Trademark Appeal Case
論点抽出失敗
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2017−10825(T2017−10825/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本願商標
本願商標は,「PERVALENTINO」の欧文字を標準文字で表してなり,第14類「貴金属,身飾品,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,キーホルダー,宝石箱,記念カップ,記念たて,時計」を指定商品として,平成27年11月2日に登録出願されたものである。
そして,願書記載の指定商品については,当審における平成30年9月4日付けの手続補正書により,第14類「時計」と補正されたものである。
第2 原査定の拒絶の理由の要点
「VALENTINO」の文字からなる商標(以下「引用商標」という。)は,世界的に著名なデザイナーであるヴァレンティノ・ガラヴァーニ氏のデザインに係る衣料品,バッグ,靴,ネクタイなどの商品群に使用をされるブランドを表すものとして,我が国の取引者,需要者の間に広く認識されている。
本願商標を構成する「PERVALENTINO」の文字(語)は,全体として特定の観念を生じる語とは認められないため,本願商標に接する取引者,需要者に対して,当該者の間に広く認識されている「VALENTINO」の文字部分が強く支配的な印象を与えるといえる。
そして,本願商標の指定商品は,身飾品や時計などのファッション関連の商品であり,引用商標の使用に係る商品とは,関連性を有し,需要者も共通にするものである。
したがって,本願商標は,これをその指定商品に使用するときは,これがあたかも上記の者と何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかのように,商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるというべきであるから,商標法第4条第1項第15号に該当する。
第3 当審における証拠調べ
本願商標が商標法第4条第1項第15号に該当するか否かについて,職権に基づく証拠調べをした結果,別掲に示すとおりの事実を発見したので,同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき,請求人に対し,意見を求めるべく,相当の期間を指定して,平成30年7月2日付けで証拠調べの結果を通知した。
第4 証拠調べに対する請求人の意見(要旨)
請求人は,上記第1のとおり,本願指定商品を第14類「時計」と補正した上で,以下のとおり意見を述べた。
「MARIO VALENTINO」,「Valentino Rudy」,「PERVALENTINO」,「VALENTINO DOMANI」及び「Izax Valentino」の文字を有する各登録商標は,バレンティノ・ガラバーニ関連の会社の所有である登録商標「valentino」(指定商品には「時計」を含む。)よりも以前又は同時期に商品「時計」を含む商標権として存在している。そして,インターネットで「バレンティノ」の語で検索した場合,バレンティノ・ガラバーニを除く上記登録商標に係る「時計」は多数検索されるが,バレンティノ・ガラバーニ関連会社の「時計」としてはヒットしないし,一般社団法人日本時計輸入協会の発行する「2016時計ブランド年鑑」(甲1)にも,バレンティノ・ガラバーニの記載はない。
「バレンティノ」(VALENTINO)」又は「バレンティノ ガラバーニ(VALENTINO GARAVANI)」が特に衣服関連の分野において有名なブランドであることは理解できるが,上記の状況において,「バレンティノ(VALENTINO)」の語を含む上記登録商標が,それぞれ非類似の商標として長年存在し,そして,我が国において販売されている時計には「ヴァレンティノ(VALENTINO)」,「バレンティノガラバーニ」の時計は無い中,当該商品の取引者,需要者は上記状況を理解し,それぞれのブランド名を混同することなく理解し,購入していると考えられる。
よって,時計業界における取引の実情において,本願商標は一体不可分の商標として通用するとの判断が妥当といえるから,本件商標は商標法第4条第1項第15号には該当しない。
第5 当審の判断
1 本願商標の商標法第4条第1項第15号該当性について
(1)VALENTINO等の著名性について
当審において行った上記第3の証拠調べにおける別掲の証拠によれば,「Valentino Garavani(ヴァレンティノ・ガラヴァーニ)」(以下「ヴァレンティノ・ガラヴァーニ」という。)は,世界的に著名なデザイナーである。また,「VALENTINO」,「Valentino」及び「ヴァレンティノ」(以下,これらをまとめて「VALENTINO等」という。)の表示は,同人の略称又はそのデザインに係る被服,バッグ,靴,革小物,ベルト及びアクセサリーなどのファッション関連の商品群に使用されるブランドを表すものとして,本願商標の登録出願日の時点において,我が国の取引者,需要者の間に広く認識され,その周知性は,現在においても継続しているものと認められる。
そうすると,VALENTINO等の表示からは,「ヴァレンティノ」の称呼及びヴァレンティノ・ガラヴァーニのデザインに係る商品群に使用されるブランドの観念を生じる。
(2)本願商標とVALENTINO等との類似性の程度
本願商標は,上記第1のとおり,「PERVALENTINO」の欧文字を標準文字で表してなるところ,本願商標は,その構成中に「VALENTINO」の欧文字を含むものである。
そして,「VALENTINO」の欧文字は,上記(1)のとおり,我が国においてその需要者の間に広く認識されている著名なファッションデザイナーであるヴァレンティノ・ガラヴァーニのデザインに係る商品群に使用されるブランドを表したものと把握されるものである。
また,本願商標は,その構成文字に相応して「パーヴァレンティノ」の称呼が生ずるものとみるのが自然であるが,全体として親しまれた既成の語を形成するものではない。
そうすると,本願商標の構成中,「VALENTINO」の欧文字部分は,取引者,需要者に強く印象付けられて特に注意を引くものであるから,出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる。
以上のことからすると,本願商標は,その構成中の「VALENTINO」の欧文字部分が独立して要部たり得るから,これより,「ヴァレンティノ」の称呼及びヴァレンティノ・ガラヴァーニのデザインに係る商品群に使用されるブランドの観念も生じる。
したがって,本願商標の要部である「VALENTINO」とVALENTINO等とは,欧文字部分におけるつづりを同じくし,外観上,近似するものであって,称呼及び観念を共通にするものであるから,互いに類似する商標と認められる。
(3)商品の関連性及び需要者の共通性について
上記第1のとおり,本願商標の指定商品「時計」は,その需要者は一般消費者であって,また,当該指定商品には商品「腕時計」が含まれるところ,腕時計はベルト等により手首に直接巻いて使用するものであって,デザイン性が求められ,ファッションアイテムとしても用いられることのある商品であるから,ファッション関連の商品といえる。
他方,VALENTINO等が使用される商品は,被服,バッグ,靴,革小物,ベルト及びアクセサリーなどのファッション関連の商品群に使用するものであって,その需要者は一般消費者である。
そうすると,両者は,ファッション関連の商品として関連性を有し,その需要者は,共に一般消費者であって共通する。
(4)出所の混同のおそれについて
本願指定商品の需要者において普通に払われる注意力を基準として,以上の(1)ないし(3)を総合的に判断すると,本願商標は,これを請求人がその指定商品について使用するときは,これに接する需要者をして,ヴァレンティノ・ガラヴァーニのブランドを連想又は想起させ,その商品が請求人あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように,その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるというべきである。
したがって,本願商標は,商標法第4条第1項第15号に該当する。
2 請求人の主張について
請求人は,(1)取消2010−300283号の審判により,登録商標の類似商標を使用した結果,誤認混同を生じたと判断されたため,その登録を取り消された商標登録第4299568号と,本願商標とは,同一の商標であり,当該取消しとなった登録商標は,著名な「VALENTINO」の表示と商品の出所について混同を生ずるおそれを生じたとの判断をされたものではない旨,(2)我が国において,「バレンティノ」(VALENTINO)」あるいはヴァレンティノ・ガラバーニに関する商品「時計」の販売はされていない状況下,「バレンティノ」(VALENTINO)」を含むブランドが各々混同することなく機能している旨,(3)「VALENTINO」あるいは「Valentino」を含む登録商標が,バレンティノ・ガラバーニ関連の会社の所有である登録商標「valentino」よりも以前又は同時期に補正後の指定商品「時計」を含む商品を指定商品として存在している旨主張している。
しかしながら,(1)については,上記1(4)で述べたとおり,本願商標は,これを請求人がその指定商品について使用するときは,これに接する需要者をして,ヴァレンティノ・ガラヴァーニのブランドを連想又は想起させ,その商品が請求人あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように,その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるというべきである。
(2)については,確かに,「VALENTINO」を含む商標が,ヴァレンティノ・ガラバーニ関連の会社の所有である登録商標「valentino」より以前又は同時期に登録されている例は,複数認められ,また,時計のブランドを掲載した書籍において,本願商標以外にも「VALENTINO」を含む複数の商標が付された商品が掲載されていることが認められる(甲1)。
しかしながら,「VALENTINO」を含む商標が,ヴァレンティノ・ガラバーニ関連の会社の所有である登録商標「valentino」以前から相当数登録されていても,それらの商標が実際にどの程度使用されていたかは全く明らかではないし,また,上記書籍に掲載された商品が実際にどの程度流通しているかどうかも明らかではないのであって,上記事実をもって直ちに請求人主張のような取引秩序が形成されていると認めることはできない。
(3)については,そもそも本願商標が商標法第4条第1項第15号に該当するか否かは,本願商標の出願時及び審決時において判断をなすべきものであって,過去の登録例の存在により,その判断が左右されるものではない。
よって,申立人の上記主張は,いずれも採用できない。
3 まとめ
以上のとおり,本願商標は,商標法第4条第1項第15号に該当するから,これを登録することはできない。
よって,結論のとおり審決する。
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