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Trademark Appeal Case

国旗類似と商標の分離観察

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2018−8217(T2018−8217/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第44類「医療情報の提供,医師・クリニック・病院・薬局等の医療機関に関する情報の提供,病院の名称・所在地・電話番号及び医療分野に関する情報の提供,病気の症状に関する情報の提供,薬剤情報の提供,健康診断に関する情報の提供,歯科医業に関する情報の提供,調剤に関する情報の提供,健康に関する情報の提供,美容,理容,美容又は理容に関する情報の提供,あん摩・マッサージ及び指圧,カイロプラクティック,きゅう,柔道整復,はり,あん摩・マッサージ・指圧・カイロプラクティック・きゅう・柔道整復又ははりに関する情報の提供,栄養の指導,栄養の指導に関する情報の提供,動物の飼育,動物の治療,動物の美容,動物の飼育・治療又は美容に関する情報の提供,介護,介護に関する情報の提供,医療用機械器具の貸与,医療用機械器具の貸与に関する情報の提供」を指定役務として、平成29年3月1日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶理由

原査定は、「本願商標は、その構成中にスイス連邦の国旗(以下「スイス国旗」という。)と同一又は類似の図形を顕著に有してなるものであるから、商標法第4条第1項第1号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)本願商標について

本願商標は、別掲1のとおり、左上と右下の角がやや丸みを帯び、右辺と下辺に陰影が施された、やや薄い赤色で彩色された四角形状の図形の中央に大きく白抜きの十字図形が配された図形部分(以下「本願図形部分」という。)と、青色と水色で交互に彩色した「ドクターマップ」の片仮名を横書きした文字部分からなるものである。

そして、構成中の文字部分からは、全体として「医者の地図」程の意味合いが認識されるとしても、本願図形部分と文字部分とは、赤系統の色彩の本願図形部分と青系統の色彩の文字部分という色彩の差異、両者が間隔を置いて配置されていること等から、視覚上分離して認識されるものであって、また、本願図形部分と「ドクターマップ」の片仮名との間に、直ちに観念上のつながりがあるともいえないことから、これを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほどに不可分的に結合しているものとは認められない。

そうすると、本願商標においては、本願図形部分も独立して自他役務の識別標識としての機能を果たし得る部分として認識されるものというべきである。

(2)スイス国旗について

スイス国旗は、別掲2のとおり、赤色の四角形の中央に大きく白十字図形が配されたものである。

(3)本願図形部分とスイス国旗の類否について

本願図形部分とスイス国旗とは、それぞれの形状と色彩、中央部分の十字図形等を総合的にみれば、両者は、外観において、互いに類似するものといわざるを得ない。

したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第1号に該当する。

(4)請求人の主張について

ア 請求人は、(ア)本願商標は、構成全体が、陰影を有する3D形状のデザインで統一され、かつ、全体が同じ幅で外観上まとまりよく一体的に構成されていること、(イ)本願商標の構成中、病院を示すアイコンとして広く採用され、第44類の医療の分野において広く親しまれている十字図形からなる本願図形部分と、「ドクターマップ」の文字部分は、本願指定役務との関係で、いずれも医療に関するサービスであることを理解、認識させるものであることから、本願商標は、構成全体での観念上のまとまりが強いものであるとして、「本願商標は、構成全体で一体不可分の商標としてのみ認識・把握されるというべきであり、構成中の図形部分のみが独立して認識され、その一部に国旗等を顕著に有するものと解されるものではない。」旨主張している。

しかしながら、前記(1)のとおり、本願図形部分と文字部分とは、視覚上分離して認識されるものであって、請求人主張の上記理由が、本願商標全体を常に一体としてのみ捉えなければならない理由とはいい難く、その構成上の一体性や観念上の関連性の程度等に照らすと、これを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほどに不可分的に結合しているものとは認められないから、本願商標においては、本願図形部分が独立して認識されるものというべきである。

したがって、かかる請求人の主張は採用できない。

イ 請求人は、本願図形部分の色彩について、(ア)国旗の色彩は、特定の国の国旗を認識し、区別する際の重要な要素であるから、これを考慮した上で、本願商標から実際にスイス国旗が連想、想起されるかどうかを客観的に判断するべきである、(イ)スイス国旗は、赤と白の配色によって強く印象付けられ、国のイメージカラーとして定着しており、赤色の背景に白抜きの十字図形が配されることが、スイス連邦の国旗を連想、想起させるための不可欠の条件であり、本願図形部分の桃色とは印象が大きく異なる、(ウ)桃色を使用した国旗は現存せず、桃色の背景からなる図形を見て、国旗と認識することは困難である旨主張している。

しかしながら、請求人が桃色であると主張する本願図形部分の色彩とスイス国旗の色彩は、共に、赤系統の色彩であることから、似通った印象を与えるものであり、両者は、四角形(状)の図形の中央に大きく白抜きの十字図形を配しているという構成上の特徴を共通にするものであって、全体の外観は、類似するものとみるのが相当である。

そして、本願図形部分とスイス国旗それぞれの構成要素の一つである色彩が異なるとしても、同一系統の色彩の中で色調(濃淡)が多少異なるにすぎず、両者の色彩は類似するといい得るものであって、その違いを理由に、両者を全く別異のものであるとみるのは妥当でない。

したがって、かかる請求人の主張は採用できない。

ウ 請求人は、本願図形部分の形状について、「4隅のうち、1対が隅丸形状で表され、1対が直角形状で表されることにより、特徴のある木の葉状の図形となっており、これに白抜きの十字図形が配されることにより、国旗ではなく、単に一つのアイコンとして認識され、さらに、陰影が施されることによって、アイコンとしての要素がさらに強まっている」旨主張している。

しかしながら、当審において、請求人が病院のアイコンの例として挙げた第4号証をみても、本願図形部分と同様の形状は認められないものである。

また、「アイコン」の形状としては、一般に、四角形や四隅が丸みを帯びた四角形状の図形が使用されているところ、本願図形部分の形状は、これとは異なるものであり、アイコンには必ず陰影があるともいえないことから、本願図形部分が「アイコン」と認識されるとはいえない。

したがって、かかる請求人の主張は採用できない。

エ 請求人は、本願のような十字図形は、本願指定役務との関係で多用され、非常に親しまれているものであり、本願指定役務との関係では、国旗を表すものというよりも、むしろ、医療関係の役務であることを示すアイコン、記号として認識、把握される旨主張している。

しかしながら、仮に、医療関係の記号として認識される場合があるとしても、前述のとおり、本願図形部分とスイス国旗とは、それぞれの形状と色彩、中央部分の十字図形等を総合的にみれば、両者は、外観において、互いに類似するものといわざるを得ないものである。

したがって、かかる請求人の主張は採用できない。

(5)まとめ

以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第1号に該当するから、これを登録することはできない。

よって、結論のとおり審決する。

【別掲1】

本願商標(色彩については、原本参照。)

【別掲2】

スイス国旗

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