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Trademark Appeal Case

地名と普通名称の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成11年審判第18388号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「横浜牛」(標準文字)の文字を横書きしてなり、第29類「牛肉」を指定商品として、平成10年5月1日に登録出願されたものである。

2 原査定の理由

原査定は、『本願商標は、商品の産地又は販売地を認識させる一地名である「横浜」の文字に、その指定商品との関係においては、単なる肉の一種類(例えば、「牛、豚、鶏」等)を認識させる「牛」の文字を連綴して「横浜牛」と普通に用いられる方法で書してなるところ、一般に特定の地で飼育した牛、又はその牛肉には、その地名に「牛」の文字を連綴した「牛」(例えば、松坂牛、神戸牛、米沢牛等)なる表示が多数存在しているのが実情である。以上よりすれば、「横浜牛」と書したにすぎない本願商標をその指定商品である「牛肉」に使用するときは、単に「横浜で飼育された牛の肉」を認識させるに止まり、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標と認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する』と認定、判断して、本願を拒絶したものである。

3 請求人の主張

(1)原審の拒絶査定の理由において、『本願商標を使用したパンフレット、及び本願商標の周知性を証明する証明顕等の各証拠資料を大量に提出しているが、これらによっては、本願商標の使用時期及び本願商標の使用に係る牛肉の販売数量が全く不明であり、又、販売戦略上重要な要素を占めるマスメディアによる広告の事実も認められず、唯一提出された広告パンフレットに関しても、その作成数量、配布地域が不明である。』と認定されているが、別紙の第1642号証および第1643号証の平成11年10月22日付産経新聞の記事および同年10月の日経新聞の記事、さらに同年10月12日発行の業界専門誌「食肉通信」の記事(第1644号証)からも容易に認識できるようにマスコミも積極的に取り上げておりこれからも本願商標「横浜牛」の特別顕著性を容易に認識できる。

(2)本願商標についは、FM YOKOHAMA(84.7)局において、平成11年10月24日にラジオを通じて放送している事実(第1695号証)があり、商品の品質優秀性とマスコミによる放送効果により本願は日一日と神奈川県全域に亘って広く認知され、かつ周知著名性が得られている現状にあり、今後ともなお一層PRを積極的に行ってゆく方向にある。

(3)以上述べたように、横浜市行政当局及び横浜商工会議所の積極的な指導と併せて横浜食肉参考事業組合などの全ての公的組織を挙げてPRに努めているので、出願より今日に至る間、可及的速やかに本願の「横浜牛」が取引者・需要者間で広く認識されて来ていることは明らかである。

4 当審の判断

よって判断するに、本願商標は、「神奈川県の県庁所在地」である「横浜」の文字と「ウシ科の家畜」である「牛」の文字とで「横浜牛」(標準文字)の文字を普通に用いられる方法で書してなるところ、指定商品との関係では、これよりは、「横浜で飼育された、又は加工された牛肉」を理解、認識させるものであるから、これを本願の指定商品について使用するときには、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標と認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。

請求人は、本願商標が商標法第3条第2項の適用を受けられるものであると主張して、証拠書類として甲第1号証ないし同第1695号証(枝番を含む。)を提出している。

しかして、商標法第3条第2項の適用を受け、使用により識別力を有するに至った商標として登録が認められるのは、使用により識別力を有するに至った商標と同一の商標及びその商標を使用していた商品と同一の商品に関する場合のみであって、また、商標が使用により識別力を有するに至ったかどうかは、例えば、次のような(a)ないし(e)の事実を総合勘案して判断するものであるところ、本願については、(a) 実際に使用している商標並びに商品、(b) 使用開始時期、(c) 使用期間、(d) 生産、証明若しくは譲渡の数量又は営業の規模(店舗数、営業地域売上高等)、(e) 広告宣伝の方法、回数及び内容に関し、具体的な使用等に関する証拠資料の提出がなく、(1)使用地域についても、提出された証明書は、神奈川県、特に横浜市内の関係者のみと認められるものであること、(2)産経新聞、日経新聞及び業界専門誌「食肉通信」に一度だけ記事として掲載されたこと、(3)FM YOKOHAMA(84.7)局における特集による一回のラジオ放送だけでは、日本国内において、取引者・需要者間で広く認識されたとは言い難く、商標法第3条第2項の要件を満たすものとは認めることができない。

また、原審でも指摘したように、本願商標と使用商品の関係が具体的に把握できないものであるから、本願商標がその指定商品について使用している、という請求人の主張は認めることができない。

したがって、商標法第3条第1項第6号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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