sokuhyo

Trademark Appeal Case

プレミアムと記述的結合の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2018−4447(T2018−4447/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は,成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は,「プレミアムペット訪問火葬」の文字を標準文字で表してなり,第45類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として,平成28年7月19日に商標登録出願されたものである。

その後,原審における平成29年3月21日付けの手続補正書により,その指定役務は,第45類「ペットの墓地又はペットの納骨堂の提供,動物の墓地又は動物の納骨堂の提供,インターネットを利用した動物の墓地又は動物の納骨堂の提供に関する情報の提供,ペットの葬儀又は法要の執行,動物の葬儀又は法要の執行,動物用仏具の貸与及び提供,動物霊園における葬儀又は法要の執行」と補正された。

2 原査定の拒絶の理由の要点

本願商標は,「プレミアムペット訪問火葬」の文字を標準文字で表してなるところ,その構成中「プレミアム」の語は,「上等な」等を意味し,商品の品質やサービスの質を誇称する語として一般に使用され,本願指定役務を提供する業界においても使用されている事実が確認できる。

そして,「プレミアムペット訪問火葬」の文字からは,「上等な,訪問して行うペットの火葬」の意味合いが容易に認識される。

そうすると,本願商標をその指定役務に使用しても,これに接する需要者等は,「上等な,訪問して行うペットの火葬に関する役務」であることを認識するにとどまり,自他役務識別標識としては認識しないものといわざるをえない。

したがって,本願商標は商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。

3 当審における証拠調べ通知

当審において,本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて,職権による証拠調べをした結果,別掲1及び2に示す事実を発見したので,同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき,請求人に対して,平成31年3月19日付け証拠調べ通知書によってこれを開示し,期間を指定して,意見を述べる機会を与えた。

4 証拠調べ通知に対する請求人の意見の要旨

請求人は,前記3の証拠調べ通知に対し,令和元年5月5日付けで意見書を提出し,要旨以下のように主張した。

(1)「ペット訪問火葬」「訪問火葬」の文字が,役務の質等を表示するものとして使用されている事例として当審が挙げた7例は,全て「訪問火葬」との表示があるが,これらはあくまでも「訪問」して「火葬」をするという,「火葬」を主とした作業であり,具体的には,ペット(愛玩動物)を火葬(焼却)すること以外に特別な葬送儀礼としてのサービス(プレミアムなもの)は含まれていない。

(2)請求人は訪問火葬を広域に展開する事業者でありながら,そのサービスエリアには自社の霊園がある全国でも極めてまれな事業者であり,また,本願「プレミアムペット訪問火葬」とは,訪問火葬でありながら,ペット霊園で行う葬送儀礼を同様なプレミアムなセレモニーを行い,かつ,訪問火葬という霊園では行なうことの出来ない訪問火葬のメリットを活かしたプランでもあり,ただ単に名称が付けられているサービスとは一線を画しており識別性は十分にある。

5 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第3号該当性について

ア 本願商標は,前記1のとおり,「プレミアムペット訪問火葬」の文字を標準文字で表してなるところ,その構成中の「プレミアム」の文字は「(形容詞的に用いて)高級な」,「ペット」の文字は「愛玩用の動物」,「訪問」の文字は「人をたずねること。」,及び「火葬」の文字は「遺体を焼き,残った骨を葬ること。 」(いずれも「大辞泉」第二版 株式会社小学館)の意味をそれぞれ有する語であって,これらの語は,いずれも一般に親しまれているといえるものである。

そうすると,「プレミアムペット訪問火葬」の文字からなる本願商標は ,これに接する取引者,需要者をして,これが「プレミアム」の語と「ペット訪問火葬」の語とを組み合わせたものと容易に理解させ,その構成全体をもって,「高級な訪問による愛玩動物の火葬」程の意味合いを容易に認識させるとみるのが相当である。

イ 当審における職権調査による別掲1によれば,ペットの葬儀を取り扱う業界において,ペットの飼い主の自宅等を訪問して遺体(ペット)を火葬することが「(ペット)訪問火葬」との意味で取引上普通に使用されていることが認められる。

また,別掲1(2),(4)及び(6)によれば,ペットの葬儀を取り扱う業界においては,ペットの葬儀として,飼い主の自宅等を訪問してペットの遺体引き取りから,火葬,収骨,葬儀,供養まで一連のサービスの提供を行う事業者が存在する取引の実情がうかがえる。

ウ 別掲2によれば,当該業界においては,ペットの葬儀に際して種々のプランが用意され,提供される役務の内容や料金等により,高級な(付加サービスを加えた)ものが 「プレミアム」と称されている取引の実情もうかがえる。

エ 以上よりすると,「プレミアムペット訪問火葬」の文字からなる本願商標を,その指定役務中「ペットの葬儀又は法要の執行,動物の葬儀又は法要の執行,動物霊園における葬儀又は法要の執行」に使用した場合,これに接する取引者,需要者は,愛玩動物の葬儀にあたって提供される役務の内容について,「高級な訪問による愛玩動物の火葬」に関するものであることを認識させるにとどまるものといわざるを得ない。

してみれば,本願商標は,その指定役務中の「ペットの葬儀又は法要の執行,動物の葬儀又は法要の執行,動物霊園における葬儀又は法要の執行」との関係においては,役務の質(内容)を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というべきであるから,自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものといわなければならない。

したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当する。

(2)請求人の主張

ア 請求人は,証拠調通知で挙げた事例は,「訪問火葬」との表示があるとしても,これらはあくまでも「訪問」して「火葬」をするという,「火葬」を主とした作業であり,具体的には,ペット(愛玩動物)を火葬(焼却)すること以外に特別な葬送儀礼としてのサービス(プレミアムなもの)は含まれていない旨主張する。

しかしながら,登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かの判断は,当該商標の査定時又は審決時において,指定役務との関係や取引の実情をも踏まえて検討・判断されるべきものであって,本件審判の審決時における取引の実情については,本件役務と特徴が類似する他人の役務が複数存在し,かつ,該役務の提供等において「プレミアム」,「ペット訪問火葬」の語が使用されており,本願商標が自他役務の識別機能を発揮していると認められないことは,上記(1)のとおりであるから,上記請求人の主張は採用することができない。

イ 請求人は,訪問火葬を広域に展開し自社の霊園も備えた全国でも極めてまれな事業者であり,自身が行う役務は,ペット霊園で行う葬送儀礼を同様なプレミアムなセレモニーを,霊園では行なうことのできない訪問火葬のメリットを活かしたプランで提供するものであって,ただ単に名称が付けられているサービスとは一線を画していることから,本願商標は識別性が十分にある旨主張している。

しかしながら,請求人自身が実際に提供する役務が他者の行う役務と一線を画しているとしても,上記(1)のとおり,本件指定役務における需要者,取引者が,本願商標全体から「高級な訪問による愛玩動物の火葬」の意味合いを容易に認識できるものである以上,本件指定役務が本願商標の表示する内容で提供されているであろうと一般に認識する可能性があることは否定できないから,上記請求人の主張は採用することができない。

(3)まとめ

したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当し,登録することができない。

よって,結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。