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Trademark Appeal Case

称呼類似による商標の類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2018−900366(T2018−900366/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第6078544号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第6078544号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲のとおりの構成よりなり,平成29年11月8日に登録出願,第9類「ヘッドホン,イヤホーン,携帯型メディアプレーヤー,スピーカー,スピーカー用ホーン,スピーカー用筐体,マイクロホン,携帯電話機,人工知能搭載のヒューマノイドロボット,送電線用材料,USB接続方式の充電器,バッテリーチャージャー,補助バッテリーパック,プラグ、ソケットその他の電気接続具,ステレオ式ヘッドホン並びにその部品及び附属品,イヤホン用ケース,スピーカー専用ラック,スピーカー用のスタンド,電池,電線及びケーブル,電気通信機械器具」を指定商品として,同30年8月24日に登録査定され,同年9月7日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が,本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する登録第4972103号商標(以下「引用商標」という。)は,「KLEER」の文字を標準文字で表してなり,平成17年11月4日に登録出願,第9類「ワイアレス通信機械器具に用いる集積回路,その他の電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として,同18年7月21日に設定登録され,その商標権は現に有効に存続しているものである。

3 登録異議の申立ての理由

申立人は,本件商標は商標法第4条第1項第10号及び同項第11号に該当するものであるから,その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。

(1)商標法第4条第1項第11号について

ア 本件商標と引用商標との類否

本件商標は図案化した欧文字で「c1eer」と横書きしてなるのに対して,引用商標は標準文字にて「KLEER」と書してなるから,本件商標と引用商標の外観及び観念は相違する。

しかしながら,本件商標から「クリア」又は「クリール」の称呼が生じるのに対して,引用商標からも同様に「クリア」又は「クリール」の称呼が生じるので,両商標から生じる称呼は同一である。

したがって,両商標の外観・観念の相違は称呼の同一性を凌駕するほどではなく,引用商標は,本件商標と出所の混同のおそれがあり,両商標は類似する。

イ 本件商標の指定商品と引用商標の指定商品との類否

本件商標の指定商品と引用商標の指定商品について比較するに,いずれの指定商品も一般的に使用されている電化製品であり,電機メーカーの工場などで生産されるため,生産部門が共通する。また,いずれの指定商品も主に家電量販店で販売されており,インターネットショッピングサイトで販売する場合も同一のカテゴリーに記載されているため,販売部門も一致する。さらに,いずれの指定商品も電子部品から構成されているので原材料も一致する。加えて,いずれの指定商品も電化製品であるため,需要者の範囲も一致する。

そして,引用商標の指定商品のうち「その他の電子応用機械器具及びその部品」には,例えば「コンピュータ」なども含まれており,「コンピュータ」は,音楽を流すスピーカーとしての機能や充電器としての機能を備えているので,本件商標に係る指定商品中の「スピーカー」や「USB接続方式の充電器」などと用途が一致する。

さらに,引用商標に係る指定商品のうち,「ワイアレス通信機械器具に用いる集積回路」については,本件商標に係る指定商品である「電気通信機械器具」,「携帯型メディアプレーヤー」や「へツドホン」などに使用するので,完成品と部品との関係に当たる。

以上のことからすると,本件商標及び引用商標に係る指定商品に同一又は類似の商標を使用するときは,同一営業主の製造・販売又は提供に係る商品と誤認されるおそれがあることは明らかである。

したがって,本件商標の指定商品は引用商標の指定商品と類似する。

ウ 小括

以上により,本件商標は引用商標と類似する商標であって,引用商標の指定商品に類似する商品について使用をするものであるから,商標法第4条第1項第11号に該当する。

(2)商標法第4条第1項第10号について

引用商標は,12年以上前の平成18年7月21日に日本において商標登録が認められており,また,引用商標は,ワイアレス通信機械器具に用いる集積回路などに使用しているので,その結果,引用商標は,日本国内において,一定の周知性を獲得している。

このような状況から,本件商標は,他人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標と類似している。

以上により,本件商標は,他人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標に類似する商標であり,その商品に類似する商品について使用するものとして,商標法第4条第1項第10号に該当する。

4 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号について

ア 本件商標と引用商標との類否

(ア)本件商標は,別掲のとおり,「cleer」の欧文字を,サンセリフ(字画末端部に爪のような張り出し部がない)の細い線からなる書体により表してなるところ,その構成中の「l」の文字は下端部を右にカーブさせて表し,「e」の文字は一部を切り離して表し,「r」の文字は一本の線のみで表してなり,構成全体としてシンプルで丸みのある印象を与える統一的なデザインが施されているものである。

また,「cleer」の欧文字は,辞書類に載録された既成語とは認められないものであるから,特定の意味を有しない一種の造語として理解され,特定の観念を生じないものである。

そして,特定の意味を有しない欧文字は,一般に,我が国において親しまれた英語読み又はローマ字読みに倣って称呼されることから,「cleer」の欧文字からなる本件商標は,英語の読みに倣って「クリーア」の称呼を生じるものである。

そうすると,本件商標は,「クリーア」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。

(イ)引用商標は,上記2のとおり,「KLEER」の文字を標準文字で表してなるところ,当該文字は,辞書類に載録された既成語とは認められないものであるから,特定の意味を有しない一種の造語として理解され,特定の観念を生じないものである。

そして,上記(ア)と同じ理由により,「KLEER」の文字からなる引用商標は,英語の読みに倣って「クリーア」の称呼を生じるものである。

そうすると,引用商標は,「クリーア」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。

(ウ)本件商標と引用商標との類否について検討するに,両者は,外観においては,「leer」と「LEER」のつづりが共通するとしても,文字商標における外観の識別上重要な要素である語頭において「c」と「K」の文字の差異を有し,この差異がともにわずか5文字という少ない文字構成からなる両商標の外観全体の視覚的印象に与える影響は大きく,両者は別異の語であるとの印象を強く与えるものである。また,本件商標と引用商標とは,文字の態様においてもデザイン化の有無の差異を有することからすれば,両者は,視覚的な印象が著しく相違し,外観上,判然と区別し得るものである。

次に,称呼においては,本件商標と引用商標は,ともに「クリーア」の称呼を生じるから,称呼上,同一である。

さらに,観念においては,本件商標と引用商標は,特定の観念を生じないから,比較することができない。

そうすると,本件商標と引用商標とは,共通の称呼を生じるとしても,外観においては,両者の構成文字及び態様において目立った差異を有するものであって,その印象が著しく相違し,判然と区別し得るものであり,また,観念においては,比較することができないものであるから,これらを総合して全体的に考察すれば,本件商標は,引用商標と商品の出所について混同を生じるおそれのない非類似の商標というのが相当である。

イ 本件商標の指定商品と引用商標の指定商品との類否

本件商標の指定商品である第9類「ヘッドホン,イヤホーン,携帯型メディアプレーヤー,スピーカー,スピーカー用ホーン,スピーカー用筐体,マイクロホン,携帯電話機,人工知能搭載のヒューマノイドロボット,送電線用材料,USB接続方式の充電器,バッテリーチャージャー,補助バッテリーパック,プラグ、ソケットその他の電気接続具,ステレオ式ヘッドホン並びにその部品及び附属品,イヤホン用ケース,スピーカー専用ラック,スピーカー用のスタンド,電池,電線及びケーブル,電気通信機械器具」(以下「本件指定商品」という。)と引用商標の指定商品である第9類「ワイアレス通信機械器具に用いる集積回路,その他の電子応用機械器具及びその部品」(以下「引用指定商品」という。)との類否について検討するに,本件指定商品中の「ヘッドホン,イヤホーン,携帯型メディアプレーヤー,スピーカー,スピーカー用ホーン,スピーカー用筐体,マイクロホン,携帯電話機,ステレオ式ヘッドホン並びにその部品及び附属品,イヤホン用ケース,スピーカー専用ラック,スピーカー用のスタンド」は,本件指定商品中の「電気通信機械器具」に属するものであるところ,「電気通信機械器具」は,電気の作用をその機械器具の機能の本質的な要素としている通信機械器具である。また,本件指定商品中の「送電線用材料,電線及びケーブル」は,電流を通ずる導体として用いる金属線や電線・光ファイバーなどに外被をかぶせたものであり,「USB接続方式の充電器,バッテリーチャージャー,プラグ、ソケットその他の電気接続具」は,電力を配給すること,制御することを目的とした機械器具である「配電用又は制御用の機械器具」に属するものであり,「補助バッテリーパック,電池」は,電力を発生させることを主たる用途とする「電池」に属するものであり,「人工知能搭載のヒューマノイドロボット」は,外見や動作を人間に似せたロボットであって,様々な商業又はサービス業用機械器具として使用されるものである。

一方,引用指定商品中の「ワイアレス通信機械器具に用いる集積回路」は,引用指定商品中の「電子応用機械器具及びその部品」に属するものであり,「電子応用機械器具及びその部品」は,電子の作用を応用したもので,電子の作用をその機械器具の機能の本質的な要素としているものである。

以上よりすれば,本件指定商品と引用指定商品は,それら機能の本質的な要素や性質,主たる用途がそれぞれに異なり,別異のものとみるのが相当であるから,互いに非類似の商品である。

ウ 小括

上記ア及びイのとおり,本件商標と引用商標とは非類似の商標であり,また,本件指定商品と引用指定商品とは非類似の商品であるから,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。

(2)商標法第4条第1項第10号について

ア 引用商標の周知性

申立人は,引用商標は,12年以上前の平成18年7月21日に日本において商標登録が認められており,また,引用商標は,「ワイアレス通信機械器具に用いる集積回路」(以下「使用商品」という。)などに使用しているので,その結果,引用商標は,日本国内において,一定の周知性を獲得している旨主張する。

しかしながら,引用商標が使用商品について使用されている事実や,引用商標が我が国において一定の周知性を獲得している事実を裏付ける証拠は何ら提出されていない。

したがって,引用商標は,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,引用商標に係る権利者等(他人)の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。

イ 本件商標と引用商標との類否

上記(1)アのとおり,本件商標と引用商標とは,商品の出所について誤認混同を生じさせるおそれのない非類似の商標と判断するのが相当である。

ウ 本件指定商品と使用商品との類否

上記(1)イのとおり,本件指定商品と引用商標の使用商品とは,互いに非類似の商品であるというのが相当である。

エ 小括

上記アのとおり,引用商標は本件商標の登録出願時及び登録査定時において,引用商標に係る権利者等(他人)の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認められないものであり,上記イのとおり,本件商標と引用商標は非類似の商標であって,上記ウのとおり,本件指定商品と引用商標の使用商品とは非類似の商品であるから,本件商標は,商標法第4条第1項第10号に該当しない。

(3)むすび

以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第10号及び同項第11号のいずれにも該当するものではなく,その登録は同条第1項の規定に違反してされたものとはいえないものであり,他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから,同法第43条の3第4項の規定により,維持すべきである。

よって,結論のとおり決定する。

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