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Trademark Appeal Case

引用商標との類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号無効2018−890037(T2018−890037/J3)
審判種別無効
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第5940050号の登録を無効とする。
審判費用は被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第5940050号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲1に示すとおりの構成よりなり,平成27年10月26日に登録出願,第25類「被服,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として,同29年3月23日に登録査定,同年4月14日に設定登録されたものである。

第2 引用商標

(1)登録第2353908号(以下「引用商標1」という。)

商標の構成 別掲2のとおり

登録出願日 平成元年1月24日

設定登録日 平成3年11月29日

指定商品 第25類「被服」

なお,指定商品は,平成16年1月21日に指定商品の書換登録,平成23年7月19日に存続期間の更新登録がなされ,その指定商品の区分は,第20類,第24類及び第25類に減じられ,その後,商標登録の取消審判により,指定商品中,第20類「全指定商品」について取り消すべき旨の審決がされ,平成30年7月6日にその確定審決の登録がされ,及び商標登録の取消審判により,指定商品中,第24類「全指定商品」について取り消すべき旨の審決がされ,平成30年7月10日にその確定審決の登録がされた結果,上記のとおりとなった。

(2)登録第4427475号(以下「引用商標2」という。)

商標の構成 別掲3のとおり

登録出願日 平成11年12月3日

設定登録日 平成12年10月27日

指定商品 第26類「編みレース生地,刺しゅうレース生地,組みひも,テープ,リボン,房類,ボタン類,針類,編み棒,裁縫箱,裁縫用へら,裁縫用指抜き,針刺し,針箱(貴金属製のものを除く。),被服用はとめ,衣服用き章(貴金属製のものを除く。),衣服用バッジ(貴金属製のものを除く。),衣服用バックル,衣服用ブローチ,帯留,ボンネットピン(貴金属製のものを除く。),ワッペン,腕章,腕止め,頭飾品,つけあごひげ,つけ口ひげ,ヘアカーラー(電気式のものを除く。),靴飾り(貴金属製のものを除く。),靴はとめ,靴ひも,靴ひも代用金具,造花,漁網製作用杼,メリヤス機械用編針」

(3)登録第4469442号(以下「引用商標3」という。)

商標の構成 別掲4のとおり

登録出願日 平成10年12月11日

設定登録日 平成13年4月20日

指定商品 第25類「履物(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く)」

(4)登録第4805259号(以下「引用商標4」という。)

商標の構成 別掲5のとおり

登録出願日 平成12年9月29日

設定登録日 平成16年9月24日

指定商品 第25類「被服」

(5)登録第4871727号(以下「引用商標5」という。)

商標の構成 別掲6のとおり

登録出願日 平成13年2月2日

設定登録日 平成17年6月17日

指定商品 第25類「被服,仮装用衣服」

なお,指定商品は,平成27年6月2日に存続期間の更新登録がなされ,その指定商品の区分は,第25類に減じられ,上記のとおりとなった。

(6)登録第4935654号(以下「引用商標6」という。)

商標の構成 別掲7のとおり

登録出願日 平成13年6月26日

設定登録日 平成18年3月10日

指定商品 第25類「履物(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く)」

(7)登録第5438318号(以下「引用商標7」という。)

商標の構成 別掲8のとおり

登録出願日 平成21年5月22日

設定登録日 平成23年9月16日

指定商品 第18類「愛玩動物用被服類,かばん類,袋物,傘,乗馬用具」及び第28類「遊戯用器具,おもちゃ,人形,運動用具」,並びに,第12類,第14類,第21類,第29類及び第32類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品

(8)登録第5438525号(以下「引用商標8」という。)

商標の構成 別掲9のとおり

登録出願日 平成23年4月4日

設定登録日 平成23年9月16日

指定商品 第9類「保安用ヘルメット,電気通信機械器具,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,眼鏡,浮袋,運動用保護ヘルメット,水泳用浮き板,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,インターネットを利用して受信し,及び保存することができる画像ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ」

(9)登録第5455278号(以下「引用商標9」という。)

商標の構成 別掲9のとおり

登録出願日 平成20年1月10日

設定登録日 平成23年12月9日

指定商品及び指定役務 第28類「おもちゃ,人形,運動用具」,並びに,第3類,第5類,第12類,第18類,第21類,第29類,第30類,第32類,第34類及び第38類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務

なお,引用商標1ないし9は,いずれも登録商標として現に有効に存続しているものである(以下,これら9件の商標をまとめていうときは「引用商標」という。)。

第3 請求人の主張

請求人は,結論同旨の審決を求め,本件商標は請求人に係る商標登録出願(2017−97711,2017−110775,2017−109767)の審査において引用された登録商標(一部登録出願中のものを含む。)の関係を踏まえると,登録第2353908号(引用商標1),登録第4427475号(引用商標2),登録第4469442号(引用商標3),登録第4805259号(引用商標4),登録第4871727号(引用商標5),登録第4931587号,登録第4935654号(引用商標6),登録第53553606号,登録第5883912号及び登録第5272143号と類似するものであって,商標法第4条第1項第11号に該当するから,無効とすべきである旨主張し,証拠方法として,甲第1号証を提出した。

なお,請求人は,本件商標は商標登録出願2017−7360号商標とも類似する旨主張していたが,商標登録出願2017−7360号商標は,拒絶査定に対する審判により,登録することができない旨の審決がされ,平成31年1月9日に確定した。

第4 当審における無効理由

当審において,本件商標権者に対して平成30年12月20日付けで通知した無効理由の内容は,要旨以下のとおりである。

本件商標は,引用商標と類似し,その指定商品も,引用商標の指定商品と同一又は類似するから,商標法第4条第1項第11号に該当する。

第5 被請求人の答弁

審判長は,上記第4の無効理由を通知し,期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが,本件商標権者は,何ら意見を述べていない。

第6 当審の判断

1 商標法第4条第1項第11号該当性について

(1)本件商標について

本件商標は,右下に3分の1程度切れている円弧内の上部に目と思しき小さい黒塗りの縦長楕円形を二つ並べ,その下に口と思しき両端上がりの弧線を描いた図形(後述のとおり,当該図形は人の笑顔を簡潔に表現したものであり,当該顔はやや左に傾いている。)と,その切れている円弧の右下部分に重ねて,円弧を補うように筆記体で書した「Riccomo」の文字からなるものである。そして,本件商標の「Riccomo」の文字部分については,ありふれた筆記体で書されている上,図形部分に比してかなり小さく表示されている。そのため,本件商標中の円弧は,円周全体の3分の2程に達し,「Riccomo」の文字部分が筆記体で各文字がつながるように書され,切れている部分を補うように表されていることもあいまって,円弧がつながった円輪郭を認識させるものである。

以上からすると,本件商標は,図形部分及び文字部分よりなるとしても,全体として,円輪郭内に目と口を配し,一見して,人の笑顔を簡潔,かつ,象徴的に表現した図形と看取できるものである。

(2)引用商標について

引用商標中,引用商標1,2,5及び7ないし9は,いずれも円輪郭内の上部に目と思しき小さい黒塗りの縦長楕円形を2つ並べ,この2つの黒塗りの縦長楕円形の下に口と思しき両端上がりの弧線を描いたものであり,一見して,人の笑顔を簡潔,かつ,象徴的に表現したものと認識され得る。また,引用商標3,4及び6は,引用商標1,2,5及び7ないし9と同様の構成の図形部分とその外部下に活字体で「SMILE & SMILEY」と横書きした文字部分からなるもの(引用商標3,6),及び同様の構成の図形部分とその外部上に活字体で「LOVE EARTH」とアーチ状に横書きした文字部分からなるもの(引用商標4)である。図形部分と文字部分を組み合わせた引用商標3,4及び6は,いずれも円輪郭の外縁近くの外部下又は上に文字部分を配置したものであり,これらの文字部分は視覚上分離して認識されるものであって,その構成中,人の笑顔を簡潔,かつ,象徴的に描写した図形部分が見る者の注意を惹き,見る者に強い印象を与えるものであるということができるから,各図形部分は,文字部分とは切り離して,独立して自他商品の識別標識としての機能を発揮するものと認めるのが相当である。

(3)本件商標図形と引用商標の対比について

本件商標と引用商標1,2,5及び7ないし9,並びに,引用商標3,4及び6の図形部分とは,いずれも互いに,円輪郭内部に配された2つの小さい黒塗りの縦長楕円形及びその下方に配した両端上がりの弧線を構成要素とし,これらが円形の顔に目と口で人の笑顔を簡潔,かつ,象徴的に描写したものと看取される点において共通するものであるから,顔の傾き,各構成要素の長さ,太さ及び曲率等においてぞれぞれ微妙に相違するものの,上記の構成要素の全てを共通にするものであるため,見る者に近似の印象を与えるものというべきである。

以上よりすると,本件商標と引用商標を時と場所を異にして離隔的に観察したとき,本件商標と引用商標1,2,5及び7ないし9,並びに,引用商標3,4及び6の図形部分の微妙な相違によって,本件商標と引用商標を区別することは困難であるといわざるを得ないから,本件商標と引用商標は,外観において類似するものというべきである。

(4)本件商標の指定商品と引用商標の指定商品の類否について

ア 本件商標の指定商品中,第25類「被服,帽子」は,引用商標1,4及び5の指定商品中,第25類「被服」と同一又は類似の商品である。

イ 本件商標の指定商品中,第25類「ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト」は,引用商標2の指定商品中,第26類「腕止め」と類似の商品である。

ウ 本件商標の指定商品中,第25類「履物」は,引用商標2の指定商品中,第26類「靴飾り(貴金属製のものを除く。),靴はとめ,靴ひも,靴ひも代用金具」,並びに,引用商標3及び6の指定商品中,第25類「履物(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く)」と同一又は類似の商品である。

エ 本件商標の指定商品中,第25類「運動用特殊衣服,運動用特殊靴」は,引用商標7の指定商品中,第18類「乗馬用具」及び第28類「運動用具」,引用商標8の指定商品中,第9類「浮袋,運動用保護ヘルメット,水泳用浮き板」,並びに,引用商標9の指定商品中,第28類「運動用具」と類似の商品である。

(5)小括

以上のとおり,本件商標は,引用商標と類似し,その指定商品も,引用商標の指定商品と同一又は類似するから,商標法第4条第1項第11号に該当する。

2 むすび

以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから,同法第46条第1項の規定に基づき,その登録を無効にすべきものである。

よって,結論のとおり審決する。

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