sokuhyo

Trademark Appeal Case

周知商標の混同と不正目的

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2018−900328(T2018−900328/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第6083179号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第6083179号商標(以下「本件商標」という。)は、「バーンサイドストリートカフェ」の片仮名を標準文字で表してなり、平成29年6月27日に登録出願、第43類「パンケーキを主とする飲食物の提供,パンケーキを主とする飲食物の提供に関する情報の提供,飲食物の提供」を指定役務として、同30年8月22日に登録査定、同年9月21日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する商標は、「BURN SIDE ST CAFE(バーンサイドストリートカフェ)」(以下「引用商標」という。)の文字からなり、申立人が自己の業務に係る「パンケーキを主とする飲食物の提供」について使用しているとするものである。

3 登録異議の申立ての理由

申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第15号及び同第19号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第30号証を提出した。

(1)商標法第4条第1項第10号該当性について

引用商標は、申立人の業務に係る役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている(甲7〜甲30)から、商標法第4条第1項第10号に該当する。

(2)商標法第4条第1項第15号該当性について

引用商標は、申立人の商標として広く認識されているから、本件商標は、役務の出所について混同を生じるおそれがある。

引用商標は、本件商標と同一又は類似の造語からなり、取引者・需要者も共通している。このような事実も総合勘案して判断すれば、本件商標がその指定役務に使用された場合に、申立人の業務に係る役務と出所の混同を生じるおそれがあることは明らかである。

(3)商標法第4条第1項第19号該当性について

引用商標は、申立人の業務に係る役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されており、本件商標は、申立人の商標の出所表示機能を希釈化させたり、その名声等を毀損させる目的をもって使用するものである。

本件商標の商標権者は、申立人と同一の地域において、同一の「パンケーキ」を主とする飲食物を提供しており(甲4)、引用商標が申立人の商標として広く認識されていることを知って、その商標に化体した信用、名声、顧客吸引力等を毀損させようとする不正の目的を有することは明らかである。

4 当審の判断

(1)引用商標の周知・著名性

申立人の提出した証拠及び同人の主張によれば、以下のとおりである。

ア 申立人は、平成27年4月に東京原宿に「BURN SIDE ST CAFE」を開店し、2号店として、同年10月に大阪樟葉に「BURN SIDE ST CAFE CRAFT KITCHEN+」を開店している(甲5、甲6)。

イ 平成27年4月16日にテレビ朝日「グッド!モーニング」の番組内において、「BURN SIDE ST CAFE(バーンサイドストリートカフェ)」が4月4日にオープンしたパンケーキの店舗及びパンケーキの特徴について、約2分にわたって放映され(甲7)、また、同年9月29日に日本テレビ「ヒルナンデス」の番組内において、「BURN SIDE ST CAFE(バーンサイドストリートカフェ)」が「最新トレンド ふわふわパンケーキ店」と表示され、同店で提供されているパンケーキについて、約4分にわたって放映された(甲8)。

ウ 全国版の雑誌における掲載

(ア)「MORE」2015年9月号(甲9)には、202頁に他の店舗のパンケーキとともに「バーンサイドストリートカフェ BURN SIDE ST CAFE/ホワイトスフレパンケーキ」が掲載されている。

(イ)「nicola」2016年1月号(甲10)には、グルメランキングの見開き頁に各種類の商品が混然と掲載されている中の「流行スイーツ部門」として「3位 バーンサイドストリートカフェのフレンチトースト」が掲載されている。

(ウ)「mina」2015年8月号(甲11)には、モデルの着用している服の紹介とともに、パンケーキのオススメBest5の店の他に「BURN SIDE ST CAFE」(東京都渋谷区)が掲載され、「mina」2015年9月号(甲12)には、「デート服」の紹介をしている頁の下部に、「BURN SIDE ST CAFE」(東京都渋谷区)が他の2店舗とともに掲載されている。

(エ)「GATEAUX」2015年12月号(2番目の「A」には、アクサン−シルコンフレックスが付されている。:甲13)には、130頁の下の欄に、「関西で人気のパンケーキカフェの姉妹店が東京・原宿にオープン」の見出しの下、「BURN SIDE ST CAFE(バーンサイドストリートカフェ)」の「ホワイトスフレパンケーキ」が掲載されている。

(オ)「2nd」2015年7月号(甲14)には、他の店舗とともに「バーンサイドストリートカフェ」の「メイソンジャーサラダ」が掲載されている。

エ インターネットサイトへの掲載

(ア)「RETRIP」のウェブサイト(甲15)には、「1番人気のパンケーキが決定!東京都内のパンケーキランキングTOP18」(更新日:2017年2月11日)として、「7位 バーンサイドストリートカフェ[原宿]」が掲載されている(8葉目〜12葉目)。

(イ)「食べログの店舗管理画面」におけるアクセス数ランキングにおいて、「エリア:原宿」について、「BURN SIDE ST CAFE」は、2016年1月には、48,400のアクセス数で15位、2017年3月には、58,542のアクセス数で11位となっている(甲21、甲22)。

また、当該アクセス数ランキングにおいて、「エリア:枚方・寝屋川」について、「BURN SIDE ST CAFE CRAFT KITCHEN+KUZUHA」は、2016年1月には、16,613のアクセス数で5位、2017年3月には、15,101のアクセス数で12位となっている(甲24、甲25)。

オ 申立人は、甲第16号証ないし甲第19号証について、雑誌やパンフレットにおける申立人の店舗が掲載されたものであると主張しているが、提出された証拠は、当該記事の掲載部分のみが抜粋されたものであり、その雑誌名や発行日を確認することができない。

また、甲第20号証、甲第23号証、甲第26号証ないし甲第30号証は、本件商標の登録出願後の2017年8月17日出力のインターネット情報であり、かつ、「BURN SIDE ST CAFE CRAFT KITCHEN+KUZUHA」(甲23)、「バーンサイドストリートカフェ/BURN SIDE ST CAFE CRAFT KITCHEN+」(甲27)、「バーンサイドストリートカフェクラフトキッチンプラスクズハ/BURN SIDE ST CAFE CRAFT KITCHEN+KUZUHA」(甲29)、「BURN SIDE ST CAFE CRAFT KITCHEN+/(バーンサイドストリートカフェ)」(甲30)等のように、引用商標とは異なる「CRAFT KITCHEN+KUZUHA」や「バーンサイドストリートカフェクラフトキッチンプラスクズハ」の文字を有する店舗の紹介となっている。

カ 上記からすれば、申立人は、平成27年4月に、東京原宿に「BURN SIDE ST CAFE」を開店しており、同年10月には大阪樟葉に2号店を開店しているが、2号店の店舗の名称は、「BURN SIDE ST CAFE CRAFT KITCHEN+」であって、引用商標とは異なるものである。

そして、「BURN SIDE ST CAFE(バーンサイドストリートカフェ)」は、パンケーキの店として、テレビで放映された(甲7、甲8)ものの、番組の中におけるわずかな時間の放映であり、提出されたテレビ放映に関する証拠は、この2回のみである。

また、2015年及び2016年における雑誌掲載に関する証拠は、「BURN SIDE ST CAFE(バーンサイドストリートカフェ)」についての特集を組んでいるというようなものではなく、雑誌における多くの頁の中の1頁に他の店舗や洋服の紹介とともに掲載されているものであり、「BURN SIDE ST CAFE(バーンサイドストリートカフェ)」が注目されるような形で掲載されているものではない。

さらに、これらの雑誌中の「流行スイーツ部門」におけるランキング(甲10)は、「フレンチトースト」についてのものであり、かつ、当該ランキングは、どのような基準で選出されたものであるのかも不明である。

さらにまた、インターネット情報に関する証拠において、「RETRIP」の東京都内のパンケーキランキングとして、「7位 バーンサイドストリートカフェ[原宿]」が掲載されている(甲15)が、当該ランキングは、誰がどのような基準で選出したのかは不明であり、「食べログの店舗管理画面」の「エリア:原宿」についての2016年1月及び2017年3月アクセス数ランキング(甲21、甲22)についても、アクセス数のみをもって広く知られているとは、直ちにいい難いものであることに加え、2016年1月及び2017年3月という単発的な期間においてのランキングであることから、長期的に上位の順位が維持されているものかも不明である。

その他、上記以外に、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、引用商標が、申立人の商標として、全国的に認識されていることを示す証拠は提出されていない。

以上によると、申立人が提出した証拠からは、引用商標が、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る「パンケーキを主とする飲食物の提供」を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。

(2)商標法第4条第1項第10号該当性について

本号は、「他人の業務に係る商品若しくは役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標又はこれに類似する商標であつて、その商品若しくは役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について使用をするもの」と規定されている。

引用商標は、上記(1)のとおり、申立人の業務に係る「パンケーキを主とする飲食物の提供」を表すものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできないものである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号を適用するための要件を欠くものといわざるを得ないから、同号に該当しない。

(3)商標法第4条第1項第15号該当性について

ア 引用商標の周知・著名性について

引用商標は、上記(1)のとおり、申立人の業務に係る「パンケーキを主とする飲食物の提供」を表すものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできないものである。

イ 本件商標と引用商標との類似性の程度について

本件商標は、前記1のとおり、「バーンサイドストリートカフェ」の片仮名を標準文字で表したものである。

他方、引用商標は、前記2のとおり、「BURN SIDE ST CAFE(バーンサイドストリートカフェ)」の文字よりなるものであり、その構成中の片仮名部分は、欧文字部分の読みを表したものと無理なく理解されるものである。

そうすると、本件商標と引用商標とは、片仮名部分においてその構成文字を共通にするものであり、引用商標構成中の「BURN SIDE ST CAFE」の欧文字部分についても、「バーンサイドストリートカフェ」を欧文字表記したものと解されることから、本件商標と引用商標との類似性の程度は高いものというべきである。

ウ 本件指定役務と申立人の取扱いに係る役務の関連性、需要者の共通性について

本件指定役務である「パンケーキを主とする飲食物の提供,パンケーキを主とする飲食物の提供に関する情報の提供,飲食物の提供」と申立人の取扱いに係る「パンケーキを主とする飲食物の提供」は、同一又は類似の役務であり、需要者も共通する。

エ 出所の混同のおそれについて

上記アないしウのとおり、引用商標は、申立人の取扱いに係る役務を表示するものとして、需要者の間に広く認識されているとは認められないものであることからすれば、たとえ、本件商標と引用商標の類似性の程度が高く、本件指定役務と申立人の取扱いに係る役務が同一又は類似し、その需要者の範囲を共通にするものであるとしても、本件商標に接する取引者、需要者が、申立人に係る引用商標を連想又は想起するものということはできない。

そうすると、本件商標は、商標権者がこれを本件指定役務について使用しても、取引者、需要者が、引用商標を連想又は想起することはなく、その役務が他人(申立人)あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その役務の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。

その他、本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情も見いだせない。

オ 小括

したがって、本件商標は、商標権者がこれを本件指定役務について使用しても、その役務の出所について混同を生ずるおそれはないものであるから、商標法第4条第1項第15号に該当しない。

(4)商標法第4条第1項第19号該当性について

本号は、「他人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されている商標と同一又は類似の商標であつて、不正の目的(不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的をいう。以下同じ。)をもつて使用をするもの(前各号に掲げるものを除く。)」と規定されている。

そうすると、上記(1)のとおり、引用商標は、申立人の業務に係る役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認められないものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第19号を適用するための要件を欠くものといわざるを得ない。

また、申立人が提出した証拠からは、本件商標権者が、本件商標を不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的をもって使用をするものと認めるに足りる具体的事実は見いだせない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。

(5)むすび

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号、同第15号及び同第19号いずれにも該当するものでなく、その登録は、同条第1項の規定に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。

よって、結論のとおり決定する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。