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Trademark Appeal Case

使用商標と登録商標の同一性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2016−300707(T2016−300707/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4000050号商標の指定商品中、第5類「ビタミン剤,アミノ酸剤,滋養強壮変質剤」についての商標登録を取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第4000050号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおり、「NATURE’S WAY」の文字の上部に樹木と思しき図形を配し、さらに、それらを半円様の輪郭線で囲んだ構成からなり、平成6年11月28日に登録出願、第5類「ビタミン剤,滋養強壮変質剤,その他の薬剤」を指定商品として、同9年4月25日に設定登録されたものである。

なお、本件審判の請求の登録日は、平成28年10月21日であり、商標法第50条第2項に規定する「審判の請求の登録前3年以内」とは、同25年10月21日ないし同28年10月20日である(以下「要証期間」という場合がある。)。

第2 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求め、審判請求書及び弁駁書において、その理由を要旨次のように述べ、甲第1号証を提出した。

1 請求の理由

本件商標は、その指定商品中、第5類「ビタミン剤,アミノ酸剤,滋養強壮変質剤」について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが使用していないから、商標法第50条第1項の規定により、その登録は取り消されるべきものである。

2 答弁に対する弁駁

(1)被請求人は、乙第1号証及び乙第2号証を提出し、使用権者であるPharmaCare Laboratories Pty Ltd(以下「PharmaCare社」という。)が「Nature’s Way」の商標を付したビタミン剤等を世界各国で販売していると主張している。

しかしながら、乙第1号証は、PharmaCare社のウェブページの写しであり、この中で、「Nature’s Way」の商標を付した商品は、「MultiVitamin Vita Gummies」と表現されているが、これが「ビタミン剤」であるのか、「ビタミンを主原料とするグミ状のサプリメント」であるのかが不明である。

また、乙第2号証は、被請求人とPharmaCare社との間で締結された商標使用許諾契約書の一部の写しであり、その使用許諾の対象商品は、当該契約書の1.2において、「nutritional products」(栄養製品)と規定されているが、具体的にどのような商品であるのかが不明である。

以上のとおり、被請求人が本件商標を使用していると主張する商品が「ビタミン剤」であることは、証明されていない。

(2)被請求人は、乙第3号証を提出し、被請求人及びPharmaCare社が、我が国においても、近日中に「Nature’s Way」製品を販売すべく、相当程度の準備を進めていると主張している。

しかしながら、乙第3号証は、我が国における「Nature’s Way」製品販売計画に関する書類であって、いわゆるプレゼンテーション資料の写しであり、これに表示された商標は、商品の出所識別標識として使用されたものではないから、乙第3号証は、商標法第2条第3項第8号に規定する「広告」にも「取引書類」にも該当しない。

また、被請求人は、乙第1号証ないし乙第3号証に表されている商標は、「Nature’s Way」の文字を横書きしてなるものであると主張するが、当該文字からなるものと図形及び文字の結合商標である本件商標とは、社会通念上同一とは認められない。

さらに、乙第3号証は、その作成日が不明であり、要証期間に頒布されたことが証明されていない。

(3)以上のとおり、被請求人は、要証期間に、日本国内において、本件審判の請求に係る指定商品について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用をしていることを証明したとはいえない。

第3 被請求人の主張

被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判請求の費用は請求人の負担とする、との審決を求める旨述べ、その理由を審判事件答弁書において、要旨以下のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第8号証を提出した。

1 答弁の理由

(1)本件商標の使用について

ア 本件商標の使用者

被請求人は、本件商標の使用を使用権者であるPharmaCare社に許諾しており、同社は、「Nature’s Way」の商標を付したビタミン剤等を世界各国で販売している(乙1、乙2)。

イ 我が国における本件商標の使用状況

被請求人及びPharmaCare社は、我が国においても、近日中に「Nature’s Way」製品を販売すべく、相当程度の準備を進めている(乙3)。

ウ 本件商標と使用されている商標とが社会通念上同一であること

本件商標は、別掲のとおりの構成からなるものである一方、乙第1号証ないし乙第3号証に表されている商標は、「Nature’s Way」の文字を横書きしてなるものであるところ、本件商標と使用されている商標とは、「ネイチャーズウェイ」の称呼を共通にするものであり、また、「自然の道」の観念も共通にするものであるから、両者が社会通念上同一の商標であることは明らかである。

エ 小括

上記アないしウによれば、本件商標と社会通念上同一の商標が、使用権者であるPharmaCare社により、商品に関する広告、取引書類に使用されていることは明らかである(商標法第2条第3項第8号)。

(2)乙第1号証について

ア 乙第1号証として提出した「www.naturesway.com.au」のウェブサイトの登録名義人が本件商標の使用権者であるところ、被請求人は、当該ウェブサイトが2008年11月14日に開設されたものであることを立証するため、ドメインの登録者情報を確認できる「WHOIS」による当該ウェブサイトに関する詳細情報(乙4)を提出する。

乙第4号証によれば、ドメイン名「naturesway.com.au」の登録名義人が本件商標の使用権者であるPharmaCare社であること、そして、その記録が2008年11月14日まで遡ること、さらに、ウェブサイトのタイトルが「Nature’s Way Supplements and Super foods(ネイチャーズウェイサプリメントとスーパーフード)」であることが確認できる。

したがって、上記ウェブサイトは、本件商標の使用権者により、2008年11月14日に開設されてから現在まで有効であることが明らかである。

イ 上記ウェブサイト(乙1)の内容が全て英文で記述されているとはいえ、当該ウェブサイトに掲載された商品に親しんだオーストラリア出身の日本居住者を始めとする英語圏の外国人居住者は、日本国内から当該ウェブサイトにアクセスすることが可能である。また、現在、精度の高い日本語への翻訳ツール「グーグル翻訳」等が無料で提供されており、その利用が英語を理解しないインターネット利用者でも容易であることから、単に当該ウェブサイトの内容が全て英文で記述されていることのみをもって、日本国内における使用とは認められないとすることは、不合理である(乙5)。

ウ 上記ウェブサイト(乙1)に掲載された商品は、その包装容器のラベルに記載されている「Women’s Multi−Vitamin(女性用のマルチビタミン)」の表記が示すように、商品「総合ビタミン剤」であって、複数の必須ビタミンとミネラルを配合し、食べやすくするためにオレンジ・レモン・ブルーベリーの各風味を加味したグミ状の形態のビタミン剤である(乙6)。

そして、上記ビタミン剤の用法・成分・用量は、その商品の詳細情報(乙7)によれば、用法が12歳以上の大人が1日に2又は3粒を目安に摂取すること、成分がビタミンB3・B6・B7・B9・B12、ビタミンC、ビタミンD3、ビタミンE、ヨウ素、亜鉛、クロム、鉄、カルシウム、リン配合であって、容量が100粒であることが確認できる。

したがって、上記ウェブサイト(乙1)に掲載された商品「総合ビタミン剤」は、本件審判の請求に係る指定商品中の第5類「ビタミン剤」に該当することが明らかである。

(3)乙第2号証について

被請求人は、PharmaCare社が本件商標に係る商標権の使用権者であることを証明すべく、乙第2号証の抄訳として、乙第8号証を提出する。

乙第2号証及び乙第8号証によれば、被請求人は、PharmaCare社に対し、(a)商標「NATURE’S WAY」、「NATURE’S WAY+図形(ロゴ)」(商標登録第4000050号他)、(b)対象商品「ビタミン剤,サプリメントを含む栄養摂取用製品並びに各種食品」、(c)使用地域「日本国内を含む各国」、(d)使用期間「2009年9月25日から契約期間の終了日迄」、(e)使用許諾契約締結日「2009年9月25日」を内容とする商標使用権を許諾していることが確認できる(乙8)。

(4)本件商標と使用商標について

本件商標の構成は、「NATURE’S WAY」の文字の上に、樹木の抽象図形を配し、全体を細い輪郭線で囲んだものである。

そして、乙第1号証及び乙第3号証に表されている使用商標の構成も、同一の綴りの「Nature’s Way」の文字の上に樹木の抽象図形を配したものであって、全体を囲む細い輪郭線の有無においてのみ相違するにすぎないが、この輪郭線は、特定の称呼及び観念を生じないし、全体の中で特に注意を惹いて識別力を発揮する部分でもない。

そのため、両商標は、強い識別力を発揮する文字部分と図形部分より同一の称呼及び観念が生じ、外観において同視され得る商標であるから、社会通念上同一の商標である。

(5)むすび

以上のとおり、本件商標は、本件審判の請求に係る指定商品中の第5類「ビタミン剤」について、使用権者であるPharmaCare社により使用されていると認められる。

第4 当審の判断

1 本件商標に係る使用権者について

被請求人は、本件商標の使用を使用権者であるPharmaCare社に許諾している旨述べ、「商標使用許諾契約書の一部」(以下「契約書抜粋」という。)(乙2)及びその抄訳(乙8)を提出しているところ、これらにによれば、被請求人とPharmaCare社との間で、2009年9月25日に、我が国における本件商標(登録第4000050号商標)の使用許諾に関する契約が締結されたことがうかがえる。

そして、上記契約書抜粋の抄訳(乙8)の項目「2.」の「使用の許諾」には、「2.1 バイエル(審決注:被請求人)は、PAC(審決注:PharmaCare社)とその関連会社に対し、この契約書が有効な間、地域内での製品の製造、包装、販売、営業及び流通に関する商標の独占的な使用権を許諾する。」の記載があり、同じく、項目「9.」の「有効期間及び契約終了」には、「9.1 本契約は、双方の署名後、直ちに発効する。本条の定めにより、一方の当事者が書面による契約終了の意思表示を相手当事者に通知しない限り本契約は有効とする。」の記載があるが、上記契約書抜粋(乙2)には、前者に対応する項目の記載が見受けられる一方、後者に対応する項目が見当たらない。

したがって、被請求人とPharmaCare社とは、PharmaCare社による我が国における本件商標の使用について、2009年9月25日付けで「商標使用許諾契約」を締結したことはうかがえるものの、PharmaCare社が、要証期間においても、本件商標の使用権者であったかは不明である。

2 PharmaCare社に係るウェブサイトについて

(1)被請求人は、PharmaCare社が「Nature’s Way」の商標を付したビタミン剤等を世界各国で販売している旨述べるとともに、2017年1月16日を出力日とする「PharmaCare社のウェブサイト内、製品情報ページ」(乙1)とされるもの及び「WHOISのドメイン登録内容」(乙4)を提出し、当該ウェブサイトが登録名義人をPharmaCare社とし、2008年11月14日に開設されたものであって、現在まで有効であることは明らかである旨述べている。

しかしながら、「WHOISのドメイン登録内容」(乙4)に記載の登録名義人(LABORATORIES PHARM−A−CARE PTY LTD)の名称は、契約書抜粋(乙2)の使用権者(PharmaCare Laboratories Pty Ltd)の名称と一致しないことから、上記ウェブサイト(乙1)がPharmaCare社に係るウェブサイトであることが確認できない。

また、「WHOISのドメイン登録内容」(乙4)に記載の「ウェブサイトのタイトル」(Nature’s Way Supplements and Superfoods)は、「使用権者のウェブサイト内、製品情報ページ」(乙1)とは異なるものである上、当該ウェブサイトの上記タイトルに相当する証拠の提出もない。

そして、上記「WHOISのドメイン登録内容」(乙4)は、その記載内容によれば、「naturesway.com.au」をドメイン名とするウェブサイトが2008年11月14日に開設されたことはうかがえるものの、当該ウェブサイトにおいて、どのような情報が掲載されていたかを確認することができないものである。

(2)被請求人は、乙第1号証のウェブサイトの内容が全て英文で記述されているとはいえ、当該ウェブサイトに掲載された商品に親しんだオーストラリア出身の日本居住者を始めとする英語圏の外国人居住者は、日本国内から当該ウェブサイトにアクセスすることが可能であり、また、現在、精度の高い日本語への翻訳ツール「グーグル翻訳」等が無料で提供されており、その利用が英語を理解しないインターネット利用者でも容易であることから、単に当該ウェブサイトの内容が全て英文で記述されていることのみをもって、日本国内における使用とは認められないとするのは不合理である旨述べ、「Google」によるPharmaCare社のウェブサイトの日本語訳の写し(乙5)を提出している。

しかしながら、上記ウェブサイト(乙1)は、商品の用途や成分等の情報を知らせ、その購入を促すなどすることを目的とするものと見受けられるところ、その内容は、全て英文で記載されたものであって、商品の用途や成分はもとより、商品の購入方法や日本向けの送料等について、日本語による記載が一切ないことからすれば、たとえ、日本語への翻訳ツールがあるとしても、その内容に照らせば、当該ウェブサイトを我が国の需要者を対象とした広告であるとは認め難く、これをもって、日本国内における使用に該当するものということはできない。

(3)上記(1)及び(2)によれば、乙第1号証及び乙第4号証をもって、PharmaCare社が、要証期間に、自己のウェブサイト内において、製品情報を掲載していた事実を確認することができない。

3 使用に係る商品について

被請求人は、「PharmaCare社のウェブサイト内、製品情報ページ」(乙1)に掲載されている商品について、その包装容器のラベルに、本件商標と社会通念上同一の商標である「Nature’s Way」の文字の上に樹木の抽象図形を配した商標(以下「使用商標」という。)が表示されている旨述べるとともに、当該ラベルには、「Women’s Multi−Vitamin(女性用のマルチビタミン)」と表示されていること、その商品に係る用法・成分・用量の詳細情報(乙7)によれば、当該商品は、「総合ビタミン剤」であり、本件審判の請求に係る指定商品中の第5類「ビタミン剤」に該当するものである旨述べている。

しかしながら、上記商品の包装容器のラベルの表示や当該商品の含有成分によっては、それが、第5類の「薬剤」の範ちゅうに属する「ビタミン剤」であるかが明らかでないことから、当該商品が、第5類「ビタミン剤」であると認めることができない。

4 小括

上記1ないし3によれば、たとえ、本件商標と使用商標とが社会通念上同一と認められるものであるとしても、要証期間に、PharmaCare社が本件商標の使用権者であるとは認めることができず、かつ、同社が、本件審判の請求に係る指定商品中の第5類「ビタミン剤」について、本件商標(社会通念上同一と認められるものを含む。)の使用をしたものと認めることもできない。

その他、本件商標が、要証期間に、本件審判の請求に係る指定商品である第5類「ビタミン剤,アミノ酸剤,滋養強壮変質剤」について使用されていたことを認めるに足る証拠の提出はない。

5 まとめ

以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、その請

求に係る指定商品について本件商標の使用をしていたことを証明したものとは認められない。

また、被請求人は、本件商標を本件審判の請求に係る指定商品に使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。

したがって、本件商標の登録は、その指定商品中、第5類「ビタミン剤,アミノ酸剤,滋養強壮変質剤」については、商標法第50条の規定により、その登録を取り消すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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