Trademark Appeal Case
結合商標の要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2019−900100(T2019−900100/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第6119118号商標(以下「本件商標」という。)は,「Japanesefarm to table!」の文字を標準文字で表してなり,平成30年5月16日に登録出願,第29類「食肉,豚肉を含む食肉,冷凍された食肉,肉製品,ハム,ソーセージ,ベーコン,カレー・シチュー又はスープのもと」並びに第30類及び第43類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として,同31年1月16日に登録査定,同年2月1日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由に引用する登録第5698109号商標(以下「引用商標」という。)は,「Farm to Table」の文字を標準文字で表してなり,平成25年7月25日に登録出願,第29類「乳製品,肉製品,食肉を主材とする惣菜,加工水産物,食用魚介類を主材とする惣菜,ハムサラダ,ポテトサラダ,マカロニサラダ,その他のサラダ,その他の加工野菜及び加工果実,野菜を主材とする惣菜,豆を主材とする惣菜,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,卵どうふ,乾燥卵,液卵,冷凍卵,茹で卵,卵焼き,スクランブルエッグ,その他の加工卵,茶わん蒸し,オムレツ,スコッチエッグ,その他の加工卵を主材とする惣菜,カレー・シチュー又はスープのもと」並びに第30類及び第31類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同26年8月29日に設定登録されたものである。
3 登録異議の申立ての理由
申立人は,本件商標は,その指定商品及び指定役務中の第29類「全指定商品」(以下「申立商品」という。)について,商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから,その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として甲第1号証を提出した。
本件商標は,「Japanesefarm to table!」と標準文字で表してなるところ,「Japanesefarm to table!」は,一体として判断されるべきものではない。
「farm to table」は,第29類の食品(例えば肉製品等)について,「農場からテーブル」へと,近々一般消費者が感心を持つようになった「食のトレーサビリティ」,「食の安全性の意識の高まりからどの農場から食卓にもたらされたものであるかが調べれば確認できる」ことを意味するものであり,「farm to table」のみが一体として判断されるべきものである。
しかも「Japanese」の部分は,単に「日本の」ないし「日本産」を意味し,顕著性のないものであって,一般消費者から見ても,一般的に切り離された認識されるものであるから,その部分は無視して判断されるべきものである。
してみれば,「farm to table」の部分は,引用商標に類似し,商標法第4条第1項第11号に該当し,出所混同を生じるものであるから,商標登録を受けることができないものである。
なお,「!」の部分は,感嘆詞であるから,顕著性がなく,類似性の判断から無視しうるものである。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標
(ア)本件商標は,上記1のとおり,「Japanesefarm to table」の文字と「!」の記号を結合した構成からなるところ,各構成文字及び記号は同書,同大でまとまりよく一体的に表されているものであって,これから生じる「ジャパニーズファームトゥテーブル」の称呼はやや冗長であるが,よどみなく一連に称呼し得るものである。
そして,本件商標の構成中「Japanese」の文字は,「日本の」の意味を有し,「farm to table」の文字は,別掲によれば,当該文字は,「農場から食卓まで」の意味合いを生ずるものと認められる。
そうすると,本件商標は,その構成文字に相応して,「ジャパニーズファームトゥテーブル」の一連の称呼のみを生じ,「日本の農場から食卓まで」の意味合いを生じるものである。
(イ)申立人は,本件商標の構成中の「farm to table」の文字は,申立商品について「農場からテーブル」へと,消費者が感心を持つようになった「食のトレーサビリティ」,「食の安全性の意識の高まりからどの農場から食卓にもたらされたものであるかが調べれば確認できる」ことを意味するものであり,「farm to table」が一体として判断されて,「Japanese」の部分と「farm to table」の部分とは,切り離されて認識される旨を主張している。
確かに,別掲によれば,「farm to table」の文字は,「ファームトゥテーブル」の称呼を生じ,「農場から食卓まで」の意味合いを生ずるものと認められる。
しかしながら,「farm to table」の文字が「農場から食卓まで」の意を有する語であるとしても,本件商標は,上記(ア)のとおり,その外観は,いずれかの文字が強く看者の印象に残る態様ではなく,同じ書体で同じ大きさによりまとまりよく一体的に表されているものであり,また,その構成中の「Japanesefarm」の文字についても一体の語として把握されるのが自然であって,これを「Japanese」と「farm」とに分離して理解し,「Japanese」の文字部分が捨象されて「farm to table」の文字部分のみに着目されて取引に資されるというべき特段の事情はないというべきである。
そうすると,本件商標は,その構成中の「Japanese」又は「farm to table」のいずれかの文字部分が商品の出所表示標識として強く支配的な印象を与えるものではないから,商標の構成部分の一部だけを他人の商標(引用商標)と比較して商標の類否を判断することは許されないというべきである。
したがって,申立人の上記主張は,採用することができない。
イ 引用商標
引用商標は,上記2のとおり,「Farm to Table」の文字を表してなるところ,その構成文字より「ファームトゥテーブル」の称呼を生じ,上記アと同様に,当該文字は,「農場から食卓まで」の意味合いを生ずるものと認められる。
ウ 本件商標と引用商標との類否
本件商標は,「Japanesefarm to table」の文字と「!」の記号を結合した構成からなるのに対し,引用商標は,「Farm to Table」の文字を表してなるものであるから,外観において,両商標は,「farm(Farm) to table(Table)」の文字部分のつづりを共通にするとしても,語頭部において「Japanese」の文字の有無,語尾部において「!」の記号の有無の明らかな相違により,外観上,相紛れるおそれはない。
そして,称呼においては,本件商標から生じる「ジャパニーズファームトゥテーブル」の称呼と,引用商標から生じる「ファームトゥテーブル」の称呼とは,後半における「ファームトゥテーブル」の音を同じくするとしても,語頭部の「ジャパニーズ」の音の相違により,称呼上,明瞭に聴別できるものである。
そして,観念においては,本件商標からは「日本の農場から食卓まで」の意味合いを生じるのに対し,引用商標は,「農場から食卓まで」の意味合いを生じるから,両商標は,観念上,相紛れるおそれはない。
以上からすれば,本件商標と引用商標とは,外観,称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標であるから,本件商標の申立商品が引用商標の指定商品と同一又は類似のものであるとしても,商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)むすび
以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当するものではなく,その登録異議の申立てに係る指定商品(申立商品)についての登録は,同条第1項の規定に違反してされたものとはいえず,他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから,同法第43条の3第4項の規定により,維持すべきである。
よって,結論のとおり決定する。
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