Trademark Appeal Case
ローズ餃子の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2018−8921(T2018−8921/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「ローズ餃子」の文字を標準文字で表してなり、第30類「ぎょうざ,餃子のたれ,ぎょうざの皮」を指定商品として、平成29年3月10日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標の構成中の『ローズ』の文字は、『薔薇』の意味を有する語であるところ、本願の指定商品を取り扱う業界において、餃子の皮を薔薇の花びらのようにした餃子が製造、販売され、これを『ローズ餃子』と称して使用されている事実が見受けられる。そうすると、本願商標を、その指定商品中の『ぎょうざ,ぎょうざの皮』に使用した場合、これに接する需要者は、『バラの花びらの形状の餃子』であること、すなわち、単に商品の品質を表示したものとして理解するというべきである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、『バラの花びらの形状の餃子』以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審においてした証拠調べ
審判長は、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、別掲1に示すとおりの事実を発見したので、平成31年3月12日付けで、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対し、上記証拠調べの結果を通知し、相当の期間を指定して、意見を申し立てる機会を与えた。
4 証拠調べ通知に対する請求人の意見の要旨
請求人は、前記3の証拠調べ通知に対し、平成31年4月4日受付の意見書及び同日付け手続補足書を提出し、要旨以下のとおり、意見を申し立てた。
(1)本願商標の構成は、同書、同大、等間隔でまとまりよく表されているものであり、これより生ずる「ローズギョウザ」の称呼も無理なく一連に称呼し得るものである。そして、本願商標の構成中の「ローズ」及び「餃子」の文字はいずれも広く親しまれた語であることから、本願商標は、全体として「薔薇の花弁形状の餃子」、「薔薇(薬効を有する)を成分とした餃子」を暗示させる場合があるとしても、「バラ色をした餃子」、「たれをかけると薔薇の香りがする餃子」、「『ローズ』という女性が作った餃子」の意味合いも生じ、いまだ漠然とした意味合いを想起させるにとどまるものである。そうすると、本願商標は、その構成全体をもって特定の意味を有することのない一種の造語として認識されるというのが相当であるから、これをその指定商品について使用しても、商品の品質等を表示したものとはいえず、自他商品の識別標識としての機能を十分に果たし得るものである。
(2)証拠調べにおいて提示された証拠は、本願商標の出願後に、インターネットに公開されたものばかりであり、餃子を取り扱う業界において、「ローズ餃子」の文字が、急激に、商品の具体的な品質等を表示するものとして、普通に用いられている状態になったと考えるのは不自然である。
(3)証拠調べにおいて提示された証拠には、「ぎふ ROSE GYOZA」、「薔薇餃子」、「薔薇餃子(バラ餃子)」の語は掲載されているが、「ローズ餃子」の語単独の掲載はなく、「ローズ餃子」の語が、本願の指定商品との関係において、特定の商品の品質、内容等を直接的、かつ、具体的に表示したものとはいえないというのが相当である。
5 当審においてした証拠調べ
審判長は、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、新たに、別掲2に示すとおりの事実を発見したので、令和元年5月8日付けで、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対し、上記証拠調べの結果を通知し、相当の期間を指定して、意見を申し立てる機会を与えた。
6 証拠調べ通知に対する請求人の意見の要旨
請求人は、前記5の証拠調べ通知に対し、令和元年6月12日受付の意見書及び同日付け手続補足書を提出し、要旨以下のとおり、意見を申し立てるとともに、「本願商標の由来は、餃子に使用する肉の名前『ローズポーク』から来ており、食用バラ風味の『うっすらピンク色(ローズ色)の餃子』に仕上げたものである」旨、宣誓書において述べた。
(1)証拠調べにおいて提示された新聞記事には、「ローズ餃子」の語の記載があるものの、新聞の紹介記事にすぎず、本願の指定商品を取り扱う業界において、商品の品質、内容等を表示するものとして、取引上一般に使用されていると認めるに足りる事実を見いだすことはできない。
(2)証拠調べにおいて提示されたインターネットには、本願の指定商品とは無関係な第43類の役務に関する情報があり、証拠資料足り得ない。
7 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、前記1のとおり、「ローズ餃子」の文字を標準文字で表してなるものであるところ、その構成中、「ローズ」の文字は、「薔薇(ばら)」の意味を有する語として、我が国において広く親しまれているものであることから、全体として「薔薇餃子」の意味合いを容易に理解させるものである。
そして、本願の指定商品中の「ぎょうざ」を取り扱う業界においては、別掲1のとおり、「ROSE GYOZA」「薔薇餃子」と称する薔薇の形をした餃子が販売されていることに加えて、別掲2のとおり、餃子を提供する店において、「ローズ餃子」「薔薇餃子」「バラ餃子」と称する薔薇の形をした餃子が提供されており、中には商品として持ち帰りできるものもあること、また、餃子の作り方を紹介するインターネット記事において、「薔薇餃子」と称する薔薇の形をした餃子の作り方が紹介されていること、さらに、インターネット通信販売の人気商品や、写真映えするメニューとして「ローズ餃子」「薔薇餃子」「バラ餃子」と称する薔薇の形をした餃子が新聞記事において紹介されていることからすれば、これらの「ローズ餃子」「ROSE GYOZA」「薔薇餃子」「バラ餃子」の文字は、薔薇の形をした餃子であることを表示する同義の語として、本願の指定商品の取引者、需要者に認識されているというべきである。
そうすると、「ローズ餃子」の文字からなる本願商標をその指定商品中の「ぎょうざ」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、薔薇の形をした餃子であること、すなわち、商品の品質を表したものとして理解、認識するにとどまり、商品の出所を表示する標識又は自他商品の識別標識として認識することはないとみるのが相当である。
してみれば、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、証拠調べにおいて提示された証拠は、本願商標の出願後に、インターネットに公開されたものばかりである旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が自他商品の識別標識として機能し得るか否かは、該商標の構成態様とその指定商品に係る取引の実情等を総合勘案し、個別具体的に判断されるべきものであって、かつ、その判断時期は、査定時又は審決時と解されるところ、「ローズ餃子」の文字からなる本願商標については、本願の指定商品に係る取引の実情を総合勘案した上で、本願の指定商品分野の取引者、需要者は、本願商標を商品の品質を表示してなるものと認識するにとどまると認定、判断したものである。
したがって、上記請求人の主張は、採用することができない。
イ 本願商標の由来は、餃子に使用する肉の名前「ローズポーク」から来ており、食用バラ風味の「うっすらピンク色(ローズ色)の餃子」に仕上げたものである旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かは、これに接する取引者、需要者の認識を基準として判断されるべきであって、出願人の商標採択の意図によって左右されるべきものでないことは、明らかであり、本審決時において、本願商標をその指定商品中の「ぎょうざ」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、その商品が「薔薇の形をした餃子」であるという、商品の品質を表示したものと認識するというのが相当であること、上記(1)のとおりである。
したがって、上記請求人の主張は、採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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