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Trademark Appeal Case

ワンタッチの記述性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2017−650075(T2017−650075/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は,成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は,別掲1のとおりの構成よりなり,第9類,第38類及び第42類に属する日本国を指定する国際登録において指定された商品及び役務を指定商品及び指定役務として,2011年(平成23年)8月24日にフランスにおいてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して,同年12月12日に国際商標登録出願されたものである。

そして,その指定商品及び指定役務については,原審における平成25年3月13日付けの手続補正書及び2016年(平成28年)1月18日付けで国際登録簿に記録された限定の通報があった結果,第9類,第38類及び第42類に属する別掲2のとおりの商品及び役務となったものである。

2 原査定の拒絶の理由

本願商標は,「one touch」の欧文字を青色で表してなるところ,該文字は,英和辞典によれば「〈電気機器が〉ワンタッチ式の」の意味を有し,国語辞典においても「一つの操作。また,機器などの操作が極度に簡単であること。」と説明されていることからすると,「一つの操作で,取り扱うことが出来る機器」程の意味合いを容易に理解できる。

そして,本願の指定商品と関連の深いIT機器や通信機器の分野において,インターネットへの接続,電話への切り替え,スマートフォンの音楽再生などを一つの操作で行えることを「ワンタッチ」と称している実情がある。

そのため,本願商標は,これをその指定商品中,「一つの操作で,取り扱うことが出来る機器」に使用するときは,商品の品質又は機能を普通に用いられる方法で表示するにすぎず,それ以外の商品に使用するときは,商品の誤認を生じるおそれがある。

したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。

3 当審における証拠調べ通知

当審において,本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて,職権により証拠調べをした結果,別掲3ないし5の事実を発見したので,同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき,その結果を請求人に通知し(平成30年6月21日付け証拠調べ通知書),意見を求めた。

4 証拠調べ通知に対する請求人の回答

請求人は,上記3の証拠調べ通知に対して,証拠資料の収集を行ったが,所定の期間内までに証拠書類を提出することが困難であるため,審理を進めて頂きたい旨述べた。

5 当審の判断

(1)本願商標の商標法第3条第1項第3号該当性

本願商標は,別掲1のとおり,「one touch」の欧文字を,青色で,丸みを帯びた書体で,横書きしてなるところ,その書体及び色彩はそれ自体として特段の特徴があるものでもなく,普通に用いられる方法で表示してなる標章といえるものである。

そして,「one touch」の語は,「〈電気機器が〉ワンタッチ式の」の意味を有する英語であり(別掲3(1)),その表音である「ワンタッチ」の片仮名は「一つの操作。また,機器などの操作が極度に簡単であること。」の意味を有する「one touch」の和製語として我が国で親しまれていることから(別掲3(2)),全体として「ワンタッチ(一つの操作)式」の意味を認識させるものである。

また,「One Touch」及び「ワンタッチ」の語は,別掲4及び5のとおり,電子機器や通信機器において,複数の操作や複雑な操作を,ワンタッチ(一つ又は簡単な操作)で可能にする機能と関連して,取引上広く使用されており,例えば「ワンタッチ」(ボタンを押すだけ,一つの操作)で,様々な操作(ワンセグの起動,サイトのアクセス)を可能にする機能を備えた機器がみられ,該語が商品の特性や機能を表す語として使用されていることが,みてとれる。

そうすると,本願商標は,上記のような語義及び取引の実情も踏まえると,全体として,単に「ワンタッチ(一つの操作)式」を表記したものと容易に認識させるものであり,その指定商品中「ワンタッチ(一つの操作)式」の機器(例えば,Telecommunications devices,apparatus,equipment and installations,mobile equipment;telecommunication software等)に使用するときは,取引者,需要者をして,ワンタッチ(一つ又は簡単な操作)で,複数の操作や複雑な操作を果たす機能を有する商品であることを認識,理解させるというのが相当であるから,単に商品の品質等を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標に該当し,また,これを「ワンタッチ(一つの操作)式」の機器以外の商品に使用するときは,商品の品質について誤認を生じさせるおそれがある。

したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。

(2)請求人の主張について

請求人は,本願商標「one touch」は,商品の機能・品質等を具体的に表示するものとして直ちに理解できるものとはいい難いものであって,十分に自他商品識別力を具備する商標である旨主張するが,上記5(1)で記載したとおり,一般的に「one touch」の語は,「〈電気機器が〉ワンタッチ式の」の意味する英語であると理解され,その表音である「ワンタッチ」の片仮名は「一つの操作。また,機器などの操作が極度に簡単であること。」の意味を有する「one touch」の和製語として我が国で親しまれており,また,本願指定商品との関係において,「ワンタッチ(一つの操作)式」の機器として,一つの操作で複数の操作や複雑な操作を果たす機能を有する商品が流通している実情が認められることよりすれば,その主張を採用することはできない。

また,請求人は,過去の登録例を挙げ,本願商標も登録されるべき旨主張するが,商標が識別力を有するか否かの判断は,査定時又は審決時において,取引の実情を勘案し,その指定商品の取引者,需要者の認識を基準として,商標ごとに個別具体的に判断すべきであるところ,請求人が挙げた登録例は,いずれも本願商標とはその構成を異にし,かつ,本件の審決時における我が国における取引の実情は上記5(1)のとおりであるから,その主張は採用できない。

(3)まとめ

以上のとおり,本願商標は,商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから,これを登録することはできない。

よって,結論のとおり審決する。

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