sokuhyo

Trademark Appeal Case

記述的商標の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2018−12305(T2018−12305/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第45類「工業所有権に関する手続の代理又は鑑定その他の事務,訴訟事件その他に関する法律事務,著作権の利用に関する契約の代理又は媒介」を指定役務として、平成29年6月16日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、『IP FIRM』の欧文字を普通に用いられる方法で横書きし、その右側に、欧文字『R』を円で囲った図形を配してなるところ、その構成中、『IP FIRM』の文字は、その指定役務との関係において、『知的財産を取り扱う事務所、あるいは、国際的な特許を取り扱う事務所』の意味合いを認識させるものである。また、欧文字『R』を円で囲ってなる図形は、登録商標であることを示すために商慣習的に使用されているものであり、当該図形部分が識別力を有するとは認められないものである。そうすると、本願商標をその指定役務について使用しても、これに接する取引者、需要者は、『知的財産を取り扱う事務所、あるいは、国際的な特許を取り扱う事務所』であることを理解するにとどまり、自他役務の識別標識とは認識し得ないものとみるのが相当であるから、本願商標は、何人かの業務に係る役務であることを認識することができないものといわざるを得ない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審においてした証拠調べ通知

当審において、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、別掲2に示すとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して、令和1年5月28日付け証拠調べ通知書によって通知し、期間を指定してこれに対する意見を求めた。

4 証拠調べ通知に対する請求人の意見の要点

請求人は、上記3の証拠調べ通知に対して、以下のとおり意見を述べた。

(1)請求人の登録商標「IP FIRM」が、現在も有効に機能していることは明らかである。

(2)登録商標に登録商標であることを示すマークを付すことは、登録商標の使用に際し本来あるべき姿であるから、何ら問題はない。

(3)したがって、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当しないことは明らかである。

5 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第6号該当性について

本願商標は、別掲1のとおり、「IP FIRM」の欧文字を横書きし、その横に円で囲った「R」の欧文字を配した構成からなるところ、その構成中の「IP」及び「FIRM」の欧文字は、本願指定役務との関係において、それぞれ「知的財産権」及び「事務所」の意味を有する語として一般に広く知られているものである(別掲2参照)。

また、円で囲った「R」の欧文字は、登録商標を表すものとして一般に使用されているものであるから、自他役務の識別標識として認識されないものである。

そうすると、本願商標は、「IP FIRM」の文字部分から、「知的財産を取り扱う事務所」程の意味合いを容易に認識させるといえるものである。

そして、「IP FIRM」の欧文字について、別掲2(3)のとおり、当該文字を自己の名称の英語表記に用いている特許等の知的財産を取り扱う事務所が多数存在している実情がある。

してみれば、本願商標をその指定役務について使用しても、これに接する取引者、需要者は、「知的財産を取り扱う事務所」であることを認識するにとどまり、自他役務の識別標識としては認識し得ないものである。

したがって、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標というのが相当であるから、商標法第3条第1項第6号に該当する。

(2)請求人の主張について

請求人は、「請求人の登録商標『IP FIRM』に登録商標であることを表すマークを付した使用状態の標章からなる本願商標が、登録されるべきことは明らかである。」旨主張している。

しかしながら、登録出願に係る商標が登録され得るものであるか否かの判断は、商標ごとに個別具体的に検討、判断されるべきものであり、請求人の登録商標の存在によって、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するか否かについての判断が左右されるものではない。

したがって、請求人の上記主張は採用できない。

(3)まとめ

以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものであるから、これを登録することはできない。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。