Trademark Appeal Case
キラルアミノ酸の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2018−2944(T2018−2944/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第1類、第3類、第5類、第10類、第29類ないし第33類、第42類及び第44類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成28年2月26日に登録出願され、その後、指定商品及び指定役務については、原審における同年12月19日受付及び当審における同30年10月30日受付の手続補正書により、最終的に、第3類「せっけん類,化粧品,香料,薫料,歯磨き,つけづめ,つけまつ毛,口臭用消臭剤,動物用防臭剤」、第10類「業務用美容マッサージ器,医療用機械器具,家庭用電気マッサージ器,医療用血液分析機械器具,吸い飲み,哺乳用具,魔法哺乳器,人工鼓膜用材料,医療用手袋」、第29類「豆,加工野菜及び加工果実,乳製品,食用油脂,豆乳,食用たんぱく」、第30類「菓子,茶,紅茶飲料,コーヒー,ココア,コーヒー豆,調味料」、第31類「野菜,果実,種子類,未加工のコルク,やしの葉,生花の花輪,生花,プリザーブドフラワー,木,草,芝,ドライフラワー,苗,苗木,花,牧草,盆栽」、第32類「清涼飲料」及び第33類「泡盛,合成清酒,焼酎,白酒,清酒,直し,みりん,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」と補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『キラルアミノ酸』及び『Chiral Amino Acid』の文字を普通に用いられる方法で上下二段書きに表してなるところ、医薬品・食品等ならびにその研究開発・検査等において、『キラルアミノ酸』の語は、アミノ酸の一種類を表示する物質、成分として使用されている実情が認められるところ、本願の指定商品及び指定役務との関係においては、『鏡像異性体のアミノ酸』及び『鏡像異性体のアミノ酸に関する役務』程の意味合いを理解させるものといえる。そうすると、本願商標を、その指定商品及び指定役務中、例えば第1類の『アミノ酸及びその他の化学品』及び第42類『アミノ酸の分析・構造解析・研究又は試験』、第44類『アミノ酸の解析による健康状態及び疾病リスクの診断,アミノ酸の解析による健康状態及び疾病リスクの検査及び評価,アミノ酸の解析による健康状態及び疾病リスクの診断に係わる情報の提供,アミノ酸の解析による健康状態及び疾病リスクの検査及び評価に係わる情報の提供』に使用しても、これに接する需要者は、『鏡像異性体のアミノ酸』及び『鏡像異性体のアミノ酸の分析・構造解析・研究又は試験』等を認識するにとどまるといえる。以上のことから、本願商標は、自他商品役務の識別標識としての機能を果たし得ないものといわざるを得ず、商標法第3条第1項第3号に該当するものであり、『鏡像異性体のアミノ酸』及び『鏡像異性体のアミノ酸に関する役務』以外の商品、役務に使用するときは、商品の品質及び役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審における審尋及び請求人の回答
審判長は、請求人に対し、別掲2に係る証拠を示して、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する旨の審尋を発し意見を求めたが、請求人からは、何ら応答がなかった。
4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、別掲1のとおり、「キラルアミノ酸」の文字と「Chiral Amino Acid」の欧文字とを上下二段に書してなるところ、構成中の「キラル」、「Chiral」の文字は、「光学異性の性質」の意味を有しており、また、「アミノ酸」、「Amino Acid」の文字は、「塩基性のアミノ基と酸性のカルボキシル基とをもつ有機化合物の総称」の意味を有する語(いずれも「大辞林第3版」三省堂)として知られていることから、構成全体として「光学異性の性質のアミノ酸」程の意味合いを理解させるものである。
そして、「キラルアミノ酸」の文字は、上記の意味合いを有するアミノ酸の一種を表す語として、原審で示したインターネット情報、新聞記事情報に加え、別掲2のとおり、食品や医薬品の分野の研究開発において使用されており、さらに、「アミノ酸」は、医薬品、食品、飲料、化粧品等様々な分野において原材料等として利用されている実情がある。
以上のことからすれば、「キラルアミノ酸」の文字と「Chiral Amino Acid」の欧文字とを上下二段に書した構成からなる本願商標が付された商品に接する取引者、需要者は、「キラルアミノ酸を使用した商品」であると理解するにすぎないものである。
そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、単に商品の品質、原材料を普通に用いられる方法で表したものと認識され、自他商品の識別標識としては認識し得ないものと認められる。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、「キラルアミノ酸を使用した商品」以外の商品について使用するときには、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、当審においてした平成30年9月14日付け審尋に対する回答書において、「補正後の指定商品については、拒絶査定において、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとの言及はなされておらず、また、本願商標より理解される可能性のある意味合いと何ら直接的な関係を有さないものであるから、拒絶の理由は解消した。」旨主張している。
しかしながら、拒絶査定において、本願商標が、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして示した指定商品及び指定役務は、一例を示したにすぎず、例示した指定商品及び指定役務以外の商品及び役務が、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当しないものとはいえない。
また、本願商標は、「光学異性の性質のアミノ酸」の意味合いを理解させるものであり、本願の補正後の指定商品との関係においても、商品の品質、原材料を認識させることは、上記(1)のとおりである。
したがって、請求人の主張は、いずれも採用できない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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