Trademark Appeal Case
略称の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2019−900016(T2019−900016/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第6093104号商標(以下「本件商標」という。)は、「ガリトマ」の文字を標準文字で表してなり、平成30年2月23日に登録出願、第30類「菓子,パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ,調味料,香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,穀物の加工品,調理済み麺類,調理済み冷凍麺類,ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,弁当,ラビオリ,パスタソース」を指定商品として、同年10月5日に登録査定、同月26日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、その指定商品中、第30類「菓子,パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ,調味料,ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,弁当,ラビオリ,パスタソース」(以下「申立てに係る商品」という。)について、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第56号証を提出した。
(1)商標法第3条第1項第3号について
本件商標は、「ガリトマ」の標準文字から構成されているが、当該語は、ガーリックとトマトを使用した商品を意味し、飲食業界及び需要者において普通に使用されている事実がある。そうすると、本件商標をその指定商品中、申立人に係る商品に使用したときには、「ガーリックとトマトが使用された(又は、『ガーリックとトマトの味がする』)」商品であることを認識するにすぎず、識別力を認めることができないから、本件商標は、商品の品質や原材料といった商品の特徴を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるため、商標法第3条第1項第3号に該当する。
さらに、本件商標が上記意味合いで理解されるところ、ガーリックとトマトが含まれない商品に使用された場合には、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるため、商標法第4条第1項第16号に該当する。
3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
ア 申立人の提出する甲各号証及び同人の主張によれば、次の事実が認められる(なお、提出された証拠において、掲載日又は出力日が明らかでないもの、本件商標の登録査定日以降に掲載されたものについては除く。)。
(ア)「食べログ」と称するサイトや個人のブログにおいて、レストラン「Sガスト」が提供する料理名やソース名に「ガリトマ」及び「ガリとま」の文字が使用されている(甲1〜甲6)。
(イ)日清製粉株式会社及びエバラ食品工業株式会社が販売しているパスタソースや鍋用のつゆの包装袋に「ガーリックトマト」の文字が使用されて、個人のブログ及び「カッテミル」と称するサイトにおいて、それらの商品が「ガリトマ」と称されている(甲7〜甲10)。
(ウ)「Amebaニュース」のウェブサイトにおいて、「略称はガリトマ!『明星一平ちゃん夜店の焼そば大盛ガーリックチリトマト味』に挑戦してみた!」の見出しの下、本件商標の商標権者の商品が紹介されている(甲11)。
(エ)「満点★青空レストラン」及び「cookpad」と称するウェブサイト、飲食店のウェブサイト、個人ブログにおいて、料理のメニューに「ガリトマ」の文字が使用されており、材料に「ガーリック(にんにく)」並びに「トマト」「トマト缶」又は「トマトソーズ」が表示されている(甲12〜甲17、甲19、甲23、甲24、甲26〜甲28)。
(オ)申立人は、おかず調味料「ガリトマチキン」を販売しており、その包装袋に「ガーリック」及び「トマト」の文字が表示されている(甲29)。また、申立人は、登録商標「KAGOME ガリトマチキン」(登録第5821435号)を保有している(甲30)。
(カ)食品や調理法に「じゃがバタ」、「エビ(海老)マヨ」、「トマたま」の文字が使用されている(甲31〜甲43)。
イ 上記(ア)ないし(カ)の事実からすれば、料理名を表示する際に、2種類の素材や調味料の組合せを4文字に略して表示する場合があることはうかがえる。
そして、「ガリトマ」の文字が、レストランやレシピサイトにおける料理のメニューやソース名に使用され、それに併せて「ガーリック(にんにく)」及び「トマト(缶)」も表示されていることは散見されるものの、重複する記事を除くと、個人のブログにおける使用を含めても10件程でしかなく、また、商品の包装袋に「ガーリックトマト」の文字が使用された商品を「ガリトマ」と称しているのは、個人のブログも含めてわずか2件にすぎない。
そうすると、飲食業界や需要者に対して、「ガリトマ」の文字が、「ガーリック」と「トマト」を使用した料理又は商品であると暗示させる場合があるとしても、一般に広く使用されているとまではいい難く、さらに、「ガリトマ」の文字が、申立てに係る商品の品質等を具体的に表示しているものともいえない。
また、当審において職権をもって調査したが、本件商標の登録査定時に、申立てに係る商品を取り扱う業界において、「ガリトマ」の文字が、商品の具体的な品質等を表示するものとして一般に使用されている事実は発見できず、さらに、本件商標に接する取引者、需要者が、当該文字を商品の品質等を表示したものと認識するというべき事情も見当たらない。
以上のことからすれば、本件商標は、その申立てに係る商品との関係において、商品の品質等を表示するものとはいえず、その構成全体として特定の意味合いを有しない一種の造語として認識、理解されるとみるのが相当であるから、本件商標の登録査定時において、本件商標を申立てに係る商品について使用するときには、商品の品質等を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標ということはできず、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものと判断するのが相当である。
その他、本件商標が、申立てに係る商品の品質等を表示すると認めるに足る証拠は見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第16号該当性について
本件商標は、上記(1)イのとおり、申立てに係る商品の品質等として需要者に認識されないものであるから、本件商標を、異議の申立てに係る商品に使用しても商品の品質について誤認を生じさせるおそれはないと判断するのが相当である。
その他、本件商標が、商品の品質について誤認を生じるおそれがあるとすべき事情は見いだせない。
したがって、本件商標は、申立てに係る商品に使用しても、商品の品質の誤認を生じるおそれがある商標とはいえないから、商標法第4条第1項第16号に該当しない。
(3)申立人の主張について
申立人は、「『ガリトマ』以外でも『ガリバタ』、『ガリマヨ』のように『ガーリック』を『ガリ』と略すのは現在では一般的であり、また、『トマタマ』(トマたま)のように『トマト』を『トマ』と略すのも一般的であるので、たとえ『ガリトマ』の使用例が少ないとしても、3号に該当すると判断すべきといえる。ましてや、『ガリトマ』の使用例は多々みられる。」、「素材や調理法を端的に伝えることができる料理用の略語の必要性も高まってきており、略語をまとめたサイトもあるほどである(甲54、甲55)。」のように主張する。
確かに、上記(1)イにおいて述べたとおり、料理の素材や調味料の組合せを4文字に略して表示する場合があることはうかがえる。しかしながら、本件商標「ガリトマ」の使用の大半を占める料理のレシピサイトにおいても、「ガリトマ」の文字の使用は、10件程しかないことから決して多い使用例とはいえないばかりか、加えて、申立人が提出した料理用の略語をまとめたサイト(甲54、甲55)には、「ガリトマ」の語が掲載されていないことからすれば、「ガリトマ」の文字は、ガーリックとトマトが使用されているとか、ガーリックとトマトの味がする、といったことを需要者に理解させるとはいえず、ひいては、本件の申立てに係る商品を取り扱う業界において、「ガリトマ」の文字が、素材等を略した語として使用されて、当該商品の品質を表示する語として一般に広く使用されているとはいえないというべきである。
(4)結語
以上のとおり、本件商標は、その指定商品中、申立てに係る商品について、商標法第3条第1項第3号、同法第4条第1項第16号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
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