Trademark Appeal Case
食材名と略称の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2018−12323(T2018−12323/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第29類に属する願書記載の商品を指定商品として、平成29年4月24日に登録出願されたものである。
その後、本願の指定商品については、原審における平成30年2月9日受付の手続補正書及び当審における令和元年8月5日受付の手続補正書により、第29類「さんま(生きているものを除く。),さんまの蒲焼き,味付けしたさんまのフライ,その他のさんまを使用した加工水産物(さんまのフライを除く。)」と補正されたものである。
第2 原査定の拒絶の理由(要点)
原査定は、「本願商標は、『さんま』及び『カツ』の文字を書してなるところ、その構成中、『カツ』の文字は、『カツレツ』の略称であって、『カツレツ』を指称する語として親しまれており、また、飲食品業界においては、肉はもとより、魚のカツ(カツレツ)が普通に食されている実情があるから、本願商標は、その構成全体から『さんまを用いたカツ(カツレツ)』ほどの意味合いを無理なく看取させるものであって、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示するにすぎず、自他商品の識別標識とは認識しないというべきである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、上記意味合いに照応する商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第3 当審における証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて職権で証拠調べをし、その結果を請求人に対して同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、令和元年7月2日付け証拠調べ通知書によって通知し、期間を指定してこれに対する意見を求めた。
第4 請求人の意見
請求人は、前記第3の証拠調べ通知書に対し、令和元年8月5日受付の意見書を提出し、要旨以下のように主張した。
証拠調べ通知書において、「さんまカツ」の使用の事実は示されておらず、また、取引者、需要者は、本願商標の構成中の「カツ」につき、「豚カツ」、「ヒレカツ」の「カツ」と想起できても、「カツレツ」の略と認識できないし、本願商標は、全体として特定の意味合いを看取させない一種の造語であって、商品の品質等を直接的かつ具体的に表示するものではない。
第5 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、別掲1に示すとおりの構成態様からなるところ、これよりは、直ちに「さんま」及び「カツ」の文字を縦書き二列で表してなるものと看取、把握できるものであるから、本願商標は、「さんまカツ」の文字を普通に用いられる方法の域を脱しない方法で表示するものといえる。
そして、本願商標の構成中、「カツ」の文字は、「カツレツ」の略称であって、「○○カツ」の文字(○○は、肉の種類、魚介類などの名称)が、本願の指定商品を取り扱う業界において、一般に使用されている実情がある(別掲2及び別掲3参照)。
そうすると、本願商標をその指定商品中、「味付けしたさんまのフライ」に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、本願商標全体から、「さんまを使用したカツレツ」であることを認識するにとどまるとみるのが相当であるから、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標といえる。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
2 請求人の主張について
請求人は、証拠調べ通知書においては「さんまカツ」の使用の事実は示されていない、また、本願商標構成中の「カツ」の部分について、取引者、需要者は「カツレツ」の略とは認識しない、さらに、本願商標は全体として特定の意味合いを看取させない一種の造語であって、商品の品質等を直接的かつ具体的に表示するものではない旨主張する。
しかしながら、商標法第3条第1項第3号は、指定商品の品質、用途を表すものとして取引者、需要者に認識される表示態様の商標につき、そのことのゆえに商標登録を受けることができないとしたものであって、同号を適用する時点において、当該表示態様が、商品の品質、用途を表すものとして現実に使用されていることは必ずしも必要でないものと解すべきである(東京高裁平成13年(行ケ)第207号(平成13年12月26日言渡))とされていることから、たとえ、本願商標の構成文字全体(「さんまカツ」)が、指定商品を取り扱う業界において、商品の品質等を表すものとして実際に使用されていないとしても、別掲2及び別掲3のとおり指定商品を取り扱う分野における実情を勘案すれば、本願商標は、その取引者、需要者に、「さんまを使用したカツレツ」という商品の具体的な品質を認識させるにすぎないものであって、本願商標が自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものとはいえないことは、上記1で述べたとおりであるから、請求人の主張は採用することができない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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