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Trademark Appeal Case

3条1項5号該当性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2018−10223(T2018−10223/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第17類「電気絶縁材料,化学繊維(織物用のものを除く。),糸ゴム及び被覆ゴム糸(織物用のものを除く。),化学繊維糸(織物用のものを除く。),ゴム製包装用容器,農業用プラスチックシート,プラスチック基礎製品,ゴム」を指定商品として、平成29年4月5日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

本願商標は、ありふれた橙色の角丸正方形の輪郭内に、普通に用いられる方法で、「J」の文字を白抜きで書してなるものであるから、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標と認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第5号に該当する。

3 当審における証拠調べ通知

当審において、本願商標が商標法第3条第1項第5号に該当するか否かについて、職権により証拠調べをした結果、別掲2に示す事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、その結果を請求人に対し平成31年3月11日付け証拠調べ通知書をもって通知し、意見を求めた。

4 職権証拠調べ通知に対する請求人の意見

請求人は、上記3の通知に対して、要旨以下のとおり意見を述べた。

本願商標は、特殊な態様の白抜きの「J」が、決して簡単な輪郭とも言い切れない、角丸正方形の中に配置され、更に、角丸正方形内部が橙色に着色された標章であり、独創的かつ創造的な標章と捉えるべき商標である。

5 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第5号に係る判示について

商標法第3条第1項第5号は、「極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標」は、一般的に使用されるものであり、多くの場合自他商品識別力を欠き、商標としての機能を果たし得ないものである上、通常、特定人による独占的使用を認めるのに適しないことから、商標登録を受けることができない旨規定している(知財高裁平成23年(行ケ)第10359号同24年10月25日判決参照)。

(2)商標法第3条第1項第5号該当性について

本願商標は、別掲1のとおり、橙色の隅丸正方形内の中央に、「J」の欧文字1字を白抜きで表してなる構成からなるところ、白抜きの「J」の表示は、縦棒の下が左に曲がった形から成る「J」の字形の基本構造と何ら変わることのない格別特徴のある字体ではなく、また、特別の図形的な特徴を連想するものとはいえないものであって、欧文字1字は、一般的に商品の規格、種別等を表す記号・符号として、普通に採択使用されている実情にあるといえる。

また、隅丸正方形のような形状は、輪郭図形として普通に採択されている、極めて簡単、かつ、ありふれた形状であり、橙色も輪郭図形の背景色として一般的に用いられている色彩であって、これら輪郭図形を単一の橙色で着色したものは、一般には標章の輪郭又は枠を表すためのものとして、普通に採択使用されている実情にあるといえる。

さらに、別掲2の証拠調べ通知書において示したとおり、四角形状の図形(色彩を施されたものを含む。)内に欧文字1字又は2字を用いた標章が、商品の規格、種別等を表す記号・符合として、あるいは商品サイズを識別するための記号・符合として用いることが、ごく一般的に行われている。

そして、本願商標は、その構成において、上記のような商品の規格、種別あるいは商品サイズ等を表す記号・符号として一般的に用いられるものと比べて、特段の差異があるとは認められない。

そうすると、本願商標は、取引者、需要者をして、ありふれた橙色の隅丸正方形内に、商品の規格、種別等を表す記号・符号として一般的に用いられる欧文字1字の一類型の「J」の欧文字を白抜きで表したものであると認識させるにとどまるものであるから、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標であるといわざるを得ないものであり、特定人による独占的使用を認めるのに適しているともいえないものである。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第5号に該当する。

(3)請求人の主張について

ア 請求人は、本願商標を構成する「J」は、日本で広く普及している明朝体、ゴシック体の書体とは明確な差異があることから、「普通に用いられる方法」で表記された文字と断言することは決してできない旨主張する。

しかしながら、本願商標を構成する「J」の欧文字が、我が国で普及している明朝体あるいはゴシック体で表されたものではないとしても、「J」の欧文字は格別特徴のある字体ではなく、また、特別の図形的な特徴を連想するものとはいえないことは上記(2)のとおりである。

イ 請求人は、本願商標と同様に、図形とアルファベット一文字と色彩からなる商標、あるいは、このような構成よりもより簡単な構成である、図形とアルファベット一文字のみからなる商標、更には、アルファベット一文字のみからなる商標の過去の登録例を挙げて、本願商標が登録されるべき旨主張する。

しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第5号に該当するか否かは、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、これに接する取引者、需要者の認識を基準として判断されるべきであり、当該商標の構成態様に基づいて、個別具体的に判断されるものであって、他の登録例の存在によって、上記判断が左右されるものではない。

したがって、請求人の主張は、いずれも採用できない。

(4)まとめ

以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第5号に該当するから、これを登録することはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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