Trademark Appeal Case
結合商標の記述性と識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2018−15737(T2018−15737/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「傾聴1日講座」の文字を標準文字で表してなり、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),書籍の制作」を指定役務として、平成29年8月10日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『傾聴1日講座』の文字を標準文字で表してなるところ、本願商標の構成中の各語の意味合いから、全体として、『一日だけ開催される傾聴講座』程の意味合いを容易に理解させるものである。そして、本願指定役務を取り扱う業界において、『傾聴について学び、能力を高めるための講座』が、『傾聴講座』の名称で提供されている事実が確認でき、中には『1日だけ開催される傾聴講座』が提供されている事実も認められる。そうすると、本願商標をその指定役務に使用しても、これに接する取引者・需要者は、『一日だけ開催される傾聴講座に関する役務』であることを理解、認識するにとどまるものであるから、本願商標は、単に役務の質(内容)を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものというべきである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審においてした証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、別掲に示すとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して、令和元年8月1日付け証拠調べ通知書によって通知し、期間を指定してこれに対する意見を求めた。
4 証拠調べ通知に対する請求人の意見の要点
請求人は、上記3の証拠調べ通知に対して、以下のとおり意見を述べた。
(1)「傾聴1日講座」をインターネットで検索しても、請求人又は請求人に関連するウェブサイトしかヒットしない。それは、「傾聴1日講座」という用語が、請求人の造語であるからである。「傾聴1日講座」という標章は、単に役務の質(内容)を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものとはいえない。
(2)「傾聴講座」は、わずかな使用例があるだけであり、普通名称であるとまではいえない。「傾聴」という用語自体、広辞苑等に掲載されていない、新たな概念であり、普通名称ではない。
(3)「1日」という用語が付された標章であっても、単に役務の質(内容)を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものと判断されなかった例が多数ある。
(4)したがって、「傾聴1日講座」は、請求人の造語であって、誰も使用していない標章であるから、商標登録されてしかるべきである。
5 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、上記1のとおり、「傾聴1日講座」の文字からなるところ、その構成中「傾聴」の文字は、「耳を傾けてきくこと。熱心にきくこと。」の意味を、「1日」の文字は、「朝から夕までの間。終日。」等の意味を、「講座」の文字は、「講習会の称」等の意味を有する語(いずれも、株式会社岩波書店「広辞苑第6版」。なお、「1日」は、「いちにち【一日】」の項参照。)として一般に知られているものである。
そして、別掲のとおり、本願の指定役務に関連した分野において、「傾聴」を内容とする講座の名称として「傾聴講座」の文字が使用されており、また、1日だけ開催する講座に「1(一)日講座」の文字が使用されている。
さらに、講座の内容を表した文字と「1(一)日講座」の文字が組み合わされて使用されている実情があり、かつ、「『聴く』を極める2日間 〜傾聴2日講座〜」(別掲1(3))などの使用例もある。
そうすると、本願商標を構成する「傾聴1日講座」の文字は、「傾聴を内容とする1日だけ開催される講座」程の意味合いを容易に想起させるものである。
してみれば、「傾聴1日講座」の文字からなる本願商標を、その指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「傾聴を内容とする1日だけ開催される講座」に関する役務であることを理解するにすぎず、自他役務の識別標識として認識し得ないものであり、かつ、本願商標は、標準文字で表してなるものであるから、その役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というべきである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、審判請求書及び証拠調べ通知に対する意見書において、「『傾聴1日講座』の語は、請求人の造語であり、『1日』という語が付された標章であっても、単に役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものと判断されなかった例が多数ある。」旨主張し、登録例を挙げている。
しかしながら、上記(1)のとおり、本願の指定役務に関連した分野における、「傾聴講座」や「1(一)日講座」の文字の使用例及び講座の内容を表した文字と「1(一)日講座」の文字が組み合わされて使用されている例などからすると、本願商標は、その指定役務に使用しても「傾聴を内容とする1日だけ開催される講座」の意味合いを認識させるにすぎず、役務の出所識別標識としては認識されないものとみるのが相当である。
また、登録出願に係る商標が登録され得るものであるか否かの判断は、商標ごとに個別具体的に検討、判断されるべきものであり、たとえ「1(一)日」という語を含む商標が登録されている例があるとしても、当該登録商標の存在によって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについての判断が左右されるものではない。
したがって、請求人の上記主張は採用できない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、これを登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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