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Trademark Appeal Case

複合商標の要部抽出と類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2019−2874(T2019−2874/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第25類「帽子,子供用帽子,水泳帽」を指定商品として、平成30年9月10日に登録出願されたものである。

2 引用商標

原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5980263号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、平成28年7月15日に登録出願、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を含む、第9類、第14類、第20類、第21類、第24類及び第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同29年9月15日に設定登録されたものであり、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断

(1)本願商標について

本願商標は、別掲1のとおり、「STAR CAP」の欧文字(語頭から3文字目の「A」の欧文字の中央には、白抜きの星形の図形が配されている。)を紺色で表してなるところ、「STAR」の欧文字と「CAP」の欧文字の間には半角程度のスペースを有してなることから、その構成は、前半の「STAR」の欧文字部分と後半の「CAP」の欧文字部分とに、視覚上分離して看取されるものである。

本願商標を構成する前半の「STAR」の欧文字部分は、「星」の意味を有する広く親しまれた英語(ランダムハウス英和大辞典 小学館)であって、本願指定商品との関係においては、格別、自他商品の識別力を欠く語であるとはいえない。

他方、後半の「CAP」の欧文字部分は、「(縁なしの)帽子」の意味を有する広く親しまれた英語(前掲書)であって、本願指定商品との関係においては、商品の普通名称又は品質等を表す語として認識されるにすぎないものであるから、自他商品の識別力を欠く語であるといえる。

そうすると、本願商標の構成中、前半の「STAR」の欧文字部分と後半の「CAP」の欧文字部分とは、視覚上、明確に分離して観察されるものであり、また、相互に関連性を有する語でもないことから、これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとはいい難い。

以上によれば、本願商標は、その構成中「STAR」の欧文字部分が、取引者、需要者に対し、商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められ、それ以外の部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないと認められるから、当該欧文字部分を要部として抽出し、この部分のみを他人の商標(引用商標)と比較して商標の類否を判断することが許されるものである。

したがって、本願商標は、要部である「STAR」の欧文字に相応して、「スター」の称呼及び「星」の観念を生じるものである。

(2)引用商標について

引用商標は、別掲2のとおり、上段に黒色で表した星型図形、中段に「STAR」の欧文字、下段に「スター」の片仮名を三段に配してなるところ、構成中の「STAR」の欧文字は中段に太文字で表され、下段の「スター」の片仮名は中段の「STAR」の読み方を表したものと無理なく理解できるものであり、また、中段の「STAR」及び下段の「スター」の文字部分は、上段の星型図形部分を説明ないし読みを特定しているとみるのが自然であるから、引用商標からは「STAR」及び「スター」の文字部分に相応して「スター」の称呼及び「星」の観念を生じるものである。

(3)本願商標と引用商標の類否

本願商標の要部である「STAR」の欧文字部分と引用商標を対比するに、引用商標構成中の中央に位置する「STAR」の文字は、本願商標の要部とつづりを同じくするものであり、両者は、配する図形の位置及び色彩は相違するものの互いに星形の図形を有するものであって、「スター」の片仮名の有無に相違があるとしても、外観上、近似した印象を与えるものである。

そして、両者は、「スター」の称呼及び「星」の観念を同一にするものである。

したがって、本願商標の要部と引用商標とは、外観において近似した印象を与えるものであり、称呼及び観念を同一にするものであるから、これらを総合的に勘案すると、相紛れるおそれのある類似の商標というのが相当である。

以上のことからすると、本願商標は、引用商標と類似する商標といえる。

(4)本願商標の指定商品と引用商標の指定商品の類否

本願商標の指定商品である第25類「帽子,子供用帽子,水泳帽」は、引用商標の指定商品中の第25類「被服」とは、同一又は類似の商品であると認められる。

(5)小括

以上からすれば、本願商標と引用商標とは、類似の商標であって、その指定商品も同一又は類似するものであるから、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。

(6)請求人の主張に対して

ア 請求人は、「STAR」の文字は造語のような強い識別力を有しているとは言えず、特段需要者の注意を惹くような強く支配的な語ではないと言えることから、本願商標に接した需要者等が、殊更「STAR」の文字部分に注目し、「スター」のみを称呼するとは言えない旨主張する。

しかしながら、本願商標においては、その構成中の「STAR」の欧文字部分を要部として抽出し、これを引用商標と比較して商標そのものの類否を判断することも許されることは、上記(1)のとおりである。

イ 請求人は、過去の登録例を挙げて、本願商標は「STAR CAP」の一体不可分の造語の商標として認識されることが相当であると旨主張する。

しかしながら、商標の類否の判断は、対比する商標について個別具体的に判断されるべきものであるところ、上記登録例は、商標の具体的構成等において本願とは事案を異にするものであり、本願商標については、上記(1)においてした判断のとおりであるから、該登録例をもってその判断が左右されることはない。

(7)結語

以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、これを登録することはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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