Trademark Appeal Case
「ナチュラル」の識別力と分離抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2018−900170(T2018−900170/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第6043902号商標(以下「本件商標」という。)は、「ウェットナチュラル」の片仮名と「WetNatural」の欧文字とを二段に書してなり、平成29年8月16日に登録出願、第3類「洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,口臭用消臭剤,身体の衛生用又は消臭用膣洗浄剤その他のせっけん類,歯磨き,化粧品,香料,薫料」、第5類「身体用潤滑剤その他の薬剤,医療用試験紙,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,綿棒,歯科用材料,おむつ,おむつカバー」及び第10類「避妊用具,膣洗浄器その他の医療用機械器具,医療用手袋,耳かき」を指定商品として、同30年5月18日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由(要旨)
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標に関し、その指定商品中の第3類及び第5類に属する商品についての登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであるから、同法第43条の2第1号により、取り消されるべきである旨申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第28号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)引用商標
ア 登録第4837350号商標(以下「引用商標1」という。)は、「WET」の欧文字を標準文字で表してなり、平成14年2月26日に登録出願、第3類「香を有するヒーティングマッサージローション,アロマセラピー用マッサージオイル」及び第5類「身体用潤滑ゼリー,香を有する潤滑ゼリー」を指定商品として、同17年2月4日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
イ 登録第4223905号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲に示すとおりの構成からなり、平成8年12月24日に登録出願、第3類「化粧品」を指定商品として、同10年12月25日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(2)本件商標の構成中の「ナチュラル」等の語は、化粧品や薬剤といった商品との関係では全く識別力が認められないことから、本件商標は、「ウェットナチュラル」の称呼のほかに、「ウェット」の称呼及び観念が分離して生じるものであり、引用商標1及び引用商標2(以下、これらをまとめていうときは「引用商標」という。)と称呼及び観念において類似する。
また、本件商標の指定商品中の第3類及び第5類に属する商品は、引用商標の指定商品と類似するものである。
3 当審の判断
(1)本件商標
本件商標は、前記1のとおり、「ウェットナチュラル」の片仮名と「WetNatural」の欧文字とを二段に書してなるところ、その構成各文字は、それぞれ、同じ書体及び大きさで、等間隔に表され、外観上、まとまりよく一体的なものとして看取、把握され得るものであり、また、上段に位置する片仮名は、下段に位置する欧文字の読みを特定するものとして認識されるものであって、そこから生じる「ウェットナチュラル」の称呼も無理なく一連に称呼し得るものである。
そして、上記のとおりの構成態様からなる本件商標について、これをその指定商品中の第3類及び第5類に属する商品に使用したときに、これに接する取引者、需要者が、その構成中の「ナチュラル」の片仮名及び「Natural」の欧文字を商品の品質を表したものなどとして認識するとみるべき特段の事情は見いだせない。
この点につき、申立人は、「ナチュラル」の語義や「ナチュラル(natural)」の文字を含む用語等の例(甲6〜甲13)を挙げるが、これらの内容を鑑みてもなお、上記認定を覆すに足りない。
そうすると、本件商標は、その上下段に位置する片仮名及び欧文字が、それぞれ、その構成全体をもって、特定の意味合いを想起させることのない一連の造語を表したものとして認識されるとみるのが相当である。
したがって、本件商標は、「ウェットナチュラル」の称呼のみを生じ、特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標
ア 引用商標1は、前記2(1)アのとおり、「WET」の欧文字を標準文字で表してなるものであるところ、当該欧文字は、「ぬれた、湿った」等の語義を有する英語「wet」を大文字で表したものといえるから、引用商標1は、「ウェット」の称呼及び「ぬれた、湿った」の観念を生じるものである。
イ 引用商標2は、別掲のとおり、特定の称呼及び観念を生じない図形と、その内側のほぼ中央に、図案化されているものの、その外形的特徴から「WET」の欧文字と看取、理解されるものを配してなるところ、両者の構成態様及び配置に照らせば、後者の「WET」の欧文字と看取、理解されるものが分離、抽出して観察され得るとみるのが相当である。
そうすると、引用商標2は、その構成中の「WET」の欧文字に相応して、引用商標1における場合と同様に、「ウェット」の称呼及び「ぬれた、湿った」の観念を生じるものである。
(3)本件商標と引用商標との類否
本件商標と引用商標とは、それぞれ、上記(1)及び(2)のとおりの構成からなるところ、本件商標と引用商標1とは、特に、「ナチュラル」の片仮名及び「Natural」の欧文字の有無という顕著な差異があり、また、本件商標と引用商標2とは、その差異に加えて、図形の有無という差異もあることから、本件商標と引用商標とは、外観上、相紛れるおそれはない。
また、本件商標から生じる「ウェットナチュラル」の称呼と引用商標から生じる「ウェット」の称呼とでは、「ナチュラル」の音の有無という顕著な差異があるから、それぞれを一連に称呼しても、称呼上、相紛れるおそれはない。
さらに、本件商標は特定の観念を生じないものであるのに対し、引用商標は「ぬれた、湿った」の観念を生じるものであるから、本件商標と引用商標とは、観念上、相紛れるおそれはない。
そうすると、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
(4)むすび
以上によれば、本件商標と引用商標とは非類似の商標であるから、本件商標は、引用商標との関係において、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
したがって、本件商標は、その指定商品中、本件登録異議の申立てに係る第3類及び第5類に属する商品について、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではないから、その登録は、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲
引用商標2
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