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結論

敗訴(請求棄却)

第4条第1項第16号・第3条第1項第3号「釣法・魚名結合の識別力」の商標審決・判断理由(審判番号:平成8年審判第11868号|請求不成立)

審判番号
平成8年審判第11868号
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標(図形等・本文参照)
争点(論点)
釣法・魚名結合の識別力
適用条文
第4条第1項第16号・第3条第1項第3号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
請求不成立(敗訴(請求棄却))

この審決(審判平成8年審判第11868号・不服)は、本件商標について、商標法第4条第1項第16号・第3条第1項第3号への該当性が争われた事例です。主な争点は「釣法・魚名結合の識別力」です。特許庁は「本件審判の請求は、成り立たない」と判断しました(請求不成立)。商品の品質や用途を直接表す語は識別力が否定されやすいため、出願前に造語化や図形との組合せを検討することが有効です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1.本願商標

本願商標は、別掲に示すとおり、「ふかせグレ」の文字を横書きしてなり、平成6年3月10日に登録出願、指定商品については、第31類に属する願書記載の指定商品を、同8年3月1日付手続補正書により、「グレ用加工釣り餌・グレ用活き餌・その他のグレ釣り用餌」と補正し、さらに当審において同9年7月22日付手続補正書により、「グレ用加工釣り餌・グレ用生き餌・その他のグレ釣り用餌」に補正してなるものである。

2.原査定の理由

原査定は、「本願商標は、指定商品との関係において、これより全体として「グレ(メジナの別称)釣り用のふかせ餌」の如き意味合いを認識させる「ふかせグレ」の文字を普通に用いられる方法をもって書してなるものであるから、これを本願指定商品中、上記意味合いに照応する商品について使用しても、単に商品の品質・用途を表示したにすぎず、補正後の指定商品に使用しても、未だ商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定し、本願を拒絶したものである。

3.当審の判断

本願商標は、別掲に示すとおり、「ふかせグレ」の文字よりなるものであるところ、その構成よりして「ふかせ」と「グレ」の各文字を組合わせてなるものと容易に理解させるものである。

そして、本願指定商品との関係において、前記文字(語)を考察するに、後半の「グレ」の文字は、例えば、「広辞苑第5版(株式会社岩波書店、1998年11月11日第五版第一版発行)」の「ぐれ」の項において「メジナの別称」と記載されていることより、メジナの別称を片仮名文字をもって表したものと容易に理解させるものである。また、前半の「ふかせ」の文字は、例えば、「海・川 釣りエサ百科(株式会社つり人社、昭和56年12月15日初版発行)」の「釣り用語辞典」において、「オモリを軽くするか、オモリなしでエサを水流にまかせて釣る釣法。」を「フカセヅリ」(フカシヅリ)と記載されており、さらに、該文字について、インターネットにより情報を公開しているサイトをみると、例えば、「釣り用語辞典」(http://nttl-net.ne.jp/tatsuya104/nagyo.htm)の見出しのもと、「オモリを全く付けないか、あるいは極力小さなオモリを使って、餌が自然に流れるように工夫して釣る方法。」を「ふかせ釣り」と記載されており、「グレ(メジナ)」の釣り方の一つとして知られていることよりすれば、「ふかせ」は「ふかせ釣り」を容易に理解させるということができる。

そうとすれば、本願商標は、グレ(メジナ)釣りの一釣法を理解させる「ふかせ」と、魚の種類の一つであるメジナの別称である「グレ」とを結合させたものであって、全体として「グレ(メジナ)を対象魚とするふかせ釣り」の如き意味合いを容易に理解・把握させるというのが相当である。

ところで、釣りに関する新聞報道について、例えば、株式会社ジー・サーチの提供に係る「G−Searchの新聞情報データベース」をみるに、「1992年1月17日付、朝日新聞朝刊奈良版」には、「つりだより」の見出しのもと「・・・◆紀東 グレがピークを迎えた。大きさは26−35センチ。フカセ釣りで、えさはオキアミ。・・・」との記載、「1992年2月1日付、朝日新聞朝刊兵庫版」には、「冬もの活況の生穂(つりだより)」の見出しのもと「・・・グレなど冬ものがよく釣れる。・・・大半が潮流に乗せたフカセ釣り。・・・」との記載、「1996年11月6日付、東京本紙夕刊5頁」には、「ザ グレ『名人と釣ろう』96東レカップIN伊豆」の見出しのもと「・・・対象魚はグレ(メジナ)。ウキ釣りのフカセ。・・・」との記載、「1995年11月14日付、日刊スポーツ25頁には、「潮読みズバリ!潮目の“止め完全フカセ”」との見出しのもと「日刊釣りペン・クラブ会員でもある磯釣り師の鵜沢政則さんの「グレ(メジナ)海道」(釣りサンデービデオ)シリーズの第2弾だ。・・・次々とグレを釣りあげるシーンは迫力。この“完全フカセ”のテクニックを知るためにも必見のビデオだ。」との記載が認められる。

さらに、1998年版ダイワ釣用品総合カタログ(ダイワ精工株式会社、1998年1月30日発行)をみるに、「磯」の項目に「磯上物竿(ふかせ)」等の製品紹介を示す記述が認められる。また、「エサ」の項目に「グレシリーズ」の製品紹介を示す記述が認められ、かつ、「チヌシリーズ」の製品紹介に「フカセ釣り、ウキ釣りに威力『フカセチヌ』・・・フカセチヌは、グレエサより比重があって深いタナへも一気に沈み、しかも拡散性は抜群。・・・」の記述が認められる。

以上によれば、本願商標の指定商品に関連する釣りの業界において、「ふかせ(フカセ)釣り」を表す「ふかせ」の文字や、「メジナ」を表す「グレ」の文字は、新聞報道或いは取引上普通に使用されている状況が認められる。

そうとすると、「ふかせグレ」と書してなる本願商標を、その指定商品について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、前記事情よりして、「グレ(メジナ)を対象魚とする、ふかせ釣り用餌」であること、すなわち、該商品の、品質、用途を表示したものと理解するに止まり、それをもって自他商品の識別標識とは認識し得ないものというのが相当であり、かつ、上記に照応する商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわざるを得ない。

してみれば、本願商標を商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものとして本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。

なお、請求人が援用する登録例は、本願と事案を異にするものであり、それに基づく請求人の主張は採用の限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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