本件使用商品(3個)の製造を発注した可能性をうかがわせるものにすぎず,その他本件発注書が一般公衆による閲覧可能な状態に置かれていた事実を客観的に証明する資料はない。

また,被請求人は,答弁書において,本件商標の使用の事実を補強するための証拠を更に提出する旨述べていたところ,平成29年12月22日付けの審尋で当該証拠の提出を求められたが,何ら回答していないとのことである。

したがって,被請求人が提出した本件発注書は,本件商標が,本件審判の請求に係る指定商品について,本件要証期間内に日本国内において,本件商標権者により使用されたことについて証明するものではないことは明らかであり,他に本件商標の使用事実を立証する資料は何ら提出されていない。

(2)まとめ

以上のとおり,本件商標権者は,本件要証期間内に日本国内において,本件審判の請求に係る指定商品について本件商標を使用していたとはいえない。

よって,本件商標は,商標法50条2項本文の規定によって,その登録を取り消されるべきである。

第4 当審の判断

1 証拠及び被請求人の主張によれば,以下のとおりである。

被請求人は,セイコークロック社と提携して,本件商標と同一又は社会通念上同一の商標を付した本件使用商品を,第三者への譲渡を目的として製造していると主張し,当該事実を立証するため,本件商標権者から東急百貨店へ送付された本件発注書(乙1)を証拠として提出した上で,本件発注書に本件商標を付して使用する行為は,商標法2条3項8号の取引書類による使用行為に該当する旨主張する。

しかしながら,商標法2条3項8号所定の使用行為は,商標の広告的使用(標章を付した広告,価格表又は取引書類が一般公衆による閲覧可能な状態に置かれたものと認められるような使用をいう(知財高裁平成22年(行ケ)第10013号同年12月15日判決)。)を定義したものと解されるところ,本件発注書は,本件商標権者が,本件要証期間内である平成29年3月15日に,東急百貨店に対し,納期を同年4月28日,納品先を本件商標権者の中国支社広島第一支店として,SEIKO製名入れ時計(本件発注書には,デザインイメージとして,「SEIKO」の文字が本体正面の左上部に,かつ,「MEVIUS」の文字が本体正面の左下部に付されている置き時計のイメージ画像が貼付されている。)である本件使用商品(3個)の製造を発注した可能性があることをうかがわせるにすぎず,たとえ,本件発注書が実際に使用されたとしても,それはあくまでも本件商標権者が本件使用商品を製造するために使用した発注書にすぎないから,商標の広告的使用を目的とした商品に関する取引書類(例えば,注文書,納品書,送り状,出荷案内書,物品領収書,カタログ等)でないことは明らかである。

したがって,本件発注書をもって商標法2条3項8号所定の使用行為があったものとは認めることができない。

2 被請求人は,上記第2のとおり,本件商標の使用の事実を補強するための証拠を更に提出する予定である旨述べていたことから,当合議体は,平成29年11月9日付け審尋をもって,当該証拠の提出を求めたが,被請求人からは更なる証拠の提出はなかったものである。

そうである以上,被請求人が提出した証拠によっては,上記1のとおり判断するほかなく,本件商標権者が,本件要証期間内に日本国内において,本件商標の使用をしたものとは認めることができない。

3 結語

以上のとおりであるから,被請求人は,本件要証期間内に日本国内おいて,商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが,本件審判の請求に係る指定商品のいずれかについて,本件商標の使用をしていた事実を証明したものとは認められない。

また,被請求人は,本件審判の請求に係る指定商品について本件商標の使用をしていないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。

したがって,本件商標の登録は,商標法50条の規定により,結論掲記の指定商品についての登録を取り消すべきものである。

よって,結論のとおり審決する。

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