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Trademark Appeal Case

wiwooとvivoの称呼類似

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2019−900025(T2019−900025/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第6094020号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第6094020号商標(以下「本件商標」という。)は,「wiwoo」の文字を標準文字で表してなり,平成30年2月7日に登録出願,第9類「バッテリー充電装置,スピーカー用筐体,ヘッドホーン,音声・映像受信機,扉用電気式ベル,腕時計型携帯情報端末,録音装置,録音用記録媒体,携帯型メディアプレーヤー,デジタルフォトフレーム」を指定商品として,同年10月15日に登録査定,同年11月2日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が,本件商標に係る登録異議申立ての理由において引用する登録商標は,以下のとおりであり(以下,これらをまとめていうときは「引用商標」という。),いずれも現に有効に存続しているものである。

(1)登録第5861141号商標(以下「引用商標1」という。)

商標の構成:別掲のとおり

登録出願日:平成27年9月24日

設定登録日:平成28年6月24日

指定商品 :第9類「電話機械器具,携帯電話機,ヘッドホン,蓄電池,相互通信装置,ナビゲーション装置」

(2)国際登録第1180032号商標(以下「引用商標2」という。)

商標の構成:別掲のとおり

国際登録出願日:2013年(平成25年)6月20日

設定登録日:平成27年5月1日

指定商品 :第9類「High-frequency apparatus; cables, electric; conductors, electric; remote control apparatus; optical fibers, light conducting filaments; electric installations for the remote control of industrial operations; lightning conductors; clothing for protection against accidents, irradiation and fire; socks, electrically heated; aerials; transmitters of electronic signals; transmitters of electronic signals; navigational instruments; telephone apparatus; portable telephones; transformers [electricity]; photo telegraphy apparatus; intercommunication apparatus.」

3 登録異議の申立ての理由

申立人は,本件商標について,商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するものであるから,同法第43条の2第1号により,その登録は取り消されるべきであると申立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第15号証を提出した。

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は,欧文字「wiwoo」により,「ウィウー」又は「ウィウォー」の称呼が生じ,引用商標は,「vivo」により,「ヴィヴォ」の称呼を生ずる。

両商標の称呼を比較すると,母音の部分となる「i」(イ)と「o」(オ)が共通し,子音の部分は,本件商標が「w」(ウ)であるのに対して,引用商標は,「v」(ヴ)と発音される。子音が相違するものの,それらの音質について,称呼される際には口の開き方が顕著な相違を有しておらず,聴覚される際には,ほぼ同様な称呼と認識される。

特に,留意が必要とされるところは,両商標の商標権者は,ともに中華人民共和国の法人又は関連する法人であり,中国人が「vi」の文字を称呼する際には,「ヴィ」というより「ウィ」と発音されるのが一般的である(甲4)。したがって,引用商標は,日本において,単純に「ヴィヴォ」のみではなく,「ウィウォ」と称呼される場合も十分考えられ,その結果,引用商標は,本件商標と称呼において極めて類似のものである。

外観においては,本件商標「w」と引用商標「v」の部分が異なるものの,両者の字形が類似するものであって,小文字で横書きされている点,配列がともに「i」と「o」の点から,外観上も直ちに類似しないと判断されるのが妥当ではない。

本件商標の文字数について,引用商標に比べ,「o」の部分が一文字多いが,商標の全体の語尾であり,また,その他の部分と独立して称呼されることがなく,単なる「o」を重複して記載されている点を鑑み,全体の称呼に対する影響が軽微な相違といわざるを得ない。

したがって,本件商標と引用商標とは,称呼及び外観において類似する。

また,引用商標の指定商品は,本件商標の指定商品と抵触する部分のほか,生産部門,販売部門が一致し,需要者の範囲もほぼ共通する互いに類似する商品である。

(2)商標法第4条第1項第15号について

本件商標は,1995年(平成7年)設立のビービーケー コミュニケーション テクノロジー カンパニー リミテッド(以下「ビービーケー社」という。)及び申立人の著名な商標「vivo」とアルファベットの個数及び相違があるものの,そのアルファベットの配列等が極めて類似し,さらに称呼においては非常に相紛らわしいものとして,商品等の出所の混同を生ずるおそれがある。

ビービーケー社は,2017年(平成29年)現在,傘下に持つスマホシェア世界4位のOPPOと5位のvivoのシェアを合わせると,実質的には世界2位のスマホメーカーである(甲5,甲6)。

「vivo」ブランドの携帯電話は,2017年(平成29年)第3四半期の世界シェアが,第2位のアップル,第3位のファーウェイ,第4位のOPPO,第5位のシャオミに続く第6位を獲得しており(甲7),中国のみならず,世界中のイベントのスポンサーとしては,これまでに幅広い宣伝活動を通じて,海外では広く周知された商標になっている(甲8〜甲12)。

かかる事実が本件商標の登録出願日前に日本のメディアに取り上げられた(甲13〜甲15)結果,「vivo」商標がスマートフォンを含む携帯情報端末商品について,日本の需要者の間においても広く認識された。

本件商標の指定商品は,携帯情報端末に関連するもの,または携帯電話のアクセサリーとして使用されるもの(例えば「バッテリー充電装置」)のほか,携帯電話と密接な関連性を有するもの,若しくは販売経路,需要者に提供される場所が共通している商品(例えば「ヘッドホーン,音声・映像受信機,扉用電気式ベル,腕時計型携帯情報端末,録音装置,録音用記録媒体,携帯型メディアプレーヤー,デジタルフォトフレーム」)に該当する。

本件商標と引用商標の著名性及び類似性並びに取引の実情を考慮し,本件商標は,これらの指定商品について使用されることは,申立人の商品と出所の混同を生ずるおそれがある。

4 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号該当性について

ア 本件商標について

本件商標は,上記1のとおり,「wiwoo」の文字を標準文字で表してなるところ,その構成文字に相応して「ウィウー」の称呼を生じ,当該文字は,辞書等に掲載されていないものであるから,特定の語義を有しない一種の造語として理解されるとみるのが相当である。

したがって,本件商標は,その構成文字に相応して「ウィウー」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。

イ 引用商標について

引用商標は,別掲のとおり,ややデザイン化された態様で表された「vivo」の欧文字を横書きしてなるところ,該構成文字に相応して「ビボ」の称呼を生じ,当該文字は,辞書等に掲載されていないものであるから,特定の語義を有しない一種の造語として理解されるとみるのが相当である。

したがって,引用商標は,その構成文字に相応して「ビボ」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。

ウ 本件商標と引用商標との類否について

本件商標と,引用商標を対比すると,外観においては,それぞれ上記ア及びイのとおりの構成であって,その構成文字が相違し,引用商標は,ややデザイン化されている態様から,本件商標と引用商標とは,外観上,判然と区別し得るものである。

また,称呼においては,本件商標から生じる「ウィウー」の称呼と,引用商標から生じる「ビボ」の称呼とは,その音構成及び音数において明白な差異を有するものであるから,両者は,称呼上,明瞭に聴別できるものである。

そして,観念については,本件商標及び引用商標からは特定の観念を生じないものであるから,観念において比較することはできない。

以上からすれば,本件商標と引用商標とは,観念において比較できないとしても,その外観においては,判然と区別し得るものであり,称呼においても,明瞭に聴別できるものであるから,これらを総合的に考慮すれば,両者は,相紛れることのない非類似の商標というべきである。

エ 申立人の主張について

申立人は,本件商標と引用商標の商標権者は,ともに中華人民共和国の法人又は関連する法人であり,中国人が「vi」の文字を称呼する際には,「ヴィ」というより「ウィ」と発音されるのが一般的である(甲4)から,引用商標は,日本において,単純に「ヴィヴォ」のみではなく,「ウィウォ」と称呼される場合も十分考えられ,その結果,引用商標は,本件商標と称呼において極めて類似の商標である旨主張する。

しかしながら,中国人の「vi」及び「vo」の文字の発音方法が申立人主張のとおりであるとしても,我が国において,「vivo」の欧文字に接する者は,英語読みやローマ字読みをするのが一般的というべきであり,他に我が国において引用商標が「ウィウォ」と称呼されているとみるべき証拠はないから,申立人の上記主張は,採用することができない。

オ まとめ

以上のとおり,本件商標と引用商標とは非類似の商標であるから,その指定商品が同一又は類似するとしても商標法第4条第1項第11号に該当しない。

(2)商標法第4条第1項第15号該当性について

ア 引用商標の周知性について

(ア)申立人は,ビービーケー社の子会社として,2009年(平成21年)に設立した中国のスマートフォンメーカーである(甲5)。

(イ)ビービーケー社のウィキペディア(甲6)には,「2017年現在,スマホメーカーのVivo,スマホメーカーのOPPO,スマホメーカーのOnePlus,AV機器メーカーのOPPO Digitalを傘下に持つ。・・・スマホシェア世界4位のOPPOと5位のVivoのシェアを合わせると,実質的には世界2位のスマホメーカーである。」の記載があるとしても,ウィキペディアは誰もが自由に修正することが可能なものであって,当該記載には当該内容を裏付ける根拠となるべき情報の記載を確認できないから,当該記載の内容を直ちに認めることはできない。

(ウ)Engadget日本語版 2017年(平成29年)12月7日付記事その7(甲7)には,「ガートナーの調査を見ても,2017年第3四半期のシェアはアップルが11.9%で,以下ファーウェイ9.5%,OPPOが7.7%,シャオミ7.0%と続く。」の記載とともに,シェアに関する表が表示されているが,「Vivo」については,表示されていない。また,「Vivoも,これから侮れない存在になるだろう。」や「日本市場への進出もあながちありえない話ではない。」等の記載があるものの,我が国における具体的な状況は確認できない。

(エ)申立人は,「vivo」ブランドの商品「スマートフォン」は,中国のみならず,世界中のイベントのスポンサーとして,幅広い宣伝活動を通じて(甲8〜12),海外では広く周知された旨主張する。

しかしながら,引用商標について,例えば,2018年(平成30年)ロシアワールドカップサッカーにおいて,競技場の壁面に「vivo」の文字の表示があるとしても(甲8),当該表示からは当該表示と申立人に係る商品との関係は明らかでなく,その他の海外での宣伝活動を含め,当該表示を基に我が国の需要者が申立人に係る商品との関係を認識したかについては明らかとはいえない。

(オ)本件商標の登録出願前に日本のメディアに取り上げられたとするニュース(甲13〜甲15)は,2017年(平成29年)4月26日,同年8月27日及び同年10月26日の3回のみであって,本件商標の登録出願日の数ヶ月前にすぎない。

しかも,申立人の商品の我が国における売上高,販売数量,市場シェアなど販売実績を確認することができない。

(カ)以上からすれば,申立人は,引用商標を申立人の業務に係る商品「スマートフォン」に使用していることは認められるものの,本件商標の登録出願前に,我が国の取引者,需要者の間に広く認識されていたとは認めることができない。

イ 本件商標と引用商標の類似性の程度

本件商標と引用商標とは,上記(1)ウのとおり,観念において比較できないとしても,外観及び称呼が異なり,相紛れるおそれのない別異の商標というべきである。

ウ 本件商標の指定商品と申立人の業務に係る商品との関連性,需要者の共通性

本件商標の指定商品には,携帯情報端末や携帯型メディアプレーヤーを含むものであるから,申立人の業務に係るスマートフォンとは,用途において密接な関係を有するものであって,需要者も共通するといえる。

エ 出所の混同のおそれについて

上記アのとおり,引用商標は,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,申立人の業務に係る商品を表示するものとして,取引者,需要者の間に広く認識されていたとはいえない。

そして,本件商標の指定商品と申立人の業務に係る商品とは,密接な関連性を有し,需要者が共通するとしても,本件商標と引用商標は,上記イのとおり,別異の商標というべきである。

そうすると,本件商標は,本件商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても,これに接する取引者,需要者が,引用商標を連想又は想起するようなことはないというべきであり,当該商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように,商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものである。

したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当しない。

(3)むすび

以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するとは認められないから,同法第43条の3第4項に基づき,その登録を維持すべきである。

よって,結論のとおり決定する。

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