結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2018−300037(T2018−300037/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第4764293号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成15年4月25日に登録出願、第25類「運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を含む第24類及び第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同16年4月16日に設定登録されたものである。
そして、本件審判請求の登録は、平成30年1月31日にされたものであり、この登録前3年以内の期間を以下「本件要証期間」という。
請求人は、結論と同旨の審決を求め、その理由を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第5号証(以下「甲1」等のように表示する。)を提出した。
本件商標は、その指定商品中第25類「運動用特殊衣服,運動用特殊靴」(以下「本件商品」という。)について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても使用した事実が存しないから、その登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。
請求人は、被請求人提出の平成30年4月3日付け審判事件答弁書(以下「答弁書」という。)に対し、同年5月31日付け審判事件弁駁書で次のように述べた。
(1)弁駁の要旨
被請求人の答弁は、以下の理由より承服し難い。
(2)理由
被請求人は、本件商標を「運動用特殊靴」について使用しているとして、乙1ないし乙12を提出している。しかし、これらの証拠に記載されたストリートダンスシューズは、ダンス用に加工を施されてはいるものの、「履物」の範ちゅうに帰属する商品と思料される。
「特許情報プラットフォームにおける『ダンスシューズ』等の商品・役務名検索(結果一覧)写し」(甲3)によると、ダンスシューズはもとより、例えば、「バレエシューズ(ダンスシューズ)」や「舞踏場用ダンスシューズ」は、それぞれ、バレエ(又はクラシックバレエ)や社交ダンスに適した加工が施されているが、「運動用特殊靴」の範ちゅうではなく、「履物」の範ちゅうに属する商品として分類されている。
そして、使用にかかるストリートダンスシューズは、当然にストリートダンス用に適した加工が施されているが、その外観形状などは、普通のスポーツシューズやスニーカーなどと実質的に何ら変わらないものである。
また、被請求人は、答弁書の「6.答弁の理由」の(3)で、「タウンシューズとしても使用することも可能である」と自認している。
そうすると、使用にかかるストリートダンスシューズは、通常の「履物」と同様にタウンシューズにも使用可能な点で、「ダンス競技専用」の商品ではないことは明らかである。
被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、答弁書において、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙1ないし乙12を提出した。
(1)本件商標の使用者
本件商標の使用者は、愛知県名古屋市瑞穂区豆田町5丁目2番地在の「マドラス株式会社」(商標権者)である。
(2)使用商標
使用商標は、別掲2等の「JADE」の欧文字あるいは「ジェイド」の片仮名文字からなるもので、実質的に本件商標と同一の商標である。
(3)使用に係る商品
本件商標は、特殊な加工を施した競技用ストリートダンスシューズの商標として使用している(乙1〜乙12)。競技用ストリートダンスシューズは、ダンスのカテゴリー毎に特殊な構造が採用されている。例えば、ヒップホップダンス用の場合、ノンマーキングラバーソール(突起がないソール)で、グリップが効きすぎずなめらかな動きを可能にするためソール面に化粧を施さず、さらに、激しい動きでもバランスを保てるよう前方と後方のラバーにブリッジをかけた構造としているなど、特殊な構造になっている。そのため、タウンシューズとして使用することも可能であるが、基本的にはスパイクレスゴルフシューズやボーリングシューズ等と同様に運動用特殊靴の範ちゅうに属する。
(4)使用時期
本件商標は、少なくとも、平成27年から同29年にかけて、その指定商品中「運動用特殊靴」について使用していたことは明らかである(乙1〜乙8)。
(5)使用場所
マドラス株式会社(商標権者)の本支店住所所在地及び各店舗所在地である。
(6)使用の態様
本件商標の使用は、商品又は商品の包装に標章を付す行為(商標法第2条第3項1号)、商品又は商品の包装に標章を付したものを譲渡等する行為(同2号)及び商品に関する広告、定価表又は取引書類に標章を付して展示し、若しくは領布し、又はこれらを内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為(同8号)に該当する。
(7)まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標権者が本件要証期間に、日本国内においてその指定商品中「運動用特殊靴」について使用していたことは、明らかである。
(1)乙1は、「JADE/2015 AUTUMN & WINTER COLLECTION」をタイトルとする商品カタログであり、1葉目ないし4葉目、6葉目ないし8葉目に、別掲2のとおりの「JADE」の欧文字の記載があり、4葉目ないし7葉目には、商品「競技用ストリートダンスシューズ」の写真が掲載されている。
ただし、当該商品カタログの発行日、発行数、頒布先等は明らかではない。
(2)乙2は、株式会社ノアが2016年4月12日に発行した「TOKYO DANCE LIFE no.16」をタイトルとする雑誌の抜粋記事であり、2葉目に「JADEのシューズをチームでゲット!」の記載、3葉目に「JADE横浜ビブレ店 期間限定OPEN!」及び「ストリートダンスをコンセプトとしたシューズブランド『JADE』が横浜ビブレ2階にて3月18日(金)〜8月31日(水)の期間限定でPOP UP STOREをOPEN。」の記載があり、それぞれに、商品「競技用ストリートダンスシューズ」の写真が掲載されている。
ただし、当該雑誌の発行数、頒布先等は明らかではない。
(3)乙3は、株式会社ジャスト・ビーが2016年4月中旬に発行した「SDM 2016年5月号 VOL.53」をタイトルとする雑誌の抜粋記事であり、4葉目に、別掲2のとおりの「JADE」の欧文字の記載があり、商品「競技用ストリートダンスシューズ」の写真が掲載されている。
ただし、当該雑誌の発行数、頒布先等は明らかではない。
(4)乙4は、株式会社ジャスト・ビーが2016年12月初旬に発行した「SDM 2016年12月号 VOL.57」をタイトルとする雑誌の抜粋記事であり、2葉目に「JADE 2016AW“SWITCH”」の記載があり、3葉目に、別掲2のとおりの「JADE」の欧文字の記載があり、それぞれに、商品「競技用ストリートダンスシューズ」の写真が掲載されている。
ただし、当該雑誌の発行数、頒布先等は明らかではない。
(5)乙5は、株式会社バッシラインが2017年1月21日に発行した「SUPER KIDS MAGAZINE」をタイトルとする雑誌の抜粋記事であり、2葉目に、別掲2のとおりの「JADE」の欧文字の記載があり、商品「競技用ストリートダンスシューズ」の写真が掲載されている。
ただし、当該雑誌の発行数、頒布先等は明らかではない。
(6)乙6は、株式会社ジャスト・ビーが2017年2月後半に発行した「SDM 2017年3月号 VOL.58」をタイトルとする雑誌の抜粋記事であり、2葉目に「JADE2017SS」の記載があり、商品「競技用ストリートダンスシューズ」の写真が掲載されている。
ただし、当該雑誌の発行数、頒布先等は明らかではない。
(7)乙7は、株式会社ジャスト・ビーが2017年4月初旬に発行した「SDM 2017年5月号 VOL.59」をタイトルとする雑誌の抜粋記事であり、2葉目に、「JADE原宿 新作シューズ限定発売」の記載があり、商品「競技用ストリートダンスシューズ」の写真が掲載されている。
ただし、当該雑誌の発行数、頒布先等は明らかではない。
(8)乙8は、「ダンスチャンネル」が発行した「10th ANNIVERSARYメモリアルブック」をタイトルとする雑誌の抜粋記事であり、2葉目に、別掲2のとおりの「JADE」の欧文字の記載があり、商品「競技用ストリートダンスシューズ」の写真が掲載されている。
ただし、当該雑誌の発行日、発行数、頒布先等は明らかではない。
(9)乙9は、「Street Dance Shoes」の欧文字、別掲2のとおりの「JADE」の欧文字及び「www.jade−shoes.com」が記載されたシールであり、乙10は、「STREET DANCE KICKS」の欧文字及び別掲2のとおりの「JADE」の欧文字が記載されたシールであるが、これらの作成日、発行数、使用方法、頒布先等は明らかではない。
(10)乙11は、「JADE ONLINE SHOP(公式通販)」の出力資料であり、この記事の1葉目に、「“JADE”WING−TIP」、「JADE(ジェイド):JD5510−ブラック×ホワイト」及び「【通常価格】15,120円(税込)」の記載があり、商品「競技用ストリートダンスシューズ」の写真が掲載され、「競技用ストリートダンスシューズ」の裏面に別掲2のとおりの「JADE」の欧文字が記載されている。
ただし、この情報の掲載日は明らかではなく、また、「JADE ONLINE SHOP(公式通販)」における本件商標又は使用商標を付した商品「競技用ストリートダンスシューズ」の販売数量や販売先等も明らかではない。
(11)乙12は、「ストリートダンスシューズJADEの特別発注会」、のチラシであり、1葉目に、別掲2のとおりの「JADE」の欧文字の記載があり、商品「競技用ストリートダンスシューズ」の写真が掲載されている。
ただし、当該チラシの発行日、発行数、頒布先等は明らかではなく、また、この「特別発注会」における別掲2のとおりの「JADE」の欧文字を使用した商品「競技用ストリートダンスシューズ」の販売数量や販売先等も明らかではない。
(1)使用者について
被請求人が提出した全証拠を確認しても、提出された証拠において、マドラス株式会社の記載は見当たらないものの、別掲2のとおりの「JADE」の欧文字、その他「JADE」の文字からなる商標の使用者は、商標権者であるマドラス株式会社と推認できる。
なお、本件商標の使用者について、当事者間に争いはない。
(2)使用商標について
被請求人が提出した乙1、乙3〜乙5、乙8ないし乙12において、商品「競技用ストリートダンスシューズ」に、別掲2のとおりの「JADE」の欧文字が使用されている。
また、乙2、乙6及び乙7において、商品「競技用ストリートダンスシューズ」に、別掲2とは書体の異なる「JADE」の欧文字が使用されている。
本件商標構成中の「JADE」の欧文字と乙1、乙3〜乙5、乙8ないし乙12で記載されている別掲2の使用商標、乙2、乙6及び乙7で記載されている「JADE」の欧文字とは、構成する文字が同一であり、字体の相違も特に目立ったものでないこと、本件商標及び別掲2の使用商標、その他「JADE」の欧文字からなる商標から生じる「ジェイド」の称呼及び「ひすい」の観念は、同一である。
よって、本件商標と商品「競技用ストリートダンスシューズ」に付された
別掲2のとおりの「JADE」の欧文字等の商標は、本件商標と社会通念上同一と認められる。
(3)使用商品について
乙1ないし乙8、乙11及び乙12に掲載された商品は、「競技用ストリートダンスシューズ」であるが、当該商品は、その商品の形状が、日常生活において普通に使用する商品である「スニーカー」などと実質的に何ら変わらないものである。
また、被請求人が、答弁書で述べているとおり、当該商品は、タウンシューズとして使用することも可能である。
そうすると、「競技用ストリートダンスシューズ」は、「靴類」に属する商品であって、「専ら、スポーツをする際に限って使用する特殊な履物」が該当する本件審判請求に係る指定商品中の「運動用特殊靴」の範ちゅうの商品であるということはできない。
(4)使用商標の使用時期について
乙2ないし乙7の雑誌の発行日は、いずれも本件要証期間であるものの、これらの雑誌の発行数、頒布先等が明らかではないため、これらの証拠によっては、本件商標の使用時期が特定できない。
また、乙1、乙8ないし乙10及び乙12は、これらの商品カタログ、雑誌、シール及びチラシの発行日が確認できず、また、乙11の「JADE ONLINE SHOP(公式通販)」の出力資料も、情報の掲載日が確認できないため、これらの証拠によっては、本件商標の使用時期は特定できない。
(5)使用商標を付した商品「競技用ストリートダンスシューズ」の取引について
被請求人は、「JADE ONLINE SHOP(公式通販)」(乙11)や「ストリートダンスシューズJADEの特別発注会」(乙12)における使用商標を付した商品「競技用ストリートダンスシューズ」の販売数量・販売先等の取引に関する書類を提出していない。
よって、実際に、本件要証期間に、使用商標を付した商品「競技用ストリートダンスシューズ」の譲渡等の取引が行われたことが認められない。
(6)審判長の審尋に対する被請求人の対応
審判長は、被請求人に対して、上記(3)ないし(5)に係る暫定的見解を示すとともに、既に提出の乙各号証以外の証拠方法の提出を求める旨の審尋を行った。
これに対し、被請求人は、何ら主張、立証していない。
(7)小括
ア 使用商標を「競技用ストリートダンスシューズ」又は「競技用ストリ ートダンスシューズ」の包装に標章を付す行為について
商品カタログ(乙1)において、別掲2のとおりの「JADE」の欧文 字からなる使用商標を「競技用ストリートダンスシューズ」に使用してい るとしても、商品カタログ(乙1)の発行日や頒布先等が不明である。
また、シール(乙9及び乙10)に、別掲2のとおりの「JADE」の 欧文字からなる使用商標が記載されていたとしても、これらが、「競技用 ストリートダンスシューズ」に使用されたことも明らかではないうえ、こ れらのシールの作成日、発行数、頒布先等が不明である。
以上から、これらの証拠によっては、被請求人が、本件要証期間に、使 用商標を「競技用ストリートダンスシューズ」又は「競技用ストリートダ ンスシューズ」の包装に標章を付す行為を行ったことを証明していない。
イ 使用商標を「競技用ストリートダンスシューズ」又は「競技用ストリ ートダンスシューズ」の包装に標章を付したものを譲渡等する行為につ いて
被請求人は、「JADE ONLINE SHOP(公式通販)」(乙 11)及び「ストリートダンスシューズJADEの特別発注会」(乙12 )において、別掲2のとおりの「JADE」の欧文字からなる使用商標を 付した「競技用ストリートダンスシューズ」の販売等を行ったことは推認 できるとしても、「JADE ONLINE SHOP(公式通販)」や 「ストリートダンスシューズJADEの特別発注会」における商品の販売 数量や取引先等を証明する書類が提出されていない。
よって、被請求人が、本件要証期間に、使用商標を「競技用ストリート ダンスシューズ」又は「競技用ストリートダンスシューズ」の包装に標章 を付したものを譲渡等する行為を行ったことを証明していない。
ウ 使用商標を「競技用ストリートダンスシューズ」に関する広告、定価 表又は取引書類に標章を付して展示し、若しくは領布し、又はこれらを 内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為について
商品カタログ(乙1)、雑誌(乙2〜乙8)、「JADE ONLIN E SHOP(公式通販)」(乙11)及び「ストリートダンスシューズ JADEの特別発注会」(乙12)において、別掲2のとおりの「JAD E」の欧文字からなる使用商標等、「JADE」の欧文字からなる商標が 使用されているとしても、商品カタログ(乙1)及び雑誌(乙2〜乙8) の発行数量や頒布先が不明である。
また、「JADE ONLINE SHOP(公式通販)」の情報掲載 日が不明であり、「ストリートダンスシューズJADEの特別発注会」の チラシの発行日・発行数・頒布先等が不明である。
よって、乙2ないし乙7の雑誌の発行日が、本件要証期間であるとして も、被請求人が、本件要証期間に、使用商標を「競技用ストリートダンス シューズ」に関する広告、定価表又は取引書類に標章を付して展示し、若 しくは領布し、又はこれらを内容とする情報に標章を付して電磁的方法に より提供する行為を行ったことを証明していない。
エ 「競技用ストリートダンスシューズ」が、指定商品中「運動用特殊靴 」に含まれないことについて
使用商品「競技用ストリートダンスシューズ」は、本件審判請求に係る 指定商品中「運動用特殊靴」の範ちゅうの商品とは認められない。
以上のとおりであるから、被請求人は、本件要証期間に日本国内において
商標権者、専用使用権者又は通常使用権者が、本件商品について本件商標を使用していた事実を証明したものということはできない。
また、被請求人は、本件商標を使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。
したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その指定商品中「運動用特殊衣服,運動用特殊靴」についての登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
別掲1(本件商標)
別掲2(使用商標例)
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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