結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成11年審判第35608号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第4189453号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成9年1月30日に登録出願、「スタイル」の片仮名文字及び「STYLE」の欧文字をそれぞれ上下二段に横書きしてなり、指定商品を第9類「理化学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,眼鏡,加工ガラス(建築用のものを除く。),救命用具,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,オゾン発生器,電解槽,ロケット,遊園地用機械器具,運動技能訓練用シミュレーター,乗物運転技能訓練用シミュレーター,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,鉄道用信号機,火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,スプリンクラー消火装置,消防艇,消防車,自動車用シガーライター,保安用ヘルメット,磁心,抵抗線,電極,ガソリンステーション用装置,自動販売機,駐車場用硬貨作動式ゲート,金銭登録機,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,電気計算機,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシン,郵便切手のはり付けチェック装置,計算尺,潜水用機械器具,アーク溶接機,金属溶断機,電気溶接装置,検卵器,電動式扉自動開閉装置」として、同10年9月18日に設定の登録がされたものである。
請求人は、本件商標は指定商品中「消防車,自動車用シガーライター」についての登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求めると申し立て、その理由を次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証乃至甲第5号証を提出した。
(1)無効事由
本件商標の指定商品中「消防車,自動車用シガーライター」は、商標法第3条第1項第3号もしくは第6号に該当し、同法第46条第1項第1号により、無効にすべきものである。
(2)無効原因
本件商標は、その指定商品中の「消防車,自動車用シガーライター」の品質もしくは形状を普通に用いられる方法で表示するに過ぎないものであるとともに、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標である。
本件商標は、片仮名「スタイル」と英文字「STYLE」を二段に併記した構成よりなる(甲第2号証)。英文字「STYLE」もしくはその読みを表わした「スタイル」は、今日の英語教育の普及度から考えて、広く一般に知られている語であり、半ば日本語化した語といえる。その辞書的な語義は、様式、文体、優雅、上品等であり、このような意味合いで使用されるほかに、日常「あの人はスタイルがよい。」「あの車のスタイルが好きだ。」「ライフスタイル」「ヘアスタイル」等のようにも使用されている。すなわち、日本語化した英語の「STYLE」は、「姿」「形」「格好」「仕方」等の意味でも使用されている。
したがって、本件商標を指定商品中の「消防車,自動車用シガーライター」に使用した場合、需要者・取引者は当該商品がデザイン上優れた形状を有する商品であると容易に認識するものと考えられる。商標使用者が、本件商標を商品に使用する場合は、その形状が優れていることを表わすために用いるのが自然であることから、当該商標を付した商品に接した需要者等が上記のようにデザインが優れている商品であると認識することは当然のことである。
したがって、本件商標は単に商品の形状等の質を表示するに過ぎないものであることから、商標法第3条第1項第3号に該当するものである。
「STYLE」「スタイル」は、「ポータブル」「ポケットサイズ」等のように形状を具体的に示していないから、商品の形状を直接表示するものではないので、商標法第3条第1項第3号には該当しないとの反論も考えられ得る。
しかしながら、「STYLE」「スタイル」は形のよいこと、見映えのよいことを表わすことから、形状を具体的に特定するものではないとしても、商品の形状を表示するものといえる。
したがって、仮に商標法第3条第1項第3号に該当しないとしても、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものといえるので、商標法第3条第1項第6号に該当するものと考える。
次に、本件審判請求に係る商品「消防車,自動車用シガーライター」は、特許庁商標課編に係る「類似商品・役務審査基準」によると第12類の「自動車並びにその部品及び附属品」に類似する商品とされている。
この「自動車」が属する産業分野においては、「STYLE」「スタイル」は、型式を表わす語としても用いられている(甲第4号証)。
さらに、自動車についてはその性能もさることながら、外観も購入に際して大きな要素となることから、その「スタイル」の善し悪しは大きな問題となる。そのため、「先進のスタイル」のようなキャッチコピーにより宣伝・広告が行われている。
このように、「STYLE」「スタイル」の語は、自動車及びその関連する業界においては誰しもがその使用を望む語であり、広く使用が欲せられているものといえる。
したがって、かかる性質の語の登録を自動車に関連する商品に対し一個人に認めることは、商標法第3条第1項第3号及び第6号の趣旨からも許されるべきものではないと考える。
以上に述べたように、本件商標の指定商品中「消防車,自動車用シガーライター」は、商標法第3条第1項第3号もしくは第6号に該当するものであり、同法第46条第1項第1号により、無効とされるべきものである。
被請求人(商標権者)は、本件審判の請求に対して、何ら答弁するところがない。
本件審判の請求は、商標法第3条第1項第3号又は同第6号該当を理由に本件商標の登録に係る指定商品中の一部の商品(「消防車,自動車用シガーライター」)について、その無効を求める請求である。
そして、無効請求に係る「消防車,自動車用シガーライター」は、その用途、機能又はその生産、流通等の取引事情からみて、いずれも輸送を主目的とする各種自動車又はその部品・附属品いうべき機械器具類に包摂されるものと認められる。
そこで、本件商標(「スタイル」、「STYLE」)をこの種商品の取引事情に照らし検討するに、請求人の提出に係る甲第4号証(株式会社山海堂平成8年発行自動車用語中辞典「スタイル(style)」の項)の用語解説に示されているとおり、該語は当業界において「かっこう、形、型、基本になる型、型式」の意味合いで普通に用いられる語と認められる。
また、「スタイル(style)」の語は、「(イ)容姿、格好、風采,(ロ)文体、文章の様式(型),(ハ)美術・建築の様式、画風、型,ニ.服装の型」等の意味合いをもって世人一般に親しまれている平易な外来語又は英語であって(株式会社三省堂1987年発行「コンサイス外来語辞典」等より)、一定の事物・事柄に関し「当該一定の型、様式を備えたもの」、「当該一定の様式に適合するもの」の如き意味合いで社会一般において常用される状況にあることはすでに顕著な事実と認められる。
そうすると、本件商標をその指定商品中の「消防車,自動車用シガーライター」について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、前記事情よりして、この種機械器具類の商品属性を表示したものと理解し若しくは一定の型・様式(又はそれら型・様式を備えたもの)を表示するための普遍的用語と理解するに止まり、それをもって自他商品の識別標識とは認識し得ないものとみるのが相当である。
かかる場合、本件商標は、需要者をして何人かの業務に係る商品であるのかを認識することができないものというべく、その登録は、商標法第3条第1項第6号に違反してされたものといわざるを得ない。
そして、この点を述べる請求人の主張に対して、被請求人は何ら反論するところがない。
したがって、本件商標の登録は、結論掲記の商品について、同法第46条第1項により、無効とすべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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