Trademark Appeal Case
欧文字商標の称呼優先
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2018−8615(T2018−8615/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本願商標
本願商標は,別掲1のとおりの構成からなり,第18類「バックパック,リュックサック,札入れ,ハンドバッグ,旅行かばん,ブリーフケース,スーツケース,傘用リング,傘,傘カバー,つえ」及び第25類「被服,皮革製被服,ダウンジャケット,ダウンベスト,靴及び運動用特殊靴,帽子,メリヤス下着,メリヤス靴下,手袋(被服),スカーフ,ベルト,革製ベルト」を指定商品として,平成29年6月28日に登録出願されたものである。
第2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして,本願の拒絶の理由に引用した登録第4790234号商標(以下「引用商標」という。)は,別掲2のとおりの構成からなり,第14類「貴金属,キーホルダー,身飾品,時計」,第18類「かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,傘,原革,原皮,なめし皮,毛皮」及び第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服」を指定商品として,平成15年12月7日に登録出願,同16年7月30日に設定登録され,現に有効に存続しているものである。
第3 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本願商標について
本願商標は,別掲1のとおり,「D」の欧文字を書し,その右側に2本の異なる太さの斜線が上部で接した図形を配し,その右側に「ZZLE」の欧文字を書してなるところ,当該図形は,他の欧文字「D」及び「ZZLE」とともに,均等に配置され,同色で,構成の一部分の線を他の部分より細く表すなど,他の欧文字と同じ手法でデザイン化されて表されていることから,当該図形は,欧文字の「A」をデザイン化して表したものと容易に理解し,認識されるものと認められる。
そうすると,本願商標は,「DAZZLE」の欧文字をデザイン化して表したものであり,「DAZZLE」の欧文字は「(強い光が)(人の目)をくらませる」(「ベーシック ジーニアス英和辞典」株式会社大修館書店)の意味を有する英語であるが,我が国において馴染みの無い語であって,特定の意味合いを直ちに想起させるものではないから,その構成に相応して,「ダズル」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものといえる。
(2)引用商標について
引用商標は,別掲2のとおり,欧文字を筆記体風にデザイン化して表された構成からなるものであり,その書体はスクリプト体に属する書体の特徴を有し,「Dazzle」の欧文字を表したものと無理なく認識されるものといえる。
そうすると,引用商標は,「Dazzle」の欧文字をデザイン化して表したものであり,「Dazzle」の欧文字は,「(強い光が)(人の目)をくらませる」(前掲書)の意味を有する英語であるが,我が国において馴染みの無い語であって,特定の意味合いを直ちに想起させるものではないから,その構成に相応して,「ダズル」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものといえる。
(3)本願商標と引用商標の類否について
本願商標と引用商標とを対比するに,両者は,構成文字全体のつづりを共通にするものであるが,大文字か小文字かの差異及び書体のデザインの差異を有するものであるから,外観においては相違するものである。
また,称呼においては,両者は「ダズル」の称呼を共通にするものであり,観念においては,両者はいずれも特定の観念を生じないものであるから,比較することはできない。
そして,我が国において,欧文字が様々な手法でデザイン化されて表記される事例が多く見られるという実情があることなどを考慮すると,欧文字からなる商標同士の類否判断におけるデザインの相違は,両者が別異のものであることを認識させるほどの強い印象を与えるものではないといえるから,その類否判断に当たっては,外観の相違をさほど重視することはできない。
そうすると,本願商標と引用商標とは,たとえ観念において比較できないとしても,外観における相違は類否判断において重視することはできないことを踏まえると,「ダズル」の称呼を共通にする両者は,互いに類似する商標と判断するのが相当である。
(4)本願商標の指定商品と引用商標の指定商品の類否について
本願商標の指定商品(ただし,第18類「つえ」を除く。)は,引用商標の指定商品中,第18類「かばん類,袋物,傘」及び第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物」と同一又は類似する商品であること明らかである。
(5)小括
以上によれば,本願商標と引用商標とは,互いに類似する商標であり,かつ,本願商標の指定商品は,引用商標の指定商品と同一又は類似するものである。
したがって,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。
2 請求人の主張
(1)請求人は,本願商標の指定商品との関係においては,「dazzle」の語は,「目をくらませる衣装」等と日常的に使用されるものであり,当該文字は,自他商品識別標識としての機能を有しない又は極めて弱いものであるから,商品の出所について混同を生ずるおそれはなく,本願商標と引用商標は非類似の商標である旨主張する。
しかしながら,たとえ,「目をくらませる衣装」等といった表現が日常的に使用されるとしても,指定商品を取り扱う分野において,「DAZZLE(Dazzle)」の語が,商品の品質を表すものとして使用されているとは認められず,他に当該語に識別力がない又は弱いと認めるに足りる証拠はない。
よって,上記1(3)のとおり,本願商標と引用商標とは互いに類似する商標と認められる。
(2)請求人は,本願商標の指定商品の需要者は,以前買った経験,料金,デザイン,店舗の場所等の商品について検討を重ねた上で取引するものと考えるのが自然であるから,慎重に商品を選択するであろう需要者の注意力を踏まえて,本願商標と引用商標の外観,称呼及び観念を総合的に勘案すると,両者は非類似の商標である旨主張する。
しかしながら,本願商標の指定商品の需要者は一般消費者であるから,通常の需要者の注意力の程度は,高いものとはいえない。そして,上記1(3)のとおり,両者の類否を判断するに当たっては,外観の相違をさほど重視することはできないといえるから,本願商標と引用商標とは,たとえ観念において比較できないとしても,称呼を共通にするものであるから,互いに類似する商標と認められる。
(3)よって,請求人の上記主張はいずれも採用できない。
3 まとめ
以上のとおり,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当し,登録することができない。
よって,結論のとおり審決する。
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