結論テキスト
本願商標は、登録すべきものとする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 不服2018−4092(T2018−4092/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本願商標は、「CRESILON」の欧文字を書してなり、第5類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として、2016年8月10日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、平成29年2月10日に登録出願されたものである。
そして、本願の指定商品については、当審における令和元年5月20日付け及び同年9月17日付け手続補正書により、最終的に、第5類「ガーゼ,粘着性又は非粘着性のパッド状ガーゼ,包帯,創傷用ドレッシング,微小な傷・裂傷・すり傷・出血性傷・刺創・外科創傷・皮膚移植又は火傷等の傷の処置のためのアプリケーター付きの局所創傷用ドレッシング,多量の出血に用いる吸収性止血剤,外科手術において多量の出血に用いる天然又は合成のポリマー材からなる止血材,生体や生体の生成物から作られた外科用又は臨床用の接着剤,人間又は動物の血液の凝固を促進するための薬剤,チューブ付きの注射器に充てんされた止血剤,傷を治療するために使われる顆粒状・粉状・液状・ゲル状・シート状又は繊維状に形成してなる止血剤,外傷治療用スポンジ,応急処置用キット,人間用及び動物用の薬剤(農薬に当たるものを除く。)」に補正されたものである。
原査定は、以下の(1)及び(2)のとおり認定、判断し、本願を拒絶したものである。
(1)本願の指定商品中、第5類において指定する「微小な傷・裂傷・すり傷・出血性傷・刺創・外科創傷・皮膚移植又は火傷等の傷の処置のための局所用ドレッシング及びそれを塗布又は注入するための注射器その他の器具,外科手術一般において多量の出血に用いる天然又は合成のポリマー材,人間又は動物の血液の凝固を促進するための化学剤及びその送達用の塗布器又は注入器,傷を治療するために使われる顆粒状・粉状・液状・ゲル状・シート状又は繊維状の止血剤」は、その内容及び範囲が不明確で、政令で定める商品及び役務の区分に従って商品を指定したものと認めることができない。したがって、本願は、商標法第6条第1項及び第2項の要件を具備しない。
(2)本願商標は、以下のアないしウの登録商標で、いずれも現に有効に存続しているものと同一又は類似であって、それら商標登録に係る指定商品と同一又は類似の商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
ア 登録第685939号(以下「引用商標1」という。)
商標の構成 「CHRYSRON」の欧文字及び「クリスロン」の片仮名を二段に横書きしてなるもの
指定商品 第1類「化学品,植物成長調整剤類,のり及び接着剤(事務用又は家庭用のものを除く。)」及び第5類「薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,歯科用材料」
登録出願日 昭和39年5月15日
設定登録日 昭和40年9月20日
書換登録日 平成17年7月20日
イ 登録第1584572号(以下「引用商標2」という。)
商標の構成 「クリスロン」
指定商品 第1類「化学品,植物成長調整剤類,のり及び接着剤(事務用又は家庭用のものを除く。)」及び第5類「薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,歯科用材料」
登録出願日 昭和48年10月4日
設定登録日 昭和58年4月27日
書換登録日 平成16年6月16日
ウ 登録第1584573号(以下「引用商標3」という。)
商標の構成 「CHRYSRON」
指定商品 第1類「化学品,植物成長調整剤類,のり及び接着剤(事務用又は家庭用のものを除く。)」及び第5類「薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,歯科用材料」
登録出願日 昭和48年10月4日
設定登録日 昭和58年4月27日
書換登録日 平成16年6月16日
なお、上記引用商標1ないし引用商標3をまとめていうときは、「引用商標」という。
(1)商標法第6条第1項及び第2項について
本願は、その指定商品について、前記1のとおりの商品に補正された結果、その商品の内容及び範囲が明確なものとなり、かつ、政令で定める商品及び役務の区分に従って指定したものとなった。
したがって、本願が商標法第6条第1項及び第2項の要件を具備しないとして本願を拒絶した原査定の拒絶の理由は、解消した。
(2)商標法第4条第1項第11号について
ア 本願商標について
本願商標は、前記1のとおり、「CRESILON」の欧文字を書してなるところ、当該文字は、一般的な辞書等に採録された成語ではなく、特定の意味合いを想起させる語として知られているものとも認められないから、特定の観念を生じることのない造語とみるのが相当である。
そして、上記のような特定の語義を有しない欧文字からなる商標については、我が国において広く親しまれている英語風又はローマ字風の発音をもって称呼されるのが一般的といえるから、本願商標は、その構成文字に相応して、「クレシロン」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
イ 引用商標について
引用商標1は、前記2(2)アのとおり、「CHRYSRON」の欧文字及び「クリスロン」の片仮名を二段に横書きしてなるところ、これらの文字は、一般的な辞書等に採録された成語ではなく、特定の意味合いを想起させる語として知られているものとも認められないから、特定の観念を生じることのない造語とみるのが相当である。
また、下段の片仮名部分は、上段の欧文字部分の読みを表したものと理解されるものであるから、引用商標1は、「クリスロン」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
引用商標2は、前記2(2)イのとおり、「クリスロン」の片仮名を書してなるところ、当該文字は、一般的な辞書等に採録された成語ではなく、特定の意味合いを想起させる語として知られているものとも認められないから、特定の観念を生じることのない造語とみるのが相当である。
したがって、引用商標2は、その構成文字に相応して、「クリスロン」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
引用商標3は、前記2(2)ウのとおり、「CHRYSRON」の欧文字を書してなるところ、当該文字は、一般的な辞書等に採録された成語ではなく、特定の意味合いを想起させる語として知られているものとも認められないから、特定の観念を生じることのない造語とみるのが相当である。
そして、上記のような特定の語義を有しない欧文字からなる商標については、我が国において広く親しまれている英語風又はローマ字風の発音をもって称呼されるのが一般的といえるから、引用商標3は、その構成文字に相応して、「クリスロン」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
ウ 本願商標と引用商標との類否について
本願商標と引用商標とは、それぞれ、上記ア及びイのとおりの構成からなるところ、本願商標と引用商標1とは、その構成全体の比較はもとより、欧文字部分の比較においても構成文字を異にするものであり、本願商標と引用商標2とは、文字種が異なるものであり、本願商標と引用商標3とは、構成文字を異にするものであるから、本願商標と引用商標とは、外観上、明確に区別できるものであり、相紛れるおそれはない。
また、本願商標から生じる「クレシロン」との称呼と引用商標から生じる「クリスロン」の称呼とを比較すると、共に5音という比較的短い音構成にあって、「レシ」と「リス」の2音を異にするものであるから、この差異が称呼全体に与える影響は大きく、本願商標と引用商標とは、称呼上、相紛れるおそれはない。
さらに、本願商標と引用商標とは、いずれも特定の観念を生じないものであるから、観念上、比較することができない。
してみれば、本願商標と引用商標とは、観念において比較できないとしても、外観及び称呼において相紛れるおそれのないものであるから、両商標が需要者に与える印象、記憶等を総合してみれば、両商標は、非類似の商標というのが相当である。
エ 小括
以上によれば、本願商標と引用商標とは、これらを同一又は類似する商品に使用しても、相紛れるおそれのない非類似の商標であるから、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(3)まとめ
上記(1)のとおり、本願が商標法第6条第1項及び第2項の要件を具備しないとして本願を拒絶した原査定の拒絶理由は解消した。
また、上記(2)のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではないから、これを理由として本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。