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Trademark Appeal Case

位置商標の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2017−6523(T2017−6523/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は,成り立たない。

理由テキスト

第1 本願商標

本願商標は,別掲1のとおりの構成よりなり,第16類「ボールペン」を指定商品とし,平成27年4月1日に位置商標として登録出願されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は,「本願の指定商品であるボールペンを取り扱う業界においては,商品の機能や美感を発揮させるため,又は需要者の注意を惹く目的等で,出所を表示するための識別標識以外の装飾的な種々の図形及び色彩が使用されている実情がある。そして,本願商標を構成する図形は,ボールペンの軸の上部の周縁に付されたものであり,単に商品の機能や美感を発揮する等のための装飾,模様等の一類型を表示するにすぎないものと認められる。そうすると,本願商標は,何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標と判断するのが相当である。したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定,判断し,本願を拒絶したものである。

第3 当審における証拠調べ通知

当審において,本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するか否かについて,職権により証拠調べをした結果,別掲2の事実を発見したので,同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき,その結果を請求人に通知し(平成30年7月12日付け証拠調べ通知書),相当の期間を指定して意見を述べる機会を与えた。

第4 証拠調べ通知に対する請求人の意見(要旨)

請求人は,上記第3の証拠調べ通知に対して,以下のとおり意見を述べた。

1 本願商標に基づく自他商品の識別

ボールペンは,文字商標が一般に付されるペン軸の部分が細いため,需要者はこれをもって商品を識別し難く,また,販売台で前後を重ねるように展示して販売されるので,軸の文字商標が見難く,必然的に本願商標のような商品の上部に位置する位置商標をもって商品を識別するものとなる。

したがって,現実の取引においては,本願商標は商品の装飾,模様ではなく,自他商品識別標識として機能してきたものである。

2 本願商標の独占適応性

本願商標を採択したデザイナーによれば,本願商標をボールペンに付することは,当該商品の製造には本来的に不利となり,請求人のみが二色成形を採用してこのデザインを実用化したが,この価格のボールペンで二色成形を用いて外観デザインを施した例はそれ以前には無いとのことである(甲71)。

そうすると,本願商標は独占適応性があり,これを商品の装飾,模様であるとして第三者が使用できるようにしておく必要性は全くない。

また,デザイナーによれば,「色の組み合わせが変わっても,リング状のデザインで需要者に本商品であることを示すことが可能となる。」ことから,本願商標が請求人の商品の識別標識として機能することがわかるものである。

3 本願商標の使用実績(POSデータについて)

2016年(平成28年)1月から2018年(平成30年)7月までの日本国内800店舗を対象として「日経NEEDS−SCAN/TREND」のPOSデータを元に作成した月毎の売り上げランキング(甲72)には,本願商標を付した商品として,ボール径や色の異なる複数の商品が100位以内に多く入っていることから,本願商標が付された商品が請求人の業務に係るものであると需要者が認識できる程度の著名性を取得している。

さらに,上記のデータは,同じ文字商標「JETSTREAM」を付したボールペンであっても本願商標が付されたものと付されてないものとを分けていることから,現実の取引においては,本願商標をもって商品を識別している。したがって,現実の取引において自他商品識別標識として機能している本願商標をあえて商品の装飾,模様にすぎないとすべきではない。

4 韓国における仮処分について

韓国において,第三者によって製造された本願商標を付したボールペンに対して行われた不正競争防止法に基づく仮処分の申立において,韓国の裁判所は,本願商標が請求人のボールペンの特徴の一つとして認定し,その特徴と類似する位置商標をその第三者のボールペンを有することを一つの理由として出所の誤認・混同が生じるものとしてその製造販売を差し止める決定をした(甲73)。

日本よりも本願商標の著名度の低い韓国においても当該商標が自他商品識別標識として機能する位置商標と認識され,かつ,著名なものとされて不正競争防止法に基づく仮処分が認められたのであれば,我が国においては当然本願商標が自他商品識別標識として機能する位置商標と認識され,かつ,著名なものとされるべきである。

5 まとめ

以上のように,本願商標は現実の取引では自他商品識別標識として機能する位置商標として認識されかつ機能しており,商品の装飾,模様ではなく,かつ,独占適応性がある。

第5 当審の判断

1 商標法第3条第1項第6号について

(1)本願商標は,別掲1のとおりの構成よりなり,ボールペンの軸の上部部分に表示したクリップ側(正面)から背面側へかけて徐々に帯の幅が細くなる図形からなる位置商標である。

ところで,ボールペンを含む筆記具においては,当審における証拠調べ通知においてした以下に示す例のように,商品の美感や魅力の向上等に資する装飾等として,軸の上部の周縁に図形を付したり,様々な大きさや色彩の異なる部品を付すことが,一般に広く採用されている実情がある。

ア 筆記具のキャップ部分の上部に斜めの帯状に一周させた図形が表示されている(別掲2(1))。

イ 筆記具の軸の上部に軸と同色の斜めの帯状に一周させた図形が表示されている(別掲2(2))。

ウ 筆記具の軸の上部に軸と異なる色の斜めの帯状に一周させた図形が表示されている(別掲2(3),(7))。

エ 筆記具の軸の上部に,軸と異なる色の部品が付されている(別掲2(4),(8)〜(18))。

オ 筆記具のキャップ部分の上部に斜めの線が3本表示されている(別掲2(6))。

そうすると,本願商標を,本願商標の指定商品であるボールペンに使用されたときには,本願商標は,図形を付す位置がボールペンの軸の上部に特定された図形であって,図形の幅が均一でないとしても,上記のとおり一般に広く採用されている,ボールペンの軸に付される図形又は部品からなる図形の一類型と認められ,当該図形が付される位置も一般的に採用され得る範囲内のものであるから,これに接する需要者は,商品の美感や魅力の向上等に資する装飾等として,通常使用される図形を表したものと認識するにとどまり,その図形について,商品の出所を表示するものとして又は自他商品を識別するための標識として認識することはないというべきである。

(2)本願商標の使用による識別性について

請求人は,「本願商標は使用により自他商品識別力を獲得しており,商標法第3条第2項の規定により登録されるべきものである。」旨主張し,その主張に係る証拠として,甲第1号証ないし甲第73号証を提出している。

そこで,請求人が提出した証拠及び同人の主張の内容に照らし,本願商標が,使用をされた結果,需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるに至っているか否かについて,以下検討する。

ア 請求人の製造に係るボールペン及びボールペンの販売状況について

(ア)請求人の製造に係る,本願商標が付されたボールペン(以下「使用商品」という。)は,「JETSTREAM(ジェットストリーム)」の名称で,平成18年(2006年)7月27日に発売が開始された(甲1)。

(イ)使用商品の紹介記事に付されている写真のほとんどは,使用商品に係るボールペン全体の写真である(甲1〜甲3,甲7〜甲14,甲16〜甲28,甲30〜甲35,甲37〜甲39,甲41,甲42,甲44〜甲48,甲50〜甲61)。

(ウ)請求人の製造に係る「JETSTREAM(ジェットストリーム)」の名称のボールペンには,本願商標が付されていないものもある(以下,使用商品を含む「JETSTREAM(ジェットストリーム)」の名称のボールペンを,まとめて「ジェットストリームシリーズ」という。:甲9,甲15,甲16,甲18,甲23,甲27,甲31,甲34,甲35,甲42〜甲44,甲46,甲50,甲52〜甲54,甲56,甲59,甲60,甲67,甲68)。

(エ)本願の指定商品であるボールペンは,ショーケースに詰めて立てられた状態で販売されることがあるところ,その各ボールペンが詰められている陳列台には,それぞれのボールペンの名称が表示されている(甲68〜甲70)。

イ 広告について

(ア)請求人のプレスリリース等

請求人は,ジェットストリームシリーズに関する記事を平成18年(2006年)7月より平成29年(2017年)2月(ただし,平成21年(2009年)及び平成27年(2015年)を除く。)までに,PRESS RELEASE及びPRESS LETTERとして,合計10回公表している(甲1,甲9,甲14,甲18,甲23,甲25,甲31,甲44,甲57,甲59)。

(イ)新聞広告

請求人は,使用商品を掲載した自社の広告を2016年(平成28年)10月21日付け読売新聞において掲載した(甲66)。

(ウ)展示会への出品

請求人は,自社展示会においてジェットストリームシリーズを出品した(甲67)。

(エ)その他の広告

請求人は,店頭においてジェットストリームシリーズの宣伝イベントを行った(甲64)。

また,請求人は,使用商品を表示したラッピングトレインを走らせた(甲65)。

ウ 雑誌・新聞における掲載

(ア)ジェットストリームシリーズは,産経新聞(2007年(平成19年)1月26日:甲5,2011年(平成23年)12月19日:甲24,2015年(平成27年)12月6日:甲53),日刊工業新聞(2007年(平成19年)11月5日:甲8,2008年(平成20年)1月15日:甲10,),日本経済新聞電子版(2013年(平成25年)8月12日,甲40),日刊ゲンダイ(2014年(平成26年)9月13日:甲49),日経MJの丸善の広告(2015年(平成27年)9月2日:甲55),フジサンケイビジネスアイ(2015年(平成27年)11月23日:甲56),スポーツニッポン(2017年(平成29年)4月7日:甲62)において掲載されている。

(イ)ジェットストリームシリーズは,「週刊東洋現代」(2006年(平成18年)9月16日:甲3),「中一MyStyle」(2008年(平成20年)7月:甲12),「My Style中2」(2010年(平成22年)6月:甲17,2013年(平成25年)9月:甲41),「すごい文房具」(2010年(平成22年):甲19),「MONOQLO」(2011年(平成23年)1月19日発行:甲21,2015年(平成27年)1月:甲51),日経ホーム出版発行「そこまでやるか!文具王高畑正幸の最強アイテム完全批評」(甲22),日経PB社発行「日経TRENDY」(2012年(平成24年)10月:甲26),「すごい文房具デラックス」(甲27),「MonoMax別冊 この文房具がすごい!」(甲28),「週刊文春」(2013年(平成25年)2月14日号:甲29),「GetNavi」(2013年(平成25年)4月号:甲30),「日経WOMAN」(2013年(平成25年)5月:甲32),徳間書店発行「グッとくる文房具」(甲33),「すごい文房具ゴールデン」(甲34),「プレイボーイ」(甲35),「ウレぴあ」(2013年(平成25年):甲36),「DIME」(2013年(平成25年)5月16日発行:甲38),「クロワッサン」(2013年(平成25年)6月25日:甲39),徳間書店発行「グッとくる文房具2014」(甲42),宝島社発行「文房具大賞2013−2014」(甲43),「すてきな奥さん」(2014年(平成26年)4月:甲45),「mono」(2014年(平成26年)2月2日:甲46),「STATIONERY Magazine」(甲48),「グッとくる文房具2015」(甲52),株式会社エヌエヌエー発行「カンパサール」(2015年(平成27年)4月号:甲54),中央経済社発行「旬刊経理情報」(平成28年(2016年)3月20日発行:甲58),「文房具完全ガイド」(甲60),集英社発行「SPUR」(2017年(平成29年)5月:甲61)において掲載されている。

(ウ)ナツメ社発行「デコ文字&イラスト」(甲37)には,油性ボールペンとして,使用商品が掲載されている。

(エ)上記(ア)及び(イ)のジェットストリームシリーズに係る新聞,雑誌には,(a)「さらっと書ける油性ボールペン」(甲49),(b)「・・・軽くなめらかな書き心地で,日本の油性ボールペン界に低粘度インクブームという革命をもたらした。・・・」(甲52),(c)「なめらかな書き味 世界でヒット」(甲56),(d)「書き始めからわかる衝撃のなめらかさ」(甲60)等の記事及び(e)「年配のお客さんが『ジェットなんとか』くださいと店頭を訪れた・・・」(甲5),(f)「みんなの筆箱のセンターはやはり“ジェッちゃん”!!」(甲42)等の記事が掲載されている。

エ 使用商品の売上げ順位及び市場占有率について

使用商品が付されたボールペンの売上げ順位は,種類別に3位,4位,11位,15位,27位,53位,82位,86位,95位である(甲72:請求人が付した黄色のマーカー部分)。

また,使用商品の市場占有率は,個数シェアで合計5.1%,金額シェアで合計3.8%である(甲72:請求人が付した黄色のマーカー部分の各シェアの合計。)

オ 判断

(ア)上記アないしエの事実によれば,請求人は,本願商標を,平成18年(2006年)7月より,ボールペンに使用していることが認められる。

そして,使用商品は,筆記具であるから,その需要者は一般消費者である。また,上記ウのとおり,使用商品は,日本全国において発売されている雑誌に掲載されていることから,本願商標の使用地域も日本全国であると推認できる。

(イ)しかしながら,使用商品に関する広告は,請求人のプレスリリース等が10回あるものの,使用商品を使用した新聞広告は,わずか1回のみであって,その内容も請求人自身の広告であり,使用商品に係る広告であるとは認められない。また,その他の広告についてはそれを行った時期,回数,規模等を証明する証拠の提出はない。

(ウ)使用商品を含むジェットストリームシリーズは,発売後より新聞,雑誌の記事等として多数掲載されていることは認められるものの,その掲載内容は,例えば上記ウ(エ)(a)ないし(d)のようなジェットストリームシリーズ自体の品質,書き心地に関する記事であり,記事中に使用商品の写真が掲載されていたとしても,上記ア(イ)のとおり,そのほとんどが,使用商品全体の写真であって,本願商標の付されている部分を特段目立つ様態で表示している等,本願商標を自他商品の識別標識として使用している事実は認められない。

また,上記ウ(エ)(e)及び(f)のとおり,「ジェットストリーム」の文字(一部を含む。)が自他商品の識別標識として機能しているものと認められる記事はあるものの,本願商標が自他商品の識別標識として機能している旨の記事は確認できない。

(エ)ボールペンに占める使用商品の売上げ順位は,低くはないものの,そのシェアは個数シェアで合計5.1%,金額シェアで合計3.8%であり,高いとはいえない。

(オ)ボールペンを含む筆記具においては,上記(1)のとおり,商品の美感や魅力の向上等に資する装飾等として,軸の様々な部分の周縁に図形を付したり,軸の周縁に沿って,様々な大きさや色彩の異なる環状の部品を付すことが,一般に広く採用されている実情がある。

(カ)そうすると,「ジェットストリーム」の文字は,ある程度需要者の間に知られていることは認められるものの,請求人提出の証拠及び同人の主張を総合しても,本願商標が,その指定商品に使用された結果,需要者が,本願商標のみをもって,専ら請求人の業務に係る商標であることを認識しているとは認められず,他にこれを認めるに足りる証拠の提出はない。

また,ボールペンを含む筆記具においては,上記(1)のとおり,軸の上部の周縁に図形を付したり,軸の上部の周縁に沿って,様々な大きさや色彩の異なる部品を付すことが,一般に広く採用されている実情がある。

してみれば,本願商標は,使用をされた結果,需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるものとは認められない。

したがって,本願商標は商標法第3条第1項第6号に該当する。

2 請求人の主張について

(1)請求人は,「『ボールペン』は,文具店・コンビニエンスストア等においてショーケースに詰められて立てた状態で販売されるものである。そして『ボールペン』は,細い商品であるので,その表面に表示される文字商標は必然的に小さく表示せざるを得ないため,上部に位置する本願商標は他の商品に比べ識別にあたり重要な要素となり,実際の取引では,需要者は本願商標を目印に商品を識別し,購入する。」また「『JETSTREAM』の商品群の販売台が店舗にある場合,売場に当該商品を購入するために訪れた需要者は,本願商標が付されていることによりその商品群の中からスムーズに当該商品を見つけることが可能となっており,高い識別力を有する。」旨,主張している。

しかしながら,ボールペンを含む筆記具においては,上記1(1)のとおり,商品の美感や魅力の向上等に資する装飾等として,軸の様々な部分の周縁に図形を付したり,軸の周縁に沿って,様々な大きさや色彩の異なる部品を付すことが,一般に広く採用されている実情があることから,本願商標のみが,商品の出所を表示するものとして又は自他商品を識別するための標識として認識されるものとは認められないことに加え,ボールペンの販売に際しては,上記1(2)ア(エ)のとおり,商品の陳列台に各ボールペンの名称が表示されており,ボールペンを購入しようとする需要者は,ボールペンに付されている図形ではなく,陳列台等に付されている名称によって各ボールペンを識別しているというのが相当であるから,本願商標が出所識別機能を有するものとして強く印象付けられるとはいい難い。

(2)請求人は,「ジェットストリームが著名であれば,これに使用されている本願商標も必然的に著名なものとなる。したがって,本願商標は『ジェットストリーム』と同程度の著名性を取得しているといえる。」旨,主張している。

しかしながら,上記1(2)オ(カ)のとおり,「ジェットストリーム」の文字は,請求人の製造に係るボールペンの名称としてある程度需要者の間に知られていることは認められるものの,上記1のとおり,本願商標は,需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるものとは認められず,また,上記1(2)ア(ウ)のとおり,ジェットストリームシリーズには,本願商標が付されていないものも存在するから,本件商標と「ジェットストリーム」の文字とは関連性があるとはいえない。

そして,請求人は,「ジェットストリーム」の文字の周知性と本願商標の周知性を関連付ける具体的な説明及び証拠は提出していない。

そうすると,本願商標は「ジェットストリーム」の文字と同程度の著名性を取得しているとはいえない。

(3)請求人は,「本願商標を付したボールペンの価格のボールペンで二色成形を用いて外観デザインを施した例はそれ以前には無く,この点で,本願商標の使用を取引界に開放しておく必要性はない。また,リング状のデザインで需要者に本商品であることを示すことが可能となる。」旨,主張している。

しかしながら,使用商品の軸の製造方法と,本件商標の独占適応性とは何らの関連もなく,また,本願商標のデザインが他のボールペンのデザインと多少異なっているとしても,ボールペンを含む筆記具においては,上記1(1)のとおり,商品の美感や魅力の向上等に資する装飾等として,軸の様々な部分の周縁に軸に垂直に一周させる図形や角度を付けて一周させる環状の図形を付したり,軸の周縁に沿って,様々な大きさや色彩の異なる環状の部品を付すことが,一般に広く採用されている実情があることから,本願商標のみが,商品の出所を表示するものとして又は自他商品を識別するための標識として認識されるものとは認められない。

(4)請求人は,「POSデータには,同じ文字商標(JETSTREAM)を付したボールペンであっても本願商標が付されたものと付されてないものとを分けていることから,現実の取引においては,本願商標をもって商品を識別している。」旨,主張している。

しかしながら,上記1のとおり,本願商標に接する需要者は,本願商標を商品の出所を表示するものとして又は自他商品を識別するものとして認識しているものとは認められない。

(5)請求人は,「韓国においては,本願商標が自他商品識別標識として機能する位置商標と認識され,この位置商標に類似するものを付したものは出所の混同を生じるものとされたことから,我が国においても本願商標が自他商品識別標識として機能する位置商標と認識され,かつ,著名なものとされるべきである。」旨,主張している。

しかしながら,上記事案は外国の事案であり,適用されている法律も異なることに加え,その対象となる形状は,ボールペンの軸全体であると認められるから,本件審判とは事案を異にするものである。

(6)したがって,請求人の主張はいずれも採用できない。

3 まとめ

以上のとおり,本願商標は,商標法第3条第1項第6号に該当するものであるから,登録することができない。

よって,結論のとおり審決する。

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