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Trademark Appeal Case

称呼類似と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2018−12179(T2018−12179/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は,成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は,「フリーフロアーCPR」の文字を書してなり,第19類の願書に記載された商品を指定商品として,平成29年5月31日に登録出願されたものであるが,その後,指定商品については,原審における同30年3月8日付けの手続補正書により第19類「上端に床の支持部を有し下端に防振ゴムを取付けたプラスチック製の棒状部材からなる置き床用の支持脚,プラスチック製床板支持具,プラスチック製床束」に補正されたものである。

2 引用商標

原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして,本願の拒絶の理由に引用した登録商標は,以下のとおりであり,いずれも現に有効に存続しているものである。

(1)登録第6010455号商標(以下「引用商標1」という。)

商標:「CPR−VE」(標準文字)

登録出願日:平成29年2月22日

設定登録日:平成30年1月12日

指定商品及び指定役務:第19類「ビニルエステル樹脂製の建築用又は構築用の専用材料,ビニルエステル樹脂製の塗膜防食材料」及び第37類「防水工事,塗装工事」

(2)登録第6012655号商標(以下「引用商標2」という。)

商標:「CPR−EP」(標準文字)

登録出願日:平成29年2月22日

設定登録日:平成30年1月19日

指定商品及び指定役務:第19類「エポキシ樹脂製の建築用又は構築用の専用材料,エポキシ樹脂製の塗膜防食材料」及び第37類「防水工事,塗装工事」

なお,引用商標1及び引用商標2をあわせて,以下「引用商標」という。

3 当審の判断

(1)本件商標

本願商標は,「フリーフロアーCPR」の文字を普通に用いられる態様で書してなるところ,その構成から,「フリーフロアー」の片仮名と「CPR」の欧文字とを結合してなるものと容易に看取されるものである。

そして,原審において提示した事実(別掲(1))に加え,当審における職権調査(別掲(2))によれば,「フリーフロアー」の文字部分は,リフォーム工事や建築工事に関するウェブサイトにおいて,「建物のコンクリートのスラブとは別に設置する置き床」の名称として使用されている実情がある。

以上のとおり,「フリーフロア」の片仮名は,建物のコンクリートのスラブとは別に設置する置き床の名称であることを表示するものとして一般的に使用されているものであって,本願の指定商品との関係においては,建物コンクリートのスラブとは別に設置する置き床用の商品,すなわち商品の用途を表示するものとして理解,認識されるというのが相当である。

そうすると,本願商標の構成中「フリーフロア」の片仮名は,本願の指定商品との関係において,自他商品の識別力がないか又は極めて弱い部分であるというのが相当である。

してみれば,本願商標は,後半の「CPR」の欧文字部分が看者の注意を惹き,強く支配的な印象を与えるものとみるのが相当であって,該欧文字部分をもって取引にあたる場合も決して少なくないものといえるから,本願商標から該欧文字部分を要部として分離,抽出し,他人の商標と比較することも許されるものといえる。

したがって,本願商標は,その構成中の要部である「CPR」の文字部分に相応して,「シーピーアール」の称呼を生じるものである。

そして,「CPR」の欧文字は,辞書等に掲載されていない語であるから,これよりは,特定の意味合いを有しないものであるから,一種の造語としてみるのが相当であり,特定の観念を生じないものである。

(2)引用商標

引用商標1は「CPR」と「VE」の欧文字を「−」(ハイフン)を介して「CPR−VE」と標準文字で表してなり,及び引用商標2は「CPR」と「EP」の欧文字を「−」(ハイフン)を介して「CPR−EP」と標準文字で表してなるところ,「−」(ハイフン)自体が引用商標の構成において商品の出所識別機能を有するものではないことは明らかであり,また,一般に,欧文字2文字は,商品の品番,型番,種別,形式,規格等を表した記号又は符号として,取引上普通に採択・使用されている実情があることから,引用商標の構成中の「VE」及び「EP」の文字部分は自他商品の識別力がないか極めて弱いものである。

そうすると,引用商標は,その構成中,前半の「CPR」の欧文字部分が看者の注意を惹き,強く支配的な印象を与えるものとみるのが相当であって,該欧文字部分をもって取引にあたる場合も決して少なくないものといえる。

したがって,引用商標は,その構成中の要部である「CPR」の文字部分に相応して,「シーピーアール」の称呼を生じるものである。

そして,「CPR」の欧文字は,上記(1)のとおり,特定の観念を生じないものである。

(3)本願商標と引用商標の類否

ア 本願商標の要部と引用商標の要部との類否

本願商標の要部と引用商標の要部とを比較すると,両者は,つづりを共通にし,しかも,共に普通に用いられる方法で書されているから,外観上,酷似するものである。

次に,両者は,称呼上,「シーピーアール」の称呼を同一にするものである。

さらに,両者は,共に特定の観念を生じないものであるから,観念上,比較することができないものである。

そうすると,両者は,観念においては,比較することができず,外観において酷似し,称呼においても「シーピーアール」の称呼を同一にするものであるから,これらを総合して考察すれば,両者は,互いに類似の商標といわざるを得ない。

イ 以上のとおり,本件商標の要部と引用商標の要部は,類似の商標であり,他に本件商標と引用商標とが非類似するとみるべき事情は見いだせない。

したがって,本件商標と引用商標とは,類似の商標である。

ウ 本願の指定商品と引用商標の指定商品の類否

本願の指定商品は,前記1のとおり,「上端に床の支持部を有し下端に防振ゴムを取付けたプラスチック製の棒状部材からなる置き床用の支持脚,プラスチック製床板支持具,プラスチック製床束」で建築用の専用材料であり,引用商標の指定商品中のビニルエステル樹脂製又はエポキシ樹脂製の建築用又は構築用の専用材料であるから,共に,建築に用いられる専用材料であることから,両者は,類似するものと認められる。

エ 小括

以上によれば,本願商標は,引用商標と類似の商標であって,その指定商品は,引用商標の指定商品と類似する商品である。

したがって,商標法第4条第1項第11号に該当する。

(4)請求人の主張(要旨)

請求人は,「CPR」の文字については,・・・アルファベット3文字を単純に羅列して商品名とすることはごく一般的に行われていることで,特にこの種の建築材料・資材の分野においては,以下のように,あたかも品番あるいは型式ともとれる形で,商品名に使用されている実情もある。・・・従って,「CPR」の文字部分についても,独創性ある造語や何らかの独特の観念を認識させる成語に比べると,その識別力はあるとしても比較的弱い方であり,またそれゆえに,これが何らかの他の語と結合した場合には,全体の外観のまとまりや識別力の軽重から,必ずしも「CPR」のみが取り出されない場合もあるものと思料する。」旨を主張している。

しかしながら,請求人が「CPR」の欧文字が品番,型式の例として挙げている証拠はわすが2件しかなく,これらをもって当該の欧文字が,商品の記号,符号,型式等にあたるということはできないし,上記3(1)のとおり「CPR」の文字は,本願の指定商品との関係においては,辞書等に掲載されていない語であるから,これは,一種の造語としてみるのが相当であり,該文字は,十分出所識別機能を有するものである。

よって,上記の請求人の主張は,採用することができない。

(5)まとめ

したがって,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当し,登録することができない。

よって,結論のとおり審決する。

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