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Trademark Appeal Case

品質・用途表示の結合識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成8年審判第12465号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1.本願商標

本願商標は、別掲に示すとおり、「スーパー磯チヌ」の文字を横書きしてなり、平成6年4月4日に登録出願、指定商品については、第31類に属する願書記載の指定商品を、同8年4月9日付手続補正書により、「チヌ用加工釣り餌・チヌ用活き餌・その他のチヌ釣り用餌」と補正し、さらに当審において同9年7月22日付手続補正書により、「チヌ用加工釣り餌・チヌ用生き餌・その他のチヌ釣り用餌」に補正してなるものである。

2.原査定の理由

原査定は、「本願商標は、「超、一流」等の意味合いを有する外来語として親しまれている「スーパー」の文字と、指定商品との関係において「磯釣り用」の意味合いを認識させる「磯」の文字及びクロダイの関西地方における呼び名として親しまれている「チヌ」の文字を結合して「スーパー磯チヌ」と普通に用いられる方法をもって表してなるものであるから、これをその指定商品中、例えば、「磯釣りに適したクロダイ(チヌ)用餌」について使用するときには、単に商品の品質・用途を表示したにすぎず、補正後の指定商品に使用しても、未だ商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定し、本願を拒絶したものである。

3.当審の判断

本願商標は、別掲に示すとおり、「スーパー磯チヌ」の文字よりなるものであるところ、その構成よりして「スーパー」と「磯」と「チヌ」の各文字を組合わせてなるものと容易に理解させるものである。

そして、本願指定商品との関係において、前記文字(語)を考察するに、前半の「スーパー」の文字は、「極上の、すぐれた」等の意味合いを有する外来語であって、各種商品について品質等の誇称表示として一般に採択、使用されているものであり、又、中間の「磯」の文字は、例えば、「海・川 釣りエサ百科」株式会社つり人社、昭和56年12月15日初版発行)」の「釣り用語辞典」において、「海岸の岩礁帯。ここでの釣りを磯釣りという。」を「磯」と記載されていることより、「磯」は「磯釣り」を容易に理解させるということができ、さらに、後半の「チヌ」の文字は、例えば、「広辞苑第五版(株式会社岩波書店、1998年11月11日第五版第一版発行)」の「ちぬだい」の項において「クロダイの別称。関西以西でいう。ちぬ。」と記載されていることより、クロダイの別称を片仮名文字をもって表したものと容易に理解させるものである。

そうとすれば、本願商標は、商品の誇称表示として使用される「スーパー」と、磯釣りを理解させる「磯」と、魚の種類の一つであるクロダイの別称である「チヌ」の文字を結合させてなるものであって、全体として「チヌ(クロダイ)を対象魚とする磯釣り用のすぐれたもの」の如き意味合いを容易に理解・把握させるというのが相当である。

ところで、釣りに関する新聞報道について、例えば、株式会社ジー・サーチの提供に係る「G−Searchの新聞情報データベース」をみるに、「1991年3月8日付、日刊スポーツ19頁」には、「ちぬ倶楽部」の見出しのもと、「・・・湖温が一年中で一番低くなる厳寒湖は、チヌ(クロダイ)釣りは難しい。・・・厳寒期に面白い磯釣りとして、・・・・」との記載、「1993年3月26日付、日刊スポーツ18頁」には、「日本の釣りシリーズ」の見出しのもと、「九州のチヌはデカい。・・・日本の釣りシリーズ第1弾は、日本最西端に位置する長崎県平戸の磯のチヌ釣りだ。・・・」との記載、「1992年3月9日付、読売新聞東京版朝刊8頁」には、「『チヌ釣り太平記』鈴木克三著」の見出しのもと、「南紀の磯には磯釣りの楽しさ、チヌ(黒ダイ)釣りの醍醐味、波や潮、雨や風との戯れがある。・・・」との記載、「1998年5月13日付、日本経済新聞地方経済面34頁西部特集」には、「南九十九島のチヌ」の見出しのもと、「例年今の時期はどこの磯も乗っこみチヌでにぎわっている。福岡近郊の磯釣り場は人も多く、なかなか狙いのポイントに上礁できないだろう。・・・」との記載、「1999年10月6日付、日本経済新聞地方経済面34頁西部特集」には、「佐世保のチヌ」の見出しのもと、「長崎県佐世保市近郊の地磯や岸壁で、チヌやメイタが釣れている。・・・仕掛けは通常の磯釣り用で十分である。・・・」との記載が認められる。

さらに、1998年版ダイワ釣用品総合カタログ(ダイワ精工株式会社発行)をみるに、「ロッド」の項目に、「磯」、「チヌ」とさらに項目を分けて製品紹介をする記述、また、「エサ」の項目に「チヌシリーズ」の製品紹介を示す記述が認められる。そのうえ、「エサ」の製品紹介の記述の中に、「チヌの定番、にんにく効果『スーパーチヌにんにく』・・・」との記載、「『酵母』配合の万能エサ『スーパーフレンド』・・・」との記載が認められる。

以上によれば、本願商標の指定商品に関連する釣りの業界において、商品の品質を誇称する「スーパー」の文字、「磯釣り」を表す「磯」の文字、「クロダイ」を表す「チヌ」の文字は、新聞報道或いは取引上普通に使用されている状況が認められる。

そうとすると、「スーパー磯チヌ」と書してなる本願商標を、その指定商品について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、前記事情よりして、「チヌ(クロダイ)を対象魚とする、磯釣り用のすぐれた(極上の)餌」であること、すなわち、該商品の品質、用途を表示したものと理解するに止まり、それをもって自他商品の識別標識とは認識し得ないものというのが相当であり、かつ、上記に照応する商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわざるを得ない。

してみれば、本願商標を商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものとして本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。

なお、請求人が援用する登録例は、本願と事案を異にするものであり、それに基づく請求人の主張は採用の限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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