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Trademark Appeal Case

商標使用の立証

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2018−300837(T2018−300837/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第5770235号商標(以下「本件商標」という。)は、「MALIBUFARM」の欧文字を表してなり、平成27年1月23日に登録出願、第25類「被服」を指定商品として、同年6月12日に設定登録されたものである。

そして、本件審判の請求の登録は、平成30年11月16日にされている。以下、本件審判の請求の登録前3年以内(平成27年11月16日から同30年11月15日)を「要証期間内」という。

第2 請求人の主張

1 請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め、その理由を要旨次の2のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出している。

2 本件商標は、その指定商品について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用をした事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。

3 なお、請求人は、被請求人の答弁に対して何ら弁駁していない。

第3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第15号証(枝番号を含む。)を提出している(以下、証拠については、「乙1」のように表示する。)。

1 商標権者による使用について

本件商標に係る商標権者(以下、単に「商標権者」という。)は、2016年(平成28年)春頃から、本件商標を付したTシャツ、カーディガンを製造し、製造した当該商品を株式会社アダストリア(以下「アダストリア」という。)に納品した。

商標権者は、アダストリアからの発注(乙7)に基づいて製造し、本件商標を付した商品を納品した。

また、商標権者は、アダストリアからの発注(乙11の1及び乙11の2)に基づいて製造し、本件商標を付したカーディガン(白と青色の二色)を納品した。

この「カーディガン」は、アダストリアの部門のBAYFLOW新宿店による2016年(平成28年)10月12日に投稿された「インスタグラム」記事(乙3)に掲載され、本件商標が表示されたネームタグが写っている。

また、平成28年10月8日に発行された雑誌「Fine」の2016年(平成28年)11月号の43ページの左下段に、本件商標が付された「カーディガン」が掲載されている(乙9)。

さらに、当該「カーディガン」は、第三者の中古品販売サイト「Hideki直販店」において、中古品として販売されていた(乙2)。

その後、商標権者は、平成29年11月にアダストリアに対し、非独占的ライセンスを許諾した。

他方、商標権者は、アダストリアに納品した商品の一部については、自社店舗や自社通販サイトにおいても販売を行っている(乙4、乙5及び乙10)。

2 使用権者による使用について

商標権者は、平成29年11月に、本件商標に係る商標権に関し、商標使用許諾契約書に基づき、アダストリアと非独占的ライセンス契約を締結した(乙8)。

そして、アダストリアは、この契約書に基づいて、本件商標を付した「星柄セーター」を製造し、販売を行った(乙12)。

3 当審における審尋に対する被請求人の答弁

当審において、被請求人が提出した乙11の1及び乙11の2からは、商標権者からアダストリアに対して商品が譲渡されたことは確認できないとする旨の審尋に対して、被請求人は発注された商品が譲渡されたことが確認できる取引書類の存在及びBAYFLOW新宿店がアダストリアの一部門であることを主張して、乙14、乙15の1及び乙15の2の証拠を提出した。

第4 当審の判断

1 被請求人の提出に係る証拠によれば、以下の事実が認められる。

(1)商標権者は、アダストリアからの2016年(平成28年)10月5日を発注日とする発注伝票(乙11の1及び乙11の2)に基づいて、2016年(平成28年)10月7日に、アダストリアに対して、マーク番号が「BM1610TM01」、商品名(アイテム名)が「MFXBF FLAGショールCD」の商品(以下「使用商品」という。)を納品した(乙14)。当該発注伝票には、商品名(アイテム名)「MFXBF FLAGショールCD」として、商品のデザイン画及び「MARIBU FARM」の記載がある(乙11の2)。

(2)アダストリアが展開するブランドの一部門であるBAYFLOW新宿店(乙13、乙15の1及び乙15の2)の「インスタグラム」において、2016年(平成28年)10月12日更新の記事に、使用商品の写真が掲載された(乙3)。その記事中には、「MALIBU FARM × BAYFLOW」との見出し及び「MARIBU FARMに別注をかけた・・・カーディガンが入荷しました。」との説明が記載されている(乙3)。当該写真に示された使用商品は、前記(1)の発注伝票に記載された商品のデザイン画とその外観がほぼ一致している。

(3)「Hideki直販店」と題するウェブサイト(乙2、印刷日は2018年(平成30年)12月7日)には、中古品のカーディガンとして使用商品の写真及び使用商品のタグ部分の拡大写真が掲載されており、使用商品のタグには、「MALIBU」及び「FARM」の文字を二段に表示した商標(以下「使用商標」という。)及び「有限会社テンプスコーポレーション」の文字が記載されている。

2 判断

(1)使用商標について

本件商標は、前記第1のとおり、「MALIBUFARM」の文字からなるものであり、使用商標は、「MALIBU」及び「FARM」の文字を二段に表示してなるものである。

そうすると、本件商標と使用商標とは、一段に表示してなるか又は二段に表示してなるかの差異を有するにすぎず、構成する文字は全て共通にするものである。また、当該差異によって、当該商標から生じる称呼及び観念において差異が生じるものではない。

してみれば、本件商標と使用商標とは、社会通念上同一というべきである。

そして、情報の掲載時期は不明であるが、前記1(3)のとおり、「Hideki直販店」のウェブサイトに掲載された使用商品の写真によれば、使用商品のタグには、使用商標が記載されている。

そうすると、時期は特定できないものの、使用商品には、使用商標が付されていたものと認められる。

(2)使用商品について

使用商品は、BAYFLOW新宿店の「インスタグラム」において「カーディガン」と紹介されている。

なお、前記(1)の「Hideki直販店」のウェブサイトにおいても、使用商品は、「カーディガン」と紹介されている。

よって、使用商品は、「カーディガン」であるといえる。

そして、「カーディガン」は、本件商標の指定商品である第25類「被服」の範ちゅうに含まれる商品である。

(3)使用時期について

前記1(1)のとおり、発注伝票に基づき、商標権者が、アダストリアに使用商品を納品、すなわち譲渡したのは、2016年(平成28年)10月7日であるから、要証期間内である。

(4)使用者について

前記1(1)のとおり、商標権者が、アダストリアに使用商品を納品、すなわち譲渡したものである。

また、前記1(3)のとおり、「Hideki直販店」のウェブサイトに掲載された使用商品の写真によれば、使用商品のタグには、商標権者の名称である「有限会社テンプスコーポレーション」の文字及び使用商標が記載されている。

そうすると、使用商標の使用者は、商標権者である。

(5)小括

以上、被請求人の主張及び提出証拠を総合的に判断すれば、商標権者が、少なくとも要証期間内である平成28年10月7日に、本件商標と社会通念上同一と認められる「MALIBU」及び「FARM」の文字を二段に表示してなる使用商標を付した使用商品「カーディガン」をアダストリアに対し譲渡したと認めることができる。

この行為は、商標法第2条第3項第2号にいう「商品・・・に標章を付したものを譲渡・・・する行為」に該当する。

3 まとめ

以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者が、その請求に係る指定商品中「カーディガン」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用をしたことを証明したということができる。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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