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Trademark Appeal Case

商標と指定商品の類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2019−900002(T2019−900002/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第6087335号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第6087335号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成30年1月12日に登録出願、第5類「薬剤(農薬に当たるものを除く。),サプリメント」及び第32類「飲料用青汁,粉末状の飲料用青汁のもと,清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース」を指定商品として、同年9月5日に登録査定、同年10月5日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由として引用する商標は、以下の(1)ないし(5)に示すとおりであり、その商標権は、いずれも現に有効に存続しているものである。

(1)国際登録第1311351号商標(以下「引用商標1」という。)

商標の構成:別掲2のとおり

優先権主張:2015年12月22日 EUIPO

国際商標登録出願日:2016年(平成28年)6月10日

設定登録日:平成29年3月3日

指定商品、指定役務:第5類「Pharmaceutical preparations; dietetic foods for medical use; dietetic substances for medical use; food for babies; probiotic bacterial formulations for medical use; food supplements; nutritional supplements; plasters.」並びに第41類及び第44類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの役務。

(2)国際登録第1314198号商標(以下「引用商標2」という。)

商標の構成:別掲3のとおり

優先権主張:2016年5月23日 France

国際商標登録出願日:2016年(平成28年)7月8日

設定登録日:平成29年3月31日

指定商品:第5類「Pharmaceutical preparations; veterinary preparations; dietetic substances and foods for medical and veterinary use; food for babies; food supplements; nutritional supplements; dietary supplements; probiotic bacterial formulations for medical use; plasters.」

(3)国際登録第1315453号商標(以下「引用商標3」という。)

商標の構成:別掲4のとおり

優先権主張:2016年5月23日 France

国際商標登録出願日:2016年(平成28年)7月8日

設定登録日:平成29年3月31日

指定商品:第5類「Pharmaceutical preparations; veterinary preparations; dietetic substances and foods for medical and veterinary use; food for babies; food supplements, nutritional supplements; dietary supplements; probiotic bacterial formulations for medical use; plasters.」

(4)国際登録第1315454号商標(以下「引用商標4」という。)

商標の構成:別掲5のとおり

優先権主張:2016年5月23日 France

国際商標登録出願日:2016年(平成28年)7月8日

設定登録日:平成29年3月31日

指定商品:第5類「Pharmaceutical preparations; veterinary preparations; dietetic substances and foods for medical and veterinary use; food for babies; food supplements; nutritional supplements; dietary supplements; probiotic bacterial formulations for medical use; plasters.」

(5)国際登録第1315455号商標(以下「引用商標5」という。)

商標の構成:別掲6のとおり

優先権主張:2016年5月23日 France

国際商標登録出願日:2016年(平成28年)7月8日

設定登録日:平成29年3月31日

指定商品:第5類「Pharmaceutical preparations; veterinary preparations; dietetic substances and foods for medical and veterinary use; food for babies; food supplements; nutritional supplements; dietary supplements; probiotic bacterial formulations for medical use; plasters.」

以下、上記引用商標1ないし引用商標5をまとめて「引用商標」という。

3 登録異議の申立ての理由

申立人は、本件商標は、その指定商品中、第5類「薬剤(農薬に当たるものを除く。),サプリメント」について、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきである旨申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第6号証(枝番号を含む。)を提出した。

(1)本件商標と引用商標の比較

ア 本件商標

本件商標は、別掲1のとおり、左斜め上に向けて徐々に色が薄くなる青色の円の中に、黄色の三日月図形を配置してなる図形商標からなり、その構成態様から「夜空の三日月」の観念が生じる。

イ 引用商標

(ア)引用商標1及び引用商標3は、いずれもその図形部分が、青色の長方形の中に黄色の三日月図形を配置してなるものであり、その構成態様から「夜空の三日月」の観念が生じる。

(イ)引用商標2は、その図形部分が、中心が凹んだ青色と水色の波形図形の中央凹部に黄色の三日月図形を配置してなるものであり、「青色と水色の波形図形」が夜の海を想起させるため、その構成態様から「夜の海に浮かぶ夜空の三日月」の観念が生じる。

(ウ)引用商標4は、引用商標2の図形部分と同様の図形からなるため、「夜の海に浮かぶ夜空の三日月」の観念が生じる。

(エ)引用商標5は、その図形部分が、黄色の三日月図形からなるため「三日月」の観念が生じる。

ウ 本件商標と引用商標との比較

(ア)外観

本件商標と引用商標の外観とを比較すると、いずれも、印象的な黄色の三日月形図形が図形部分の殆どを占め、両者の三日月形図形は、形状、傾き及び色は酷似している。また、本件商標と引用商標とは、三日月形図形の背景となる部分において円形若しくは矩形、又は青若しくは白の差異はあるものの、背景となる部分に顕著な特徴はなく、これらの商標を、指定商品である薬剤やサプリメントの包装箱の表面に付した場合、三日月形図形の背景となる部分は、包装箱の表面の色やデザインに埋没し、三日月形図形だけが顕著に表れることは明らかであることから、両者は、その外観が類似している類似商標である。

(イ)観念

本件商標と引用商標から生じる観念を比較すると、本件商標と引用商標1及び引用商標3とは、いずれも「夜空の三日月」の観念を生じることから、両者は、同一の観念が生じる類似商標である。

また、本件商標から生じる「夜空の三日月」の観念と、引用商標2及び引用商標4から生じる「夜の海に浮かぶ夜空の三日月」の観念とは、いずれも、「夜空の三日月」であることに相違はなく、類似の観念であることは明らかであるから、両者は、類似の観念を生じる類似商標である。

さらに、本件商標と引用商標5とは、いずれも、図形部分の殆どを「三日月」形状の図形で占めているため、両者からは「三日月」の観念が生じ得ることから、同一又は類似の観念が生じる類似商標である。

(2)本件商標と引用商標の指定商品との比較

本件商標の指定商品中の第5類「薬剤」は、引用商標の指定商品中の第5類「Pharmaceutical preparations」と同一の商品である。

また、本件商標の指定商品中の第5類「サプリメント」は、引用商標1の指定商品中の第5類「food supplements; nutritional supplements」及び引用商標2ないし引用商標5の指定商品中の第5類「food supplements; nutritional supplements; dietary supplements」と同一又は類似の商品である。

(3)その他の実情

本件商標と引用商標の指定商品である「薬剤」と「Pharmaceutical preparations」とは、他の指定商品と異なり、使用者、取引者が間違った薬剤を購入して使用すると、深刻な問題が生じる可能性があり、とりわけ慎重に取り扱われなければならない商品であって、本件商標と引用商標のように観念及び外観が類似している商標が、異なる効用の薬剤の包装箱に付されることは、間違った薬剤の購入や誤投薬に繋がるために、絶対にあってはならず、その登録を取り消すべきものである。

(4) まとめ

上記したように、本件商標は引用商標に類似する商標であり、本件商標の指定商品中、第5類「薬剤(農薬に当たるものを除く。),サプリメント」は、商標法第4条第1項第11号に反して登録がされたものである。

4 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号該当性について

ア 本件商標

本件商標は、別掲1のとおり、白地の円形を背景として、左斜め上に向けて徐々に色が薄くなる青色の円の右側下部に、黄色の三日月をモチーフとしたと思しき円弧図形を配置した構成からなるところ、その構成全体が、視覚上、まとまりよく一体的に表されていると看取されるものであり、全体として、特定の事物を想起させるものということはできないから、これより、特定の称呼及び観念を生じないものとみるのが相当である。

イ 引用商標

(ア)引用商標1は、別掲2のとおり、紺色の四角形の中に、左上部が開いているオレンジと黄色の濃淡を付けた円弧図形(以下「図形部分」という。)の中に、いずれも白抜きの「smecta」及び「SMILES」の文字(以下「文字部分」という。)を上下2段に配した構成からなるものである。

そして、上記図形部分と文字部分とは、それぞれの構成態様及び配置によれば、視覚上、分離して看取、把握され得るものであるところ、当該図形部分については、特定の事物を想起させるものということはできないから、これより、特定の称呼及び観念を生じないものとみるのが相当であり、また、図形部分と文字部分との間に称呼及び観念上のつながりがあるとはいえないことから、両部分は、それぞれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものではない。

そうすると、引用商標1に接する取引者、需要者は、図形部分と文字部分のそれぞれを出所識別標識としての機能を有する要部として認識、理解するというのが相当であるから、図形部分を要部として抽出し、本件商標と比較して商標の類否を判断することは許されるというべきである。

(イ)引用商標2は、別掲3のとおり、「smecta」の文字(以下「文字部分」という。)及び上部が青い縁取りを有する中央部が凹んでいる薄い水色の波形であって、その中央部が両側の紺色に比べやや薄い青色の図形(以下「波形図形」という。)の上部に、当該波形部分中央部と重なるように、左上部が開いているオレンジと黄色の濃淡を付けた円弧図形(以下「円弧図形」といい、「波形図形」と合わせて「図形部分」という。)を配した構成からなるものである。

そして、上記構成からなる図形部分は、上部の円弧図形の外側の丸みが、その下部の波形図形の中央部の凹んだ部分に重なるように描かれていることから、その構成全体が、視覚上、まとまりよく一体的に表されていると看取されるものである。

また、上記図形部分と文字部分とは、それぞれの構成態様及び配置によれば視覚上、分離して看取、把握され得るものであるところ、当該図形部分については、特定の事物を想起させるものということはできないから、これより、特定の称呼及び観念を生じないものとみるのが相当であり、さらに、図形部分と文字部分との間に称呼及び観念上のつながりがあるとはいえないことから、両部分は、それぞれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものではない。

そうすると、引用商標2に接する取引者、需要者は、図形部分と文字部分のそれぞれを出所識別標識としての機能を有する要部として認識、理解するというのが相当であるから、図形部分を要部として抽出し、本件商標と比較して商標の類否を判断することは許されるというべきである。

(ウ)引用商標3は、別掲4のとおり、紺色の四角形の中に、左上部が開いているオレンジと黄色の濃淡を付けた円弧図形(以下「図形部分」という。)の中に、白抜きの「smecta」の文字(以下「文字部分」という。)を配した構成からなるものである。

そして、上記図形部分と文字部分とは、それぞれの構成態様及び配置によれば、視覚上、分離して看取、把握され得るものであるところ、当該図形部分については、特定の事物を想起させるものということはできないから、これより、特定の称呼及び観念を生じないものとみるのが相当であり、また、図形部分と文字部分との間に称呼及び観念上のつながりがあるとはいえないことから、両部分は、それぞれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものではない。

そうすると、引用商標3に接する取引者、需要者は、図形部分と文字部分をそれぞれを出所識別標識としての機能を有する要部として認識、理解するというのが相当であるから、図形部分を要部として抽出し、本件商標と比較して商標の類否を判断することは許されるというべきである。

(エ)引用商標4は、別掲5のとおり、上部が青い縁取りを有する中央部が凹んでいる薄い水色の波形であって、その中央部が両側の紺色に比べやや薄い青色の図形(以下「波形図形」という。)の上部に、当該波形部分中央部と重なるように、左上部が開いているオレンジと黄色の濃淡を付けた円弧図形を配した構成からなるものである。

そして、上記構成からなる引用商標4は、上部の円弧図形の下部の丸みが、その下部の波形図形の中央部に重なるように描かれていることから、視覚上、まとまりよく一体的に表されているものと看取されるものであり、その構成全体として、特定の事物を想起させるものということはできないから、これより、特定の称呼及び観念を生じないものとみるのが相当である。

(オ)引用商標5は、別掲6のとおり、外側に陰影を有する左上部が開いているオレンジと黄色の濃淡を付けた円弧図形(以下「図形部分」という。)の上部に、「smecta」の文字(以下「文字部分」という。)を配した構成からなるものである。

そして、上記図形部分と文字部分とは、それぞれの構成態様及び配置によれば、視覚上、分離して看取、把握され得るものであるばかりでなく、当該図形部分については、特定の事物を想起させるものということはできないから、これより、特定の称呼及び観念を生じないものとみるのが相当であり、また、図形部分と文字部分との間に称呼及び観念上のつながりがあるとはいえないことから、両部分は、それぞれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものではない。

そうすると、引用商標5に接する取引者、需要者は、図形部分と文字部分のそれぞれを出所識別標識としての機能を有する要部として認識、理解するというのが相当であるから、図形部分を要部として抽出し、本件商標と比較して商標の類否を判断することは許されるというべきである。

ウ 本件商標と引用商標との比較

(ア)本件商標と引用商標1及び引用商標3との比較

本件商標と引用商標1及び引用商標3の図形部分とを比較してみると、両者は、いずれもその構成中に円弧図形を有する点を共通にするものの、白地の円形を背景として、左斜め上に向けて徐々に色が薄くなる青色の円の右側下部に、黄色の三日月をモチーフとしたと思しき円弧図形を配置した構成からなる本件商標は、視覚上、まとまりよく一体的に表されているものと看取されるものであり、紺色の四角形の中に、左上部が空いているオレンジと黄色の濃淡を付けた円弧図形からなる引用商標1及び引用商標3の図形部分とは、全体から受ける印象が著しく異なるものといえ、両者を対比観察した場合はもとより、時と処を異にして離隔的に観察した場合においても、外観上、相紛れることなく別異のものとして認識し、把握されるというべきである。

よって、本件商標と引用商標1及び引用商標3の図形部分とは、いずれも称呼及び観念が生じないものであるから、称呼及び観念においては比較することができないものの、外観においては、明確に区別できるものであるから、これらを総合的に考察すれば、両者は、互いに紛れるおそれのない非類似の商標というべきものである。

(イ)本件商標と引用商標2及び引用商標4との比較

本件商標と引用商標2及び引用商標4の図形部分とを比較してみると、両者は、いずれもその構成中に円弧図形を有する点を共通にするものの、白地の円形を背景として、左斜め上に向けて徐々に色が薄くなる青色の円の右側下部に、黄色の三日月をモチーフとしたと思しき円弧図形を配置した構成からなる本件商標は、視覚上、まとまりよく一体的に表されているものと看取されるものであり、波形図形と円弧図形から構成され、視覚上、まとまりよく一体的に表されているものと看取される引用商標2及び引用商標4の図形部分とは、全体から受ける印象が著しく異なり、両者を対比観察した場合はもとより、時と処を異にして離隔的に観察した場合においても、外観上、相紛れることなく別異のものとして認識し、把握されるというべきである。 よって、本件商標と引用商標2及び引用商標4の図形部分とは、いずれも称呼及び観念が生じないものであるから、称呼及び観念においては比較することができないものの、外観においては、明確に区別できるものであるから、これらを総合的に考察すれば、両者は、互いに紛れるおそれのない非類似の商標というべきものである。

(ウ)本件商標と引用商標5との比較

本件商標と引用商標5の図形部分とを比較してみると、両者は、いずれもその構成中に円弧図形を有する点を共通にするものの、白地の円形を背景として、左斜め上に向けて徐々に色が薄くなる青色の円の右側下部に、黄色の三日月をモチーフとしたと思しき円弧図形を配置した構成からなる本件商標は、視覚上、まとまりよく一体的に表されているものと看取されるものであり、外側に陰影を有する左上部が開いているオレンジと黄色の濃淡を付けた円弧図形である引用商標5の図形部分とは、全体から受ける印象が著しく異なり、両者を対比観察した場合はもとより、時と処を異にして離隔的に観察した場合においても、外観上、相紛れることなく別異のものとして認識し、把握されるというべきである。

よって、本件商標と引用商標5の図形部分とは、いずれも称呼及び観念が生じないものであるから、称呼及び観念においては比較することができないものの、外観においては、明確に区別できるものであるから、これらを総合的に考察すれば、両者は、互いに紛れるおそれのない非類似の商標というべきものである。

エ 小括

上記ウによれば、本件商標と引用商標とは、相紛れるおそれのない非類似の商標というべきものである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

(2)むすび

以上のとおり、本件商標の登録は、その指定商品中、本件登録異議の申立てに係る第5類「薬剤(農薬に当たるものを除く。),サプリメント」について、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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