sokuhyo

Trademark Appeal Case

商標の類否判断

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号無効2018−890055(T2018−890055/J3)
審判種別無効
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第6025919号商標(以下「本件商標」という。)は、「GQLINE」の欧文字を書してなり、平成29年7月6日登録出願、第14類、第16類、第18類、第20類、第24類ないし第26類及び第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同30年2月16日に登録査定、同年3月9日に設定登録されたものである。

第2 引用商標

請求人が、本件商標の登録の無効の理由について、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当するとして引用する商標は、以下の登録商標(以下、これらをまとめていうときは「引用商標」という。)であって、いずれも現に有効に存続しているものである。

1 登録第4750710号商標(以下「引用商標1」という。)

商標の構成:別掲1のとおり

登録出願日:平成15年5月30日

設定登録日:平成16年2月27日

更新登録日:平成26年2月12日

指定商品:第16類に属する商標登録原簿に記載の商品

2 登録第1712234号商標

商標の構成:別掲2のとおり

登録出願日:昭和56年11月24日

設定登録日:昭和59年9月26日

最新更新登録日:平成26年5月27日

指定商品:第16類「雑誌」(平成17年3月16日書換登録)

3 登録第2240819号商標

商標の構成:別掲3のとおり

登録出願日:昭和62年11月13日

設定登録日:平成2年6月28日

最新更新登録日:平成22年1月12日

指定商品:第16類「雑誌,新聞」(平成22年3月24日書換登録)

4 登録第2638511号商標

商標の構成:別掲2のとおり

登録出願日:平成4年1月7日

設定登録日:平成6年3月31日

最新更新登録日:平成26年3月4日

指定商品:第4類ないし第6類、第8類、第10類、第11類、第14類、第16類、第18類ないし第21類、第24類、第26類ないし第28類に属する商標登録原簿に記載の商品(平成16年5月12日書換登録)

5 登録第2633846号商標

商標の構成:別掲2のとおり

登録出願日:平成4年1月7日

設定登録日:平成6年3月31日

最新更新登録日:平成26年3月4日

指定商品:第3類、第6類、第8類、第10類、第14類、第18類、第21類、第25類、第26類に属する商標登録原簿に記載の商品(平成16年5月12日書換登録)

6 登録第2645467号商標

商標の構成:別掲2のとおり

登録出願日:平成4年1月7日

設定登録日:平成6年4月28日

最新更新登録日:平成26年3月18日

指定商品:第17類、第24類、第26類に属する商標登録原簿に記載の商品(平成16年6月2日書換登録)

7 登録第2648763号商標

商標の構成:別掲2のとおり

登録出願日:平成4年1月7日

設定登録日:平成6年4月28日

最新更新登録日:平成26年3月18日

指定商品:第9類、第14類に属する商標登録原簿に記載の商品(平成16年7月14日書換登録)

8 登録第2659068号商標

商標の構成:別掲2のとおり

登録出願日:平成4年1月7日

設定登録日:平成6年5月31日

最新更新登録日:平成26年4月8日

指定商品:第6類、第8類、第9類、第15類、第18類ないし第22類、第24類、第25類、第27類、第28類、第31類に属する商標登録原簿に記載の商品(平成16年6月2日書換登録)

9 登録第2678276号商標

商標の構成:別掲2のとおり

登録出願日:平成4年1月7日

設定登録日:平成6年6月29日

最新更新登録日:平成26年4月8日

指定商品:第6類、第11類、第14類、第16類、第17類、第19類ないし第22類、第24類、第26類、第27類、第31類に属する商標登録原簿に記載の商品(平成16年6月9日書換登録)

10 登録第2683404号商標

商標の構成:別掲3のとおり

登録出願日:平成4年1月7日

設定登録日:平成6年6月29日

最新更新登録日:平成26年4月8日

指定商品:第4類ないし第6類、第8類、第10類、第11類、第14類、第16類、第18類ないし第21類、第24類、第26類ないし第28類に属する商標登録原簿に記載の商品(平成16年6月9日書換登録)

11 登録第2685489号商標

商標の構成:別掲3のとおり

登録出願日:平成4年1月7日

設定登録日:平成6年7月29日

最新更新登録日:平成26年4月30日

指定商品:第17類、第24類、第26類に属する商標登録原簿に記載の商品(平成16年7月14日書換登録)

12 登録第2685490号商標

商標の構成:別掲3のとおり

登録出願日:平成4年1月7日

設定登録日:平成6年7月29日

最新更新登録日:平成26年4月30日

指定商品:第3類、第6類、第8類、第10類、第14類、第18類、第21類、第25類、第26類に属する商標登録原簿に記載の商品(平成16年8月4日書換登録)

13 登録第2685491号商標

商標の構成:別掲3のとおり

登録出願日:平成4年1月7日

設定登録日:平成6年7月29日

最新更新登録日:平成26年2月25日

指定商品:第9類、第14類に属する商標登録原簿に記載の商品(平成16年8月4日書換登録)

14 登録第2700190号商標

商標の構成:別掲3のとおり

登録出願日:平成4年1月7日

設定登録日:平成6年11月30日

最新更新登録日:平成26年6月10日

指定商品:第6類、第11類、第14類、第16類、第17類、第19類ないし第22類、第24類、第26類、第27類、第31類に属する商標登録原簿に記載の商品(平成17年1月26日書換登録)

15 登録第2700756号商標

商標の構成:別掲4のとおり

登録出願日:平成4年3月31日

設定登録日:平成6年12月22日

最新更新登録日:平成26年7月8日

指定商品:第6類、第9類、第16類、第19類、第20類に属する商標登録原簿に記載の商品(平成17年4月6日書換登録)

16 登録第2700757号商標

商標の構成:別掲5のとおり

登録出願日:平成4年3月31日

設定登録日:平成6年12月22日

最新更新登録日:平成26年7月8日

指定商品:第6類、第9類、第16類、第19類、第20類に属する商標登録原簿に記載の商品(平成17年4月6日書換登録)

17 登録第2711523号商標

商標の構成:別掲3のとおり

登録出願日:平成4年1月7日

設定登録日:平成7年12月26日

最新更新登録日:平成27年8月4日

指定商品:第5類、第9類、第10類、第16類、第17類、第20類ないし第22類、第24類、第25類に属する商標登録原簿に記載の商品(平成18年1月25日書換登録)

18 登録第4557759号商標

商標の構成:別掲3のとおり

登録出願日:平成12年6月29日

設定登録日:平成14年4月5日

更新登録日:平成23年10月18日

指定役務:第35類、第38類、第42類に属する商標登録原簿に記載の役務

19 登録第5150778号商標

商標の構成:別掲1のとおり

登録出願日:平成19年6月29日

設定登録日:平成20年7月11日

更新登録日:平成30年3月27日

指定商品及び指定役務:第9類、第41類、第45類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務

20 登録第5299822号商標

商標の構成:別掲1のとおり

登録出願日:平成21年9月3日

設定登録日:平成22年2月5日

指定役務:第35類に属する商標登録原簿に記載の役務

21 登録第5410019号商標

商標の構成:別掲1のとおり

登録出願日:平成22年6月11日

設定登録日:平成23年4月28日

指定商品及び指定役務:第9類、第35類、第38類、第41類、第42類、第45類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務

第3 請求人の主張

請求人は、本件商標の登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第50号証(枝番号を含む。)を提出した。

1 商標法第4条第1項第11号該当性について

(1)本件商標中の「LINE」の文字について

本件商標「GQLINE」のうち、「LINE」の文字は、本件商標の出願時はもちろんのこと、登録時においても、ネットワークの業界においては、何人も使用することができ、かつ、使用している文字であり、商標としての識別力を有しない文字となっている。

したがって、本件商標の要部は、「GQ」の2文字にある。

このため、本件商標は、請求人らの所有に係る21件の引用商標「GQ」とその要部を同一とする標章であり、かつ、本件商標の指定商品・指定役務の全区分がそれぞれ相互に類似するものである。

(2)要部抽出の根拠

現在、例えば、「LINE」という文字をGoogle検索すると、およそ6億件ヒットするが、そのうちの160件程が「LINE」の文言をメインとした内容となっている。さらに、そのうち上位の方に位置するウェブサイトによれば、「LINE」の文字は、ネット上普通に用いられている(甲24〜甲32)。

インターネット時代の現在において、この「LINE」なる技術は、「NHN日本」によって開発された人気オンラインメッセージアプリケーションである。ネットのユーザーにとって、魅力的な部分は「絵文字イメージ」である。「LINE」は、今や250以上の絵文字イメージをユーザーに提供できる新しいコミュニケーションツールとなっている。このおかげでユーザーは無料通信と無料メッセージをいつどこでも、24時間に作成ができるという数十年前では考えることすらできない夢のような時代を享受できるようになったのである(甲32の2)。

したがって、日本発のアプリが全世界へと拡大し、その結果「LINE」は、今から5年前の2013年1月、当時で既に全世界のユーザー数が1億人を突破したのである。すなわち、「LINE」は、2011年6月のサービス開始から約7年しか経っておらず、この短期間に日本のユーザー数は4,151万人と増加し、日本人の約3人に1人が利用する程までに急成長を遂げたのである。

そして、識別力のある標章としては、「LINE」の文字と図形との結合商標のみが、登録されているのである。

このような諸事実に基づき、請求人は、本件商標中の「LINE」の文字には、出願時はもとより、登録時においても、商標としての識別力を有しない文字となっており、本件商標の要部は「GQ」のみに存在するものと確信する。

(3)小括

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。

2 商標法第4条第1項第15号該当性について

(1)引用商標は、請求人らの発行に係る世界的に有名な男性用ファッション誌「GQ」のタイトルであること

請求人は、「GQ」誌そのものの表紙のうち、日本で2014年から2018年に発行されたものを提出する(甲33)。特に、2018年7、8月号の市川海老蔵が「リンゴ」をかじる強烈な顔が表紙に掲載され、強いインパクトのある「GQ」誌そのものを提出する(甲34)。これにより、「GQ」2文字の現実の商取引における使用態様を明らかにする。

上記各表紙により、「GQ」誌を通して、「GQ」の2文字が世界的な男性用ファッション雑誌のタイトルとして理解され、かつ、この雑誌が世界的に著名性のある男性ファッション雑誌のタイトルであることを認識できる。

この事実は、請求人自らの主張だけではなく、主張の客観性を担保させるため、第三者の見解を通じて「著名性ある事実」を立証する。

すなわち、Google検索において、キーワード「GQ」の2文字を入力すると、直ちに「GQJAPAN」が表示される。さらに、キーワード「GQ JAPAN」を入力すると、「GQ JAPAN(ジーキュウジャパン)とは、コンデナスト・ジャパンが発売している男性向けファッション・カルチャー雑誌である。毎月24日発売。1957年にアメリカで創刊され世界19ヶ国で発行・発売されている、アメリカの代表的な男性ファッション雑誌・GQの日本版。雑誌名はGentlemen’sQuarterlyの略で、初期は季刊であったことから『男性向け季刊誌』を意味する。アメリカ版の発行部数は93万部。」等のウィキペディアの説明が表示されており、「GQ」誌が世界的に著名性を有する男性用ファッション誌であることは明らかである。

(2)「GQ」誌の具体的な記載内容について

Google検索の「GQ」の2文字からは、「GQJAPANは本質にこだわる男性のためのメンズ・ファッション&クオリティ・ライフスタイルマガジンです。」がヒットする。請求人は、代表的な4つのファッション商品について、「MAGAZINE」(甲35)、「CAR」(甲36)、「FASHION」(甲37)、「WOMAN」(甲38)を提出し、「GQ」誌の具体的内容の一端を提出する。

加えて、「GQ」誌は、2018年現在、世界19か国において発売されており、男性ファッションのリーダーとしての地位を確立している。

このように、世界19か国で発行されている事実からしても、「GQ」の2文字が、「GQ」誌としてファッション業界はもとより、多くの人々にその著名性が認識されている。

(3)商標権者によるネット上の使用態様について

Google検索で「GQLINE」のキーワードを入力して出てくるページには、Rashink−GQLINE Toreru Search(トレルサーチ)(甲40)、商標「GQLINE」の詳細情報(甲41)、GQLINEの画像検索結果(甲42)、ニンジニアネットワーク株式会社のGQLINE画像検索結果(甲43)が出現し、これらのうち、殊に甲第40号証には「rashinkブランドのプレミアムライン(GQ=GREAT QUALITY)とあり、被請求人は「GQ」2文字の根拠が、あたかもGREAT QUALITYにあるかのように説明している。

しかし、実際には、レザー製品として、BAG、CLUTCH BAG、WALLET、BOOTS、GLOVEが記載され、これらは、全てファッション商品の代表的なものである。

さらに、被請求人は、ネット上に「商標情報」として、「GQLINE」が特許庁において登録された事実を公開し、区分ごとに詳細な説明を加え、宣伝・広告をしている。すなわち、被請求人は、男性用ファッショングッズの写真と共に、ネット上でその通販サービスを行っている事実を展開している(甲41、甲43、甲44)。

しかしながら、これらの被請求人の諸行為は、ことごとく請求人ら所有の世界的著名性を獲得している「GQ」に対し、著名性・信用へのただ乗り、著名性・信用の希釈化、著名性・信用の汚染を生じている行為であるといわざるを得ない。

請求人は、「GQ」誌の登録保護を図るべく、61年もの長年にわたり、世界的企業努力を重ねつつ現在に至っている。

それにもかかわらず、被請求人は、この長年努力の結果、世界的著名性を獲得した請求人ら所有の「GQ」マークを用いて、何ら企業努力なしに前述の諸行為を行っている。

(4)過去における「GQ」商標の紛争事件について

請求人は、すでに我が国における「GQ」商標につき、請求人とは無関係な第三者による商標登録に対し、平成13年(2001年)4月12日付けで登録無効審判請求を行い、無効審決を得た事実がある(甲45、甲46)。

さらに、過去の事件において、請求人が100年を超える企業努力を積み重ねてきた世界的著名商標「VOGUE」に対する第三者による登録、あるいは商標権侵害事件に関する審決、判決例を列挙し、本件と商標の本質的な問題点が全く共通している事実を主張・立証する(甲47〜甲50)。

3 結語

以上のとおり、本件商標は、明らかに商標法第4条第1項第11号違反、及び同第15号違反によって登録されたものであるから、その登録を無効とすべきものである。

第4 被請求人の答弁

被請求人は、請求人の主張に対して何ら答弁していない。

第5 当審の判断

請求人が本件審判を請求するにつき、利害関係について争いがないから、本案について判断する。

1 商標法第4条第1項第11号該当性について

(1)本件商標

請求人は、本件商標の構成中、「GQ」の文字部分が要部となるものであることを前提として、本件商標が商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当する旨主張しているので、まず、この点について検討する。

本件商標は、前記第1のとおり、「GQLINE」の欧文字を同一の書体をもって横一連に、外観上まとまりよく一体的に表され、その構成中の「GQ」の文字部分のみが強く印象付けられる態様のものとはいえない。また、その構成文字全体としては、辞書等に掲載のない、造語といえ、かつ、本件商標より生ずると認められる「ジーキューライン」の称呼もよどみなく称呼し得るものである。

してみると、本件商標は、構成全体として、一体不可分の商標とみるのが相当であり、その構成文字に相応して、「ジーキューライン」の一連の称呼のみを生ずるものであって、特定の観念を有しないものである。

(2)引用商標

引用商標は、前記第2のとおり、いずれも極めて大きく、かつ、肉太に表示した「G」と「Q」の欧文字を図案化した部分を有するという点を共通にするものであり、当該図案化部分の特徴のある外観が自他商品及び役務の識別標識としての機能を果たし得るものというべきであって、当該図案化部分からは、「ジーキュー」の称呼が生じるものの、特定の観念は生じないものというのが相当である。

(3)本件商標と引用商標の類否について

本件商標と引用商標は、それぞれ前記のとおりの構成よりなるものであるから、外観上明らかに相違するものである。

次に称呼についてみるに、本件商標より生ずる「ジーキューライン」の称呼と引用商標より生ずる「ジーキュー」の称呼とは、「ライン」の音の有無の差異により、それぞれの称呼を全体として称呼した場合においても、その語調・語感が著しく相違したものとなり、明瞭に聴別し得るものである。

また、本件商標及び引用商標は、いずれも特定の観念を有しないものであるから、観念上比較することができない。

そうすると、本件商標と引用商標とは、観念上比較することができないとしても、その外観及び称呼において相違し、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合してみても、本件商標は引用商標のいずれとも相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。

(4)小括

以上のとおり、本件商標の指定商品及び指定役務と引用商標の指定商品及び指定役務との類否について言及するまでもなく、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

2 商標法第4条第1項第15号該当性について

(1)引用商標の著名性について

請求人は、我が国において、2014年から2018年に発行された男性用ファッション誌に引用商標1を使用しているものである(甲33、甲34)。

そして、請求人は、引用商標の著名性を客観的に示すものとして、Google検索における「GQ JAPAN」に関するウィキペディアの説明により、「GQ」誌が世界的に著名性を有する男性用ファッション誌であることは明らかであると主張している。

しかしながら、我が国において、請求人が、2014年から引用商標1を男性用ファンション雑誌に使用していることは認められるとしても、引用商標に係る使用期間、使用方法、広告の範囲・回数、市場シェア等を客観的に把握できる具体的な証拠の提出はされておらず、提出された証拠をもって、引用商標が広く知られていると認めることはできない。

また、その他に、引用商標の著名性を客観的に把握することができる証拠も見いだせない。

してみれば、引用商標は、請求人の業務に係る雑誌を表示するものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の取引者・需要者の間に広く認識されていたものということはできない。

(2)本件商標と引用商標との類似性の程度について

上記1のとおり、本件商標と引用商標とは、観念上比較することができないとしても、その外観及び称呼において相違し、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合してみても、本件商標は引用商標のいずれとも相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。

(3)引用商標の独創性について

引用商標は、いずれも「G」と「Q」の欧文字を図案化した部分を有するものであって、「G」と「Q」の欧文字をいずれも極めて大きく、かつ、肉太に表示した点に特徴を有するといえるものの、近似のレタリング技術からすれば、その独創性が高いものとはいい難い。

(4)商品の関連性、需要者の共通性について

本件商標の指定商品中には、請求人が引用商標の著名性を主張する商品「雑誌」が含まれているから、商品の関連性は高く、その需要者を共通にするものといえる。

(5)出所の混同のおそれについて

上記(1)ないし(4)によれば、引用商標は、請求人の業務に係る雑誌を表示するものとして、本件商標の登録出願日及び登録査定日の時点において、我が国の取引者・需要者の間に広く認識されていたものと認めることができず、その独創性も、さほど高いとはいえないものであって、かつ、本件商標と引用商標とは、互いに相紛れるおそれのない非類似の商標である。

してみると、本件商標に係る指定商品と請求人の取扱いに係る商品の関連性が高く、その需要者の範囲を共通にするものであるとしても、本件商標に接する取引者・需要者が、引用商標を想起又は連想することはないというべきであるから、本件商標は、これをその指定商品及び指定役務について使用しても、該商品及び役務が請求人又はこれと組織的・経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品及び役務であるかのように、商品及び役務の出所について混同を生ずるおそれがあるものと認めることはできない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。

3 請求人の主張について

(1)請求人は、本件商標の構成中「LINE」の文字について、ネットワークの業界において広く使用されている文字であるから、商標としての識別力を有しない文字となっており、本件商標の要部は「GQ」の文字部分であるとして、本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当すると主張しているが、前記1(1)のとおり、本件商標は、一体不可分の商標というべきものであり、また、その構成中の「LINE」の文字は、「(細くて強い)綱」「線」「列」等を意味する英単語(研究社 新英和中辞典)であって、メッセージアプリケーションの名称としても知られているものであるが、これが、本件商標の指定商品及び指定役務との関係において、商品及び役務の品質や質等を表すものとして、識別力を有しないとする証拠となり得ないことは明らかである上、本件商標構成中の「GQ」の文字は、普通に用いられる書体で表されており、これ自体で自他商品(役務)の識別力を有するものとはいえないから、「GQ」の文字部分のみを本件商標の要部として抽出する合理的な理由はなく、請求人のかかる主張を採用することはできない。

(2)請求人は、被請求人が、男性用ファッショングッズの写真と共に、ネット上でその通販サービスを行っている行為は、請求人ら所有の世界的著名性を獲得している「GQ」に対し、著名性・信用へのただ乗り、著名性・信用の希釈化、著名性・信用の汚染を生じている行為であると主張しているが、前記2(1)のとおり、引用商標は、請求人の業務に係る雑誌を表示するものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の取引者・需要者の間に広く認識されていたものと認めることができないものであるから、請求人のかかる主張を採用することはできない。

4 むすび

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号のいずれにも該当するものでなく、その登録は、同条第1項の規定に違反してされたものではないから、同法第46条第1項により、無効とすることはできない。

よって、結論のとおり審決する。

【別掲1】

【別掲2】

【別掲3】

【別掲4】

【別掲5】

Next Action

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