Trademark Appeal Case
結合商標の要部認定
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2019−900140(T2019−900140/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第6122459号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成30年6月29日に登録出願、第43類「飲食物の提供,焼肉料理を主とする飲食物の提供」を指定役務として、同31年2月1日に登録査定、同月15日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第5817988号商標(以下「引用商標」という。)は、「LIKE」の欧文字を表してなり、平成27年6月10日に登録出願、「飲食物の提供,飲食物の提供に関する情報の提供」を含む第35類、第37類、第41類、第43類、第44類及び第45類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同28年1月8日に設定登録されたものであり、その商標権は現に有効に存続しているものである。
3 登録異議の申立ての理由
(1)申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきものであるとして、その理由を要旨次の(2)のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第4号証(枝番号を含む。)を提出した。以下、証拠については、「甲1」のように記載する。
(2)本件商標は、全体として丸バッチ形状を成し、中央の白抜き部分に黒い太文字で「ヤキニク」の片仮名、外側の黒い円環部分の上半分に白い太文字で「YAKINIKU LIKE!!」の欧文字、下半分に白い細文字で「一人焼肉推奨店」の漢字を配した結合商標で、表示態様の違いから各部分は独立して識別される。欧文宇部分からは「ヤキニクライク」の称呼を生じるが、「ヤキニク(YAKINIKU)」は指定役務の提供対象(料理)であるから、それを除外した「LIKE」から「ライク」の略称を生じる。
なお、本件商標の商標権者が運営し、本件商標を看板として掲げている飲食店の店舗前と店舗内で撮影した写真(甲4の1ないし甲4の3)は、「YAKINIKU LIKE(ヤキニクライク)」を「LIKE(ライク)」と略し、また、「YAKINIKU」と「LIKE」が一体不可分ではないと捉えていることを示すものである。
一方、引用商標は「LIKE」の文字のみで構成され、「ライク」の称呼を生じるから、両商標は「ライク」の称呼を共通にする類似商標である。
また、本件商標と引用商標は指定役務も同一又は類似のものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標
本件商標は、別掲のとおり、円形の図形内に、中央に「ヤキニク」の片仮名を黒く太い文字で表し、外側の上部に「YAKINIKULIKE!!」の欧文字(9文字目の「L」は、ややデザイン化されている。以下同じ。)を白抜きのやや太い文字で弧を描くように表し、外側の下部に「一人焼肉推奨店」の漢字を白抜きの細い文字で弧を描くように表した構成からなるものである。
そして、本件商標は、その構成中「ヤキニク」及び「一人焼肉推奨店」の文字部分が、その指定役務である「飲食物の提供,焼肉料理を主とする飲食物の提供」との関係から、役務の質を表すものといえるため、該文字部分は出所識別標識としての称呼、観念は生じないと認められ、その結果として、「YAKINIKULIKE!!」の文字部分が取引者、需要者に対し、役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる。
また、該「YAKINIKULIKE!!」の文字部分は、同書、同大、等間隔でまとまりよく一体に表されており、該文字から生じる「ヤキニクライク」の称呼も、冗長というべきものではなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。
そして、該文字部分は、たとえ「YAKINIKU」の文字が「焼肉」をローマ字表記したものであるとしても、かかる構成及び称呼においては、「YAKINIKU」の文字部分が役務の質を表したものとして直ちに認識されるとはいえず、むしろ「YAKINIKULIKE!!」の構成文字全体をもって特定の観念を生じない一体のものとして認識、把握されるとみるのが相当である。
そうすると、本件商標は、「YAKINIKULIKE!!」の文字部分から「ヤキニクライク」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
イ 引用商標
引用商標は、前記2のとおり「LIKE」の欧文字からなるものであり、該文字に相応し「ライク」の称呼を生じ、「好むこと。好きであること。」の観念を生じるものである。
ウ 本件商標と引用商標との類否
本件商標と引用商標とを比較すると、外観においては、両商標全体の比較においては視覚上明確に区別し得ること明らかであり、本件商標の構成中「YAKINIKULIKE!!」の文字部分との比較においても、「YAKINIKU」及び「!!」の文字の有無により、視覚上明確に区別し得るものである。
また、本件商標から生じる「ヤキニクライク」の称呼と引用商標から生じる「ライク」の称呼とは、「ヤキニク」の音の有無により、明確に区別し得るものである。
さらに、観念においては、本件商標からは特定の観念を生じないのに対し、引用商標からは「好むこと。好きであること。」の観念を生じるものであるから、明確に区別し得るものである。
そうすると、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても明確に区別し得る非類似の商標というべきものである。
してみると、本件商標は、たとえその指定役務と同一又は類似する役務が引用商標の指定役務中に含まれているとしても、引用商標とは非類似の商標であるから、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)申立人の主張について
申立人は、本件商標の商標権者が運営し、本件商標を看板として掲げている飲食店の店舗前と店舗内を撮影した写真を示して、「YAKINIKU LIKE(ヤキニクライク)」が「LIKE(ライク)」と略され、また、「YAKINIKU」と「LIKE」が一体不可分ではないと捉えられている旨主張している。
申立人の提出に係る証拠(甲4の1ないし甲4の3)及び申立人の主張によれば、本件商標の商標権者の店舗の看板に「焼肉ライク」の文字が表示されていること、該店舗への納入業者のメモに「ライク」の文字が表示されていること、該店舗の店員が着用しているTシャツの背中部分に「ライクRULES」の文字が表示されていることが認められる。
しかしながら、これらの実情は、本件商標の商標権者等により実際に使用をされている商標の具体的態様であって、特殊的・限定的な取引の実情というべきものであり、商標の類否判断において考慮される一般的・恒常的な取引の実情とはいえない。
したがって、これらの実情によって、上記判断が左右されるものではない。
(3)まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではなく、その登録は、同項の規定に違反してされたものとはいえない。
他に、本件商標の登録が商標法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
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