Trademark Appeal Case
VR内見の記述性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2018−15492(T2018−15492/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は,「VR内見」の文字を横書きしてなり,第9類,第16類,第36類及び第42類に属する願書に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として,平成29年7月31日に登録出願されたものであり,その後,指定商品及び指定役務については,当審における同30年11月22日受付の手続補正書により,第9類「電気通信機械器具,電子応用機械器具(「ガイガー計数器・高周波ミシン・サイクロトロン・産業用X線機械器具・産業用ベータートロン・磁気探鉱機・磁気探知機・地震探鉱機械器具・水中聴音機械器具・超音波応用測深器・超音波応用探傷器・超音波応用探知機・電子応用扉自動開閉装置・電子顕微鏡」を除く。),電子計算機用プログラム,コンピュータソフトウェア(記憶されたもの),コンピュータソフトウェア用アプリケーション(電気通信回線を通じてダウンロードにより販売されるもの),家庭用テレビゲーム機用プログラム,携帯用液晶画面ゲーム機用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM,インターネットを利用して受信し及び保存することができる画像ファイル,電子出版物」,第16類「印刷物」及び第42類「建築物の設計,測量,デザインの考案(広告に関するものを除く。),電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,コンピュータプログラムの変換及びコンピュータデータの変換(媒体からの変換でないもの),電子計算機用プログラムの提供,オンラインによるアプリケーションソフトウェアの提供(SaaS),電子データの保存用記憶領域の貸与」と補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は,「本願商標は,取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであって,特定人によるその独占的使用を認めるのを公益上適当としないものであるとともに,一般的に使用される標章であって,自他役務の識別力を欠き,商標としての機能を果たし得ないというべきものであり,本願商標は,その指定役務中,『VR内見』の文字に照応する役務に使用したときには,商標法第3条第1項第3号に該当するものであり,『VR内見』の文字に照応しない役務に使用するときは,役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから,商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定,判断し,本願を拒絶したものである。
3 当審における審尋
当審において,請求人に対し,平成31年2月28日付けで,別掲のとおりの事実を示した上で,本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する旨の審尋を発し,相当の期間を指定して,これに対する意見を求めた。
4 審尋に対する請求人の回答(要旨)
請求人は,上記3の審尋に対して,平成31年4月10日受付けの回答書において,「本願商標は,本願の指定商品の品質・用途又は指定役務の質・用途を表示するものには当たらず,本願の指定商品・役務に使用しても十分に自他商品・役務識別機能を発揮するものであり,また,商品の品質・用途又は役務の質・用途に誤認を生じさせるおそれはないから,本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものではない」旨の意見を提出した。
5 当審の判断
(1)本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当することについて
本願商標は,「VR内見」の文字からなるところ,その構成中「VR」の文字は,「仮想現実」の意味を有する英語「Virtual Reality」の略称(「現代用語の基礎知識2019」自由国民社)として,「内見」の文字は「公開をせず内々で見ること。内覧。」等の意味を有する語(「広辞苑 第6版」株式会社岩波書店)として,それぞれ広く知られているものであるから,本願商標全体としては,「仮想現実を利用した内覧」程の意味合いを認識させるものである。
そして,別掲の書籍及びインターネット情報によれば,「VR」の文字が,本願商標に係る指定商品を取り扱う業界を含め幅広い業界において,「仮想現実」を指称する語として,普通に使用されており,「VR内見」の文字も,不動産業界等において「仮想現実を利用した内覧」程の意味合いを示す語として,取引上普通に使用されている事実が確認できる。
また,「VR」が指称する,「仮想現実」とは「コンピューターを利用して作り出した3次元仮想的空間における環境やその技術のこと」(「現代用語の基礎知識2019」自由国民社)であるから,「VR(仮想現実)」を利用するにあたっては,本願商標にかかる指定商品又は指定役務に含まれる商品又は役務である,「コンピューター」や「コンピュータソフトウェア」等の商品,又は「オンラインによるアプリケーションソフトウェアの提供(SaaS)」等の役務が利用されるのが通常であるといえる。
そうすると,本願商標をその指定商品及び指定役務中,第9類「電子応用機械器具(「ガイガー計数器・高周波ミシン・サイクロトロン・産業用X線機械器具・産業用ベータートロン・磁気探鉱機・磁気探知機・地震探鉱機械器具・水中聴音機械器具・超音波応用測深器・超音波応用探傷器・超音波応用探知機・電子応用扉自動開閉装置・電子顕微鏡」を除く。),電子計算機用プログラム,コンピュータソフトウェア(記憶されたもの),コンピュータソフトウェア用アプリケーション(電気通信回線を通じてダウンロードにより販売されるもの),家庭用テレビゲーム機用プログラム,携帯用液晶画面ゲーム機用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM,インターネットを利用して受信し及び保存することができる画像ファイル」及び第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,コンピュータプログラムの変換及びコンピュータデータの変換(媒体からの変換でないもの),電子計算機用プログラムの提供,オンラインによるアプリケーションソフトウェアの提供(SaaS),電子データの保存用記憶領域の貸与」に使用するときには,これに接する需要者・取引者は,本願商標が「仮想現実を利用した内覧に使用するための商品」又は「仮想現実を利用した内覧に使用するための役務」であるという商品の品質・用途又は役務の質・用途を表したものとして理解するにとどまり,自他商品又は役務の識別標識としては認識し得ないものといわざるを得ない。
してみれば,本願商標は,その商品の品質・用途又は役務の質・用途を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であり,上記商品又は役務以外の指定商品又は指定役務に使用するときは,商品の品質・用途又は役務の質・用途の誤認を生ずるおそれがあるものというのが相当である。
したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張
請求人は「本願商標は,特定の観念を直接かつ,一義的に生じさせない一連一体の造語として認識し,把握されるものであり,本願商標を本願の補正後の指定商品又は役務に使用しても,十分に自他商品・役務識別機能を発揮するものであるから商標法第3条第1項第3号には該当せず,また,本願商標を本願の補正後の指定商品又は役務に使用しても,商品の品質・用途又は役務の質・用途に誤認を生じさせるおそれもないから同法第4条第1項第16号にも該当しない。」旨主張する。
しかしながら,上記(1)のとおり,本願商標の構成中「VR」の文字が,幅広い業界において,「仮想現実」を指称する語として,普通に使用されており,「VR内見」の文字も,不動産業界等において「仮想現実を利用した内覧」程の意味合いを示す語として,取引上普通に使用されている事実が確認できるところ,「VR(仮想現実)」を利用するにあたっては,本願商標にかかる指定商品又は指定役務に含まれる商品又は役務である,「コンピューター」や「コンピュータソフトウェア」等の商品,又は「オンラインによるアプリケーションソフトウェアの提供(SaaS)」等の役務が利用されるのが通常であるといえることよりすれば,本願商標に接する需要者・取引者は,本願商標が「仮想現実を利用した内覧に使用するための商品」又は「仮想現実を利用した内覧に使用するための役務」であるという商品の品質・用途又は役務の質・用途を表したものとして理解するにとどまるものであるから,本願商標は,その商品の品質・用途又は役務の質・用途を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるといわざるをえず,その主張を採用することはできない。
(3)まとめ
以上のとおり,本願商標は,商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し,登録することができない。
よって,結論のとおり審決する。
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