Trademark Appeal Case
論点抽出失敗
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2018−8953(T2018−8953/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「五ケ山ダムカレー」の文字を標準文字で表してなり、第29類、第30類及び第43類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成29年2月1日に登録出願され、その後、本願の指定商品及び指定役務については、当審における同30年8月12日付け手続補正書により、第29類「五ヶ山ダム周辺地域に因んだカレー,五ヶ山ダム周辺地域に因んだレトルトカレー,五ヶ山ダム周辺地域に因んだカレーのもと,五ヶ山ダム周辺地域に因んだカレールウ,五ヶ山ダム周辺地域に因んだ即席カレー,五ヶ山ダム周辺地域に因んだ調理済みのカレー」、第30類「五ヶ山ダム周辺地域に因んだカレーを使用した弁当,五ヶ山ダム周辺地域に因んだ調理済みカレーライス,五ヶ山ダム周辺地域に因んだ冷凍カレーライス,五ヶ山ダム周辺地域に因んだ調理済みカレーうどん」及び第43類「五ヶ山ダム周辺地域に因んだカレー料理を主とする飲食物の提供」に補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標の構成中、『五ケ山ダム』の文字は、福岡県筑紫郡那珂川町大字五ケ山地先に設置され、2018年運用を開始する予定の『五ケ山ダム』を理解させるものであり、また、各地のダム周辺地域において、ダムを模したカレーが『○○ダムカレー』(○○はダムの地域名等)と称して、飲食店等で販売、提供されている実情がある。そうすると、本願商標をその指定商品、指定役務に使用した場合、これに接する需要者は、その商品、役務が『五ケ山ダムの、ダムを模したカレーライス用のカレー』、『五ケ山ダムの、ダムを模したカレーライス』及び『五ケ山ダムの、ダムを模したカレーライスを主とする飲食物の提供』であることを認識するにすぎず、本願商標は、商品の品質、役務の提供の質を普通に用いられる方法で表示するものと判断するのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、本願商標をその指定商品、指定役務中、『五ケ山ダムの、ダムを模したカレーライス用のカレー』、『五ケ山ダムの、ダムを模したカレーライス』及び『五ケ山ダムの、ダムを模したカレーライスを主とする飲食物の提供』以外の商品、役務に使用した場合、商品の品質又は役務の質の誤認を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審における審尋
当審において、審判長は、請求人に対し、平成31年3月20日付けで、別掲2に係る証拠を示した上で、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当する旨の審尋をし、期間を指定して、これに対する回答を求めた。
4 審尋に対する請求人の回答(要旨)
前記3の審尋に対し、請求人は、令和元年5月7日付け回答書を提出し、要旨以下のように主張した。
(1)商標法第3条第1項第3号の認定にあたっては、取引等の事情も考慮されるべきである。請求人は、指定商品及び指定役務に係る補正の文言について、敢えて「五ヶ山ダム周辺地域に因んだ○○」としたが、その理由は、請求人と地域貢献との繋がりに基づくものである。
(2)請求人は、地域に根差したオリジナルメニューを提供し、企業の売りであるコラーゲンを活かした食の提供を続けている。カレーにもコラーゲンを入れ、五ヶ山ダム周辺地域では、請求人の提供するあのカレー、という認知がされている。メディアで多く取り上げられ、請求人が提供する商品や飲食サービスとの関係性や話題性が相俟って、五ヶ山ダムカレーも請求人によるブランドであるとの認知がされているものである。
(3)上記のような経緯でメニュー化された五ヶ山ダムカレーは、他のダムカレーの例と取引事情等が異なるため、単にダムの形状を表現したカレーとして取引者等が認識するものではない。
(4)審尋において指摘された、請求人以外の使用例については、請求人の知名度にあやかり提供している便乗的な事例といえる。
5 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第16号について
本願の指定商品及び指定役務について、前記1のとおり補正された結果、本願商標は、これをその指定商品及び指定役務について使用しても、商品の品質又は役務の質の誤認を生ずるおそれはなくなった。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定の拒絶の理由は、解消した。
(2)商標法第3条第1項第3号について
本願商標は、前記1のとおり、「五ケ山ダムカレー」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「五ケ山ダム」の文字は、原審における平成29年8月30日付け拒絶理由通知書をもって示した事実(別掲1(1)及び(2)参照)に加え、別掲2(1)の事実からすると、福岡県に建設され、2019年に本格運用を開始する予定の「五ケ山ダム」を表したものといえる。
また、上記拒絶理由通知書をもって示した事実(別掲1(3)及び(4)参照)に加え、別掲2(2)ないし(5)の事実からすると、ダムの堤体を御飯で、貯水池をルーで表現したカレーや、ダムの堤体を再現した仕切りがある容器を使ったカレー等、ダムの形状を表現したカレーを総称して「ダムカレー」といい、ダムを有する地区ごとに提供されるご当地ダムカレーについては各ダムの名称を冠して「○○ダムカレー」と称しているものといえるところ、国土交通省が推進するダムツーリズムの人気を背景に2009年頃から独自のダムカレーを提供する店が全国的に増え始め、近年では官民一体となってカレー作りに取り組むケースが増えており、現在では石川県を除く全国46都道府県に約160種類以上のダムカレーがあること、また、ダムカレーのレトルト商品も販売されていることが認められる。
さらに、別掲2(6)のとおり、請求人以外の者が、五ケ山ダムをイメージしたダムカレーを「五ケ山ダムカレー」と称して提供している事実もある。
これらの事情を鑑みれば、「五ケ山ダムカレー」の文字からなる本願商標をその指定商品及び指定役務について使用しても、これに接する取引者、需要者は、ダムカレーの一として「『五ケ山ダム』の形状を表現したカレー」であると認識、理解するにすぎないものというべきである。
そうすると、本願商標は、その指定商品及び指定役務との関係においては、商品の品質、役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものといわざるを得ない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(3)請求人の主張について
請求人は、五ヶ山の地で、店舗や通販を通じて、地元食材を中心にした食を提供しているところ、メディアで多く取り上げられ、五ヶ山ダムカレーも請求人によるブランドであるとの認知がされていることから、他の地域で一般的に提供されるダムカレーの例と取引事情等が異なり、本願商標は、自他商品・役務識別力を有している旨主張する。
しかしながら、当該主張を裏付ける証拠は何ら提出されていないことに加え、本願の指定商品及び指定役務を取り扱う分野において、「○○ダムカレー」の文字は、ダムを有する地区ごとに提供されるご当地ダムカレーを表すもの、すなわち、商品の品質、役務の質を表示するものとして普通に用いられているのが実情であるから、「五ケ山ダムカレー」の文字からなる本願商標を本願の指定商品及び指定役務に使用するときは、当該商品の品質及び役務の質を表示するにすぎないというほかない。
また、請求人は、請求人以外の「五ケ山ダムカレー」の使用例については、請求人の知名度にあやかり提供している便乗的な事例である旨主張する。
しかしながら、当該主張を認めるに足る証拠は、何ら提出されていない。
したがって、請求人による上記主張は、いずれも採用することができない。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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