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Trademark Appeal Case

配色の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2017−10607(T2017−10607/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

第1 本願商標

本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、商標法第5条第4項に基づく「商標の詳細な説明」を「商標登録を受けようとする商標(以下『商標』という。)は、色彩の組合せのみからなるものである。色彩の組合せとしては、赤色(PANTONE:186C)、緑色(PANTONE:354C)であり、配色は、上から順に、赤色が商標の30パーセント、同じく緑色70パーセントとなっている。」と記載するものであり、第35類及び第37類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成27年4月1日に登録出願され、その後、指定役務については、原審における同28年2月8日受付及び当審における同31年1月30日受付手続補正書により、最終的に、第35類「自動車用タイヤの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,自動車部品及び附属品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に補正されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由(要点)

原査定は、「役務の提供の用に供する物又は役務の広告の装飾等に使用される色彩は、様々な色彩を組み合わせたものも含め、多くの場合、それらの魅力向上等のために選択されるものであって、役務の出所を表示し、自他役務を識別するための標識として認識し得ないものである。そして、本願の指定役務を取り扱う業界においては、本願商標のような赤色及び緑色と同系色の色彩の組合せが、役務の提供の用に供する物又は役務の広告の装飾等として使用されていることが確認できることから、本願商標をその指定役務の提供の用に供する物や広告に使用しても、これに接する取引者、需要者は、役務の提供の用に供する物又は役務の広告に通常使用される又は使用され得る色彩を表したものと認識するにとどまり、何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標と判断するのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。また、提出された証拠において示された本願商標と同一と推測される色彩の使用状況や認識度の調査結果からは、色彩のみからなる本願商標が独立して、出願人(請求人)の出所表示として、本願指定役務の需要者間で、全国的に認識されるに至っているとは認められない。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審における審尋

当審は、平成30年12月20日付けで、以下のとおりの審尋を発し、相当の期間を指定して、これに対する意見を求めた。

1 本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、別掲2に示すとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対してこれを開示した。

2 原審において提出された本願商標の認知度に関するアンケート調査に係る証拠(第59号証及び第60号証)によっては、質問事項や調査結果の内容等について把握できない事項があるため、アンケート全体の質問事項、回答の集計結果及び回答内容の全部を把握できる資料を提出されたい。

第4 審尋に対する請求人の意見(要点)

請求人は、上記第3の審尋に対し、要旨以下のように述べるとともに、平成31年1月30日受付手続補正書により、本願商標の指定役務について補正を行い、証拠方法として、第28号証ないし第32号証を提出した。

なお、当該第28号証ないし第32号証については、当該証拠の番号を、甲第28号証ないし甲第32号証と読み替える。

1 請求人は、アンケート全体の質問事項、回答の集計結果及び回答内容の全部を把握できるよう、証拠方法として、甲第28号証ないし甲第32号証を提出した。

2 本願商標を構成する色彩の「赤色及び緑色の組み合わせ」と近似した色彩が本願指定役務と同種及び類似の役務の広告に使用されているとしても、それは本願商標が獲得した自他役務識別力を否定する根拠にはならない。本願商標は、赤色と緑色の組合せの割合比に特徴のある商標であるが、上記第3の審尋で提示された使用例における「赤色及び緑色の組み合わせ」は、本願商標の色彩の割合比とは異なり、そこから受ける印象は、全く異なる。また、同審尋で提示された「赤色」又は「緑色」の単色の使用例は、二色で構成される本願商標とは別異のものである。よって、これらの使用例は、本願商標の商標法第3条第1項第6号該当性を肯定する根拠にはなり得ない。

3 同審尋で提示された使用例における「赤色及び緑色の組み合わせ」は、本願の第37類の指定役務と同種・類似する可能性のある役務ばかりであって、第35類の小売等役務に関連する証拠の提示はない。そこで、請求人は、本願より第37類の指定役務を全て削除した。よって、本願商標は、同審尋において提示された使用例に基づいて商標法第3条第1項第6号に該当すると認定される理由はない。

第5 当審の判断

1 商標法第3条第1項第6号該当性について

(1)本願商標について

本願商標は、上記第1のとおり、赤色(PANTONE:186C)と緑色(PANTONE:354C)の組合せからなる色彩のみからなる商標であって、配色は、上から順に、赤色が商標の30パーセント、同じく緑色が70パーセントであり、第35類「自動車用タイヤの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,自動車部品及び附属品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務とするものである。

(2)取引の実情について

各種商品及び役務の商取引においては、商品及び役務の魅力向上等の一手段として、商品及び役務の広告の装飾等に、様々な色彩が一般に広く使用されているものであるから、例えば、文字や図形等と組み合わせるなど、色彩が具体的な形態を伴う場合はともかく、そのような形態を伴わない場合には、これに接する者は、通常、その色彩について、商品及び役務の出所を表示するものとして、又は自他商品、自他役務を識別するための標識として認識することはないとみるのが相当である。

そして、本願指定役務と同様に自動車を取り扱う業界においては、別掲2(1)において示す例のように、役務の広告の一類型として、店舗の外壁上部や看板の装飾に、本願商標を構成する赤色及び緑色に近似する色彩を組み合わせて使用している実情がある。

また、本願商標を構成する赤色及び緑色に近似する色彩は、それぞれが単色としても、別掲2(2)及び(3)において示す例のように、役務の広告の一類型として、店舗の外壁上部や看板の装飾の一類型として使用されているところである。

そうすると、赤色と緑色を組み合わせた色彩や、赤色、緑色という色彩は、役務の広告における装飾に、取引者、需要者が実際に広く使用しているものであり、また、多くの取引者、需要者がその使用を欲するといえるものである。

また、別掲2をみるに、店舗の外壁上部に色彩を帯状に付した装飾が、役務の広告手法の1つとして、広く採用されていることがうかがえる。

してみれば、赤色と緑色を組み合わせた色彩のみからなる本願商標は、一般的には、役務の魅力向上のための、広告の一類型として認識されるものであって、また、本願商標と近似する色彩の組合せが請求人以外の者によって、そのような役務の広告の一類型として、商取引の実際において使用されており、何人もその使用を欲するといい得るものであるから、これを一私人に独占させることは妥当ではない。

なお、請求人は、前記第4のとおり、審尋に対する回答書において、「審尋で提示された使用例における『赤色及び緑色の組み合わせ』は、本願商標の色彩の割合比とは異なり、そこから受ける印象は、全く異なるし、『赤色』又は『緑色』の単色の使用例は、二色で構成される本願商標とは別異のものである。また、審尋で提示した『赤色及び緑色の組み合わせ』の使用例は、第37類の役務に関連するものであって、本願指定役務の第35類に関連する証拠の提示はない。よって、これらの使用例をもって、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するとはいえない。」旨主張する。

しかしながら、審尋において示した色彩の使用例は、本願商標と同一の構成からなる色彩の使用例を示したものではなく、役務の広告に様々な色彩が採用されている中で、その一類型として、本願商標を構成する色彩と近似する赤色と緑色が組み合わされて使用されている例や、それぞれが単色として使用されている例を示したものである。

そして、その使用方法も、店舗の外観や看板に使用しているものであって、色彩の使用方法としては、特定の役務に係る手法というよりは、役務全般に共通するものとみるのが相当であって、指定役務の補正によって、前記判断が左右されるものではないというべきであるから、請求人の上記主張は採用できない。

(3)請求人による本願商標の使用について

請求人は、本願商標について、請求人の関係会社であるブリヂストンリテールジャパン株式会社が運営するカー用品店「タイヤ館」(以下「請求人店舗」という。)のブランドカラーとして、同社が長年にわたって継続的に使用した結果、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識できるに至っているものである旨を主張し、証拠方法として、原審において、第1号証ないし第60号証を、当審において、甲第1号証ないし甲第32号証を提出した。

そこで、請求人の主張及び同人提出の証拠について、以下検討する。

ア 店舗の外壁における本願商標の使用について

請求人は、本願商標を請求人店舗の外壁上部に使用してきたことを主張し、その証拠方法として、原審においては第4号証ないし第43号証を提出、当審においては甲第3号証ないし甲第27号証を提出した。

第4号証ないし第43号証をみるに、本願商標の色彩が、店舗外壁の上部に帯状に付されており、その帯状の部分には、「タ」、「イ」、「ヤ」、「館」の白抜き文字をそれぞれ有する白枠の4つの緑色四角形を並べた看板や、「BRIDGESTOnE」(「B」の文字は、構成の一部に赤色を使用したデザイン化がなされ、「n」の文字は、他の文字と同じ大きさで表されている。以下、同じ。)の文字を有する白地で横長の看板が付されている。 さらに、甲第3号証ないし甲第27号証をみるに、本願商標の色彩及びこれと同系色の色彩が、店舗の入口を有さない店舗の側面や裏側の外壁の上部に帯状に付されている。

以上からすると、請求人店舗の正面には、本願商標の色彩と、「タイヤ館」や「BRIDGESTOnE」の文字を表した看板が、店舗の外壁上部に合わせて使用されているものであり、請求人の店舗に来店し、又は、当該店舗を目にする取引者、需要者は、店舗外壁の上部に付された色彩のみならず、顕著に表された「タイヤ館」や「BRIDGESTOnE」の文字を視認し、請求人に係る店舗であることを認識するものといえるから、取引者、需要者が、店舗外壁上部の色彩のみをもって、請求人の業務にかかる店舗であることを認識しているとはいい難い。

また、店舗の側面や裏側の店舗外壁の上部に付された帯状の赤色と緑色の色彩部分は、取引者、需要者が、注視し、着目する部分とはいえない上、該色彩部分から、請求人の店舗であることを認識すると認めることはできない。

この点について、請求人は、「カー用品店の顧客のほとんどが、自動車で来店することから、車の運転をする顧客には、文字部分が見えない場合もあり、請求人店舗の外壁上部の色彩が目印となり、顧客は、当該色彩のみを視認して、請求人の業務に係る『タイヤ館』であることを認識し、来店するものである。そして、本願商標を構成する色彩は、店舗外装の上部に帯状に大きく目立つように表示されており、需要者に強く印象付ける広告宣伝の方法として採用されているものであるから、本願商標を構成する色彩のみが独立して自他役務の識別標識として認識されている。」旨主張する。

しかしながら、来店した顧客の認識を裏付ける証拠の提出はなく、別掲2において示すように、店舗外壁の上部に帯状に色彩を付した装飾が、役務の広告手法の一つとして、広く採用されていることからすれば、店舗外壁の上部に付された本願商標の色彩は、店舗の装飾として認識されるにとどまるものというのが相当であり、請求人の店舗における色彩の使用事例のみが、自他役務の識別標識として認識されるとみるべき格別の事情は見いだせないから、上記主張を採用することはできない。

イ その他の本願商標の使用について

(ア)看板

請求人は、白地の横長四角形の上部約3分の2を占める部分に、「タ」、「イ」、「ヤ」、「館」の白抜き文字をそれぞれ有する4つの緑色四角形を看板の横幅一杯に並べ、その下部には、左右両端に横長の赤色の四角形を配し、中央に一部が赤くデザイン化された黒色の「BRIDGESTOnE」の文字を表した態様からなる看板を店舗の正面や道路からの入口付近に設置している(第5号証〜第8号証、第10号証〜第14号証、第16号証〜第18号証、第29号証、第32号証、第34号証、第42号証)。

(イ)制服

請求人は、左胸部分に「タイヤ館」の文字、背面に「SAFETY SUPPORTER」及び一部がデザイン化された「BRIDGESTOnE」の文字を白色で表し、襟や前立ての一部、背面のヨーク、袖の一部が赤色で、その他の部分は緑色からなる制服に、赤色と緑色を組み合わせて使用している(第44号証〜第50号証)。

(ウ)店内の案内標示

請求人は、横長の長方形の上部に赤色を帯状に表し、その下は、緑色を背景色として、例えば、白抜きの正方形内に、タイヤの絵を表し、その下に「タイヤコーナー」及び「タイヤ館」の白抜きの文字を表した標識、及びこれと同様に、上部に赤色を帯状に表し、その下の部分は緑色を背景色とするその他の標識にも、赤色と緑色を組み合わせて使用している(第51号証、第52号証)。

(エ)メンバーズカードのデザイン

請求人は、白地の横長の長方形の上部に、赤色と緑色を帯状に付し、その緑色の帯部分に、「タ」、「イ」、「ヤ」、「館」の白抜き文字をそれぞれ有する白枠の4つの四角形及び白抜きの「Oil Members Card」の文字を配し、その下には黒字で「エンジンオイル メンバーズ カード」、「会員NO.」、「有効期限」、「お名前」等の文字を配したカードに、赤色と緑色を組み合わせて使用している(第53号証)。

(オ)CM動画

「タイヤ館」のウェブサイトにおいて、「動画ギャラリー」の見出しの下、「タイヤ館×紙兎ロペ CM動画」として表示された画像の一つに、「『冬タイヤ選び』篇」として、「タイヤ館」の文字と本願商標の色彩が店舗外壁上部に付された建物と動物の絵が表された画像がある(第55号証)。

また、「YouTube」のウェブサイトにおいて、「taiyakanrope」の見出しの下、上記と同様の画像がある(第56号証)。

(カ)チラシ

広告チラシの左上に、前記(ア)の看板が描かれている(第57号証)。

(キ)「Clicccar.com」のウェブサイトにおいて、「『アメーバピグ』にブリヂストン『タイヤ館pigg支店』期間限定オープン!」の記載があり、その下に、請求人店舗と思しき建物や看板が描かれた画面がある(第58号証)。

(ク)上記(ア)ないし(キ)からすれば、請求人は、その業務に係る看板や制服、標識及び広告動画等に、本願商標を構成する色彩と近似する赤色と緑色を使用しているものの、これらの色彩は、本願商標の色彩とは、赤色と緑色の順番や割合が異なるものであるから、それらの使用をもって、本願商標が、請求人の業務に係る役務を表示するものとして、指定役務の取引者、需要者に記憶、認識されているものとはいえない。

また、上記の使用例においては、請求人の店舗名を表す「タイヤ館」及び請求人を表す「BRIDGESTOnE」の文字が顕著に表示されていることからすると、本願指定役務の取引者、需要者は、本願商標の色彩のみをもって、請求人の業務に係る役務であることを識別しているということはできない。

ウ 上記ア及びイによれば、請求人は本願商標の色彩を、請求人店舗の外壁上部に帯状に付して、使用しているものの、その使用方法は、店舗の装飾として使用される一方法にすぎず、請求人のみが採用する特徴的な方法とはいえない上、「タイヤ館」及び「BRIDGESTOnE」の文字が顕著に表示されているものであり、また、その他の広告等における使用においては、本願商標とは異なる態様で使用しているものである。

そうすると、本願商標を構成する色彩のみが請求人の業務に係る役務を表すものとして、需要者間に認識されているとみることはできないから、本願商標は、自他役務の識別標識としての機能を有するに至っているものということはできない。

(4)本願商標の認知度に関するアンケート調査について

請求人は、本願商標の認知度を示すために、全国の一般ドライバー1,072名を対象に、アンケート調査を行った(甲28〜甲32)。

その調査方法は、本願商標の色彩と、本願商標の色彩を上部に付した建物の図形を並べて表示し、回答者がそれを見て思い浮かぶ「カー用品店の店舗名」を、自由に記載して回答させる方法(以下「純粋想起法」という。甲29のQ3)、及び提示された複数のカー用品店の店舗名の選択肢から選択して回答させる方法(以下「助成想起法」という。同Q6)が採用された。

それぞれの調査の結果、回答者が、請求人店舗の店舗名である「タイヤ館」と回答した割合は、純粋想起法では32.6%(甲32)であり、助成想起法では56.9%(甲30:TABLE020)であった。

この点について、請求人は、カー用品店の直接的かつ本来的な需要者である、ほぼ毎日自家用車を運転する者の合計は、アンケートの全対象者の54.8%であることに着目すれば、純粋想起法の32.6%という正答率は、タイヤ館の認知度の指標として概ね良好な数値であり、カー用品店という業界の特殊性に鑑みれば、本願商標は識別力を十分に有していると評価できる旨主張している。

しかしながら、当該アンケート調査における事前調査(甲28)のQ4では、「あなたは、これまでにカー用品店(自動車に関する用品を専門的に取り扱う店舗)を利用したことがありますか。(ひとつだけ)※代表的なカー用品店:オートバックス、イエローハット、モンテカルロ、タイヤ館、グランドスラム、タイヤランド、など。」との設問があり、「利用したことがある」、「利用したことはない」、「わからない・おぼえていない」との選択肢から回答を選択して回答させる調査がなされているところ、その設問中には、請求人店舗を表す「タイヤ館」を含む特定のカー用品店の店舗名が提示されており、これによって、回答者は、事前に特定のカー用品店の店舗名を認識した上で、上記の本願商標の色彩に関する設問に接し、回答しているものであるから、本調査における純粋想起法の調査(甲29のQ3)の結果は、純粋に本願商標の色彩のみから想起したカー用品店の店舗名を回答したものとはいい難い。

また、当該アンケート調査における本調査においては、本願商標の色彩の横に、本願商標の色彩を上部に帯状にして付した建物の図形が示されていることから、回答者は、当該色彩と図形との組合せによって、何らかのカー用品店の店舗名を想起し、回答する場合もあるといえる。

以上からすると、当該アンケート調査の調査結果は、本願商標の色彩のみから想起したカー用品店の店舗名についての結果を表すものということはできない。

さらに、甲第29号証においては、本願商標の色彩に関する純粋想起法の調査(甲29のQ3)に続けて、色彩がオレンジ色及び黄色の色彩に関する純粋想起法の調査(同Q4及びQ5)も行われており、これらの結果を示す甲第32号証には、本願商標の色彩の調査(Q3)の結果と共に、オレンジ色及び黄色の色彩に関する調査結果も示されており、Q4(オレンジ色)については、「正解」は「オートバックス」、「正解者率」は「62.7%」と記載され、Q5(黄色)については、「正解」は「イエローハット」、「正解者率」は「77.8%」と記載されている。そして、「オートバックス」及び「イエローハット」の文字は、前述の事前調査(甲28)のQ4の設問中に示された「代表的なカー用品店」に挙げられているものであって、オレンジ色及び黄色は、「タイヤ館」以外の他のカー用品店に関連する色彩であることがうかがえる。

そうすると、本願商標の色彩についての純粋想起法の調査結果である32.6%という割合は、「タイヤ館」以外の他のカー用品店に関連する色彩についての上記調査結果である62.7%や77.8%と比較すれば、高い割合とはいえないものである。

以上のアンケート調査の結果からすると、本願商標は、その指定役務の分野において、取引者、需要者に、その色彩のみをもって、請求人の業務に係る役務であることを表示するものとして、我が国において広く知られるに至っているということはできない。

(5)小括

以上のことからすると、本願商標は、赤色と緑色を、上から順に、赤色が商標の30パーセント、緑色が70パーセントとなる比率で組み合わせた色彩のみからなる商標であるところ、このような色彩の組合せは、役務の広告の一類型として広く使用され、使用され得るものであるから、一私人による独占使用が妥当でないことに加え、請求人の使用により識別力を獲得したとも認められないものであるから、これを本願指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、その役務の広告等に通常使用される色彩又は使用され得る色彩の組合せの一類型を表したものと認識するにとどまり、これを役務の出所を表示するものとして、又は自他役務を識別するための標識として認識することはないというべきである。

したがって、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標であるから、商標法第3条第1項第6号に該当する。

2 まとめ

以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものであるから、これを登録することはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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