結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2018−300716(T2018−300716/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第4516412号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成11年12月27日に登録出願、第9類「録画済みビデオディスク・ビデオテープ・CD−ROM・DVD−ROM及び光ディスク」及び第16類「新聞,雑誌,写真,写真立て」を含む第9類、第16類及び第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同13年10月26日に設定登録されたものである。
そして、本件審判請求の登録は、平成30年9月25日にされたものであり、この登録前3年以内の期間を以下「本件要証期間」という。
請求人は、結論と同旨の審決を求め、その理由を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証(以下、証拠の記載については、「甲1」等のように表示する。)を提出した。
本件商標は、その指定商品中第9類「録画済みビデオディスク・ビデオテープ・CD−ROM・DVD−ROM及び光ディスク」及び第16類「新聞,雑誌,写真,写真立て」(以下「本件商品」という。)について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても使用した事実が存しないから、その登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。
請求人は、被請求人提出の平成30年11月6日付け審判事件答弁書(以下「答弁書」という。)に対し、同年11月29日付け審判事件弁駁書で次のように述べた。
(1)弁駁の要旨
被請求人による本件商標の使用は、商標法第50条の適用上、「商品についての登録商標の使用」があったということはできず、また、被請求人による本件商標の使用が、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかによるものであることが主張立証されていないため、被請求人は、本件商品に係る本件商標の取り消しを免れない。
(2)理由
ア 商標としての使用ではないこと
被請求人によって主張された、本件商標の構成に相当する標章(以下「被請求人標章」という。)は、平成12年11月18日に劇場公開された映画の著作物の題号であり、その文字の並びだけでなく、装飾された文字の形状も当該映画の著作物に使用された形状と同一である。乙1及び乙2に示された製品は、それぞれ、同映画の著作物が記録されたUMD及びBlu−Ray Discである。すなわち、被請求人標章は、乙1及び乙2に示された製品に含まれる著作物の題号であって、その内容を表示している。
一般に著作物の題号は、専らその創作物としての内容を表示するための名称であり、自他商品の識別標識としての機能を果たす態様で用いられている標章ではない。
したがって、乙1及び乙2に示された被請求人標章の使用は、乙1及び乙2に示されたUMD及びBlu−Ray Discの出所の識別表示としての使用ではなく、商標法第50条の適用上、「商品についての登録商標の使用」とはいえない。
イ 被請求人標章の使用者について
被請求人は、株式会社アニプレックスが被請求人標章を付したDVD−ROM、UMD及びBlu−Ray Discを販売していると主張しているが、甲1から、株式会社アニプレックスが本件商標の商標権者ではないことは明らかである。また、被請求人によって提出された答弁書には、株式会社アニプレックスが本件商標の専用使用権者又は通常使用権者であるか否かが記載されていない。
したがって、被請求人による本件商標の使用が、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかによるものであることが主張立証されていない。
被請求人は、以下の理由により、本件商標は、指定商品中第9類「録画済みビデオディスク・ビデオテープ・CD−ROM・DVD−ROM及び光ディスク」について、継続して3年以上使用した事実が存するため、その登録を維持すべきものである。
株式会社アニプレックスより本件商標を付したDVD−ROM、UMD(Universal Media Disc)(乙1)及びBlu−Ray Disc(乙2)が発売されており、それぞれの商品は、販売開始日(DVD−ROM:2001年4月25日、UMD:2005年12月7日、Blu−ray Disc:2009年5月27日)より現在まで継続して販売している(乙3ないし乙5)。
(1)乙1は、株式会社アニプレックスの製品である「UMD VIDEO」の写真であり、乙2は、株式会社アニプレックスの製品である「Blu−ray Disc」の写真であり、乙1の1頁の表紙の下部、乙1の3頁の右側の下部、乙2の1頁の表紙の下部及び乙2の3頁の右側の下部に、当該「UMD VIDEO」及び「Blu−ray Disc」のタイトルとして、赤で配色された点は異なるものの、本件商標と同じ態様の商標(以下「使用商標」という。)が使用されている。
ただし、乙1及び乙2に当該「UMD VIDEO」及び「Blu−ray Disc」の発売日の記載はない。
また、乙1の2頁、乙1の3頁、乙2の2頁及び乙2の3頁に、「Production I.G」の英語記載があるが、これが、被請求人の名称であることは明らかではない。
さらに、これらの写真の撮影日は、本件要証期間外の2018年(平成30年)10月19日にされたものであり、本件要証期間に、当該「UMD VIDEO」及び「Blu−ray Disc」が存在していたことは明らかではない。
(2)乙3は、2018年(平成30年)10月30日にプリントアウトされた「Amazon.com」のウェブサイトの写しであり、1頁に、「BLOOD THE LAST VAMPIRE[DVD]」の記載があり、その左横に、「BLOOD THE LAST VAMPIRE[DVD]」の画像及び当該「DVD」のタイトルとして、使用商標が使用されている。
また、乙3の1頁の中段右側に、被請求人の名称である「株式会社プロダクション・アイジー」の文字とともに「180−0006にお届け」の文字が記載されているものの、乙3の2頁には、「販売元:SME・ビジュアルワークス」の記載があるため、被請求人の名称の記載が、当該DVDの出所を表示するものであることが確認できない。。
なお、「Amazon.com」のウェブサイトの写し(乙3)がプリントアウトされた2018年(平成30年)10月30日は、本件要証期間外である。
(3)乙4は、2018年(平成30年)10月19日にプリントアウトされた「HMV&BOOKS−online−」のウェブサイトの写しであり、1頁の中央に「UMD」、「BLOOD THE LAST VAMPIRE デジタルマスター版」の記載があり、その左横に、「BLOOD THE LAST VAMPIRE デジタルマスター版」の画像及び当該「UMD VIDEO」のタイトルとして、使用商標が使用されている。
なお、乙4の1頁には、「レーベル:ソニーピクチャーズエンタテインメント」の記載はあるが、被請求人の名称の記載はない。
また、「HMV&BOOKS−online−」のウェブサイトの写し(乙4)がプリントアウトされた2018年(平成30年)10月19日は、本件要証期間外である。
(4)乙5は、2018年(平成30年)10月18日にプリントアウトされた「animate ONLINE SHOP」のウェブサイトの写しであり、1頁の中段に、「【Blu−ray】劇場版 BLOOD THE LAST VAMPIRE」の記載があり、その左横に、「【Blu−ray】劇場版 BLOOD THE LAST VAMPIRE」の画像及び当該「Blu−ray」のタイトルとして、使用商標が使用されている。
なお、「animate ONLINE SHOP」のウェブサイトの写し(乙5)が、プリントアウトされた2018年(平成30年)10月18日は、本件要証期間外である。
また、乙5には、「【Blu−ray】劇場版 BLOOD THE LAST VAMPIRE」の出所を表示する記載は見当たらない。
(1)使用商標について
被請求人の提出した乙1ないし乙5に示された使用商標は、赤で配色された点は異なるものの、本件商標と同じ態様であることから、本件商標と使用商標は、社会通念上同一の商標と認められる。
(2)使用商品について
被請求人の提出した乙1ないし乙5において、使用商標が付された「UMD VIDEO」、「Blu−ray Disc」及び「DVD」(以下「使用商品」という。)は、本件商品中の「録画済みビデオディスク・ビデオテープ・CD−ROM・DVD−ROM及び光ディスク」の範ちゅうの商品と認められる。
(3)使用者について
乙1の2頁、乙1の3頁、乙2の2頁及び乙2の3頁に、「Production I.G」の英語記載があるものの、これが、被請求人の名称であることは明らかではない。
また、乙3の1頁の記事中に、被請求人の名称である「株式会社プロダクション・アイジー」の文字が「180−0006にお届け」の文字とともに記載されているものの、乙3の2頁に、「販売元:SME・ビジュアルワークス」の記載があることから、乙3の1頁の記事中の「株式会社プロダクション・アイジー」の記載は、「BLOOD THE LAST VA MPIRE」をタイトするとする「DVD」の出所を表示するものとはいえない。
さらに、乙4において、「レーベル:ソニーピクチャーズエンタテインメント」の記載はあるものの、被請求人の名称の記載はなく、また、乙5には、被請求人の名称の記載はなく、商品の出所を表示する記載もない。
そして、被請求人と、乙1及び乙2に記載される「株式会社アニプレックス」、乙3に記載される「SME・ビジュアルワークス」及び乙4に記載される「ソニーピクチャーズエンタテインメント」との関係が明らかではなく、かつ、被請求人が「アニプレックス社」、「SME・ビジュアルワークス」及び「ソニーピクチャーズエンタテインメント」に本件商標の通常使用権を許諾していたことを証明する書類の提出もないことから、使用商標の使用者を特定することができない。
(4)使用時期について
被請求人の提出した乙1及び乙2の写真の撮影日が本件要証期間外の2018年(平成30年)10月19日であるため、乙1及び乙2は、使用商標が付された使用商品が、本件要証期間に存在していたことを証明していない。
また、「Amazon.com」のウェブサイトの写し(乙3)がプリントアウトされた2018年(平成30年)10月30日、「HMV&BOOKS−online−」のウェブサイトの写し(乙4)がプリントアウトされた2018年(平成30年)10月19日及び「animate ONLINE SHOP」のウェブサイトの写し(乙5)がプリントアウトされた2018年(平成30年)10月18日は、いずれも本件要証期間外であることから、使用商標が付された使用商品が、本件要証期間に商取引の対象として取引されたこと、又は使用商標が付された使用商品に関する広告が行われたことを証明していない。
よって、被請求人が提出した全証拠によっても、使用商標が付された使用商品はその使用時期が特定できないため、使用商標が付された使用商品は、本件要証期間に使用されたことが確認することができない。
(5)使用商標を付した使用商品の商取引について
「Amazon.com」のウェブサイト、「HMV&BOOKS−online−」のウェブサイト及び「animate ONLINE SHOP」のウェブサイトにおいて、使用商標を付した使用商品が掲載されていたことは確認できるものの、これらのウェブサイトに掲載した使用商標を付した使用商品が、実際に譲渡等の取引が行われたことを証明する書類(商品購入者に対する代金請求書や商品購入者が発行する商品受領書等)の提出がないため、使用商標を付した使用商品が本件要証期間に取引されたことを確認することができない。
(6)当審の審判長による被請求人に対する審尋及び被請求人の対応
審判長は、被請求人に対して、上記(3)ないし(5)に係る暫定的見解を示すとともに、既に提出の乙各号証以外の証拠方法の提出を求める旨の審尋を行った。
これに対し、被請求人は、何ら主張、立証していない。
(7)小括
上記(1)ないし(6)によれば、使用商標は本件商標と社会通念上同一の商標と認められ、使用商標が付された使用商品は本件商品の範ちゅうであることは認められるものの、使用商標の使用者が、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかによるものか特定することができない。
また、株式会社アニプレックスの製品である「UMD VIDEO」の写真(乙1)及び「Blu−ray Disc」の写真(乙2)の撮影日である2018年(平成30年)10月19日、「Amazon.com」のウェブサイトの写し(乙3)がプリントアウトされた2018年(平成30年)10月30日、「HMV&BOOKS−online−」のウェブサイトの写し(乙4)がプリントアウトされた2018年(平成30年)10月19日及び「animate ONLINE SHOP」のウェブサイトの写し(乙5)がプリントアウトされた2018年(平成30年)10月18日は、いずれも本件要証期間外であることから、使用商標を付した使用商品が本件要証期間に存在していたこと、商取引の対象として取引されたこと、又は使用商標が付された使用商品に関する広告が行われたことが確認することができない。
そうすると、使用商標は本件商標と社会通念上同一の商標と認められ、使用商標が付された使用商品は、本件商品の範ちゅうであることは認められるものの、使用商標の使用者が、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかであることを特定することができないこと、使用商標を付した使用商品が本件要証期間に存在していたことが立証されていないこと、使用商標を付した使用商品の譲渡等の商取引が行われたこと及び使用商標が付された使用商品に関する広告が行われたことが確認できないことから、被請求人が提出した全証拠によっても、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者が、本件商標(又は本件商標と社会通念上同一の商標)を、本件要証期間に日本国内において、「商品又は商品の包装に標章を付す行為を行ったこと」、「商品又は商品の包装に標章を付したものを譲渡等する行為を行ったこと」又は「商品に関する広告、定価表又は取引書類に標章を付して展示し、若しくは領布し、又はこれらを内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為を行ったこと」のいずれも証明していない。
以上のとおりであるから、被請求人は、本件要証期間に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、本件商品について、本件商標又は本件商標と社会通念上同一の商標を使用していた事実を証明したということはできない。
また、被請求人は、本件商標を使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。
したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その指定商品中
第9類「録画済みビデオディスク・ビデオテープ・CD−ROM・DVD−ROM及び光ディスク」及び第16類「新聞,雑誌,写真,写真立て」についての登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
別掲(本件商標)
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。