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Trademark Appeal Case

論点抽出失敗

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2018−675(T2018−675/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第9類、第35類、第40類及び第42類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成27年4月1日に色彩のみからなる商標として登録出願され、その後、指定商品及び指定役務については、原審における同28年2月15日受付の手続補正書により、第35類「インターネットを利用したオークションの企画・運営又は開催」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「役務の提供の用に供する物や広告の装飾等に使用される色彩は、多くの場合、それらの魅力向上等のために選択されるものであって、役務の出所を表示し、自他役務を識別するための標識としては認識し得ないものである。そうすると、本願商標をその指定役務の提供の用に供する物や広告に使用しても、これに接する取引者、需要者は、役務の提供の用に供する物や広告に通常使用される又は使用され得る色彩を表したものと認識するにとどまり、何人かの業務に係る役務であるかを認識することができない商標と判断するのが相当である。また、提出された証拠からは、本願商標が使用をされた結果、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができるに至っているものと認めることはできない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審における証拠調べ通知

当審において、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、別掲2に示すとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して、平成30年11月13日付け証拠調べ通知書によって通知し、期間を指定してこれに対する意見を求めた。

4 証拠調べ通知書に対する請求人の意見の要点

証拠調べ通知書に示された事実は、本願商標の識別力を否定する根拠となるものではない。

したがって、本願商標は、商標登録されるべきものである。

5 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第6号該当性について

ア 本願商標について

本願商標は、別掲1のとおり、色彩のみからなる商標であって、黄色(RGBの組合せ:R255,G218,B69)のみからなるものであり、第35類「インターネットを利用したオークションの企画・運営又は開催」を指定役務とするものである。

イ 取引の実情について

役務の広告等に使用される色彩は、多くの場合、その魅力向上等のために選択されるものであって、役務の出所を表示し、自他役務を識別するための標識としては認識し得ないものである。

そして、役務の広告等の装飾や模様などには、様々な色彩が用いられており、本願商標の色彩に近似する色彩についても、原審で示したウェブサイトのほかに、別掲2のとおり、ウェブサイトに使用されている実情がある。

そうすると、黄色の色彩のみからなる本願商標は、役務の魅力向上等に資する装飾等と認識されるものであり、また、本願商標と近似する色彩が請求人以外の者によって、ウェブサイトに使用されていることからすれば、何人もその使用を欲するといい得るものであり、これを一私人に独占させることは妥当ではない。

なお、請求人は、証拠調べ通知に対する意見書において、証拠調べ通知で示された各ウェブサイトは、本願商標の黄色とは相違する色彩であったり、広く一般需要者全体に認知されているウェブサイトとはいえないものであったり、インターネットオークションサイトを運営するものではないなど、いずれも商標法第3条第1項第6号の該当性を肯定する証拠とはなり得ないものである旨主張している。

しかしながら、証拠調べ通知において示したウェブサイトの例は、本願商標と同一の色彩の使用例や本願の指定役務と同一の役務での使用例を示したものではなく、インターネットのウェブサイトにおいて役務の広告の装飾や模様として、本願商標の黄色と近似した色彩を含む様々な色彩が、普通に使用されている例を示したものであるから、上記の主張は採用できない。

ウ 請求人による本願商標の使用について

請求人は、「本願商標は、請求人により使用された結果、『インターネットを利用したオークションの企画・運営又は開催』との関係において、自他役務の識別力を獲得するに至ったものであるため、商標登録が認められるべきものである。」旨主張し、証拠として甲第1号証ないし甲第94号証を提出している。

そこで、請求人の主張及び同人提出の証拠について、以下検討する。

(ア)請求人について

請求人は、1996年1月に設立された企業であり、主な事業内容は、インターネット上の広告事業、イーコマース事業、会員サービス事業等であり(甲1〜甲3)、1999年9月からネットオークションサイト「Yahoo!オークション」としてサービスを開始し、2013年度の落札額は約7,300億円、2014年7月時点の常時出品数は約3,200万個となっている(甲6)。

(イ)本願商標の使用状況及び使用開始時期

a 請求人のウェブサイト

請求人は、1999年のサービス開始から2010年頃まで、本願商標の黄色と同じ色彩と認識される黄色(以下「本願黄色」という。)を請求人のウェブサイトに使用している(甲6)。

b テレビCM

本願黄色を使用した複数のテレビCMが、少なくとも、2015年11月20日ないし30日の10日間に日本全国で放送され(甲8〜甲54)、この期間の視聴率の平均は、6.2%となっている(甲63)。

c オンライン動画サイト

2014年11月からオンライン動画サイトの複数の動画広告において、本願黄色が使用され、当該動画広告の再生回数は、少ないもので2,501回、多いもので835,559回である(甲68〜甲77)。

d アプリケーションソフトウェア

請求人の提供するスマートフォン・タブレットコンピュータ用アプリケーションソフトウェアのアイコンに、本願黄色が使用されており(甲78)、当該アプリケーションソフトウェアを使用した者は、2016年1月の時点で783万人となっている(甲83)。

(ウ)判断

上記(ア)及び(イ)によれば、請求人は、1999年から請求人の役務を提供するウェブサイトにおいて、本願黄色を使用していることが認められる。

しかしながら、その使用態様は、ウェブサイトのトップページ上部に細い帯状として、わずかに使用されているものであり、その他の色彩も併せて使用されていることから、本願黄色のみが、目立つ態様で使用されているとはいえず、2013年以降のウェブサイトでは本願黄色の使用が確認できない。

そして、テレビCMは、本願黄色以外の色彩や色彩以外の要素も多数使用されており、また、当該テレビCMが日本全国で放送されていることが確認できるものの、提出された証拠は、2015年11月20日ないし30日の10日間のテレビスポットの資料であり、その他の期間についてのテレビCMの放送の事実が確認できず、上記期間の視聴率の平均は、6.2%にとどまるものである。

さらに、オンライン動画サイトの動画広告についても、テレビCMと同様に本願黄色以外の色彩や色彩以外の要素も多数使用されており、当該動画広告の視聴は、テレビや新聞とは異なり、該サイトにアクセスした者に限られることからすれば、当該動画広告が、世間一般の需要者において周知となっているとはいえないものである。

加えて、請求人の提供するスマートフォン・タブレットコンピュータ用アプリケーションソフトウェアのアイコンには、中心に黒く太字で「ヤフオク!」の文字が表されている。

そうすると、請求人は、1999年頃から、本願黄色をウェブサイトやその他の広告などに使用しているとしても、その使用態様は、他の色彩等も同時に使用するなど、本願黄色のみが役務の出所識別標識として強く印象付けられるとはいい難く、本願黄色が、独立して自他役務の識別標識としての機能を果たしているとみることはできないものであるから、本願商標は、使用された結果需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができるに至ったものとは認められない。

エ 小括

以上のことからすると、本願商標は、黄色の色彩のみからなる商標であるところ、その指定役務との関係において、一私人による独占使用が妥当でないことに加え、請求人の使用により識別力を獲得したとも認められないものであるから、これを本願の指定役務に使用しても、これに接する需要者は、その役務の広告等に通常使用される色彩又は使用され得る色彩を表したものと認識するにとどまり、これを役務の出所を表示するものとして、又は自他役務を識別するための標識として認識することはないというべきである。

したがって、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標であるから、商標法第3条第1項第6号に該当する。

(2)まとめ

以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものであるから、これを登録することはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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